■■■シーン1■■■ ◆場所:東条邸(日本家屋)の大広間(昼) SE:(環境)添水の音(ループ) SE:(環境)小鳥のさえずり音(ループ) SE:(両親)遠ざかる足音×4(男性×2+女性×2/足袋/畳) SE:(両親)襖の開閉音 ;>>座卓越しに向かい合って会話 ;>>立ち位置:@(マイクの方を向いて) ;>>リラックスする吐息 【詩織】「…………ふぅ」 【詩織】「お父様たち、行ってしまいましたね。」 ;>>ちょっと拗ねている 【詩織】「あとは2人で仲良く、とのことですが、私はもっと早くお兄様と2人きりになりたかったです」 【詩織】「食事会、窮屈ではありませんでしたか? お疲れではありませんか?」 【あなた】「(首を振る)」 【詩織】「でしたら、よかったのですが……。お父様たちの気まぐれで急に決まったことですし、昨日は夜遅くまでお仕事をされていたともお聞きしていましたので」 【詩織】「ふふ、私と2人きりのときくらい、足を崩して、リラックスなさってくださいね」 【あなた】「(頷く)」 SE:(主)足を崩す衣擦れ音 【詩織】「ええ、お兄様のお好きなように、自然体で……」 【詩織】「お兄様と私の仲じゃありませんか」 【詩織】「許嫁なのに気を遣われてしまっては、悲しくなってしまいます」 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※一息ついている」 【詩織】「それにしても、今日は晴れて良かったですね」 【詩織】「昨日までは空の機嫌が悪かったので、どうなることかと思いましたが」 【詩織】「きっと、お兄様の日頃の行いが良いおかげですね」 【あなた】「(首を振る)」 【詩織】「え、くすっ、私の行いですか?」 【詩織】「良い子にしていたのは、お兄様が一番ご存じでしょう?」 【詩織】「毎日のように、ビデオ通話やメッセージで、近況報告をしあっていたのですから」 【詩織】「今日がくるのを、今か今かと待ちわびておりました」 【詩織】「あ、そうです。せっかくの良いお天気ですので、一緒に庭を歩きませんか?」 【詩織】「きっと、お日様が気持ちいいですよ」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「ふふ、ではそちらの縁側から出ましょう」 SE:(主)立ち上がる足音(ジャケパン+靴下) SE:(ヒ)立ち上がる足音(着物+足袋) SE:(主)歩く足音(男性/靴下/畳) SE:(ヒ)歩く足音(女性/足袋/畳) ;>>立ち位置:A(マイクの方を向いて) 【詩織】「お履き物は、こちらをどうぞ」 SE:(ヒ)主人公の前に木製のサンダルを並べて置く音 【あなた】「(頷く)」 SE:(主)木製サンダルを履く音 SE:(主)ヒロインの方を振り向き、手を差し出す ;>>立ち位置:G 【詩織】「手を貸してくださるのですか?」 【詩織】「やはりお兄様は優しくて気が利きますね」 SE:(ヒ)主人公の手を取る衣擦れ音 SE:(ヒ)下駄を履く音 【詩織】「ありがとうございます。おかげで、段差に躓いて、お兄様の前で醜態をさらすという愚を犯さずに済みました」 【詩織】「お兄様が履いているその木製のサンダル、綺麗な紅葉の模様でしょう? お兄様に似合うと思って、私が選んだんですよ」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「ふふ、気に入っていただけてよかったです」 ;>>立ち位置:G→B(移動しながら) 【詩織】「さあ、お兄様、こちらに」 SE:(環境)添水の音(ループ)ここまで ◆場所:東条邸(日本家屋)の庭園(昼) SE:(主)歩く足音(男性/木製サンダル/玉砂利)(ループ) SE:(ヒ)歩く足音(女性/下駄/玉砂利)(ループ) ;>>横に並んで会話(詩織が左側、主人公が右側) ;>>立ち位置:B(並列) 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※静かに並んで歩いている」 ;>>立ち位置:A(マイクの方を向いて) 【詩織】「ふふ、本当にいいお天気。お日様が気持ちいい……」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「こういうのを、お散歩デートというのですよね? 学校のお友達から教えてもらいました」 【詩織】「そのお友達は退屈なので、あまり好きじゃないともおっしゃっていましたが……」 【あなた】「(詩織は?)」 【詩織】「私ですか? お兄様と過ごせるのに、退屈などありえません。どれも私にとって、かけがえのない貴重な時間です」 ;>>やや緊張した感じの吐息 【詩織】「…………」 【詩織】「お兄様……」 SE:(主)歩く足音(男性/木製サンダル/玉砂利)(ループ)ここまで SE:(ヒ)歩く足音(女性/下駄/玉砂利)(ループ)ここまで SE:(ヒ)主人公と腕を組む衣擦れ音 ;>>立ち位置:B(耳の近くで) 【詩織】「デートなのですから……腕を組むくらい、良いでしょう?」 【詩織】「本当に……本当に、寂しかったんですよ?」 【詩織】「お話しは毎日のようにしていましたが、カメラ越しでは触れ合うことはできませんから……」 【詩織】「先ほどの食事中も、こうしたくて、ずっとウズウズしていたくらいです」 【あなた】「(同意)」 【詩織】「お兄様も、そうだったのですね」 【詩織】「私と会えなくて、寂しかったですか? 早く、こうして腕を組みたかったですか?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「ふふ、嬉しい……」 SE:(ヒ)さらに主人公と腕を組んで密着する衣擦れ音※「ぎゅっ」で再生 ;>>立ち位置:B(耳元で囁く) 【詩織】「もっとお兄様を、ぎゅっ、としてしまいます」 【詩織】「前にお兄様とお会いしたのは1ヶ月前でしたので、1ヶ月分の私の愛を、感じてください」 SE:(主)歩く足音(男性/木製サンダル/玉砂利)(ループ) SE:(ヒ)歩く足音(女性/下駄/玉砂利)(ループ) ;>>立ち位置:B(耳の近くで) 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※静かに並んで歩いている」 【詩織】「私は、相変わらずの楽しい学生生活です。お友達の皆さんがとてもよくしてくださいます」 【詩織】「ああ、そういえばこの前、図書委員の皆さんと、図書館の大掃除をしたんです」 【詩織】「台に乗ってホコリをはたいていたんですが、くしゃみをした拍子に足を滑らせて、後ろに転んでしまいました、ふふふ」 【あなた】「(心配する)」 【詩織】「ふふ、平気です。小さな台でしたので、尻もちをついたくらいで、怪我などはしていません」 【詩織】「ホコリだらけになった姿を見られて、お友達に笑われてしまいましたが……」 【あなた】「(笑う)」 ;>>「笑ってくださって構いませんよ」はちょっと拗ねたニュアンスで 【詩織】「あ、お兄様まで……。別に、笑ってくださって構いませんよ」 【あなた】「(謝る)」 【詩織】「くすっ、怒っていません。お兄様の笑顔が見られて、私も嬉しかったです」 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※静かに並んで歩いている」 【詩織】「お兄様は、最近はいかがですか?」 【あなた】「(仕事が大変)」 【詩織】「やはり、お仕事がお忙しいんですね……」 【詩織】「学生の私では、お兄様のご苦労を推し量ることはできませんが、心中はお察しします」 SE:(主)歩く足音(男性/木製サンダル/玉砂利)(ループ)ここまで SE:(ヒ)歩く足音(女性/下駄/玉砂利)(ループ)ここまで ;>>腕組みをやめて見つめ合う SE:(ヒ)腕を離す衣擦れ音 ;>>立ち位置:@(マイクの方を向いて) 【詩織】「私に、なにかできることはありませんか?」 【詩織】「お兄様の疲れた心と身体を、癒やして差し上げたいです」 【あなた】「(お礼をいう)」 【詩織】「私と一緒にいるだけで良い、なんて……お兄様はなんて謙虚なお人なんでしょう……」 【詩織】「ですがそれでは、私の気がすみません」 【詩織】「あ、いいことを思いつきました。今日1日、私にお兄様のおもてなしをさせてください」 【詩織】「お兄様がまた明日から、お仕事を頑張れるように」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「ふふ、ではまずは、離れの茶室へ参りましょう」 ;>>再び腕を組む SE:(ヒ)主人公と腕を組む衣擦れ音 SE:(主)歩く足音(男性/木製サンダル/玉砂利)(ループ) SE:(ヒ)歩く足音(女性/下駄/玉砂利)(ループ) ;>>立ち位置:B(並列) 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※静かに並んで歩いている」 ;>>立ち位置:B(耳の近くで) 【詩織】「池を流れる水の音……添水の音……紅葉や笹の葉を揺らす風の音……小鳥たちのさえずり……」 【詩織】「普段お仕事をされていると、こうしてゆっくりと自然を眺める機会は、あまりないですよね?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「自然の音には、ヒーリング効果があるそうです」 【詩織】「私たちも自然の一部ですから、本能的に、それらを心地良いと感じられるようになっているのかもしれませんね」 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※静かに並んで歩いている」 【詩織】「お兄様は昔から、自然がお好きでしたよね」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「私も好きです。凝り固まっていたいろいろなものが、ゆっくりと溶けていく感じがしませんか?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「ふふ、この庭園も好きですが、大自然に囲まれた暮らしというのにも、憧れてしまいます」 【詩織】「お兄様が定年退職されたあとは、2人で田舎に移り住んでみるのもいいかもしれませんね。その頃にはきっと、子供も巣立っているでしょうし」 SE:(主)歩く足音(男性/木製サンダル/玉砂利)(ループ)ここまで 【あなた】「(きょとんとする)」 SE:(ヒ)歩く足音(女性/下駄/玉砂利)(ループ)ここまで ;>>立ち位置:A(マイクの方を向いて) 【詩織】「あ……ああっ、すみません。まだ結婚すらしていないのに老後の話をするなんて、早とちりもいいところですね……、本当にすみません」 【あなた】「(首を振る)」 【詩織】「もしかしてお兄様も、同じことを……?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「私も、もう高校生です。お兄様の後ろをずっと追いかけていた、『詩織ちゃん』のままではありません」 SE:(ヒ)1歩近づく足音(女性/下駄/玉砂利) ;>>立ち位置:B(耳元で囁く) 【詩織】「今はまだ、結婚できる年齢ではありませんが……、もう少し、待っていてくださいね?」 【あなた】「(頷く)」 ;>>立ち位置:B(耳の近くで) 【詩織】「さあ、行きましょう。ふふ、茶室はすぐそこですよ」 SE:(主)歩く足音(男性/木製サンダル/玉砂利)(ループ) SE:(ヒ)歩く足音(女性/下駄/玉砂利)(ループ) ;>>立ち位置:B(並列) 【詩織】「(15秒程度吐息をお願いいたします)※静かに並んで歩いている」 SE:(主)歩く足音(男性/木製サンダル/玉砂利)(ループ)ここまで SE:(ヒ)歩く足音(女性/下駄/玉砂利)(ループ)ここまで ;>>立ち位置:B(マイクの方を向いて) 【詩織】「はい、つきました。お兄様は久しぶりですよね? 覚えていますか?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「小さい頃、一緒にここで遊んでいて、お母様に叱られたことがありましたよね、くすっ」 【詩織】「今日ここへお兄様をお連れしたのは、茶の湯を楽しんでいただこうと思ったからです」 【あなた】「(?)」 【詩織】「ふふ、お茶会のことですよ。難しく考えていただく必要はありません」 【詩織】「お兄様ははじめてですよね?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「結婚後はお家同士のお付き合いで、茶の湯に招かれることもあると思います。お作法は私がお教えしますので、いかがでしょう?」 【あなた】「(よろしく)」 SE:(ヒ)腕を離す衣擦れ音 SE:(ヒ)歩く足音(女性/下駄/玉砂利) SE:(主)歩く足音(男性/木製サンダル/玉砂利)  ;>>立ち位置:A(マイクの方を向いて) 【詩織】「ふふ、ではこちらからどうぞ」 SE:(ヒ)にじり口を開ける音 【詩織】「ここはにじり口といって、つまりは、正座でにじって入るための入口です」 【詩織】「亭主は茶道口という専用の入口から入るのが一般的なのですが、今日は私もこちらから失礼しますね」 【詩織】「このように……、身体をかがめて、入ります……」 SE:(主)にじる足音(男性/スラックス/畳) SE:(ヒ)にじる足音(女性/着物/畳) SE:(ヒ)にじり口を閉める音 ;>>立ち位置:@(マイクの方を向いて) 【詩織】「席入りしてまず行うことは、床の間を拝見することです」 【詩織】「さあ、こちらに」 SE:(主)にじる足音(男性/スラックス/畳) SE:(ヒ)にじる足音(女性/着物/畳) ;>>横並びで正座をして会話 ;>>立ち位置:F(マイクの方を向いて) ;>>真の礼:しんのれい 【詩織】「最初に、真の礼というのですが、丁寧なお辞儀をします。私に続いてくださいね?」 