;//////// ;Track1 プロローグ。かにこの自己紹介(御一夜鉄道、レールショップ内) ;//////// ;タイトルコール ;1/前 【かにこ】「蓄音レヱル 〜北開道鉄道(ほっかいどうてつどう)C11形(しーじゅういちけい)蒸気機関車C11 202(-にいまるにい)専用レイルロオド かにこ」 ;以降本編 ;環境音 御一夜鉄道レールショップ内(空調。遠く、蒸気機関車の発車待機音) ;SE 足音(アスファルト、一歩) ;かにこはガッチガチに緊張してます ;1/前(マイクに背中向き) 【かにこ】「ここが、あの――あの有名な御一夜鉄道レールショップ。 鉄道復権の灯火をともした、御一夜鉄道の金看板たる営業拠点」 【かにこ】「………………(ごくり)」 ;1/前(マイクの方に振りかえって) 【かにこ】「マスター。かにこの身だしなみ。 着衣と髪型、あと、顔に変なのがついてたりしないか」 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――大丈夫ならよかった。これでもうかにこは行ける。 ……行ける…………行ける……………………んっ」 【かにこ】「行けるけど、マスター。できれば一緒に。 (呼吸音)――うん」 ;3/右(二人横並びなので、マイクと同じ視線方向) 【かにこ】「(息を深く吸って)――行く。せーの」 ;SE ドア開 【かにこ】「失礼します。北開道鉄道から来ました、C11 202専用レイルロオド。かにこです――っ!!?」 【かにこ】「あ――まさか雛衣(ひない)ポーレット社長に出迎えていただけるなんて。 恐縮です。(呼吸音)――はい、もちろん。お名前もお姿も。――もちろん」 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――はい。かにこは尊敬してます。その……御一夜鉄道さんが為されたこと。鉄道による地域復興の……えと」 【かにこ】「ナインスターズ計画――成功させて、分断されていた鉄路をつなぎ直した実績。凄いと思って……その……」 【かにこ】「えと! 今回、出張でに九洲来ることができたので、マスターと一緒に。ついに念願の御一夜鉄道に来れて――すごく、嬉しくて――」 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――はい。聞いてました。事前に。ハチロクさんも視察でタイミング合わないの。。 それはもちろん残念――え?――、(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――電話……電話がつながっている――ハチロクさん――ハチロクさんと!!?」 ;3/右(マイク向き) 【かにこ】「どどどどどどどどどどうしようマスター、かにこ、まさかハチロクさんと電話でおしゃべりできるだなんて夢にも全然予想だに全くこれっぽっちも――(呼吸音)――あ、うん。おまたせしちゃダメ――っ!」 ;3/右/マイクに背中向き(電話対応。緊張) 【かにこ】「あ――あの、お電話変わりました。C11 202のかにこです。(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――はい。ハチロクさんとお話できて、かにこ――かにこ――その――(感動で言葉がでてこない)」 【かにこ】「……あ、ありがとうございます。なら――ならかにこは。かにこはハチロクさんに、北開道の鉄路復活のためのヒントを、ええと、なにか一つでもと――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――え?」 【かにこ】「『蓄音レヱル』――読んでます、もちろん。あの新聞記事。レイルロオドたちが、それぞれの地元だったり、ゆかりのがあったりな鉄道の沿線を、音風景から紹介していく、面白い記事」 【かにこ】「かにこもいつかは北開道鉄道の沿線を――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――え? 今すぐ? かにこがですか? 御一夜鉄道、湯医線(ゆのいせん)沿線の紹介を――蓄音レヱルで!?」 ;3/右 驚いて、視線をマスター(マイク)に向けながら電話継続 【かにこ】「その、ええと――(呼吸音)――あ、いいえ。ごめんなさい。あの、かにこびっくりしすぎて。 (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――嬉しいお話です。すごく。でも、あの、どうしてかにこに……」 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)――はい。(呼吸音)(呼吸音)――はい。 湯医線の湯医方面は、『自然や歴史遺産を活かした観光』でもりあがっている――ああっ!!!」 ;電話をほうって思わずマスターに →電話にあわてて向き直る 【かにこ】「わかった気がする。ね、マスター。北開道、自然や歴史遺産なら売るほどあるから――あっ!? あの、失礼しましたハチロクさん。かにこ――マスターがOKだったら、あ、OKだそうですので、このお話、ぜひ引き受けさせてほしいです」 【かにこ】「そうするためには……(呼吸音)(呼吸音)――はい――(呼吸音)――はい。わかりました」 【かにこ】「かにこは全力でがんばります。きっと、結果も出します。だから。だから、ええと――だからいつか、かにこはいつか」 【かにこ】「ハチロクさんといつか直接お会いして、またお話をききたいです」 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――あっ! ありがとうございます。そのときを楽しみにしています」 【かにこ】「お話、本当にありがとうございました――(呼吸音)――はい。その……それでは」 ;SE 電話切る ;3/右 ‘っ!”から →;1/前 【かにこ】「(興奮から、しばし放心している呼吸音。10秒ほど)――っ! マスター! マスターマスターマスターマスター!」 ;1/前 【かにこ】「ハチロクさんに教わった。『蓄音レヱル』のための、音探しのやり方を。 だからかにこはうまくやる。やらなくちゃいけない。北開道の鉄路のためにも、ハチロクさんに恩返しするためにも。かにこ自身のためにも」 【かにこ】「マスター、お願い。かにこと一緒に――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――うん」 【かにこ】「じゃあハチロクさんから教わったとおりに準備を。 マスターが少しだけ屈んでくれたら――うん。そんな感じ」 【かにこ】「そのままいて。最初はマスターの耳に、ヘッドホンかイヤホンをつけるところからだから」 ;SE ヘッドホンイヤホン装着(両耳同時) 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――こんな感じでいい? なら、テストを」 ;3/右 【かにこ】「右耳はどう?」 ;7/左 【かにこ】「左耳は? 普段きいてるかにこの声より、よく聞こえてる?」 【かにこ】「よさそうだったら、最後の確認。 ええと確か――」 ;7/左→;1/前→;3/右 【かにこ】「ぐるーーーーーーーーーーってまわりこんで。それから」 ;3/右(ふきかけ→囁き) 【かにこ】「(ふーーーーーーーーーーーーーーーーーっ) 吹きかけて。それから、ちいさな声もちゃんと聞こえるかテストする」 ;1/前 【かにこ】「(呼吸音)――そか。うん。ちゃんと聞こえてるなら試験終了。それじゃあ――と」 ;1/前(マイクと同じ視線) 【かにこ】「えと、その――雛衣社長。ハチロクさんと電話を――ええと、今回のお話を繋いでくださってありがとうございました」 【かにこ】「御一夜鉄道湯医線沿線の魅力を、かにこは必ず――その、たくさん感じて、記事になるようにお伝えして――そのことで、ええと、ご恩返し――できたらいいなって……」 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――はい。ありがとうございます。でも――」 ;かにこ、反射的に殻にこもってしまう。ので、半ば以上ひとりごと 【かにこ】「でもかにこ……リラックスして仕事するなんて、無理。そんなに優秀なレイルロオドなら、北開道をこんな状況になんて……最初から――っ!!?」 【かにこ】「あ、その――すみません、お言葉を返すつもりじゃないんです。そのっ――だから、ええと――っ!! 頑張ります。頑張ってリラックスして、かにこは湯医線沿線、その、リラックスして楽しみます」 ;自分の失言に凹んでいるのを隠そうとするが隠しきれてない 【かにこ】「それでは、そのっ――失礼します」 ;環境音 F.O. ;//////// ;Track2 二色(にしき)の梨狩(梨狩りの音。