★トラック3開始時の状況★ あなたが研究所一◯二号室のドアを開けるシーンから開始。 その時ミライは、床一面に紙を並べている。 それは町の地図をコピーしたもの。 ________________ ■トラック3 認識不可能な無意識空間について // あなたはミライに呼ばれて一◯二号室に来た // ドアを開ける おっ…と、君か。 ちょーっと…待ってくれるか。 そして、ただちにドアを閉めていただけると助かる。 // あなたはドアを閉める …ありがとう。 …さて、こいつをここに並べて…よし。 …この床に敷き詰められているのは、ここいら周辺の地図だ。 これを並べるのには結構な手間をかけたからな。 強風に煽られでもしたら大変だ。 …ところで、これがなんの研究なのか聞きたくはないかね? // あなたは「これはなんの研究なんですか」と問う よくぞ聞いてくれた。 これは認識不可能な無意識空間についての研究だ。 …人間に限らず、ありとあらゆる生き物は、何らかの方法でこの世界を認識している。 見たり、聞いたり、触れたりしてな。 だがこの世界には、だれも認識できないが、確かに存在している空間がある。 それが、認識不可能な無意識空間だ。 イメージが湧かないか? では例え話をしよう。 君には今、私が見えているな? だがもし、私の周囲半径1メートルが、誰にも見えない、干渉不可能な領域になったとしたらどうなると思う? 君から私の姿は見えるだろうか? …見えないな。 当然だ。 誰にも見えないと、そう言った。 だが誰にも見えないというだけで、私はそこに存在しているし、私は君を認識できる。 そういう空間のことだよ。 そしてそれは、いたるところに存在する。 まあ、大抵の場合は極めて小さいサイズだが…。 我々が認識出来ていないと言うだけで、この部屋にもあるんだ。 多分、君の家にもな。 家の中でなくしたはずのものが、どれだけ探しても見つからないのは、その失くしものが認識不能な無意識空間に入ってしまったから、という場合が多い。 君も、経験はないか? …さてそんな無意識空間だが、つい先日、意図的に干渉する方法を発見した。 つまり、認識できるんだ。 認識できないはずの空間をな。 すると何ができると思う? …合法的な野外セックスだよ。 周りに人がいるのに、誰も空間内に干渉できない。 触れることはおろか、見ることすら出来ない。 だからそこでセックスをしても、誰にも咎められることはない。 そんな場所が、この町にないかを探していたんだ。 で、たった今見つけた。 …さあ助手くん。 早速その場所に向かうとしよう。 そのために君を呼んだんだ。 …仕事だよ。 またしばらく抜いていないからなぁ…。 私の性欲解消に付き合ってくれたまえ。 ■トラック3 了