SE:(ヒ)お辞儀をする音 SE:(主)お辞儀をする音 ;>>立ち位置:F(並列) 【詩織】「一礼をしたあとは、床の間に飾られているお軸をじっくりと拝見します」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※掛け物を見る」 【詩織】「そして、さらに一礼をして……」 SE:(ヒ)お辞儀をする音 SE:(主)お辞儀をする音 【詩織】「お花やお香合を拝見します」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※花や香合を見る」 ;>>立ち位置:F(マイクの方を向いて) 【詩織】「では、お席へ向かいましょう」 SE:(ヒ)立ち上がる衣擦れ音 【詩織】「立つときは両足を揃えてつま先を立てて、こうして……右足を少しだけ前に出して……、すっと垂直に立ち上がってくださいね」 【あなた】「(頷く)」 SE:(主)立ち上がる衣擦れ音 ;>>立ち位置:@(マイクの方を向いて) 【詩織】「はい、とてもお上手です」 【詩織】「歩くときはなるべく音を立てないように、すり足気味に歩いてみてください」 SE:(ヒ)すり足気味に歩く音(女性/足袋/畳) SE:(主)すり足気味に歩く音(男性/靴下/畳) ;>>立ち位置:B(並列) 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※すり足気味に歩く」 ;>>立ち位置:B(マイクの方を向いて) 【詩織】「こちらにお座りください」 SE:(主)座る音 SE:(ヒ)座る音 ;>>正面を向き合って会話 ;>>立ち位置:@(マイクの方を向いて) 【詩織】「ふふ、詩織のお茶会へ、ようこそお越しくださいました」 ;>>正客:しょうきゃく 【詩織】「お兄様は大切な正客です」 【詩織】「先ほどはお作法をお教えする、といいましたが、それほど気に留めていただく必要はありません」 【詩織】「まずは楽しんでいただくのが一番ですので、普段と同じお兄様でいてください」 【あなた】「(頷く)」 ;>>風炉:ふろ 薄茶点前:うすちゃてまえ 【詩織】「では今日は、こちらの風炉を使って、薄茶点前をしていきます」 【あなた】「(?)」 【詩織】「薄茶というのは、甘味処などでいただける泡だった淡い緑色のお茶のことです」 【あなた】「(思い出す)」 【詩織】「ふふ、デートの途中に立ち寄ったことがありますよね。そのときお兄様も飲まれていました」 【詩織】「お茶に使う道具は、いつもは水屋から運び入れるのですが、今日はすでに、ここに揃えたものを使っていきます」 ;>>袱紗:ふくさ お棗:おなつめ お茶杓:おちゃしゃく 【詩織】「まずは、袱紗でお棗、お茶杓を清めていきます」 ;>>立ち位置:@(マイクに対して横向きに)※風炉と向き合う SE:(ヒ)袱紗で棗を清める音(ループ) 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※袱紗で棗を清める」 SE:(ヒ)袱紗で棗を清める音(ループ)ここまで 【詩織】「くすっ、私の雰囲気が、いつもと違いますか?」 【詩織】「お茶の先生からはいつも、謙虚と敬いの心を持ってお茶と対話するように、とご指南を賜っていますので、そのせいかもしれません」 SE:(ヒ)袱紗で茶杓を清める音(ループ) 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※袱紗で茶杓を清める」 SE:(ヒ)袱紗で茶杓を清める音(ループ)ここまで SE:(ヒ)柄杓を釜の中に入れる音 【詩織】「続いて、茶筅通しです」 SE:(ヒ)すくった湯を茶碗に入れる音 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※すくった湯を茶碗に入れる」 ;>>立ち位置:@(マイクの方を向いて) 【詩織】「お兄様、2人きりのお茶会ですのでそんなにかしこまらないでください」 【あなた】「(ウググ……)」 SE:(主)足をもじもじさせる音 【詩織】「あ、ふふふ、もしかして足が痺れてきてしまいましたか?」 【あなた】「(否定する)」 【詩織】「ご無理はなさらず。正座を崩してくださっても良いんですよ」 ;>>立ち位置:@(マイクに対して横向きに)※風炉と向き合う SE:(ヒ)茶筅通しをする音(ループ) 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※茶筅通しをする」 SE:(ヒ)茶筅通しをする音(ループ)ここまで 【あなた】「(ウググググググ……)」 SE:(主)足をもじもじさせる音 ;>>立ち位置:@(マイクの方を向いて) 【詩織】「ほら、やはり痺れているじゃありませんか」 【詩織】「お兄様、正座にもコツがあるんです。もっと足を広げて、かかとの上にお尻をのせるようにしてみてください」 SE:(主)座り直す音 【あなた】「(こう?)」 【詩織】「はい、そうです。体重が分散されて、先ほどより楽になっていませんか?」 【あなた】「(頷く)」 ;>>「くれぐれも」をやや強調するニュアンスで 【詩織】「ふふ、ですが、くれぐれもご無理はなさらないでくださいね?」 ;>>立ち位置:@(マイクに対して横向きに)※風炉と向き合う SE:(ヒ)茶碗の湯を建水にあける音 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※茶碗の湯を建水にあける」 【詩織】「お茶碗も、お茶巾で清めていきます」 SE:(ヒ)茶碗を茶巾で清める音(ループ) 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※茶碗を茶巾で清める」 SE:(ヒ)茶碗を茶巾で清める音(ループ)ここまで 【詩織】「これで、お茶を点てる準備が整いました」 SE:(ヒ)菓子器を差し出す音 ;>>立ち位置:@(マイクの方を向いて) 【詩織】「お菓子をどうぞ」 【あなた】「(?)」 ;>>主菓子:おもがし 【詩織】「お茶会では、お茶を点てる前に、お菓子を召し上がっていただくんです」 【詩織】「今日ご用意したのは、練りきりです。お茶会でも代表的な主菓子ですね」 ;>>干菓子:ひがし 【詩織】「本来、主菓子は濃茶の前で、薄茶の前には干菓子なのですが、今日のように薄茶のみのお茶会の場合は主菓子をお出しすることが多いです」 ;>>薯蕷饅頭:じょうよまんじゅう 【詩織】「私は、練りきりの他に、薯蕷饅頭とか、大福とか、きんとんも好きです」 ;>>錦玉羹:きんぎょくかん 【詩織】「夏ですと、錦玉羹も涼しげでいいですよね」 SE:(主)菓子器を持ち上げる音 ;>>懐紙:かいし 【詩織】「主菓子はお菓子器に添えられたお箸を使って、お懐紙の上にのせます」 【詩織】「といっても、お兄様はお懐紙をお持ちではありませんよね?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「今日は、私が用意したものをお使いください。中に菓子切りを挟んでいます」 SE:(ヒ)着物の重ね衿から懐紙を取り出す音 【詩織】「こちらをどうぞ」 【あなた】「(お礼をいう)」 SE:(主)箸で練りきりを掴んで懐紙にのせる音 【詩織】「あ、ほおばってはいけませんよ? ふふふっ」 【詩織】「菓子切りで、食べやすいサイズに切り分けて、召し上がってください」 SE:(主)お菓子を切り分ける 【あなた】「(食べる)」 【詩織】「美味しそう……」 【あなた】「(食べる?)」 【詩織】「あ、いえ、今日の私は、亭主ですのでっ。お茶会の最中にお菓子を口にするわけにはっ」 【あなた】「(薦める)」 【詩織】「……ほ、本当に、いいんですか? では、一口だけ……、あーん」 【詩織】「んん……もぐもぐ…」 【詩織】「ふふふ、お兄様に食べさせていただいたせいか、いつもよりずっと甘く感じます……」 【詩織】「あっ、ではお茶を点てていきますね」 ;>>立ち位置:@(マイクに対して横向きに)※風炉と向き合う 【詩織】「お棗の蓋をあけて、お茶杓でお茶をすくって、お茶碗に入れます……」 SE:(ヒ)茶を茶碗に入れる音(ループ) 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※茶を茶碗に入れる」 SE:(ヒ)茶を茶碗に入れる音(ループ)ここまで SE:(ヒ)柄杓を釜の中に入れる音 【詩織】「柄杓で、お釜のお湯をすくって、お茶碗に……」 SE:(ヒ)すくった湯を茶碗に入れる音 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※すくった湯を茶碗に入れる」 【詩織】「茶筅で、お茶を点てていきます」 SE:(ヒ)茶筅でお茶を点てる音(ゆっくり)(ループ) 【詩織】「最初は、円を描くように馴染ませて……」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※茶筅でゆっくりお茶を点てる」 SE:(ヒ)茶筅でお茶を点てる音(ゆっくり)(ループ)ここまで 【詩織】「馴染んできたところで、手首を前後に素早く動かして、しっかりと泡立てていきます」 【詩織】「ちょうど、ひらがなの『い』の字を書くようなイメージですね」 SE:(ヒ)茶筅でお茶を点てる音(すばやく)(ループ) 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※茶筅で素早くお茶を点てる」 SE:(ヒ)茶筅でお茶を点てる音(すばやく)(ループ)ここまで SE:(ヒ)茶筅でお茶を点てる音(ゆっくり)(ループ) 【詩織】「十分に泡だったら、またゆっくりと動かして、泡を細かくしていきます」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※茶筅でゆっくりお茶を点てる」 【詩織】「最後に、『の』の字を書くようにして、茶筅をお茶碗の真ん中からまっすぐに引き上げれば……」 SE:(ヒ)茶筅でお茶を点てる音(ゆっくり)(ループ)ここまで SE:(ヒ)お茶碗を畳の上に置いて差し出す音 ;>>立ち位置:@(マイクの方を向いて) 【詩織】「どうぞ。薄茶です。ゆっくり味わってみてください」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「お茶を飲むときには、お茶碗の正面は避けて、時計回りに回してください」 【あなた】「(飲む)」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※主人公が飲むのを見つめている」 【詩織】「最後に残った泡は、吸ってしまってください」 【あなた】「(吸う)」 【詩織】「ふふ、いかがでしたか?」 【あなた】「(よかった)」 【詩織】「ありがとうございます。楽しめたというのが、最大の褒め言葉です」 【詩織】「もしお兄様がさらに興味を抱いていただけるようでしたら、私と一緒にお稽古をしてみるというのはいかがでしょう?」 【詩織】「お兄様と一緒なら、今の何十倍もお稽古が楽しくなりますっ」 【詩織】「もちろん、私が引き続きお教えすることもできますが……」 【あなた】「(先生)」 【詩織】「ええっ、私がお兄様の先生ですか?」 【詩織】「くすっ、いつもお兄様に勉強などを教えていただく立場でしたので、ちょっと不思議な感じです」 【詩織】「ふふ、考えておいてくださいね」 【詩織】「それで、ですね、あの……もう亭主と正客ではありませんので、お兄様の、お隣に行ってもいいでしょうか?」 【あなた】「(頷く)」 SE:(ヒ)にじる足音(女性/着物/畳) SE:(ヒ)主人公の肩に頭を預ける音 ;>>立ち位置:B(耳の近くで) 【詩織】「えへへ……、お兄様、ここでなら誰にも気づかれませんね?」 【詩織】「作戦、成功です♪」 【あなた】「(まさか……)」 【詩織】「もちろん、お兄様にお茶のおもてなしをしたかったというのも本心ですが、こうしたかった、というのもまた本心です」 【詩織】「もしお父様たちが忘れ物とかで帰ってきたとしても、さすがにここまでは来ないでしょう?」 【詩織】「まんまと、お兄様を誘い込んでしまいました、ふふふ」 【詩織】「私、お兄様に対してだけは、ちょっぴり悪い子になってしまうんです。知りませんでしたか?」 【詩織】「ちなみに今、身体をくっつけあったところから、お兄様成分を吸収中です」 【あなた】「(!)」 【詩織】「1ヶ月も会えなかったんです。しっかり吸収させてください」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「(30秒程度吐息をお願いいたします)※お兄様成分吸収中」 【詩織】「お兄様……、今日は恋人らしいことを、いっぱいさせてくださいね?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「何をするかは、私に任せていただいても良いですか?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「ふふ、今日のために、いろいろ考えていたんですよ。期待していてください」 【あなた】「(楽しみ)」 【詩織】「それではさっそくですが、耳かきはいかがでしょう?」 【詩織】「忙しいとそういったケアまでなかなか手が回らないと、以前おっしゃっていたでしょう?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「ふふ、では母屋に戻りましょう」 【詩織】「縁側でお庭を眺めながらの耳かきは、きっと最高ですよ」 ■■■シーン2■■■ ◆場所:東条邸(日本家屋)の縁側(昼) SE:(環境)小鳥のさえずり音(ループ) SE:(環境)添水の音(ループ) SE:(環境)池を流れる水音(ループ) SE:(ヒ)縁側に座る衣擦れ音 【詩織】「それでは、私の太ももの上に横になってください」 【あなた】「(頷く)」 SE:(主)ヒロインの太ももに寝そべる衣擦れ音 ;>>右耳を下にして膝枕 ;>>立ち位置:B(マイクの方を向いて) ;>>くすぐったさに思わず声を出す 【詩織】「……あっ」 【あなた】「(?)」 【詩織】「あ、すみません。ちょっとくすぐったくて……変な声が出てしまいました。恥ずかしいです……」 【詩織】「そういえば、お兄様の頭の感触、温もり、重み……こんな感じでした」 【詩織】「何度も膝枕をしたことがあるのに、少し経つと思い出せなくなってしまうんです」 【詩織】「思い出そうとしても、モヤがかかったように朧気で……」 【詩織】「お兄様とお会いするときは、いつも緊張でいっぱいだから……余裕がないんでしょうね」 ;>>立ち位置:B(耳元で囁く) 【詩織】「でも、思い出すことができました」 【詩織】「とても……幸せな重みです、ふふっ」 ;>>立ち位置:B(マイクの方を向いて) 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※庭を眺める」 【詩織】「ここで横になっていると、気持ちが落ち着いてきませんか?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「そよ風が運んでくれる草木のにおいを感じながら、池を流れる水の音に耳を澄ませる……最高の贅沢ですよね」 【詩織】「私もよく、ここでお昼寝をするんですよ?」 