梨の皮むき。梨のウィスキー漬けづくり) ;//////// ;1/前(うつむき、落ち込み) 【かにこ】「やらかした…………やらかした…………せっかくの雛衣社長の励ましを、かにこ……」 ;環境音 梨狩り F.I. ;1/前 【かにこ】「素直に受け取れないだけじゃなく……あんな――まるで、反論みたいに。 かにこはただ……ただ、自分の決意を……伝えたかっただけ、なのに……(泣きそうな数呼吸)――あ」 ;1/前 (顔をあげて) 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)……っ……(呼吸音)――そう、かな。 かにこに悪気がなかったの、雛衣社長もわかってくれてれば――(頭を強く左右にふるニュアンス)――ううん、違う」 【かにこ】「たら、ればはダメ。甘い期待は必ず裏切られるもの。マスターもかにこもそのことならば、北の鉄路から何度も――イヤというほど思い知らされている」 【かにこ】「だからマスター。頑張ろう。素晴らしい音を必ず見つけて、紹介して。沿線の魅力を伝えて、定期外客を増加させて。 ――結果を出せば、そうしたらきっと、雛衣社長にも認めてもらえる――もらえなくても、失礼のお詫びをいくらかは、必ずできるはずだから」 【かにこ】「……うん。もう大丈夫。切り替える――(深呼吸)――切り替わった」 【かにこ】「で、音探しの最初の候補地は……あ、もうついてたんだ。かにこ、いくらなんでも落ち込みすぎてたね。周り、全然みえてなかった……」 ;環境音 Vol↑ 【かにこ】「(あたりを慎重に観察する呼吸音とニュアンス。30秒ほど)」 【かにこ】「……梨園(なしえん)。梨狩り場(ば)――梨は、北海道でも余一(よいち)とかの特産」 ;SE 足音一歩 ;北海道のことを思い出して、だんだん凹みから復活していく ;7/左 【かにこ】「ここでしっかり勉強すれば、ハチロクさんの教え通り、北開道の観光進行――観光客増――鉄道需要の増加にもきっと繋げられる」 【かにこ】「……なら、かにこはやれる。大丈夫。マスター、行こう」 ;SE 足音一歩 ;1/前(マイクに背中向き) 【かにこ】「すみません。梨狩りをさせてもらいたいんですけど」 ;環境音、一度F.O. ;SE 足音 数歩 ;3/右 【かにこ】「あ、マスター。その梨取るの? だったら、待って。 念の為、さっきもらった『梨狩りガイド』――ぺーパー、もう一度確認しよう」 ;SE ペーパーひろげる ;3/右 【かにこ】「えと……(呼吸音)(呼吸音)――ああ、すごくいい、これ―― (呼吸音)(呼吸音)――農園の人にさっき説明してもらったこと、絵が加わって、さらにわかりやすくなってる」 【かにこ】「いけそう、マスター? (呼吸音)――なら、かにこは最初は見てるから……」 ;SE 梨狩りの一連(葉っぱガサガサ→根本ぷち→ニッパーでパチリ) 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 ;3/右 (嬉しい) 【かにこ】「ああ」 ;環境音 梨狩り F.I 【かにこ】「きれいに取れた。さすがマスター。 見ていたかにこも嬉しかったし、ホッとした」 【かにこ】「5個までは基本料金と教えてもらったから…… マスターがいまのとあと2個を取って、かにこも2個とかで――(呼吸音)(呼吸音)――あ」 【かにこ】「なら、嬉しい。マスターが今の1個だけでいいんなら。 かにこ、マスターほど優秀じゃないから、失敗、怖くて…… 4回もチャンスあると本当にたすかる。――ありがとう、マスター」 【かにこ】「……もいだのはマスターに食べてもらうから、できるだけ美味しそうなやつを……」 ;SE 探してガサガサ(継続) 【かにこ】「ん……(呼吸音)(呼吸音)――っと――(呼吸音)(呼吸音)――えと、ペーパーに確か……」 【かにこ】「あった。『ずっしりと重くて。縦に間延びしてない、ヨコに張り詰めているものに甘みが溜まってる』――(呼吸音)(呼吸音)――あ」 ;SE stop 【かにこ】「マスター、これがよさそうかとかにこは思うんだけど……どう?」 ;3/右(マスターが顔をよせてくるので、耳元でささやく形に) 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――うん」 ;3/右 【かにこ】「なら、もいでみる。ペーパーみながらで、多分やれる。 (深呼吸)――まずは実を手にとって、枝を軸にしてひねるように――」 ;SE なしもげる 【かにこ】「もげた。もげたら、実にくっついている紐みたいな部分。なり紐を、できるだけ実に近いところ、根本の方からニッパーで――」 ;SE ニッパーでパチン 【かにこ】「きれいにできた。なりひもを短くすれば、そこで他の実を傷つけちゃう危険性を減らせる。だから、安心してかごにいれていい」 ;SE なしをかごに 【かにこ】「――うん。いまので少しわかった気がする。あと3つ。感覚を忘れないうちに、もいじゃう」 ;SE 梨もぎ一連 ;3/右 【かにこ】「っ……(上記、梨もぎの一連をする、集中した呼吸音とニュアンス)」 ;SE 梨もぎ一連 ;1/前 【かにこ】「っと――(呼吸音)――こんどは――(梨もぎ)」 ;7/左 【かにこ】「最後のは……(呼吸音)――あ、これにしよう。んと――(梨もぎ)」 【かにこ】「――っと、ふう。できた。そしたら――(呼吸音)――あ、そうか。終了報告と会計。いこう」 ;SE 足音 ;SE 環境音 F.O ;3/右 (なし農家さんと話すので、マイクと同じ視線) 【かにこ】「ありがとうございました。……梨をもぐ。その……それだけなのに、えと……本当に面白くて」 【かにこ】「理由も少しわかった気が……。(呼吸音)――えっ、あ――それは、えと―― 『なにをどうしてどうすればいいのか』と『その理由』とを、一番最初に丁寧に教えてもらえて――それで、えと」 ;$=SE ペーパーひろげる 【かにこ】「このペーパーもあったから。だから、美味しそうな梨を探すの……にょ、あてずっぽうにならないで、宝探しみたいになって」 【かにこ】「(嬉しさを反芻する柔らかな吐息)――何をいま、なんのためにやってるのか。どうすればそれができるのか。わかってやれて――成功できて。だから、かにこは楽しかった……です」 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ああ、このペーパーは御一夜鉄道のデザイナーさんが……(呼吸音)――なるほど」 ;うつむいて独り言 "うん"で顔をあげる 【かにこ】「ハチロクさんが伝えてくれたかったこと、多分かにこはうけとれた。 この知識と経験はかならず、北開道の鉄路復興につながっていく――――うん!」 【かにこ】「本当にありがとうございました。あの、お礼になるかわからないんですけど、その……(ためらう数呼吸)」 【かにこ】「ええと、ウィスキーってお好きですか? (呼吸音)(呼吸音)――ならよかった。ぜひ、試していただきたい梨の食べ方があるんです。北開道の余一では結構メジャーな楽しみ方なんですけど……」 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――じゃあ、やってみせます。その試食用の梨と器をお借りしても――(呼吸音)――はい、ありがとうございます」 ;SE ナイフで梨の皮むき 【かにこ】「まずは梨を――(呼吸音)(呼吸音) こうして、しょりしょり――(呼吸音)(呼吸音) かわむき――(呼吸音)――(呼吸音)――して―― かわむき――(呼吸音)――でき、たら――(呼吸音)(呼吸音)」 ;梨を8つにカット 【かにこ】「これは大きな梨だから――ん――(呼吸音)(呼吸音) ふたつ――(呼吸音)(呼吸音)―― で――(呼吸音)――よっつ――(呼吸音)―― さらに――(呼吸音)――ふたつずつ――(呼吸音)――合計――(呼吸音)――8つに――カットして」 【かにこ】「カットできたら、器の中に寝かせて並べて――で。 これ、ご挨拶の土産用にもってきたウイスキーのミニボトルなんですけど――」 ;SE ウィスキーのキャップあける 【かにこ】「いっちゃってもいいですか? (呼吸音)(呼吸音)――はい。なら」 ;SE 器の中の梨にウィスキーを注ぐ 【かにこ】「ひたひたに――(呼吸音)――なるまで――(呼吸音)――おしみなく――(呼吸音)――ウィスキーを(呼吸音)――そそ、いで――っ!」 【かにこ】「できた。その……梨のウィスキ−漬け、です。漬け込み具合はお好みで。 甘いのがお好きなら、砂糖とシナモンをいれて煮込んで、コンポートにするのも」 【かにこ】「――はい。喜んでもらえたなら。お礼になっているのなら、かにこも本当に嬉しいです。 