【詩織】「お母様には、風邪をひくのでやめなさい、とよく叱られるのですが、ふふふ」 【詩織】「それでは、耳かきをはじめていきましょう」 【詩織】「お兄様は庭園の風景を楽しんで、ゆったりとなさっていてくださいね」 【あなた】「(頷く)」 ;>>立ち位置:B(耳の近くで) 【詩織】「最初は、お耳の確認を……」 【詩織】「んー…………」 ;>>立ち位置:B(マイクの方を向いて) 【詩織】「お兄様……大変でしたね」 【詩織】「きっと、お耳の掃除をする余裕がないくらい、お仕事がお忙しかったんですね……」 【あなた】「(謝る)」 【詩織】「なにをおっしゃいますかっ。お兄様に汚いところなど、あろうはずがありませんっ」 【詩織】「いえ、もしあったとしても……だからこそ私がいるんですっ」 【詩織】「将来の旦那さまのお耳を綺麗にするのは、妻である私の務め……、すべてを私に委ねてください」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「では……、入口のほうから……」 SE:(ヒ)耳かきで耳の入口を掃除する音(ループ) 【詩織】「こしょ…………こしょ…………こしょ…………こしょ…………」 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※耳かきで耳の入口を掃除する」 【詩織】「これで、お兄様の耳かきをするのは、何度目でしょう……」 【詩織】「はじめてお兄様に耳かきをして差し上げた日のことは、今でもはっきりと覚えています」 【詩織】「5年前……、お兄様が私の許嫁であると告げられたあの日です」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※耳かきで耳の入口を掃除する」 【詩織】「お兄様も、私が許嫁であることは、あの日まで知らなかったんですよね?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「私も、驚きました」 【詩織】「それまでは、本当の兄のように慕っていましたから……」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※耳かきで耳の入口を掃除する」 【詩織】「ですが……」 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※耳かきで耳の入口を掃除する」 SE:(ヒ)耳かきで耳の入口を掃除する音(ループ)ここまで 【詩織】「不思議と、すんなりと納得できたんです」 【詩織】「この方が、私の将来の旦那さまになるんだ、と……」 【詩織】「そういえばあのとき、お兄様も特に反対はしなかったですよね? どうしてですか……?」 【あなた】「(同じ気持ちだった)」 ;>>「あっ、ああ」は嬉しそうな声 【詩織】「あっ、ああ……あの頃から、お兄様と相思相愛だったなんて……、これはもう、運命というほかありません」 【詩織】「もとは、お父様とおじ様がお酒の席で酔っ払って交わした約束だったようですが……」 【詩織】「今となっては、感謝ですね?」 【あなた】「(頷く)」 SE:(ヒ)耳かきで耳の入口を掃除する音(ループ) 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※耳かきで耳の入口を掃除する」 【詩織】「ああ、そう。そうでした。はじめての耳かきのお話でしたね」 【詩織】「許嫁になったとはいえ、なにをしていいかわからなかった私から、耳かきを提案したんです」 【詩織】「たしか、お友達からお借りした少女漫画に、そういうシーンがあったのを思い出して……」 【詩織】「でも、あとでものすごく後悔しました…………どうしてそんな提案をしてしまったんだろうって」 【詩織】「誰かのお耳を掃除したことなど、一度もありませんでしたから……」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※耳かきで耳の入口を掃除する」 【詩織】「お兄様は、怖くありませんでしたか? たぶん私の手、すごく震えていたと思います……」 【あなた】「(怖かった)」 【詩織】「怖かったですよね……下手くそで、痛かったとも思いますし……本当に、本当にすみませんでした」 【詩織】「ですが、ではどうして、私の耳かきを受け入れてくれたんですか?」 【あなた】「(考える)」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※耳かきで耳の入口を掃除する」 SE:(ヒ)耳かきで耳の入口を掃除する音(ループ)ここまで 【あなた】「(嬉しかった)」 【詩織】「嬉しかった……、私の、気持ちが。それだけの理由ですか?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「やはり、お兄様はお兄様ですね。私の大好きなお兄様です……」 【詩織】「ふふ、もう少しで、入口のお掃除はおしまいですよ」 SE:(ヒ)耳かきで耳の入口を掃除する音(ループ) 【詩織】「こしょ…………こしょ…………こしょ…………こしょ…………」 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※耳かきで耳の入口を掃除する」 SE:(ヒ)耳かきで耳の入口を掃除する音(ループ)ここまで 【詩織】「……ん、はい。入口は、このくらいで……」 【詩織】「次は、奥のほうをしていきますね」 SE:(ヒ)耳かきで耳の奥を掃除する音(ループ) 【詩織】「ぞーり…………ぞーり…………ぞーり…………ぞーり…………」 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※耳かきで耳の奥を掃除する」 【詩織】「気持ちいいですか?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「ふふ、あの頃に比べて、上手くなったでしょう?」 【詩織】「お兄様が、たくさん練習台になってくれたおかげですね、ふふふ」 【詩織】「ぞーり…………ぞーり…………ぞーり…………ぞーり…………」 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※耳かきで耳の奥を掃除する」 【詩織】「……耳かきだけじゃありません」 【あなた】「(?)」 【詩織】「お兄様は、いつも私の手を引いて……私を見守ってくれていました」 【詩織】「5歳の年の差は、子供だった私にとって、とてつもなく大きくて、お兄様がずいぶんと大人に見えたものです」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※耳かきで耳の奥を掃除する」 【詩織】「私が小学生のときには、お兄様は中学生……」 【詩織】「私が中学生のときには、お兄様は高校生……」 【詩織】「ようやく高校生になれたと思ったら、お兄様は社会に出られていて……」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※耳かきで耳の奥を掃除する」 【詩織】「いつまで経っても、年齢の差が縮まらないことはわかっているつもりですが……」 【詩織】「いつも私は、お兄様のお背中を追いかけていたように思います」 【詩織】「お兄様に追いつこう、お兄様にふさわしい女性になりたい、そう思って、勉強も運動も頑張って……」 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※耳かきで耳の奥を掃除する」 SE:(ヒ)耳かきで耳の奥を掃除する音(ループ)ここまで 【詩織】「今は……、少しはお兄様と釣り合えているでしょうか?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「くすっ、すぐに頷いてくださるんですね」 【あなた】「(褒める)」 【詩織】「えっ……、え……、ええー……」 【詩織】「お兄様にふさわしいのが私だけ、というのは、さすがに褒めすぎではないでしょうか?」 【詩織】「あっ、いえ……嬉しいです……嬉しいのですが……」 【詩織】「今……お兄様の顔が、まともに見られません……、ごめんなさい」 SE:(ヒ)耳かきで耳の奥を掃除する音(ループ) 【詩織】「ぞーり…………、ぞーり…………」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※耳かきで耳の奥を掃除する」 SE:(ヒ)耳かきで耳の奥を掃除する音(ループ)ここまで 【あなた】「(じーっ)」 【詩織】「ふぇっ!?」 【詩織】「あ、ああっ……、み、見ないで、見ないでくださいっ」 【詩織】「……今、私の顔……絶対に真っ赤ですから……、こんな顔、お兄様に見られたくありません」 【あなた】「(可愛い)」 【詩織】「可愛いだなんて……やっぱりお兄様はいじわるです」 【詩織】「うぅ……、もう少しで奥もお掃除できます……」 SE:(ヒ)耳かきで耳の奥を掃除する音(ループ) 【詩織】「ぞーり…………ぞーり…………ぞーり…………ぞーり…………」 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※耳かきで耳の奥を掃除する」 SE:(ヒ)耳かきで耳の奥を掃除する音(ループ)ここまで 【詩織】「……はい、できました」 ;>>ちょっとむくれている 【詩織】「ですがお兄様、結局ずっと私の顔を見ていましたよね?」 【詩織】「はぁ……顔、熱い……」 【あなた】「(可愛い)」 【詩織】「また可愛いって……、そ、そう何度も誤魔化される私ではありませんっ」 【詩織】「…………う…………嬉しいですが」 【あなた】「(本当に?)」 【詩織】「お兄様に、可愛いといわれて嫌なはずがありません。何度でも……何回だって……、可愛いっていってもらいたいです」 【あなた】「(何度もいおうとする)」 【詩織】「あ、や、やはりいわないでくださいっ」 【詩織】「……幸せすぎて、私、どうにかなってしまいそうです」 【詩織】「そ、それより、梵天です、梵天っ。まだ、お兄様のお耳の掃除の途中ですよ?」 【詩織】「この、フワフワの部分で、残った細かい垢をとっていきます」 SE:(ヒ)梵天で耳を掃除する音(ループ) 【詩織】「くーる…………くーる…………くーる…………くーる…………」 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※梵天で耳を掃除する」 【詩織】「あ、あの……お兄様」 【あなた】「(?)」 【詩織】「私、そのぅ…………、ほ、本当に…………、可愛い…………でしょうか?」 【詩織】「あ、ぅ……、な、なんっ、なんでもありませんっ」 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※梵天で耳を掃除する」 SE:(ヒ)梵天で耳を掃除する音(ループ)ここまで 【あなた】「(可愛い)」 【詩織】「へっ……、えっ……、かわ、いい……、ぁ……、ぅ……」 ;>>「えへへ」は照れ笑い 【詩織】「またお兄様に、可愛いといっていただけました……えへへ」 【詩織】「すみません、おかしなことを聞いてしまって……」 SE:(ヒ)梵天で耳を掃除する音(ループ) 【詩織】「(15秒程度吐息をお願いいたします)※梵天で耳を掃除する」 【あなた】「(理由を尋ねる)」 【詩織】「あの……その、ですね……、深い意味は、なかったといいますか……」 ;>>か細い声で 【詩織】「…………お兄様に、可愛いといってもらいたかっただけです」 SE:(ヒ)梵天で耳を掃除する音(ループ)ここまで 【あなた】「(聞こえなかった)」 【詩織】「だっ……だから……、お兄様に、可愛いといってもらいたかっただけなんですっ」 【詩織】「は、恥ずかしい……、ぅぅ、お兄様は、私を辱めて、楽しんでおられるのですか……?」 SE:(ヒ)梵天で耳を掃除する音(ループ) 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※梵天で耳を掃除する」 【詩織】「いじわる…………、いじわるお兄様…………、ふふふ」 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※梵天で耳を掃除する」 SE:(ヒ)梵天で耳を掃除する音(ループ)ここまで 【詩織】「先ほどはいわないでください、といいましたが……やはり、いってもらいたかったので……」 【詩織】「お兄様に可愛いといってもらえると、自信がつくといいますか、もっと綺麗になろうって頑張れる気がして……」 ;>>立ち位置:B(耳元で囁く) 【詩織】「これからも……、たまにでいいので……、そうやって、褒めていただけると……嬉しいです」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「ふふ、ありがとうございます。続けますね?」 SE:(ヒ)梵天で耳を掃除する音(ループ) ;>>立ち位置:B(マイクの方を向いて) 【詩織】「くーる…………くーる…………くーる…………くーる…………」 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※梵天で耳を掃除する」 SE:(ヒ)梵天で耳を掃除する音(ループ)ここまで ;>>立ち位置:B(耳元で囁く) 【詩織】「あの…………」 【詩織】「お兄様も、とてもかっこいいです」 【あなた】「(!)」 【詩織】「はぁ〜……いってしまいました」 【詩織】「さっき、私のことを、可愛いといってくださったので、私も、伝えたくなってしまいました……えへへ」 【詩織】「最後に、やさしーく、お耳を撫でておきますね?」 SE:(ヒ)梵天で耳を掃除する音(ループ) ;>>立ち位置:B(マイクの方を向いて) 【詩織】「やさしーく…………やさしーく…………やさしーく…………」 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※梵天で耳を掃除する」 SE:(ヒ)梵天で耳を掃除する音(ループ)ここまで 【詩織】「いかがでしたか?」 【あなた】「(お礼をいう)」 【詩織】「ふふ、すっきりされたようでよかったです」 【詩織】「あ……、少し待ってくださいね」 ;>>立ち位置:B(耳の近くで) 【詩織】「ふー…………」 【あなた】「(!)」 ;>>立ち位置:B(マイクの方を向いて) 【詩織】「ふふ、くすぐったかったですか?」 【詩織】「でも、いたずらではありませんよ。