今日はありがとうございました」 ;足音、長め 【かにこ】「(呼吸音)*8 ――ふうっ……ああ……えと、マスター、耳を貸して」 ;3/右 【かにこ】「今は、かにこ。上手に――ちゃんと振る舞えてたかと思うんだけど――(呼吸音)(呼吸音)」 ;1/前 【かにこ】「! それならよかった。嬉しい。この調子で次も、うん」 ;1/前(至近) 【かにこ】「マスター。かにこを支えてね」 ;環境音 F.O. ;//////// ;Track3 ソーセージ作り体験(専用の機械をつかったソーセージづめの音と、コンプレッサーを使った真空パッケージングの音) ;//////// ;このシーン、マスターと工房長、ふたりの話し相手がいます。かにこ、工房長相手、最初はすごく緊張してます;。 ;SE 水ザブザブ。手洗い ;7/左(マイクと同視線) 【かにこ】「ん……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 ;SE 水栓締める。水stop 【かにこ】「手、洗い終わりました。工房長さん。その……改めて、今日はソーセージ作り体験。よろしくお願いします」 ;SE 環境音 ソーセージつくる工房 【かにこ】「それにしても……」 ;きょろきょろあたりをみまわしてから→;1/前(マイクに背中) ;$=SE 一歩足音(室内) 【かにこ】「(くんくん)(くんくん)――$――ね、マスターここ……工房内って、すごくいい香りする。 煙っぽくて、懐かしい感じの香り――」 【かにこ】「あ。そうか。ソーセージもベーコンも燻製する……煙でいぶすから――ひえっ!?」 ;1/前 (振り返ってマイク向き。 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)――あ、その――燻製、桜のチップを使うんですね。えと、だから、こんなに素敵な香りが……」 【かにこ】「すみません。無駄話しちゃって。えと――体験、よろしくお願いします」 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ああ……はい。 豚のもも肉を小さく切って、味付けして、ミンチにして、撹拌したものが、ソーセージの中身になる」 【かにこ】「ます体験するのは、その中身を袋に詰めていく作業――わかりました」 ;SE 足音、一歩 ;7/左 【かにこ】「これがその機械。(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ここの筒の中にソーセージの元がつまってて、ハンドルを回すとそれがにゅるにゅる、筒の出口から出てくる。だから出口に、この細長い袋……これ、えと……材料は……」 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)――セルロース。紙とかを使った合成材料の人工ケーシング……。(呼吸音)――あ、燻製の煙が通るんですね、これ。なるほどです」 【かにこ】「あ、はい。その、それじゃあ体験、お願いします。 出口にしっかりケーシングをくっつけて、このハンドルをまわしていく……と――」 ;SE 腸詰め音(みちみちいうヤツ) 【かにこ】「((呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――わ、わ!? ――あ、このくらいでいいんですね。はい」 ;SE stop 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)――詰めたあとの重さの目安は450から60グラム……燻製したときに10%くらい目方が減って、それがだいたい400グラムくらいのソーセージになる。なるほど」 【かにこ】「いまかにこが詰めたヤツは……(呼吸音)(呼吸音)――あ、ダメ――550グラムもある。失敗、ごめんなさい――え?」 【かにこ】「少しもだめじゃない……それは――(呼吸音)(呼吸音)――あ」 ;SE スプーンで中の肉を新しいケーシングの中にうつす 【かにこ】「……そうやってスプーンで新しいケーシングに余分な肉をうつせば、ちょうどいい重さに…… (呼吸音)(呼吸音)――スプーンはいつ、どのように使ってもいい…… (安堵の行き)……教えてくれてありがとうございます。かにこ、ぐっと気が楽になりました」 【かにこ】「あ、はい。この筒の中の肉を全部つかいきったら、適正な分量のソーセージ詰めが、あと5本分できるんですね。 了解です。では、かにこはマスターと、全部のソーセージ詰めをちゃんとできるようがんばります」 ;SE 足音、遠ざかっていく ;7/左(マイク向き) 【かにこ】「(安堵の息)……ふぅ、緊張した」 【かにこ】「じゃ、マスター。一緒に、慎重に、丁寧に。ミスの無いように――(大きく息を吸う)」 ;SE ソーセージ詰め 【かにこ】「ん……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――っと、このくらいかな」 ;SE 詰め 【かにこ】「同じくらいに……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――あ、これはもうちょっとか――(呼吸音)――ん……うん」 ;SE 詰め 【かにこ】「ふふふ、かにこ、レイルロオドだから――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ん。こういう作業は、得意な分野」 ;SE 詰め 【かにこ】「説明、わかりやすかったから――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――うふふっ、反復。かなりコツをつかめてきたし」 ;SE 詰め 【かにこ】「ラスト一本も完璧に――(呼吸音)(呼吸音)――っ!? あれ? あれ? なんで!? こんな中途半端なところで詰める中身がなくなっちゃった」 ;SE 足音 戻ってくる ;7/左(マイクと反対向き) 【かにこ】「あ、あの、すみません。肉が途中で――(呼吸音)(呼吸音)――え? 解決方法はもう教わって、る……? (呼吸音)――けど、実際にもうソーセージの中身が……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――あ! ああ、そうか!!」 【かにこ】「『スプーンはいつ、どうつかってもいい』だから――マスター、肉を押し出す筒の中って、もしかして――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ああ、やっぱり」 【かにこ】「まだ肉、たくさんこびりついてる。だから、これをスプーンで」 ;SE 筒の中の肉をスプーンでこそげとる 【かにこ】「こうして――(呼吸音)(呼吸音)――丁寧に――(呼吸音)(呼吸音)――こそいで――(呼吸音)(呼吸音)――いって――(呼吸音)(呼吸音)――ん」 ; 【かにこ】「で、中途半端なケーシングの中に――よっ……こそいだ、肉を――(呼吸音)(呼吸音)――つめて、いけ、ば――(呼吸音)(呼吸音)――――あ。多分、これで――」 【かにこ】「455グラム、452グラム、454グラム、458グラム、450グラム――464グラム……っとと、最後のだけ逆に多くなりすぎちゃった」 【かにこ】「ここからスプーン一杯だけ、一番すくなかったやつにわければ――(呼吸音)――うん。455グラムと459グラム。 よかった……(安堵の息)――かにこは、ミッションを達成――っ!? あ、まだ全然おわりじゃない。はい」 【かにこ】「ええと、次は――(呼吸音)(呼吸音)――いま使った金属の筒を水洗い――そうしないと、固まってこびりついてしまう――! わかりました。すぐにやります」 ;1/前 【かにこ】「マスター。筒を――ん――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――っと、おろして――」 ;SE 水道水 ;3/右(マイクと同じ向き) 【かにこ】「このブラシを使ってですね。はい――ん……」 ;SE 金属筒洗い 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――んしょ――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――っと―― (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――あ、ここ、まだ――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ん……」 【かにこ】「内側はこれでよさそう。あとは外側も――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――っ――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――うん」 ;3/右 (首を捻ってマイクと逆側向いて) 【かにこ】「できました。洗えました。(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――あ、はい。この筒はこのままここで乾かして…… (呼吸音)(呼吸音)――コンプレッサー、空気圧縮機ですか? はい。運びます」 ;コンプレッサー運ぶ ;1/前 【かにこ】「マスター、また。せーので……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――っと――(呼吸音)(呼吸音)――うん」 【かにこ】「あ、ホースのつなぎ方はわかります。お仕事でも使ってますから。こう、ひっぱって――」 ;SE 圧縮空気ブシュっ→ホースつなぎ 【かにこ】「セットできたと思います。(呼吸音)(呼吸音)――あ、はい。今度はこの機械の前に移動ですね。んしょ」 ;SE 足音数歩 ;7/左(マイクと同じ視線) 【かにこ】「準備できました。えと、その――この機械は――(呼吸音)(呼吸音)――はい、パッケージ機」 【かにこ】「あ……(感心の吐息)……ケーシング内の空気を抜いて真空にして、同時にケーシングに金属の蓋を巻きつけてぴったり閉じる。……なんか、凄そう」 【かにこ】「やり方は……(呼吸音)(呼吸音)――はい、ここにケーシングをセットして――で――こっちを抑えて……(呼吸音)(呼吸音)あ、手はこうですか――で――(呼吸音)――このレバーを」 ;SE 真空パッケージ(シュポン!) ;7/左(マイク向き) 【かにこ】「!!! マスター、これ、できてる! パッケージング! 機械、すごい! あと音! しゅぽんって! かにこ、今の音好き」 ;7/左(マイクと同視線) 【かにこ】「あ、はい。――(呼吸音)――残りの5本も今の調子で。わかりました。やれます。やりたいです」 ;パッケージ機の音を聞かせるためにかにこ無言で息とニュアンスになりますが、5回繰り返す間に、どんどん嬉しく興奮していっていただけたら幸いです ;SE パッケージ機セット 【かにこ】「(呼吸音)*4」 ;SE 真空パッケージ ;SE パッケージ機セット 【かにこ】「(呼吸音)*4」 ;SE 真空パッケージ ;SE パッケージ機セット 【かにこ】「(呼吸音)*4」 ;SE 真空パッケージ ;SE パッケージ機セット 【かにこ】「(呼吸音)*4」 ;SE 真空パッケージ ;SE パッケージ機セット 【かにこ】「(呼吸音)*4」 ;SE 真空パッケージ ;左(マイク向き) 【かにこ】「っ!!! できた! おわった! 全部綺麗にパッケージングできた!」 【かにこ】「マスター! かにこ! かにこ、これ、好き!!」 ;環境音 F.O. ;//////// ;Track4 海軍秘密基地見学(魚雷のスクリューを回す音。コウモリの飛ぶ音、鳴き声) ;//////// ;SE 洞窟内の足音。ゆっくり慎重。十歩ほどで止まる。 ;5/後 (マスターの後ろについて歩いてる) 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ここが――地下魚雷調整場……」 ;環境音 洞窟内 ;足音 継続 【かにこ】「最初聞いたときは信じられなかった。こんなに深い山の中に、まさか海軍の秘密基地があったなんて。 その遺構が残ってるだなんて」 ;5/後 (あたりをぐるりと見回しながら) 【かにこ】「しかも、ただ残ってるだけじゃない――こんなにも綺麗な状態で。この区画とか、床も壁もコンクリートで固めてあるし。 ……いったい何に使ってたんだろ」 ;SE stop マスターが振り返るので相対位置変化 ;1/前 【かにこ】「(呼吸音)小(呼吸音)(呼吸音)――あ、そうだった。入るときにもらったイラストガイド。んと……」 ;SE マップ広げ ;3/右(近い、マイクと同視線) 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)――そか、なるほど。弾薬庫――って、あ。見て、マスター。これ」 【かにこ】「すぐそこに魚雷調整室っていうのかある。――! 実物大の魚雷の模型がおいてあって、自由に触っていいって。 見てみたいかも」 ;SE 足音 ;1/前 【かにこ】「ここを抜けてすぐのところに……(呼吸音)――あった」 ;SE 足音stop ;3/右(同視線) 【かにこ】「(感心の息→見惚れる息とニュアンス、20秒ほど)」 【かにこ】「……これが魚雷。模型ってもっと――こう、ちゃちいものかと思ってたけど――すごい。本物みたい」 【かにこ】「とっても大きい。触っていいって書いてあったけど――(呼吸音)(呼吸音)――あ、これ。ここ、スクリュー回りそう」 ;SE スクリューまわし 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――えへへ、結構軽くうごくんだ。あ、けど推進機関だしあたりまえか」 【かにこ】「案内板もある……ええと――これは1931年――大詔(たいしょう)21年に正式採用された、『九一式魚雷』の実物大模型で―― (呼吸音)(呼吸音)――へぇ、ジャイロスコープが内蔵されててそれに連動した安定舵……あんていだ、って読むのかな? あんていかじ? とにかく、方向をコントロールするものだよね――あ、これか」 【かにこ】「このカジが、ジャイロスコープ――角度センサーと連動して、水中での姿勢を安定させる働きをしてたんだ。……(呼吸音)(呼吸音)――いわれてみたらたしかに、飛行機から投下されて海の中に突っ込んで――そこから水平に走ってく、とか……姿勢制御、ものすごい難しそう」 【かにこ】「……(呼吸音)(呼吸音)――ああ、うん。かにこたちレイルロオドのどこかにも、そういう時代に研鑽された技術とかその応用物とかが、きっと使われているのかも」 【かにこ】「(しばらく考え込む呼吸)」 【かにこ】「……“大戦”って――戦争って。かにこは新造配備されたのが終戦の4年前で、その4年間も、終戦後もしばらくは、本当に大変だっったから……忘れたいもの、みたいにずっと思ってたけど」 【かにこ】「ここに来てみて。戦争が残したものをみて。……平和と戦争って地続きなんだなぁ、って、少し思った。 すごく遠くにある、断絶されたものじゃなくって――地続きに――そこに行く気になっちゃったなら、いつでもいけるようなものって」 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――うん。そう思えただけでもなんか、ここに来た意味があった気がする。 北開道の観光振興っていう面でも……戦争遺構。もちろんたくさん残ってるし――こういう、なんだっけ、イラストガイドに書いてあった……」 ;SE ガイド広げ、紙ペラ ;3/右(接近) 【かにこ】「えっと――(呼吸音)――ああ、『フィールドミュージアム』。地域一帯の遺構をまるごと展示物と扱って管理・整備して。統括する事務所をおいて。このペーパーとか展示板みたいにわかりやすいガイドを用意して。――このやりかたって、ものすごく、北開道にマッチしそうに思う」 【かにこ】「(呼吸音)――ふふっ、マスターもそう思ってくれるなら嬉しい。 なら、他のところも勉強のため――あ。見て、ここ。『この先未整備。立入禁止』だって」 【かにこ】「『未整備』……気になる。 だって、未整備の状態がどんななのかを見ておけば、博物館化――ひいては観光地化のために、どんな整備をしたかが、逆にわかるかもって思うから」 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)――うん。なら行ってみよう、マスター。立ち入り禁止区域の外から、先がどうなってるのかを覗くだけ。それならなんの問題もないし」 ;SE 足音(継続) ;5/後 【かにこ】「…………この辺はレンガ造りなんだ。ふしぎ。自然の洞窟を活かして軍事施設にしたって書いてあったけど――コンクリづくりのところと、レンガ造りのところ、どうして作り分けたんだろう」 ;$=SE 石壁を指で擦る 【かにこ】「あ……この区画は――$――(呼吸音)――完全に岩だ。これ、岩をくり抜いて整備してある……か、天然の状態でこのままなのか。 もしかしたら、順次整備をしていく予定だったのが、資材とかの関係で、未着手のまま残った……とかなのかなぁ――っと。ここだ」 ;SE stop ;3/右(同視線) 【かにこ】「ロープ張ってある。 ……先は、まっくら。