お耳の表面に垢が残っていたので、吹いて飛ばしました」 【あなた】「(ソワソワした)」 【詩織】「えっ……、もしかして、先ほどのがソワソワして気持ちよかったんですか?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「では、もう垢はありませんが、お兄様に喜んでいただけるなら……」 ;>>立ち位置:B(耳の近くで) 【詩織】「ふー…………、ふー…………、ふー…………」 ;>>立ち位置:B(マイクの方を向いて) 【詩織】「あ、ぅ……、これ……」 【あなた】「(?)」 【詩織】「大好きな……お兄様のお耳に、息を吹きかけるなんて……」 【詩織】「よく考えると、とても大胆なことをしていますよね……私……」 【あなた】「(気にしなくていい)」 【詩織】「き、気にしますっ。だって、これ、もう、キスじゃないですかっ……」 【あなた】「(キス?)」 【詩織】「キ、キスですっ……、もう、完全に、間接的なっ……」 【詩織】「まだ、普通の、唇同士のキスもしたことないのに……」 【詩織】「私の息が、お兄様のお肌にあたって……あわわっ、ものすごいことをしているように思えてきましたっ」 【あなた】「(おねだりする)」 【詩織】「えっ……も、もっと……、もっとですか……」 ;>>立ち位置:B(耳の近くで) ;>>たどたどしい息吹き 【詩織】「うぅ…………、ふっ、ふぅぅ〜〜〜ぅぅぅぅぅ………」 ;>>立ち位置:B(マイクの方を向いて) 【詩織】「上手くできなくて、すみません。急に、意識してしまって……」 【詩織】「お兄様、不甲斐ない私を、叱ってください……」 【あなた】「(諭す)」 【詩織】「えっ……、私、本当におかしくないですか?」 【詩織】「……そうですよね、好きだったら、そういうことは自然と意識してしまいますよね」 【詩織】「お兄様も同じで、安心しました……」 【詩織】「その……、もう一度、やってみてもいいですか?」 【あなた】「(頷く)」 ;>>立ち位置:B(耳の近くで) 【詩織】「ふー…………、ふー…………、ふー…………」 【詩織】「今度は、上手くできたでしょうか?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「ふふ……では、もう少し長めに……」 【詩織】「ふー…………、ふー…………、ふー…………、ふー…………、ふー…………」 【詩織】「これくらいで、いかがでしょう?」 【あなた】「(満足)」 【詩織】「ふふ、また次の、耳かきのときにしましょうね」 ;>>立ち位置:B(耳元で囁く) 【詩織】「……あ、あと」 【詩織】「唇へのキスも……お待ちしていますね?」 【あなた】「(!)」 【詩織】「えへへ……」 ;>>立ち位置:B(マイクの方を向いて) 【詩織】「そ、それではっ、は、反対側の、お耳のお掃除をしましょうっ」 ■■■シーン3■■■ ◆場所:東条邸(日本家屋)の縁側(昼) SE:(環境)小鳥のさえずり音(ループ) SE:(環境)添水の音(ループ) SE:(環境)池を流れる水音(ループ) ;>>立ち位置:B(マイクの方を向いて) 【詩織】「このままぐるんとすると、景色が見えなくなってしまいますので……」 【詩織】「お兄様、お手数をおかけしますが、反対側に回って、また私の太ももの上に横になっていただけますか?」 【あなた】「(頷く)」 SE:(主)立ち上がる衣擦れ音 SE:(主)歩く足音(男性/靴下/板張り) SE:(主)かがむ衣擦れ音 ;>>立ち位置:G(マイクの方を向いて) 【詩織】「ありがとうございます。では、こちらに」 【あなた】「(頷く)」 SE:(主)ヒロインの太ももに寝そべる衣擦れ音 ;>>左耳を下にして膝枕 ;>>立ち位置:F(マイクの方を向いて) 【詩織】「これでまた、景色が見えますね」 【詩織】「それとも、ずっと同じで、少し飽きてきましたか?」 【あなた】「(首を振る)」 【詩織】「ふふ、もし眠くなったときは、遠慮なくお休みください」 【詩織】「お兄様には、少しでもお仕事の疲れをとっていただきたいですから……」 【詩織】「私は、こうしてお兄様の温もりを感じていられるだけでも、十分ですので……、ふふっ」 ;>>立ち位置:F(耳の近くで) 【詩織】「では、こちらもお耳の確認を……」 【詩織】「んー…………」 ;>>立ち位置:F(マイクの方を向いて) 【詩織】「お兄様……こんなになるまで放っておくなんて、なんとお労しい……」 【あなた】「(そこまで!)」 【詩織】「くすっ、それは冗談としまして、やり甲斐がありそうです」 【詩織】「それでは、さっそく……」 【詩織】「耳かきの先が、お耳の中に入っていきますよ……」 【詩織】「ふふ、入口の、お掃除です」 SE:(ヒ)耳かきで耳の入口を掃除する音(ループ) 方位F 【詩織】「こしょ…………こしょ…………こしょ…………こしょ…………」 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※耳かきで耳の入口を掃除する」 【詩織】「お兄様……眠ってしまいましたか?」 【あなた】「(返事をする)」 【詩織】「あ、起きてらっしゃったんですね」 【詩織】「もし眠気がこないようでしたら、もう少し私の話相手になっていただいてもいいですか?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「ありがとうございます」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※耳かきで耳の入口を掃除する」 【詩織】「来月、学園祭があることは、以前お兄様にお話ししましたよね?」 【詩織】「中学の頃とは違い、とても大規模なものらしく、私のクラスでも、出し物をすることになったんです」 【詩織】「そこで先日、なにをするか、アンケートの投票がされたんですが……」 【詩織】「1位が、耳かき屋さんでした」 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※耳かきで耳の入口を掃除する」 【あなた】「(耳かき屋さん?)」 【詩織】「私も詳しくはないのですが、お客さまに膝枕をして耳かきをする、というお店があるそうです」 【あなた】「(質問する)」 【詩織】「えっ……、ああ……、そうですね。男性の方もご来場されますね。女子高ですが、生徒のご両親やご兄弟などのご家族、ご親戚、ご友人などが来られますので」 【詩織】「となると……私も、お兄様以外の方に、こうやって耳かきをすることになるのでしょうか?」 【詩織】「それは、気づきませんでした……」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※耳かきで耳の入口を掃除する」 SE:(ヒ)耳かきで耳の入口を掃除する音(ループ)ここまで 【あなた】「(……)」 【詩織】「お兄様、なんだか複雑な顔……。もしかして、反対ですか?」 【あなた】「(頷く)」 SE:(ヒ)耳かきを抜く 【詩織】「……そんなに私に、他の男性の耳かきを、させたくないんですか?」 【あなた】「(頷く頷く頷く)」 【詩織】「ふふ、そうですか……」 SE:(ヒ)耳かきで耳の入口を掃除する音(ループ) 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※耳かきで耳の入口を掃除する」 【詩織】「ご安心ください。耳かき屋さんは、なくなりました」 【詩織】「お客さまのお耳を怪我させてしまう恐れや、衛生面などから、先生に却下されてしまったんです」 【あなた】「(安堵する)」 【詩織】「ふふふ……、ですが、嬉しかったです」 【詩織】「お兄様以外の男性には、指一本、この肌に触れさせるつもりはありません」 【詩織】「生涯、私は、お兄様だけのものです……」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※耳かきで耳の入口を掃除する」 SE:(ヒ)耳かきで耳の入口を掃除する音(ループ)ここまで 【詩織】「お兄様? お兄様? 顔が赤いですが、どうかされましたか?」 【あなた】「(説明する)」 【詩織】「先ほどの……私の言葉の喜びを……噛みしめて……」 ;>>さっきの発言を思い出す 【詩織】「ああっ……私……お兄様だけのものなんて、ものすごく大胆なことをいってしまいましたっ……あ、ぅぅ……」 【詩織】「ですが、お兄様が喜んでくれたのなら、よかったのでしょうか……?」 SE:(ヒ)耳かきで耳の入口を掃除する音(ループ) 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※耳かきで耳の入口を掃除する」 【詩織】「私がこんなに大胆になれるのは、お兄様だけです……ふふ」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※耳かきで耳の入口を掃除する」 SE:(ヒ)耳かきで耳の入口を掃除する音(ループ)ここまで 【詩織】「お兄様……私の、先ほどの言葉に嘘はありません」 【詩織】「この先も、いつまでも、お兄様のお耳だけを、癒やし続けたいです。こうやって……」 SE:(ヒ)耳かきで耳の入口を掃除する音(ループ) 【詩織】「こしょ…………こしょ…………こしょ…………こしょ…………」 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※耳かきで耳の入口を掃除する」 SE:(ヒ)耳かきで耳の入口を掃除する音(ループ)ここまで 【詩織】「入口は、このくらいにして……、次は、奥ですね」 【詩織】「失礼します……」 SE:(ヒ)耳かきで耳の奥を掃除する音(ループ) 【詩織】「ぞーり…………ぞーり…………ぞーり…………ぞーり…………」 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※耳かきで耳の奥を掃除する」 ;>>「そうです」は思い出している 【詩織】「そうです、先ほどの学園祭のお話ですが、最終的にはお化け屋敷に決まったんです」 【詩織】「お兄様は、怖いのは平気でしたよね? 以前、お兄様の家でホラー映画を観たとき、なんともなさそうでしたし」 【詩織】「……私は、たくさん悲鳴をあげてしまいました」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※耳かきで耳の奥を掃除する」 【詩織】「ホラーに興味はあるんですが、やはり怖いものは怖いです……」 【詩織】「でもですね、私、考えてみたんです」 【詩織】「ホラーというのは、観客を怖がらせるために作られているものじゃないですか」 【詩織】「でしたら、怖がらせる側になれば、怖くないんじゃないかとっ」 【あなた】「(感心する)」 【詩織】「お兄様もそう思いますよね? 我ながら妙案でしたっ」 【詩織】「それで、ですね……、なんと、私……」 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※耳かきで耳の奥を掃除する」 SE:(ヒ)耳かきで耳の奥を掃除する音(ループ)ここまで 【詩織】「ろくろ首になりましたっ」 【あなた】「(?)」 【詩織】「ろくろ首です、ろくろ首。知りませんか? 首が伸びる妖怪です」 【あなた】「(知ってる)」 【詩織】「美術部の子が、私の顔の模型を作ってくれて、首が、みょーん、と伸びるんです」 【詩織】「すごいと思いませんか? 絶対、怖いと思うんです」 【詩織】「お兄様、想像してみてください。私の首が伸びるんです」 【詩織】「ほら、とても怖いでしょう?」 【あなた】「(可愛い)」 【詩織】「え……、可愛い? ろくろ首ですよ、妖怪ですよ、怖いはずですっ」 【あなた】「(可愛い)」 ;>>ちょっぴり拗ねる 【詩織】「うー……もう、お兄様っ、怖がってもらえないと、意味がありませんっ」 【詩織】「……妖怪でも可愛いといってもらえるのは、嬉しいですが。複雑な乙女心です……」 SE:(ヒ)耳かきで耳の奥を掃除する音(ループ) 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※耳かきで耳の奥を掃除する」 【詩織】「可愛い……、可愛い……、妖怪なのに、可愛い……」 ;>>なんだかんだで嬉しそう 【詩織】「えへへ……」 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※耳かきで耳の奥を掃除する」 SE:(ヒ)耳かきで耳の奥を掃除する音(ループ)ここまで 【あなた】「(指摘する)」 【詩織】「え……、ん……? ネタバレ……? あっ……」 【詩織】「そ、そうです、お兄様に教えてしまっては、怖がってもらえませんっ」 【詩織】「忘れてください、お兄様っ、お願いします、忘れてっ……」 SE:(ヒ)耳かきで耳の奥を掃除する音(ループ) ;>>「忘れて」にあわせて耳かき 【詩織】「ほら、お兄様…………、忘れてー…………、忘れてー…………、忘れてー…………」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※耳かきで耳の奥を掃除する」 【詩織】「お兄様はだんだん、思い出せなくなってきますー……」 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※耳かきで耳の奥を掃除する」 SE:(ヒ)耳かきで耳の奥を掃除する音(ループ)ここまで 【詩織】「……忘れましたか?」 【あなた】「(もう……なにも……思い出せない)」 【詩織】「ほっ……、記憶が消えてくれたようでよかったです」 【詩織】「これでお兄様に、新鮮な気持ちで学園祭を楽しんでもらえます」 【詩織】「来て……くださいますよね?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「ふふ、楽しみです。頑張って、お兄様を驚かせます」 【詩織】「空き時間もありますので、校内をご案内しますね」 SE:(ヒ)耳かきで耳の奥を掃除する音(ループ) 【詩織】「ぞーり…………ぞーり…………ぞーり…………ぞーり…………」 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※耳かきで耳の奥を掃除する」 SE:(ヒ)耳かきで耳の奥を掃除する音(ループ)ここまで 【詩織】「はい、奥のほうも、お掃除おわりました」 【詩織】「最後に、こちらも梵天で細かい垢をとっていきますね」 SE:(ヒ)梵天で耳を掃除する音(ループ) 【詩織】「くーる…………くーる…………くーる…………くーる…………」 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※梵天で耳を掃除する」 【詩織】「お兄様は、学生の頃はどのように過ごされていたんですか?」 