そか、未整備だから電灯もなんにもついてないのか」 【かにこ】「ライトで照らすくらいはいいよね。ん……っと」 ;SE ライトのスイッチ、カチっ ;環境音 コウモリの鳴き声と羽音 【かにこ】「ひっ!!!?」 【かにこ】「ふあっ! コウモリっ!? ひゃっ、きゃっ!? すごいたくさん――ひゃうっ!!!?」 【かにこ】「(一分ほど、目をつむって息を詰めてひたすらコウモリが頭上を飛び去っていくのに耐える呼吸とニュアンス。可能なら途中で一回、コウモリにほっぺをかすめられてビビっていただけるとさらにうれしいです)」 ;環境音 コウモリ終わり。クロスフェードでもとの洞窟環境音に 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――えっ? あ――あ……ほんとだ、コウモリ……もう全部どっかに移動しちゃってる……」 【かにこ】「(安堵のため息)」 ;3/右(マイク向き / 緊張から完全に弛緩して、北海道弁がでちゃう) 【かにこ】「ああ……怖かった、驚いた。コウモリくらい、そりゃ札幌市にでもいるけどさ。したっけこんなにたくさん一気になんて、いままで見たことあるわけないっしょ」 ;$=SE ポケットからアルコールティッシュ出して、2、3枚ひきぬく 【かにこ】「っていうかほっぺ、コウモリにかすめて飛ばれたし。なまらキモチわるかった〜。あ。ってか、マスター、かにこのほっぺ、これ。んしょっ――$――アルコールティッシュで吹いて、ね?」 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――うー、しゃっこい。でもスッキリした。ありがと、マスター」 【かにこ】「っていうかこれ……コウモリはちょっとウケが悪そうだけど。フィールドミュージアムと、動物ふれあい体験みたいなのって、ものすごく愛称良さそうかもって、かにこ、思った。特別感アップするし」 【かにこ】「……今日の体験。全部がすごく勉強になってる。――嬉しい」 【かにこ】「ね、マスター。次のところは――(呼吸音)――って、あ、そうか。もうこんな時間。 そろそろ移動を開始しないと、真っ暗な中でテント張ることになっちゃうって、注意されてたっけ」 【かにこ】「道房山(みちふさやま)キャンプ場――ここから結構あるみたいだから、早めに移動が安全だよね。うん」 【かにこ】「それじゃマスター。移動しよう」 ;環境音 F.O. ;//////// ;Track5 80メートルの大噴水(ダム湖の音。80メートルの大噴水。突如そこに重なってくる謎のハワイアンBGM) ;//////// ;7/左 【かにこ】「ふぁあ……本当に遠い」 ;SE 車のドア開け→閉め→足音数歩 ;1/前(マイクに背中) 【かにこ】「体の各部がなんか縮こまってる気がする。んー――(伸びをする息とニュアンス)――ん。 自動運転のエアクラ自動車だっていっても、助手席は別に楽にもならないし」 ;1/前(マイク向き) 【かにこ】「動かないでいるだけっていうのも結構しんどいんだね。 かにこ、こんなに長い時間車にのってたのってはじめてかもだから…… ドライブインっていうの? ちょうどいいとこにあって助かった」 【かにこ】「って、いうか――」 ;SE 足あと数歩 ;9/前遠(マイクに背中) 【かにこ】「ここ、景色すごいい。湖――ダム湖? ……ああ、あれか。あそこに見えてるのが、道房(みちふさ)ダム――あ」 ;9/前遠(振り返って) 【かにこ】「マスター、湖の真ん中、なんか浮島みたいなのがある。長い階段でつながってて……ドライブインの中からいけそうかも。 ……運転の休憩がてらいってみない? かにこ、興味出てきた」 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)――うん。それじゃ、いってみよう、。。 ドライブインの中がどんなかも、気になるし」 ;SE 足音 ;SE ドア開き→室内への足音→ドア閉 ;3/右 【かにこ】「っと――」 ;きょろきょろ 【かにこ】「へぇえ……こういう風になってるんだ。レストランに、お土産屋さん。手作りっぽい木工品とか少し気になる」 【かにこ】「けどいまは――(呼吸音)(呼吸音)――ああ」 【かにこ】「マスター、あのガラス戸の向こう、階段。外から見えてたヤツ、きっと。行ってみよう」 ;SE ドア開き→足音 ;1/前(背中向き) 【かにこ】「ん? なにこれ」 ;SE ドア閉め ;3/右 【かにこ】「マスター、コレ……噴水操作盤だって。 ええと……(呼吸音)(呼吸音)――へぇ――(呼吸音)――へえ! これに500円いれると10分間、80メートルの大噴水を見れるって書いてある」 【かにこ】「80メートル……札歩路(さっぽろ)で一番凄い噴水が、モエモエ沼公園の25メートル噴水でしょ? あの噴水でも凄い迫力なのに、それの三倍以上って……」 【かにこ】「……見てみたい。だけじゃなくって、音。蓄音レヱルの音探しにも良さそうかも。 そんな大噴水の音、聞いたことある人の方が珍しいだろうって思うし」 ;$=SE コイン投入音 【かにこ】「だから、マス―― & ――あ、ありがとう」 【かにこ】「って、のんびりしてる場合じゃないかも。 お金いれたってことは、噴水が作動するってことだし、急いであの浮島――浮動桟橋の端っこまでいかないと!」 ;SE 駆け出す足音 ;SE 環境音 F.O. ;1/前(背中向き、大急ぎの移動を終えて、はぁはぁ) 【かにこ】「はぁっ、はぁっ、はあっ、はあっ」 ;環境音(湖上) F.I, ;3/右 【かにこ】「よかった、噴水まだはじまってない。 っていうか――この浮き桟橋まで、噴水操作盤から遠すぎる! 階段、200メートルくらいあった気がする」 【かにこ】「けど――」 【かにこ】「(周囲の景観を楽しみだんだん落ち着き、嬉しくなってくる呼吸音。30秒ほど)」 【かにこ】「――湖を渡る風がきもちいい。ぐるりと山に囲まれて、あたりの景色も、あっ!」 ;噴水開始、ちょろちょろ→徐々に大きく 【かにこ】「マスター! 噴水はじまった! ……けど、けっこうなんか――(呼吸音)――わ! わっ!? うわあっ!?」 ;噴水、どんどん高く 【かにこ】「すごっ――これ――もうモエモエ沼の噴水より――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)ひあっ!!??」 ;噴水最大級 【かにこ】「すごいすごいすごい! あはは! テレビ塔くらい高くない!? ド迫りょ――わぷっ!? うふふふふっ、水! しぶきもその分ものすごいけど! 雨降りみたいなことになってる!!」 【かにこ】「でも、この音――すごいね――他ではきっと聞けない音。雨みたいで、滝みたいで……(耳をすませて呼吸*4)」 ;SE ハワイアンっぽいBGM流れはじめる 【かにこ】「ふえっ!? なにこれ――放送? テープ? BGM?? (しばらく聞く)――ぷっ!」 【かにこ】「あはははははははははは! なにこれ! 音楽! ハワヰっぽい!!!! なんで南国!? あってない! ズレてる! しかも、音! だいなし!!! すごい!」 【かにこ】「あはははははははははははははははは!!!!」 :環境音 F.O. ;//////// ;Track6 草の絨毯、星の天幕(道房山キャンプ場でテント貼り→キャンプ) ;//////// ;9/前遠 【かにこ】「よ――(呼吸音)(呼吸音)――っと。マスター。ポール通し終わった」 ;SE テントたて、ばさばさ 【かにこ】「で? ……わ――とっ……と――っ――お! おお! すごい! テントたったー!」 ;SE 環境音 市房山キャンプ場(夕方)F.I. 【かにこ】「そしたら? ……(呼吸音)(呼吸音)――あ、テントとポールをこのフックで止める―― んっ――」 ;SE カチ、カチ *4 ;9/前遠→;3/右→;1/前→;7/左 【かにこ】「ひとつ――(呼吸音)――ふたつ――(呼吸音) 次はこっちで――(呼吸音)――カチって――(呼吸音) で――(呼吸音)――んしょ――(呼吸音) これで――(呼吸音)――最後――(呼吸音)」 ;9/前遠 【かにこ】「ん、できた。次は――ペグうち……あ、ハンマーで釘みたいの地面にさすやつ。 うん。かにこやりたい」 ;SE ペグうち(継続) ;9/前遠→;3/右→;1/前→;7/左 【かにこ】「ん――っと――(呼吸音)(呼吸音)―― で、こっち――(呼吸音)(呼吸音)―― でもって、カンカン――(呼吸音)(呼吸音)―― ラストも――(呼吸音)――しっかり――(呼吸音)――っと、できた」 【かにこ】「あとは? (呼吸音)(呼吸音)――あ。うん。そっちいく」 ;SE 小走りの足音 ;9/前遠→;3/右 ;3/右 【かにこ】「で? (呼吸音)(呼吸音)――これ、フライシート。