【あなた】「(?)」 SE:(ヒ)梵天を抜く 【詩織】「思い返せば、私の知っているお兄様は、家ばかりで、お兄様からもあまり学校でのお話を聞いたことがありませんでしたので……」 【詩織】「よろしければ、教えていただけませんか?」 【あなた】「(思い出す)」 SE:(ヒ)梵天で耳を掃除する音(ループ) 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※梵天で耳を掃除する」 SE:(ヒ)梵天を抜く 【あなた】「(普通の学生だった)」 【詩織】「普通……、お兄様は、とても謙虚なんですね」 【あなた】「(?)」 【詩織】「お兄様が普通の学生だったなんて、私には信じられません」 【詩織】「私は、お兄様がすごい方だということを知っています」 【詩織】「学校でも、誰からも頼りにされ、類い希なるリーダーシップを発揮され、先生方からの信頼も厚かったに違いありません」 SE:(ヒ)梵天で耳を掃除する音(ループ) 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※梵天で耳を掃除する」 SE:(ヒ)梵天で耳を掃除する音(ループ)ここまで 【あなた】「(……)」 【詩織】「お兄様? どうかされましたか?」 【あなた】「(首を振る)」 【詩織】「なんでもありませんか?それはつまり、私のいったことに間違いはなかった、ということですね、ふふっ」 【詩織】「やはりお兄様は、私のお兄様です」 SE:(ヒ)梵天で耳を掃除する音(ループ) 【詩織】「くーる…………くーる…………くーる…………くーる…………」 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※梵天で耳を掃除する」 SE:(ヒ)梵天を抜く 【詩織】「ふふっ、一度くらいは同じ学校に通ってみたかったですね?」 【詩織】「小学校こそ同じでしたが、許嫁だとわかったときには、お兄様は卒業されて中学生でしたし……」 【詩織】「私、密かに、学校での恋人らしいイベント、というものに憧れていたんです」 【詩織】「一緒に登校したり、お弁当を食べたり、放課後手を繋いで遊びにでかけたり……、素敵だと思いませんか?」 【あなた】「(頷く)」 SE:(ヒ)梵天で耳を掃除する音(ループ) 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※梵天で耳を掃除する」 SE:(ヒ)梵天を抜く 【詩織】「もしお兄様と一緒の学校に通えるなら、中学も高校も、間違いなく共学を選んでいました」 【詩織】「ですがそれは、贅沢すぎる願いなのかもしれませんね」 SE:(ヒ)梵天で耳を掃除する音(ループ) 【詩織】「今もこうして、お兄様を独占させてもらっているんですから……」 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※梵天で耳を掃除する」 SE:(ヒ)梵天で耳を掃除する音(ループ)ここまで ;>>立ち位置:F(耳元で囁く) 【詩織】「私だけのお兄様……」 【詩織】「大好きです……ふふふ」 SE:(ヒ)梵天で耳を掃除する音(ループ) ;>>立ち位置:F(マイクの方を向いて) 【詩織】「くーる…………くーる…………くーる…………くーる…………」 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※梵天で耳を掃除する」 SE:(ヒ)梵天で耳を掃除する音(ループ)ここまで 【詩織】「……ん、お耳、綺麗になりました」 【詩織】「ふふっ、ですが、お兄様にはもっと喜んでいただきたいので……」 ;>>立ち位置:F(耳の近くで) 【詩織】「ふー…………」 ;>>立ち位置:F(マイクの方を向いて) 【詩織】「こちらのお耳も、ふー、ってしてしまいました。ソワソワしましたか?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「よかったです。では、お兄様が満足されるまで……」 ;>>立ち位置:F(耳の近くで) 【詩織】「ふー…………、ふー…………、ふー…………」 ;>>立ち位置:F(マイクの方を向いて) 【詩織】「あの……ふと思ったのですが」 【あなた】「(?)」 【詩織】「もし今の光景を、お父様たちに見られたら、どう説明すれば良いのかなと……」 【あなた】「(!)」 【詩織】「耳かきにしては不自然ですし……お兄様が、お耳をふーふーされるのがお好きだからと、素直に申し上げるべきでしょうか?」 【あなた】「(……)」 【詩織】「きっと私、赤面してしまうと思います」 【詩織】「できれば、2人だけの秘密にしたいですね?」 ;>>立ち位置:F(耳の近くで) 【詩織】「ふー…………、ふー…………、ふー…………」 ;>>立ち位置:F(マイクの方を向いて) 【詩織】「お兄様と、私だけの……」 【詩織】「新しく増えた、2人きりの秘密の時間……、なんだかとても良い響きですね?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「ですよね、ふふふっ……」 ;>>立ち位置:F(耳の近くで) 【詩織】「ふー…………、ふー…………、ふー…………」 ;>>立ち位置:F(マイクの方を向いて) 【詩織】「今日また、この庭園での思い出が1つできました」 【詩織】「庭園も、お屋敷も……ここはどこも、お兄様との思い出で、あふれかえっています」 【詩織】「私の…………、お兄様への想いで、あふれかえっています」 ;>>立ち位置:F(耳の近くで) 【詩織】「ふー…………、ふー…………、ふー…………、ふー…………、ふー…………」 ;>>立ち位置:F(耳元で囁く) 【詩織】「本当に、大好きです、お兄様……」 ;>>立ち位置:F(耳の近くで) 【詩織】「ふふっ、お耳のふーふーは、これくらいにしておきましょうか」 【詩織】「名残惜しいですか?」 【あなた】「(頷く)」 ;>>立ち位置:F(マイクの方を向いて) 【詩織】「実は、お兄様のお耳に、他にもして差し上げたいことがあるんです」 【あなた】「(?)」 【詩織】「クリームを使った、お耳のマッサージです」 【詩織】「お兄様は、お耳のマッサージをされたことはありますか?」 【あなた】「(首を振る)」 【詩織】「ふふ、とても気持ちいいですよ?」 【詩織】「私は、お母様の行きつけのエステサロンに連れて行ってもらったことが何度かあります」 【詩織】「自宅でもできるケア、ということで、やり方をそこの先生に教えていただいたんです」 【詩織】「いかがですか、お兄様?」 【あなた】「(ぜひ)」 【詩織】「ふふ、準備するので、少しお待ちくださいね」 ■■■シーン4■■■ ◆場所:東条邸(日本家屋)の縁側(昼) SE:(環境)小鳥のさえずり音(ループ) SE:(環境)添水の音(ループ) SE:(環境)池を流れる水音(ループ) SE:(ヒ)ポーチを閉める音 SE:(ヒ)クリーム瓶を縁側に置く音 ;>>立ち位置:F(マイクの方を向いて) 【詩織】「お待たせしました、準備が整いました」 【詩織】「今度は仰向けになって、私の太ももの上に頭を置いていただけますか?」 【あなた】「(頷く)」 SE:(主)ヒロインの太ももに寝そべる衣擦れ音 ;>>後頭部を下にして膝枕 ;>>立ち位置:@(マイクの方を向いて) 【詩織】「ふふ、耳かきのときと違って、ずっとお兄様のお顔を見ていられますね?」 SE:(ヒ)クリーム瓶を手に取る音 【詩織】「このクリームを使って、お耳のマッサージをしていきます」 【詩織】「豆乳とゆずのクリームです。とても良い香りがするんですよ。嗅いでみますか?」 【あなた】「(頷く)」 SE:(ヒ)クリーム瓶の蓋を開ける音 【詩織】「はい、どうぞ」 【あなた】「(嗅ぐ)」 【詩織】「いかがですか?」 【あなた】「(良い香り)」 【詩織】「ふふ、気に入っていただけてよかったです。これ、私が毎日使っている、お気に入りのものなんですよ」 【詩織】「今から、お耳につけていきますね」 【詩織】「直接ですと刺激が強かったり、ムラができてしまったりしますので、私の手でじっくりと馴染ませてから……」 SE:(ヒ)クリームをすくい取る音 SE:(ヒ)クリームを手でこねる音 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※クリームを手でこねる」 【詩織】「……やっぱり、いい香りですよね」 【あなた】「(?)」 ;>>むくれる 【詩織】「お友達は、豆乳とゆずのクリームは、おばあちゃんっぽいというんですよ?」 【詩織】「私、おばあちゃんっぽいでしょうか?」 【あなた】「(笑う)」 ;>>拗ねる 【詩織】「あ、もう、笑わないでください。真剣に悩んでるんです」 【詩織】「お友達は私のそういうところがいいといってくれるんですが、私としては今どきの女の子というものにも憧れがありまして……」 【詩織】「古風とかは気にせず、好きなら好き……でいいんでしょうか?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「ふふ、私よりもずっと社会を知っているお兄様が同意してくださると、自信になります。ありがとうございます」 SE:(ヒ)クリームを手でこねる音 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※クリームを手でこねる」 【詩織】「クリームをこね終わりました。人肌に温めましたので、お肌への刺激もほとんどないはずです」 【詩織】「まずは、お耳のまわりから……ゆーっくり、撫でていきますね?」 SE:(ヒ)ゆっくり両耳を撫でる音(ループ) 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※ゆっくり両耳を撫でる」 【詩織】「ふふ、お身体の力を抜いて、リラックスしてくださいね?」 【詩織】「リラックス……リラックス……」 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※ゆっくり両耳を撫でる」 【詩織】「こうして撫でられているだけでも、気持ちいいでしょう?」 【詩織】「ほんのりとゆずの香りがしてくるのも、いいですよね」 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※ゆっくり両耳を撫でる」 【詩織】「お耳の形に手のひらを添わせるように……ゆっくり、ゆっくり……」 【詩織】「クリームをつけた指先が、お耳の表面をすべっていく音も、お楽しみくださいね?」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※ゆっくり両耳を撫でる」 【詩織】「ほら……心地いい音がしませんか?」 【詩織】「シュリ…………、シュリ…………って。心も身体も、優しく、ほぐされていくような……」 【詩織】「シュリ…………、シュリ…………、シュリ…………、シュリ…………」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※ゆっくり両耳を撫でる」 【詩織】「学校でたまに、お友達にもして差し上げるんです」 【詩織】「そのお友達も、この音が好きらしくて……」 【詩織】「それに、お店の人みたいに上手だって、褒めてくださって……、この前は、本気で寝てしまっていたんですよ?」 【詩織】「もうすぐ授業だというのになかなか起きて頂けなくて、大変でした。ふふっ」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※ゆっくり両耳を撫でる」 SE:(ヒ)ゆっくり両耳を撫でる音(ループ)ここまで 【詩織】「ふふ、同じリズムばかりだと、飽きてきますよね?」 【詩織】「もう少し、早くしてみましょうか」 SE:(ヒ)両耳を撫でる音(ループ) 【詩織】「シュリ……、シュリ……、シュリ……、シュリ……」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※両耳を撫でる」 【詩織】「ふふ、少し早く撫でるだけで、先ほどとは全く刺激が異なりませんか?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「お友達がおっしゃるには、ちょっと痛気持ちいい感じが最高、だそうです」 【詩織】「お兄様は、どちらがお好みですか?」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※両耳を撫でる」 【詩織】「私は……、そうですね。お兄様にでしたら、優しくされるのも、痛気持ちよくされるのも、どちらも好きになると思います」 【詩織】「って、あ……、これだと、お兄様にされるのが大前提になっていますね」 【詩織】「……お兄様以外に触れられることなど、考えられませんでしたので」 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※両耳を撫でる」 【詩織】「でも、決して何でも良いというわけではなくて……、お兄様だから、いいといいますか……」 【詩織】「心と身体は密接に繋がっているらしく、どちらかが満たされれば、自然ともう一方も満たされるようになるそうで……」 【詩織】「お兄様が大好きな私にとっては、すべてがご褒美のように思えてですね……、つまり……」 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※両耳を撫でる」 SE:(ヒ)両耳を撫でる音(ループ)ここまで 【詩織】「お兄様にでしたら、何をされたって構いませんっ」 【あなた】「(!)」 【詩織】「あ、あ、あ、忘れてくださいっ。今のは忘れてくださいっ」 【あなた】「(恥ずかしい)」 【詩織】「ううー……ものすごく、恥ずかしいことをいってしまいました」 SE:(ヒ)両耳を撫でる音(ループ) 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※両耳を撫でる」 【詩織】「はぁ〜……、また顔が熱いです……」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※両耳を撫でる」 SE:(ヒ)両耳を撫でる音(ループ)ここまで 【詩織】「……ですが、先ほどのはすべて本心ですから」 【あなた】「(!)」 【詩織】「本心……です。また恥ずかしいことをいってしまいました……」 【詩織】「ですが、お兄様に私の気持ちを理解していただけると……嬉しいです」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「ふふ、ちゃんと伝えられてよかったです」 【詩織】「お耳のマッサージ、続けますね?」 SE:(ヒ)両耳を撫でる音(ループ) 【詩織】「シュリ……、シュリ……、シュリ……、シュリ……」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※両耳を撫でる」 【詩織】「ふふ、本当に気持ちよさそうなお顔ですね」 【詩織】「お兄様がそうした反応をしてくださると、私もとてもやり甲斐があります」 【詩織】「幸せの連鎖、とはこういうことをいうのでしょうね、ふふふ」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※両耳を撫でる」 SE:(ヒ)両耳を撫でる音(ループ)ここまで 【詩織】「お兄様の幸せそうなお顔を、もっと見てみたいです」 【詩織】「今度は、こういうのはいかがでしょう?」 【あなた】「(?)」 【詩織】「お兄様のお耳を、手のひらで包み込んで……」 SE:(ヒ)両耳を包み込んで揉む音(数回) 【詩織】「ムニュ……、と優しく揉んでみます。いかがですか?」 【あなた】「(気持ちいい)」 【詩織】「ふふ、お気に召していただけたようですので、続けますね」 SE:(ヒ)両耳を包み込んで揉む音(ループ) 【詩織】「ムニュ……、ムニュ……、ムニュ……、ムニュ……」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※両耳を包み込んで揉む」 【詩織】「やはり、お兄様のお耳は大きいですね……、こうして手のひらで包み込んでいるとよくわかります」 【あなた】「(どうか尋ねる)」 【詩織】「素敵、だと思います。お耳の大きな男性……、男らしさを感じてしまいます」 【あなた】「(そういうもの?)」 【詩織】「くすっ、そういうものですよ。女性ってけっこう、男性の細かい部分を見ているんです」 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※両耳を包み込んで揉む」 【詩織】「例えば、たくましく太ましい鎖骨とか、節くれ立った指先とか、コリッと迫り出た喉仏とか……」 【詩織】「そういった、自分にはない男性的な部分は、つい目で追ってしまいますね」 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※両耳を包み込んで揉む」 【あなた】「(詩織も?)」 【詩織】「私も女性ですから。そういった部分にはもちろん魅力を感じます」 【詩織】「とはいえ、私の場合はお兄様限定ですが。ふふふ」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※両耳を包み込んで揉む」 【詩織】「女子高だと皆さんいつも、休み時間はそういった話題で盛り上がっていますよ」 【詩織】「お友達もスマホで動画を見せてくれて、アイドルの方の格好いいところを色々教えてくれます」 【詩織】「たしか、“推し活”というんですよね。ライブやファンミーティングがあると、どこでも駆けつけるそうです」 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※両耳を包み込んで揉む」 【詩織】「私も、お兄様のいるところであれば、どこへだって駆けつけます」 【詩織】「あ、ということは、私の推しは、お兄様……、ということになるんでしょうか?」 【詩織】「ですが、私とお兄様は許嫁……、アイドルとファンではありませんし……、うーん……」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※両耳を包み込んで揉む」 SE:(ヒ)両耳を包み込んで揉む音(ループ) ここまで 【詩織】「ああ、そういえばお友達のことで、お兄様にお詫びしなければいけないことがありました……」 【あなた】「(?)」 【詩織】「実はこの前、お友達に許嫁がいると口を滑らせてしまい……、とても興味を持たれてしまったようで、根掘り葉掘り、お兄様のことを聞かれました」 【あなた】「(答えた?)」 【詩織】「はい、すみません……、お兄様のこととなると、私も舞い上がってしまいまして、『ノロけでもうお腹いっぱい』といわれるまでたくさん話してしまいました……」 【あなた】「(……)」 【詩織】「本当に、すみません……」 SE:(ヒ)両耳を包み込んで揉む音(ループ) 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※両耳を包み込んで揉む」 【詩織】「それで、ですね……」 【詩織】「お友達から今度、お兄様を紹介してほしいといわれまして……」 【詩織】「お兄様は、いかがでしょうか?」 【あなた】「(考える)」 【詩織】「嫌でしたら、もちろん断ってくださって構いません。私から、そのようにお伝えします」 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※両耳を包み込んで揉む」 【あなた】「(頷く)」 SE:(ヒ)両耳を包み込んで揉む音(ループ) ここまで 【詩織】「え、いいんですか? 本当に?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「はぁ〜……、ふふ、よかったです。お兄様と同じくらいお友達のことも大切ですから、隠し事はしたくなかったんです」 【詩織】「少し調子の良いところがありますが、誠実で、とても良い子なんですよ? 絶対にお兄様とも仲良くなれると思います」 SE:(ヒ)両耳を包み込んで揉む音(ループ) 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※両耳を包み込んで揉む」 【詩織】「あ、では文化祭の日はいかがでしょう?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「ふふ、お友達にも、そう伝えておきますね。ますます文化祭が楽しみになってきました」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※両耳を包み込んで揉む」 SE:(ヒ)両耳を包み込んで揉む音(ループ)ここまで 【詩織】「ん……、お耳の表面だけでなく、裏側もしっかりとマッサージしておきますね」 【詩織】「お耳の裏側の根元から先のほうに向かって、重ねた指先でなぞるように……」 SE:(ヒ)両耳裏を撫でる音(ループ) 【詩織】「スリ……、スリ……、スリ……、スリ……」 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※両耳裏を撫でる」 SE:(ヒ)両耳裏を撫でる音(ループ)ここまで 【詩織】「お耳の裏側って普段触れることのない部分ですので、マッサージをされるととても気持ち良くありませんか?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「私は特に、根元のコリコリっとした部分をほぐすのが好きなんです。こうして……」 SE:(ヒ)両耳裏を撫でる音(ループ) 【詩織】「スリ……、スリ……、スリ……、スリ……」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※両耳裏を撫でる」 【詩織】「ときどき、自分でもマッサージするんです」 【詩織】「つい癖になって、気づけば授業中に触っていたりして……ふふ」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※両耳裏を撫でる」 【詩織】「お兄様も、癖になってしまいそうですか?」 【詩織】「ふふ、どうぞお好きなだけ癖になってください」 【詩織】「いえ、私が癖にしてさしあげます、ふふふ」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※両耳裏を撫でる」 【詩織】「あ、でも、お兄様はなるべく、自分でマッサージしないでくださいね?」 【あなた】「(?)」 【詩織】「お兄様をマッサージするのは、将来の妻である、私の務めですので……」 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※両耳裏を撫でる」 【詩織】「くすっ、本音をいうと、務めとかは関係なく、私がお兄様にしてさしあげたいだけなのですが」 【詩織】「お兄様に喜んでいただけることは、何でも……」 【詩織】「ですので、してほしいときはいつでもおっしゃってくださいね?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「ふふ、お耳でたくさん気持ちよくなってください、お兄様……」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※両耳裏を撫でる」 SE:(ヒ)両耳裏を撫でる音(ループ)ここまで 【詩織】「お耳の裏側も、だいぶほぐれてきたようですね」 【詩織】「では、お耳の入口まわりもしていきましょうか」 【詩織】「ここは、とびきりデリケートですからね」 【詩織】「羽毛を撫でるように、指先で、優しく……していきます……」 SE:(ヒ)両耳の入口に指を入れてほぐす音(ループ) 【詩織】「くるーり……、くるーり……」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※両耳の入口まわりを撫でる」 【詩織】「ふふっ、わかります。ちょっとムズムズするの……」 【詩織】「同じ事を自分でやっても平気なのに、人にされると感じ方が全く違うのって、不思議ですよね」 【詩織】「ですが、このムズムズが心地よくもあって……」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※両耳の入口まわりを撫でる」 【詩織】「やはり、自分でするよりも、誰かにしてもらうほうが、いいですよね?」 【詩織】「お兄様と私の間に流れる、許嫁の……恋人の、何気ない穏やかな時間……」 【詩織】「どこかに出かけたりとかももちろん素敵ですが、私はお兄様とこうしていられるだけでも幸せです……」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※両耳の入口まわりを撫でる」 【詩織】「社会人と学生では、会える時間が限られてしまうのは、仕方のないことです」 【詩織】「寂しくない、といえば嘘になりますが、それはお兄様が悪いわけではないでしょう?」 【詩織】「だからこそ、こうしてふれ合える時間が、より大切に感じられるんだと思います」 【詩織】「それに……、心ではいつも繋がり合えている、と、そう、私は信じていますから……ふふふ」 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※両耳の入口まわりを撫でる」 SE:(ヒ)両耳の入口に指を入れてほぐす音(ループ)ここまで 【詩織】「あ、お耳といえば……、お耳にはたくさんツボがあることをご存じですか?」 【詩織】「足ツボというのは有名ですが、お耳にも同様に、たくさんのツボが集まっているんですよ」 【詩織】「お兄様は、お仕事の疲れがたまっていませんか? 最近は特にお忙しそうでしたし……」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「では、ぜひツボ押しも。疲労に効くツボも心得ています」 【詩織】「お耳というのは、ちょうど人間を逆さにしたような感じで、ツボがあるそうです」 SE:(ヒ)両耳のツボを押す音(単発)※「ここ」で再生 【詩織】「ですので、耳たぶの、ここ……」 【詩織】「ここが、目のツボになります」 【詩織】「デスクワークなどで消耗した疲れ目に効きますよ。押していきますね」 SE:(ヒ)両耳のツボを押す音(ループ) 【詩織】「ぐり…………、ぐり…………。ぐり…………、ぐり…………、ぐり…………」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※両耳のツボを押す」 SE:(ヒ)両耳のツボを押す音(ループ)ここまで 【詩織】「先ほどより、少しは目がスッキリしましたか?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「ふふ、あまりご無理はなさらないでくださいね」 【詩織】「疲れをためないことが一番大切です」 【詩織】「私も、そういうお兄様を見ていると心配で、いてもたってもいられなくなってしまいますから……」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「ふふ、はい、私のためと思って、よろしくお願いしますね」 SE:(ヒ)両耳のツボを押す音(単発)※「ここ」で再生 【詩織】「ここ、は……、額……、頭痛などに効くツボです。頬のリフトアップの美容効果もあるんですよ」 SE:(ヒ)両耳のツボを押す音(ループ) 【詩織】「ぐり…………、ぐり…………」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※両耳のツボを押す」 SE:(ヒ)両耳のツボを押す音(ループ)ここまで 【あなた】「(たるみ……)」 【詩織】「くすっ、心配しなくても、お兄様の頬はたるんでなどいません。