これのマジックテープを」 ;SE マジックテープ、とめる、剥がす、止める 【かにこ】「こう? あ、ちょっとずれてる、んと――(呼吸音)――こうか」 【かにこ】「全部やってくのね。わかった」 ;SE マジックテープ貼る作業。8箇所。失敗とかいってるところは剥がしてはりなおし 【かにこ】「ん……(呼吸音)(呼吸音)。 で、ぺたっと――(呼吸音)(呼吸音)。 なかなか地味な――(呼吸音)――あう、失敗した――ん――(呼吸音)――っと。 これで、半分――(呼吸音)(呼吸音)――よし」 【かにこ】「結構、簡単――(呼吸音)(呼吸音) なんだけど――(呼吸音)(呼吸音) それだけに――あうっ――(呼吸音)――ずれると、気になる。――ん〜(呼吸音)――っと、これいいか。 で、ラスト――(呼吸音)(呼吸音)――できた」 【かにこ】「そうしたら? これを持ち上げながら歩いて、テント全体にかける。 じゃ、かにこまたあっちいって――」 ;SE 足音 ;3/右→;9/前遠 ;9/前遠 【かにこ】「いっせーので持つ。うん、やろ。『いっせーの』」 ;SE バサバサ、継続、 【かにこ】「これを――持ったまま――あるいて〜――(呼吸音)(呼吸音)――かける!!! うんっ!」 ;9/前遠→;;3/右 【かにこ】「あとは……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――なるほど。またはしっことめて―― で、入り口のところまるめて――あ、そこはかにこやりたい」 ;3/右 ;SE 紐結ぶ。しゅる 【かにこ】「ここを結べば完成ね――(呼吸音)(呼吸音)――ん」 【かにこ】「できた。テント! 思ってたよりずっと簡単……だったのは」 ;3/右 (接近囁き) ‘ふふっ”で →;3/右(通常 【かにこ】「もちろんマスターのおかげだけど――ふふっ」 ;$=SE ブーツ脱ぐ 【かにこ】「ね、マスター。もうこれ中にはいっていいの? (呼吸音)(呼吸音)――ん。それじゃ、ブーツ脱いで……$――んしょ」 ;SE ジッパーあけ ;1/前(近い) 【かにこ】「え? あ、そっか。テントはいっったらすぐにジッパーしめないと、虫はいってきちゃうんだ。っと――」 ;SE ジッパー締め 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――よし。で――」 ;1/前 ;環境音 テント内 【かにこ】「わ……(ぐるりとテント内を見回す息とニュアンス)――(むふーっと、満足した吐息)」 【かにこ】「いいね、これ――えへへ」 ;SE 手でテントの床、ナデナデ ;8/左前 【かにこ】「手触り……テントの下、綺麗に刈り込まれてる草の感触。すごくいい。自然のクッションっていう感じ」 【かにこ】「レンタルテントって便利。感動する。 寝袋も――(呼吸音)――ぼふぼふしてすごく柔らかい。 寝心地よさそうだし、入るの単純に楽しそう」 ;SE 動きあわせで、テント内を膝立ちで移動 ;8/左前→;1/前→;2/右前  【かにこ】「それに……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 ;SE テントの入り口のジッパーあける 環境音クロスフェードでキャンプ場夜(虫) ;3/右(顔、マイクと同じ方向。視線は上空) 【かにこ】「タイミングぎりぎりだったのが逆によかったね。 外、もう暗くなってて星が見える」 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【かにこ】「……綺麗」 ;3/右(近い) 【かにこ】「(じっと、無言で、星空をマスターと一緒にみる呼吸音。一分ほど)」 【かにこ】「……来てよかった。ハチロクさんと会えなかったのは、今でもすごく残念だけど―― でも会えてたら……きっと今のこの気持で、星空を見あげられてなかった」 【かにこ】「体験することの価値。その体験へのアプローチをできるだけ低くすることの意味。 適切なインフォメーションが、体験の質をどれだけであげてくれるのかの、実感」 【かにこ】「全部を北開道に――マスターとかにこの本当の経験として、言葉として、持ち帰れる。 ハチロクさんがたとえどんな素晴らしいお話をしてくれて――かにこがそれをどこまで受け取ったきになれたとして…… やっぱり、自分たちで経験して、自分たちで気づいて学んだことにはかなわないって――今のかにこは、そう思う」 【かにこ】「……あえなくて、最低限しかハチロクさんに甘えられなくてよかった。 もちろん次は――もし次にも機会がれば、そのときにこそ会いたい――!!?」 【かにこ】「ど、どうしたの? マスター。あ――虫? 虫! そかっ」 ;SE 慌ててテントのジッパーしめる ;1/前 【かにこ】「(そのニュアンスと息)――よし――っ!」 ;SE 両手で虫叩く 【かにこ】「……ん。退治もできた。これでテントからは締め出せたと思うけど……」 ;7/左(耳元) 【かにこ】「……マスター、刺されたの? ここ。薬塗る……っと、耳かきもしちゃおうか、一緒に」 ;7/左 【かにこ】「だってマスター、耳かき好きでしょ。かにこ普段は、耳かきしてあげる時間あるなら、北開道の鉄路復興のためにがんばりたいって思っちゃうけど」 【かにこ】「いまここで、そのためにできることなんてなんにもないし。それに――」 ;7/左(接近囁き) 【かにこ】「ハチロクさんには甘えてないけど――マスターには今日、結構たくさん甘えちゃったかなって思うし。だから、その恩返しに」 ;7/左 【かにこ】「耳かき。したげるからさ。かにこのお膝に、ごろんしていいよ」 ;環境音 F.O ;//////// ;Track7 クリームぬりぬり、左耳耳かき(かゆみ止め塗布。耳かき) ;//////// ;このトラックから安眠導入を意識いただき、メリハリつは声のボリューム以外のとこでつけていただけますと幸いです。 ;7/左 (吹きかけ) 【かにこ】「(ふーーーーーーーーっ、ふっ、ふっ!)」 ;7/左 【かにこ】「あ、じゃない。最初にかゆみ止めぬらないと。ん、と……」 ;$=SE チューブタイプ、押出し 【かにこ】「チューブ――$――にゅる……っと」 【かにこ】「知ってる? マスター。ドラッグストアで売ってる塗り薬って、人差し指の指先から第一関節に乗るくらいまでの分量が、一回分にちょうどいいように作られてるんだって」 ;SE 耳元でクリームにちゃにちゃ(継続) 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ちょうどこのくらいの分量。これを1FTU(いちえふてぃーゆー)――フィンガーチップユニットっていうって昔、なんかのラジオで。っていうことで」 ;7/左(接近囁き) 【かにこ】「マスターの耳に、1FTUのかゆみ止め、塗るから。ん……」 ;7/左 ;SE 丁寧にかゆみ止めぬりぬり(継続) 【かにこ】「ここ、赤くなってるとこ――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――っと。 他はどう? かゆみあるなら……(呼吸音)(呼吸音)――わかった」 【かにこ】「じゃ、念の為耳全体に。まず裏側から……(呼吸音)(呼吸音) で、フチのとこ――(呼吸音)(呼吸音) めくれてるとこの内側に――(呼吸音)(呼吸音) 残りも全部――(呼吸音)――丁寧に――(呼吸音)――ん」 【かにこ】「(ふーーーーっ、ふーーーーっ、ふーーーー、ふーーーーーっ)」 【かにこ】「……ふふっ、かゆいのおさまりそうなら、耳かきだね。 竹の耳かき、こんな事もあろうかと用意しといたんだ。かにこ、準備いいっしょ」 【かにこ】「したっけ、行くさ。……っと」 ;耳かき(浅・継続) 【かにこ】「あさいとこ……ん――(呼吸音)(呼吸音) あ、これ――(呼吸音)(呼吸音) さっき、クリーム――(呼吸音)(呼吸音) 塗った、から――(呼吸音)(呼吸音)」 【かにこ】「細かいの……(呼吸音)――ん――(呼吸音) あつめ、やすくて――(呼吸音)――とりやすい――(呼吸音) うん……(呼吸音)(呼吸音) この感じ――(呼吸音)――なら――(呼吸音)」 【かにこ】「右耳の、方も――(呼吸音)(呼吸音) なんか、クリーム――(呼吸音)(呼吸音) ひやけどめ、とか――(呼吸音)(呼吸音) スキンクリーム、とか――(呼吸音)(呼吸音)」 【かにこ】「なんでもいいから――(呼吸音)(呼吸音) 塗ったほうが――(呼吸音)(呼吸音) かにこ、耳かき――(呼吸音)(呼吸音) しやすく――(呼吸音)――なるっしょ――(呼吸音)――っと」 ;SE ポケットティッシュ一枚抜いて、耳かき拭く 【かにこ】「ん――(呼吸音)(呼吸音)……ん。」 