引き締まっていて、とても格好良いです」 【詩織】「ですが、お肌のケアを含め、日頃から美容への意識を高めておくに越したことはありませんからね」 SE:(ヒ)両耳のツボを押す音(単発)※「ここ」で再生 【詩織】「ここ、も……、美容でいえば、むくみや小顔……、肩こりにも効果があります」 SE:(ヒ)両耳のツボを押す音(ループ) 【詩織】「ぐり…………、ぐり…………」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※両耳のツボを押す」 SE:(ヒ)両耳のツボを押す音(ループ)ここまで 【詩織】「デスクワークだと、肩や腰にも負担がかかっていますよね」 SE:(ヒ)両耳のツボを押す音(単発)※「ここ」で再生 【詩織】「ちなみに腰痛に効くのは、耳の少し上側の、山脈のように固く盛り上がった……、ここ、です」 SE:(ヒ)両耳のツボを押す音(ループ) 【詩織】「ぐり…………、ぐり…………」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※両耳のツボを押す」 SE:(ヒ)両耳のツボを押す音(ループ)ここまで 【詩織】「できる限り、お兄様のことは私がしたいのですが、もしお仕事中に疲れを感じてきたら、ご自身でそっと押してあげてもいいと思います」 【詩織】「あまり強く押さないでくださいね? ほどよく、痛気持ちいいくらいの強さで……」 SE:(ヒ)両耳のツボを押す音(単発)※「ここ」で再生 【詩織】「そして、その少し下……、ここ、が、腎臓」 SE:(ヒ)両耳のツボを押す音(ループ) 【詩織】「腎臓は、東洋医学では、精気を貯める臓器といわれ、腎臓が弱ってくると、耳鳴りやむくみ、だるさなど、身体に様々な不調が出てくるそうです」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※両耳のツボを押す」 SE:(ヒ)両耳のツボを押す音(ループ)ここまで 【詩織】「お兄様には、いつまでも健康で、元気にいてほしいので、しっかりとほぐしておきました」 SE:(ヒ)両耳のツボを押す音(単発)※「ここ」で再生 【詩織】「そのさらにもう少し下……、ここ、が、胃です」 SE:(ヒ)両耳のツボを押す音(ループ) 【詩織】「まさかお兄様に限ってそのようなことはないと思いますが、ひとり暮らしだからといって、暴飲暴食はされていませんか?」 【あなた】「(……)」 【詩織】「外食、コンビニのお弁当……、毎日そのような食生活をされていては、胃が不調を来してしまいます」 【詩織】「しっかりほぐしておかないと……」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※両耳のツボを押す」 SE:(ヒ)両耳のツボを押す音(ループ)ここまで 【詩織】「お仕事でお疲れでしょうから、自炊を毎日するのは大変ですよね?」 【詩織】「そういうときは遠慮なく、私を呼んでください。美味しいご飯を作りに行きます」 【あなた】「(悪い)」 【詩織】「申し訳なくなどありません。お兄様の体調が悪くなってしまうほうが、私はよほどツラいです」 【詩織】「ですので、私のためと思って。ぜひお願いします」 SE:(ヒ)両耳のツボを押す音(単発)※「ここ」で再生 【詩織】「お耳の上のほう……、ここ、が、神門と呼ばれるツボです。心に効くツボ、といわれています」 【詩織】「不眠の改善やストレスの緩和など、自律神経を整えてくれます」 SE:(ヒ)両耳のツボを押す音(ループ) 【詩織】「ぐり…………、ぐり…………」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※両耳のツボを押す」 【詩織】「動悸やあがり症にも効くそうですので、お取引先との商談や社内でのプレゼンの前に押されてみても良いかもしれませんね」 【詩織】「ぐり…………、ぐり…………」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※両耳のツボを押す」 SE:(ヒ)両耳のツボを押す音(ループ)ここまで 【詩織】「ふふ、今日はこれくらいにしておきましょうか」 【詩織】「はじめてのお耳のクリームマッサージとツボ押しはいかがでしたか? 気持ちよかったですか?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「また、してさしあげますね?」 【詩織】「ご要望とあらば、お兄様の家まで出張マッサージに行きますよ、ふふふ」 ;>>小さく吐き出す吐息。憂うようなニュアンスで 【詩織】「…………」 【詩織】「やはり、お兄様と早く結婚したいです……」 【詩織】「そうすれば、お兄様の私生活を支えられて、マッサージだって……、お食事だって、三食とも作れるのに……」 【詩織】「あ、そうです。せめて、お弁当を作らせていただけませんか? 栄養たっぷりの、バランスの取れたお弁当を作りますっ」 【あなた】「(頷く)」 ;>>「は、ぁぁっ」は笑顔が咲いたように嬉しそうな声で 【詩織】「は、ぁぁっ……、ありがとうございますっ」 【詩織】「さっそくですが、明日は、何にしましょう? お兄様は、何か希望はありますか?」 【詩織】「ふふ、楽しみです。毎朝作って、お兄様のお家までお届けしますね?」 ■■■シーン5■■■ ◆場所:東条邸(日本家屋)の大広間(夜) ;>>立ち位置:I(マイクの方を向いて) ;>>襖越しに 【詩織】「失礼します」 SE:(ヒ)襖の開閉音 SE:(ヒ)歩く足音(女性/足袋/畳) //2〜3歩歩いて立ち止まる ;>>立ち位置:@(マイクの方を向いて) 【詩織】「お兄様、お風呂を入れました。いかがでしょうか?」 【あなた】「(遠慮する)」 【詩織】「お父様たちも出かけたまま帰っておりませんので、遠慮なさらず入ってください」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「では、こちらへ。ご案内は不要とは思いますが、付き添わせてください」 SE:(主)歩く足音(男性/靴下/畳) SE:(ヒ)襖の開閉音 ◆場所:東条邸(日本家屋)の廊下(夜) SE:(主)歩く足音(男性/靴下/板張り) SE:(ヒ)歩く足音(女性/足袋/板張り) ;>>立ち位置:A(マイクの方を向いて) 【詩織】「それでですね……、お兄様……、折り入ってお願いが……」 【あなた】「(?)」 【詩織】「その……、い、一緒に、お風呂に……」 【詩織】「あ、いえ……すみません。たいしたことではございませんので……」 ◆場所:東条邸(日本家屋)の脱衣所(夜) SE:(ヒ)脱衣所の扉(引き戸)の開閉音 SE:(ヒ)歩く足音(女性/足袋/板張り) SE:(ヒ)棚に着替えを置く音 ;>>立ち位置:O(マイクの方を向いて) 【詩織】「お着替えは、こちらの棚に置いておきますね」 【あなた】「(お礼をいう)」 SE:(ヒ)歩く足音(女性/足袋/板張り) ;>>立ち位置:@(マイクの方を向いて) 【詩織】「あ……、あの……、お兄様っ……」 【詩織】「わ、私も、お風呂に入っても、良いでしょうか……?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「あ、いえ、私が先に入りたいという意味ではなく……、一緒に、という意味です……」 【あなた】「(!)」 【詩織】「結婚すれば、これからこういう機会も増えてくるでしょうし……、今のうちに、慣れておきたくて……」 【詩織】「……女性からこういうお誘いをするのは、やはり、はしたないでしょうか?」 【あなた】「(首を振る)」 【詩織】「え、良いんですかっ? 本当に? 一緒に入っても?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「よかったです……、お兄様に拒否されたらどうしよう、ととても不安でした」 【詩織】「では、あの……、お召し物を脱ぐお手伝いをしますね?」 【あなた】「(!)」 【詩織】「私からお誘いしたのですから、当たり前のことです。どうか、お兄様はそこの椅子に腰掛けて、くつろがれていてください」 【詩織】「将来の妻に、お任せを……」 SE:(主)木製の椅子に座る音 ;>>立ち位置:@(高低差:高/マイクの方を向いて) ※ヒロイン立ち、主人公座り 【詩織】「では、まずはジャケットから……」 【詩織】「袖を、失礼します……」 SE:(ヒ)ジャケットを脱がす音 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※ジャケットを脱がす」 【詩織】「ジャケットは手洗いして、明日の朝には着られるようにしておきますね」 【あなた】「(首を振る)」 【詩織】「いえ、全然面倒ではありません。させてください」 【詩織】「将来の旦那さまの身の回りのお世話は、すべて私がしたいんです」 【詩織】「もちろん私も、今は亭主関白などという時代でないことは理解しています。ですのでこれはどちらかといえば、私の勝手です」 【詩織】「ご迷惑……でしょうか?」 【あなた】「(首を振る)」 ;>>「あっ」は嬉しそうなニュアンスで 【詩織】「あっ……、一所懸命、丹精を込めて洗わせていただきますっ」 【詩織】「ふふ……、では、次はシャツを……」 【詩織】「ボタンを、外していきますね?」 SE:(ヒ)ボタンを外す音 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※ボタンを外す」 【詩織】「また、袖を失礼します……」 SE:(ヒ)シャツを脱がす音 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※シャツを脱がす」 【詩織】「こちらもお洗濯して、アイロンをかけておきますね?」 【詩織】「夢だったんです。お兄様のシャツに、アイロンをかけること……」 【詩織】「思いがけず、夢が叶ってしまいました、ふふふ」 【詩織】「あとは、下ですね……」 【あなた】「(!)」 【詩織】「や、やらせてくださいっ……お兄様のことは、すべて……」 【詩織】「すー……はぁ……」 SE:(ヒ)しゃがむ衣擦れ音(着物) ;>>立ち位置:@(高低差:高→通常/マイクの方を向いて) ※ヒロイン立ち→しゃがみ、主人公座り 【詩織】「失礼します……」 SE:(ヒ)ベルトを外す音 ;>>立ち位置:@(マイクの方を向いて)※ヒロインしゃがみ、主人公座り 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※ベルトを外す」 【詩織】「あ……、お兄様、お手数ですが、少し腰を浮かせていただけますか?」 【詩織】「お尻がついたままでは、脱がしにくいので……」 【あなた】「(頷く)」 SE:(主)腰を浮かす衣擦れ音 【詩織】「ありがとうございます」 SE:(ヒ)ズボンを脱がす音 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※ズボンを脱がす」 【詩織】「足も、少し上げていただけますか?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「ありがとうございます」 SE:(ヒ)ズボンをゆっくり引き抜く音 【詩織】「ん、しょ……」 【詩織】「もう少しだけ、このままでお願いします……、靴下も……」 SE:(ヒ)両靴下を脱がす音 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※両靴下を脱がす」 【詩織】「もう足を下ろしていただいて構いませんよ」 SE:(ヒ)立ち上がる衣擦れ音(着物) ;>>立ち位置:@(高低差:高/マイクの方を向いて) ※ヒロイン立ち、主人公座り 【詩織】「あの……、で、ですね……」 【詩織】「少しだけ、後ろを向いていただけますでしょうか? 私も、脱ぎたいので……」 【あなた】「(頷く)」 SE:(主)ヒロインの背中を向ける足音(男性/裸足/板張り) SE:(ヒ)着物を脱ぐ音 ;>>立ち位置:D(マイクの方を向いて) 【詩織】「(30秒程度吐息をお願いいたします)※着物を脱ぐ」 【詩織】「ん……、ハンガーにかけて……」 SE:(ヒ)脱いだ着物や帯をハンガーにかける音 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※脱いだ着物や帯をハンガーにかける」 【詩織】「お、お待たせしました、お兄様……」 【詩織】「では、入りましょうか……」 SE:(主)歩く足音(男性/裸足/板張り) SE:(ヒ)歩く足音(女性/裸足/板張り) SE:(ヒ)浴室の扉(引き戸)の開閉音 ◆場所:東条邸(日本家屋)の浴室(夜) SE:(環境)スズムシの声(ループ) ※大窓から外の環境音が聞こえる ;>>立ち位置:G(マイクの方を向いて) 【詩織】「お兄様、そちらの椅子におかけください。お背中をお流しします」 【あなた】「(頷く)」 SE:(主)木製の風呂椅子に座る音 ;>>立ち位置:D(マイクの方を向いて) 【詩織】「お兄様は、この檜のお風呂の香りと、大窓から見える竹林がお好きでしたよね?」 【詩織】「落ち着きのある奥深い香りと、緑豊かな景色を、ご緩りとお楽しみください……」 【詩織】「では、シャンプーの前に、予洗いをしていきます」 【詩織】「頭にお湯をかけますので、目をつむっていただけますか?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「ぬるめにしていますが、もし熱かったらいってくださいね?」 SE:(ヒ)主人公の頭にお湯をかける音(ループ)  【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※主人公の頭にお湯をかける」 ;>>立ち位置:D(Fの耳元に向かって) 【詩織】「お湯加減はいかがですか?」 【あなた】「(問題なし)」 【詩織】「ふふ、ちょうど良い感じのようですので、このまま続けますね」 ;>>立ち位置:D(マイクの方を向いて) 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※主人公の頭にお湯をかける」 【詩織】「予洗いとは、事前に頭皮や髪についた汚れをお湯で落とすことをいいます」 【詩織】「予洗いをすることで、シャンプーの泡立ちがよくなったり、毛穴に詰まった皮脂がふやけて落ちやすくなったりするんですよ」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※主人公の頭にお湯をかける」 【詩織】「スタイリング剤がついている場合は予洗いだけでは落ちにくいらしく、プレシャンプーといって、軽くシャンプーで洗ったほうがいいそうなのですが……」 【詩織】「お兄様はつけられていないので、予洗いだけにしますね?」 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※主人公の頭にお湯をかける」 【詩織】「ふふ、偉そうに語ってしまいましたが、実は、行きつけの美容院の美容師さんに教えていただいたことなんです」 【詩織】「私が自分から話しかけるのが苦手なのを知っていて、いつも気さくに話しかけてくださいます」 【詩織】「その方も彼氏さんがいらっしゃるそうで、ついついそういった話題で盛り上がってしまって……」 【あなた】「(気になる)」 【詩織】「こればかりは、いくらお兄様でも教えられません。