【かにこ】「(ふーーーーっ、ふっ、ふっ)」 ;耳の穴をいろんな角度からチェック 【かにこ】「あーーーー……(呼吸音)(呼吸音)――いい感じ――綺麗にできてる――うん」 【かにこ】「あと、深いとこのおっきなやつをすくっちゃえばいいかな。――するね」 ;SE 耳かき(深・継続) 【かにこ】「んしょ……(呼吸音)(呼吸音) ん――(呼吸音)(呼吸音) これ、結構――(呼吸音)(呼吸音) くずしちゃいそう――(呼吸音)――か、も――(呼吸音)」 【かにこ】「……(呼吸音)(呼吸音) 慎重、に――(呼吸音)(呼吸音) あせらない、で――(呼吸音)(呼吸音) そっと、そうっと――(呼吸音)(呼吸音)」 【かにこ】「あ……いけそ――(呼吸音)(呼吸音) ん……ふ……(呼吸音)(呼吸音) よーし、よし――(呼吸音)(呼吸音) いいこ――いいこ――(呼吸音)(呼吸音)――よし」 ;SE stop 【かにこ】「(安堵の息)」 ;耳かき拭き 【かにこ】「耳かきこれ、定期的にしたほうがいいのかも。 いまのは結構おっきかった――ってか、見る? (呼吸音)(呼吸音)――ん、ふふっ」 【かにこ】「じゃ、続き。もういっこだけ、とっちゃいたいのあるから。……ん――」 ;SE 耳かき(深・継続) 【かにこ】「っていうか。さ――(呼吸音)(呼吸音) かにこ、今回――(呼吸音)(呼吸音) かなり……ちゃんと――(呼吸音)(呼吸音) 知らない、初めてあう――(呼吸音)――人たち、とも――(呼吸音)」 【かにこ】「コミュニケーション……(呼吸音)(呼吸音) 普通に、できてた――(呼吸音)(呼吸音) 普通の、レイルロオドみたいに――(呼吸音)(呼吸音) できてた、気がして――(呼吸音)(呼吸音)」 【かにこ】「最初は、もう――(呼吸音)――あがっちゃって――(呼吸音) いっつもよりも――(呼吸音)(呼吸音) むしろ、ひどかった――(呼吸音)(呼吸音) かも……だけど――(呼吸音)(呼吸音)――っと。とれた」 ;SE 耳かき(深・継続) 【かにこ】「(ふーーーっ、ふっ、ふっ)」 ;色んな角度からチェック 【かにこ】「ん……うん――よく取れてる――……きれい。よし」 【かにこ】「そしたらマスター。反対側の耳もやるから。 かにこがごろーんていったらさ、今度は右耳 上にするように体いれかえて」 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)――いい? それじゃ、せーので」 ;7/左 →;1/前 →;3/右 【かにこ】「『ごろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん』」 ;//////// ;Track8 クリームぬりぬり、右耳耳かき(日焼け止め塗布。耳かき) ;//////// ;3/右 【かにこ】「(ふーーーーーーーっ! ふっ! ふっ!!)」 ;角度いろいろ 【かにこ】「右耳も……ん……(呼吸音)――うん。左耳とおんなじ感じ。 クリーム、日焼け止めでいいよね」 ;SE 振るタイプのボトルから、ぴっ、ぴっ 【かにこ】「ん、しょっ――っと」 ;SE 耳元、両手をすりあわせてクリーム伸ばす 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)―― こっちの方が液体っぽい。クリームっていうか、リキッドより? でもまぁ、耳かきしやすくなると思うし」 ;3/右 接近囁き 【かにこ】「塗ってくね」 ;3/右 【かにこ】「ん……(呼吸音)(呼吸音) んしょ……(呼吸音)(呼吸音) っていうか、これ――(呼吸音)(呼吸音) この、日焼け止め――(呼吸音)(呼吸音)」 【かにこ】「効果、すごく――(呼吸音)(呼吸音) あったの、わかる――(呼吸音)(呼吸音) マスター、ほとんど――(呼吸音)(呼吸音) 日焼け、してないのに――(呼吸音)(呼吸音)」 【かにこ】「耳、塗り残し、あったみたいで――(呼吸音)(呼吸音) ほら、ここ――(呼吸音)(呼吸音) フチの、とこだけ――(呼吸音)(呼吸音) 焼けちゃってる――(呼吸音)――から――(呼吸音)……っと」 【かにこ】「(ふーー、ふーー、ふーー、ふーー)」 【かにこ】「ふふ。少しは冷めたかな。 したっけ、耳かきすませちゃおう」 ;SE 耳かき(浅・継続) 【かにこ】「……(呼吸音)(呼吸音) ……(呼吸音)(呼吸音) え?――(呼吸音)(呼吸音) ああ――(呼吸音)(呼吸音)」 【かにこ】「さっきの話ね――(呼吸音)(呼吸音) さっきのは――(呼吸音)(呼吸音) かにこ、ほら――(呼吸音)(呼吸音) 普段の――(呼吸音)――北鉄(ほくてつ)での、かにこは――(呼吸音)」 【かにこ】「……無愛想で……(呼吸音)――とっつき悪くて――(呼吸音) コミュニケーション――(呼吸音)――全部、さ――(呼吸音) マスターとか――(呼吸音)――駅員さんとか――(呼吸音)――車掌さんとか――(呼吸音)」 【かにこ】「他の、レイルロオドとかに――(呼吸音)(呼吸音) 任せちゃって――(呼吸音)(呼吸音) はっきり避けてる――(呼吸音)(呼吸音) とこ、あるの――(呼吸音)――自覚してるし(呼吸音)」 ;SE stop ;SE 耳かきふき ;SE 耳かき(浅・継続) 【かにこ】「でも、今日は――(呼吸音)(呼吸音) マスターと、ふたりだけで――(呼吸音)(呼吸音) マスターが――(呼吸音)なんかしてたら――(呼吸音) かにこが、対応――(呼吸音)――しなくちゃだったし――(呼吸音)」 【かにこ】「それに……(呼吸音)――それ、に――(呼吸音)。 出会うもの――(呼吸音)――見た場所――(呼吸音)―― 体験――(呼吸音)――したこと――(呼吸音) 全部が、かにこ――(呼吸音)――楽しくて――(呼吸音)」 【かにこ】「あと、人も――(呼吸音)(呼吸音) 御一夜市……おひとよしって――(呼吸音)(呼吸音) うふふっ、ほんと――(呼吸音)――名前の、とおりで――(呼吸音)」 【かにこ】「御一夜の、ひとたちも――(呼吸音)(呼吸音) にしきの、ひとたちも――(呼吸音)(呼吸音) みちふさの、ひとたちも――(呼吸音)(呼吸音) みんな、優しくて――(呼吸音)――はなしやすくて――(呼吸音)」 ;SE stop 【かにこ】「旅ってすごいって。環境がかわるのってすごいって、かにこ、思った。 だから……だから――逆に……その……」 ;SE ティッシュで耳かきふき 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)……っていうか、耳かき。 あとふかいところでおわりだし。――しちゃおう」 ;SE 耳かき(深・継続) 【かにこ】「ん……(呼吸音)(呼吸音) ……(呼吸音)(呼吸音) ……(呼吸音)(呼吸音) えと……さ――(呼吸音)(呼吸音)」 【かにこ】「いつもの、かにこは――(呼吸音)(呼吸音) 北鉄の、かにこは――(呼吸音)(呼吸音) ほんとに、カニって――(呼吸音)(呼吸音) かにこ、自分で――(呼吸音)――結構、思った――(呼吸音)」 【かにこ】「カラ、固くてさ――(呼吸音)(呼吸音) とげとげで――(呼吸音)(呼吸音) 両手、はさみで――(呼吸音)(呼吸音) したっけ、握手も――(呼吸音)――できないわけで――(呼吸音)」 【かにこ】「その方が――(呼吸音)(呼吸音) 誰とも話とか――(呼吸音)――しないですむ方が――(呼吸音) 仕事にも集中できるし――(呼吸音)――マスターは、いてくれるわけだし――(呼吸音) 効率いい、みたいに――(呼吸音)――思ってた、けど――(呼吸音)」 ;SE stop ;SE ティッシュ拭き 【かにこ】「…………だけど……ん……」 ;SE 耳かき(深・継続) 【かにこ】「……話し、したり――(呼吸音)(呼吸音) 笑いあったり――(呼吸音)(呼吸音) そういうの――(呼吸音)(呼吸音) いいなって――(呼吸音)――今日、思った――(呼吸音)」 【かにこ】「マスターだけが……(呼吸音)(呼吸音) わかってくれれば――(呼吸音)(呼吸音) それでいいって、かにこ――(呼吸音)(呼吸音) 思ってた、けど――(呼吸音)(呼吸音)」 【かにこ】「……わかってもらうとか――(呼吸音)(呼吸音) そういうのじゃ、なく――(呼吸音)(呼吸音) ただ、あいさつして――(呼吸音)(呼吸音) ふつうに、話して――(呼吸音)(呼吸音)」 【かにこ】「ただそういうこと――(呼吸音)――するだけで――(呼吸音) こんなに楽しく――(呼吸音)――なれちゃうん、なら――(呼吸音)」 ;SE stop ;SE ティッシュ拭き 【かにこ】「いままで結構、もったいなかったのかなぁって。それは……うん」 【かにこ】「今日ちょっと思った。……思わされちゃった感じする――あ」 【かにこ】「(ふーーーーっ!)(ふっ!)(ふっ!)」 ;いろんな角度 【かにこ】「んと……(呼吸音)(呼吸音)――あ……(呼吸音)(呼吸音)――おく、もう一個だけ――」 ;SE 耳かき(深・継続) 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【かにこ】「……もちろん、さ――(呼吸音)(呼吸音) 北鉄、昔――(呼吸音)(呼吸音) かにこ、バカにされつづけて――(呼吸音)(呼吸音) かにこって名前――(呼吸音)――からかわれて――(呼吸音)」 【かにこ】「当時の、機関区の――(呼吸音)(呼吸音) 主(ぬし)、みたいなのに――(呼吸音)(呼吸音) なんか、完全に睨まれて――(呼吸音)(呼吸音) 居心地……悪くて――(呼吸音)(呼吸音)」 【かにこ】「なにを言っても――(呼吸音)――なにをやっても――(呼吸音) からかわれるの――(呼吸音)――つらくって――(呼吸音) それならって……(呼吸音)――だから、かにこ――(呼吸音)」 【かにこ】「殻に、こもって――(呼吸音)(呼吸音) 言葉のハサミ、とがらせて――(呼吸音)(呼吸音) それが完全に――(呼吸音)――習い性――(呼吸音) 処世術みたいに――(呼吸音)――なっちゃって――(呼吸音)」 ;SE stop ;やさしく 【かにこ】「(ふーーーーーーーーっ)」 ;SE ティッシュで耳かきふき 【かにこ】「ごめんね、マスター。疲れてるとこ、おもしろくもない昔話とか、しちゃって。 ……って、いうか――」 【かにこ】「……疲れてるよね、マスターも。 かにこだって、ちょっと眠たいくらいだし――ん……」 ;SE 寝袋がさごそ ;SE 寝袋のジッパーあける 【かにこ】「マスター、これ、大人用の寝袋、はい。 レイルロオドで予約すると、自動的に子ども用の寝袋になるんだね……ふふっ。かにこはこっち」 ;3/右 (ささやき) 【かにこ】「……やすもう、マスター。眠っちゃうまで、そのままさ。なんとなくぼんやり、おしゃべりしよう」 ;SE 環境音 F.O. ;//////// ;Track9 かにこと添い寝、寝袋で ;//////// ;このパートは完全に安眠導入。夜の静寂の中、そっと言葉をささやく感じでお願いできると嬉しいです 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 ;環境音 深夜キャンプ場テント内 F.I. ;3/右 (マスターとそれぞれの寝袋で横になってるので、少し距離あります) 【かにこ】「…………マスターと出会って、さ。マスターがマスターになってくれて……」 【かにこ】「かにこ、それで本当にいごこちよくなった。 『絶対的な味方ができた』って――背中をいちいち、気にしなくてすむようになって」 【かにこ】「だから仕事に集中できて。 ……いま――っていうか今日の体験してから考え直しちゃうと…… 仕事をいいわけに、コミュニケーションから逃げ出してたのかもだけど――」 【かにこ】「それでも仕事、かにこものすごくがんばって。 マスターも一緒にがんばってくれて―― 誰に頼まれてもいない経営改善案とかさ……無視されても、バカにされても――だって北開道の鉄路が途絶えたらおしまいだもの――出し続けてさ」 【かにこ】「……何年くらい前からだって? じわじわ、認められるようになって。 こういうふうな出張だったり視察だったりも、任せてもらえるようになって」 【かにこ】「(複雑な吐息)……いつの間にか、かにこをからかってた先輩たちも、みぃんないなくなって」 【かにこ】「あのころのこと、許したわけじゃないけど。許せないけど。 それでも、みぃんないなくなっちゃうと…………」 【かにこ】「今日みたいな体験するとさ、『話しておけばよかったかな』って、少し思った」 【かにこ】「もしも、どこかのタイミングで――ハサミをおろして、殻を破って話してたなら―― かにこたちの機関区の中の温度も、このテントの中みたいに……さ。 あったかいものになってたのかなぁって……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――あ」 【かにこ】「そうか。そうだね。……いまからだって、ちょっとずつでも――」 【かにこ】「(安堵の息)……マスターと一緒だったら、きっと、できるし……」 【かにこ】「(静かな呼吸 *8 /じわじわ眠くなってくる)」 ;どんどん眠たくなっていく 【かにこ】「ん……ふ、ぁ――安心したら、なんか……ねむたくなってきたかも。 けど……ひとつ――もうひとつだけ――マスターに相談しておきたくて」 【かにこ】「……えとさ、あの……今日いろいろ体験してみて、かにこ――思って――ん…… (眠い息)――んと……北開道……御一夜にだって、どこにだって――負けない、魅力……たくさん、だけど――」 【かにこ】「ぁ――(大あくび)」 【かにこ】「ぅぁ……ごめん――えと……だから―― 魅力、せいとん――かにこたちで……まず……せいとん……して、から――」 【かにこ】「紹介……いっきに……できる……イベント………… 例えば――(あくび)――たと……えば…………てつ、どう……フェス……みたい…………な…………ん……」 【かにこ】「マスター……ますたぁと……いっしょに…………かに、こ…………」 ;寝オチ 【かにこ】「(寝入りばなの寝息)*4」 【かにこ】「(寝入りばなの寝息)*4」 【かにこ】「(浅い寝息)*4」 【かにこ】「(浅い寝息)*4」 【かにこ】「(すやすや寝息)*4」 【かにこ】「(すやすや寝息)*4」 【かにこ】「(熟睡寝息)*4」 【かにこ】「(熟睡寝息)*4」 ;環境音 F.O. ;//////// ;Track10 Q&Aコーナー ;//////// ;■以下のセリフ群は流れのガイドラインとしてお取り扱いいただき、ワードは可能であれば”演者様のもの”でお願いできますと幸いです。 アドリブ大歓迎――というか、質問と回答いただけたら、どう構成していただくのも大歓迎でございます。 【演者】「蓄音レヱル  〜北開道鉄道C11形蒸気機関車C11 202専用レイルロオド かにこ〜  おまけコーナ」 【演者】「こんばんわ。北開道鉄道 C11 202専用レイルロオド かにこ役を演じました、声優のXXです。 これを聞いてくださってるってことは――かにこちゃんもあなたももう、眠っちゃってるかもしれませんね。 もしもそうなら、このおまけコーナー、どうぞゆっくり、夢の中でお楽しみください」 【演者】「さてさて、このおまけコーナーは、わたしXXが、Q&A形式で、みなさんからいただいたご質問にお答えしちゃうコーナーだそうです。ご質問お寄せくださり、ありがとうございます」 【演者】「それじゃあ早速回答していきましょう。最初のご質問は、こちらにしましょう」 【演者】「Q:XXさん、はじめまして。 XXさんのバイノーラルボイスドラマ、楽しみです!。 バイノーラルって最近ものすごく聞きますけど、XXさんてきにはやってみてどうでしたか? 感想っていうか、面白かったこととか気になったこととかがあれば、ぜひ聞かせてください」 【演者】「(自由に回答をお願いします)」 【演者】「っていう感じでした。うん。 それじゃあ次のご質問ですね。ええと……」 【演者】「Q:XXさんこんにちわ。もしXXさんとかにこちゃんがプレゼント交換をするとしたら、どんなものをプレゼントしてあげたいですか? 逆に、どんなものをプレゼントしてほしいって思いますか? 教えてください!」 【演者】「(自由に回答をお願いします)」 【演者】「――です。プレゼント交換、うふふっ、なんかこう、いいですねー。幸せな感じ。 さてさて次は――っと、ここでもうお時間になっちゃうみたいです。残念、これが最後のおたよりですね」 【演者】「おたよりをくださったのは、杜の都におすまいの、ニラ太郎さん。 おたよりありがとうございます」 【演者】「ご質問は―― 『作品のテーマのひとつとして地方復興がありますが、過去に旅行して印象に残っている風景、あるいはもっとみんなに広く知って欲しいお気に入りの場所などはありますでしょうか?』」 【演者】「(ご自由にご回答ください)」 【演者】「です。えへへ、お返事してたら、旅にでたくなっちゃいました。 って、ああ、もうお時間ないみたいです。残念。たくさんのご質問、本当にありがとうございました」 【演者】「わたしXXが、かにこちゃんになって、あなたと一緒にたくさんの音をみつけた 『蓄音レヱル  〜C11 2026専用レイルロオド かにこ〜』。 気に入ってもらえたらこれからも、貴方の癒やしの、安眠の、どうかお供にしてくださいね」 【演者】 「それじゃあ、また。次の駅でもお会いしましょう! 次にはきっと、北開道の駅で!」 【演者】「レイルロオド・かにこ役、XXでした! 明日の朝へ――『出発! 進行!!』」