女性同士の秘密です、ふふっ」 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※主人公の頭にお湯をかける」 SE:(ヒ)蛇口のハンドルを回す音 SE:(ヒ)主人公の頭にお湯をかける音(ループ)ここまで 【詩織】「はい、予洗いできました」 SE:(ヒ)シャンプーの缶を手に取る音 ;>>立ち位置:D(Fの耳元に向かって) 【詩織】「これは、炭酸シャンプーです」 【詩織】「普通のシャンプーに比べて、血行促進による抜け毛予防や、頭皮のにおい除去などの高い洗浄効果が期待できるんですよ」 【詩織】「ラベンダー、セージ、ローズマリーなどの植物エキス、さらに保湿効果も配合されていて、トリートメントを使わずに、これ1本で済むのも便利ですね」 【詩織】「私も同じものを愛用しています」 【詩織】「使う前に、こうしてよく振って……」 SE:(ヒ)シャンプーの缶を振る音 ;>>立ち位置:D(マイクの方を向いて) 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※シャンプーの缶を振る」 【詩織】「手に、たっぷりと泡を出します」 SE:(ヒ)缶から炭酸泡を出す音 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※缶から炭酸泡を出す」 【詩織】「炭酸のシュワシュワとした感触がたまらないですよ、ふふっ」 【詩織】「髪につけていきますね?」 【あなた】「(頷く)」 SE:(ヒ)炭酸泡を髪につける音(ループ)  【詩織】「ふんわりと……髪全体に……まんべんなく……」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※炭酸泡を髪につける」 SE:(ヒ)炭酸泡を髪につける音(ループ)ここまで 【詩織】「つけおえたら、頭皮をもみほぐすように、洗っていきます」 SE:(ヒ)髪の毛を洗う音(ループ)  【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※髪の毛を洗う」 【詩織】「爪などで傷つけてしまわないように、指の腹で、生え際から襟足まで……丁寧に、優しく、しっかりと……」 【詩織】「頭皮は、思っている以上にデリケートですからね」 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※髪の毛を洗う」 ;>>立ち位置:D(Fの耳元に向かって) 【詩織】「シュワシュワの感じはいかがですか?」 【あなた】「(いい感じ)」 【詩織】「ふふ、お兄様と同じお気に入りができて、私も嬉しいです」 ;>>立ち位置:D(マイクの方を向いて) 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※髪の毛を洗う」 【詩織】「あの……、お兄様、ごめんなさい。先ほど、嘘をついてしまいました……」 【あなた】「(?)」 【詩織】「先ほどの、一緒にお風呂に入りたいといった理由です……」 【詩織】「結婚すれば、というのもたしかにその通りなのですが……、そればかりではなく……」 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※髪の毛を洗う」 【詩織】「本当は…………、お兄様とお風呂に入りたかっただけ、なんです」 【あなた】「(頷く)」 ;>>立ち位置:D(Fの耳元に向かって) 【詩織】「え、えっ、わかってらっしゃったんですか?」 ;>>立ち位置:F→D(喋り出し移動しながら) 【詩織】「お兄様には私の気持ち、すべて見透かされてしまっていたんですね……」 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※髪の毛を洗う」 【詩織】「それでも頷いてくださったということは、もしかしてお兄様も私とお風呂に……?」 【あなた】「(頷く)」 ;>>「ああ」は嬉しそうなニュアンスで 【詩織】「ああ……、お兄様も同じ気持ちだったんですね」 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※髪の毛を洗う」 SE:(ヒ)髪の毛を洗う音(ループ)ここまで ;>>立ち位置:D(Fの耳元に向かって) 【詩織】「で、でしたら、その……」 【詩織】「これからは、お会いしたときはずっと、一緒にお風呂に入りませんか?」 【詩織】「許嫁ということは、そういうことも許される関係だと思いますし……、私としては、そうなると嬉しいのですが……」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「ふふ、次にお兄様とお風呂に入れる日が楽しみですっ♪」 SE:(ヒ)髪の毛を洗う音(ループ) ;>>立ち位置:D(マイクの方を向いて) 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※髪の毛を洗う」 【詩織】「それにしてもお兄様……、かなり頭皮が固くなっていますね?」 【詩織】「疲れが溜まるなどして血行が悪くなると、固くなるそうです」 【詩織】「やはり、お仕事を頑張りすぎではありませんか……?」 SE:(ヒ)髪の毛を洗う音(ループ)ここまで 【詩織】「私にはこれくらいしかできませんが、しっかりともみほぐして、ケアさせてください」 SE:(ヒ)髪の毛に触れる音 【詩織】「手を軽く握るようにして、側頭部に押し当てて……」 SE:(ヒ)髪の毛をマッサージする音(連続)※それぞれの「ぐるーり」で再生 方位B+F 【詩織】「小さく円を描くように…………、ぐるーり…………、ぐるーり…………」 【詩織】「ふふ、気持ちよくなってきましたか?」 【詩織】「続けますね…」 SE:(ヒ)髪の毛をマッサージする音(ループ) 【詩織】「ぐるーり…………、ぐるーり…………」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※髪の毛をマッサージする」 SE:(ヒ)髪の毛をマッサージする音(ループ)ここまで 【詩織】「後頭部も同じように……」 SE:(ヒ)髪の毛をマッサージする音(ループ) 【詩織】「ぐるーり…………、ぐるーり…………」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※髪の毛をマッサージする」 【詩織】「特に後頭部はストレスなどで固くなりやすいそうですからね……」 【詩織】「念入りに、マッサージしておきます」 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※髪の毛をマッサージする」 SE:(ヒ)髪の毛をマッサージする音(ループ)ここまで 【詩織】「ふふ、少しは頭の重たい感じがとれてきましたか?」 SE:(ヒ)髪の毛に触れる音  【詩織】「あとは、頭頂部の、縫合部に沿わせて……」 【詩織】「あ、縫合部というのは、頭蓋骨の骨同士を繋いでいる場所のことです」 【詩織】「ここを、指先で押して、ほぐしていきます」 SE:(ヒ)髪の毛をマッサージする音(ループ) 【詩織】「ぐり…………、ぐり…………、ぐり…………、ぐり…………」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※髪の毛をマッサージする」 【詩織】「私も、勉強で疲れたときなどに自分でしてるんですよ?」 【詩織】「ぐり…………、ぐり…………、ぐり…………、ぐり…………」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※髪の毛をマッサージする」 SE:(ヒ)髪の毛をマッサージする音(ループ)ここまで 【詩織】「いかがですか? 頭や首がさらに軽くなってきた感じがしませんか?」 【あなた】「(頷く)」 SE:(ヒ)髪の毛に触れる音 方位D 【詩織】「首の付け根や、首筋も、同じように指先で……」 SE:(ヒ)髪の毛をマッサージする音(ループ) 【詩織】「ぐっ…………、ぐっ…………、ぐっ…………、ぐっ…………」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※髪の毛をマッサージする」 SE:(ヒ)髪の毛をマッサージする音(ループ)ここまで 【詩織】「ふふ、痛気持ちいいですか?」 【詩織】「ここにも、ツボがあるんですよ」 【詩織】「もう少ししておきますね」 SE:(ヒ)髪の毛をマッサージする音(ループ) 【詩織】「ぐっ…………、ぐっ…………、ぐっ…………、ぐっ…………」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※髪の毛をマッサージする」 SE:(ヒ)髪の毛をマッサージする音(ループ)ここまで 【詩織】「最後にもう一度頭全体をほぐして、リンパを流していきます」 SE:(ヒ)髪の毛を洗う音(ループ) 【詩織】「んっ…………、んっ…………」 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※髪の毛を洗う」 SE:(ヒ)髪の毛を洗う音(ループ)ここまで ;>>立ち位置:D(Fの耳元に向かって) 【詩織】「ん、ふぅ……、他に、気になるところなどはございませんか?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「ふふ、スッキリしていただけたようでなによりです」 【詩織】「夫婦というものは、互いを助け合い、支え合い、尽くすものだと聞きます」 【詩織】「私も、お兄様とそうなっていきたいです」 【詩織】「では、泡を落としていきますので、また目をつむっていてくださいね?」 ;>>立ち位置:D(マイクの方を向いて) 【詩織】「かけますね」 SE:(ヒ)主人公の頭にお湯をかける音(ループ) 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※主人公の頭にお湯をかける」 【詩織】「しっかりと……洗い残しがないように……」 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※主人公の頭にお湯をかける」 SE:(ヒ)主人公の頭にお湯をかける音(ループ)ここまで ;>>立ち位置:D(Fの耳元に向かって) 【詩織】「もう目を開けていただいて構いませんよ」 【詩織】「心なしか、先ほどより顔色が優れているように見えます」 【詩織】「今朝お会いしたときは、あまり優れていないようでしたので……」 【詩織】「元気が出てきたようで、よかったです」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「ふふ、お礼などいりません」 【詩織】「お兄様の幸せは、私の幸せでもあるんですから……」 【詩織】「お兄様にもっと元気になっていただけるよう、お背中もお流ししますね?」 //シーン5からシームレスに繋がっています。 ■■■シーン6■■■ ◆場所:東条邸(日本家屋)の浴室(夜) SE:(環境)スズムシの声(ループ) ※大窓から外の環境音が聞こえる ;>>立ち位置:D(Fの耳元に向かって) 【詩織】「石けんを泡立てますので、そのまま少しお待ちください」 SE:(ヒ)石けんを泡立てる音(ループ) 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※石けんを泡立てる」 【あなた】「(もしかして手で?)」 ;>>立ち位置:E(マイクの方を向いて) 【詩織】「はい、洗うのはもちろん、手で、です。私もいつも、自分の身体は手で洗っています」 【詩織】「それがどうかされましたか?」 【詩織】「あっ……、ということは、お兄様の身体に直接触れる、ということですよね……」 【詩織】「それは少し……いえ、かなり緊張してしまいますね」 【あなた】「(やめておこうか)」 【詩織】「い、いえ、やめませんっ。万が一、タオルなどを使ってお兄様のお肌が傷ものになってしまったらと想像しただけで、私はどうにかなってしまいそうですっ」 【詩織】「やります、やらせてください」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※石けんを泡立てる」 SE:(ヒ)石けんを泡立てる音(ループ)ここまで 【詩織】「で、では、泡立て終わりましたので、お背中から……」 SE:(ヒ)背中を洗う音(ループ) ;>>立ち位置:D(マイクの方を向いて) 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※背中を洗う」 SE:(主)体をよじらせる 【詩織】「お兄様? どうかされましたか?」 【詩織】「先ほど、お身体が少し震えたような気がしたのですが……」 【あなた】「(首を振る)」 【詩織】「そうですか、もし何かあれば遠慮なくおっしゃってくださいね?」 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※背中を洗う」 【詩織】「まだ許嫁になる前……、幼い頃にもこうして一緒に入って、お兄様のお背中を洗ったことがありましたよね」 【詩織】「くすっ、洗ったといえば聞こえはいいですが、ほとんどじゃれついていただけだったことを覚えています」 【詩織】「あの頃もお兄様のお背中は広く感じましたが、今はもっと広くなったように思います……」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※背中を洗う」 【詩織】「本当に、広い……」 【詩織】「男性のお背中、という感じがします……」 【詩織】「私とは、全然違う……、男性の……」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※背中を洗う」 【詩織】「やはり、あの頃とは違うのですね」 【詩織】「性別を意識していなかった頃と異なり、お互いに、男性と女性になりました……」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※背中を洗う」 SE:(ヒ)背中を洗う音(ループ)ここまで ;>>立ち位置:D(Fの耳元に向かって) 【詩織】「あの、お兄様……」 【あなた】「(?)」 【詩織】「私も、女性らしくなったでしょうか? その、からだつき、とか……」 【あなた】「(!)」 【詩織】「はっきりおっしゃってくださって構いません」 【詩織】「お兄様に比べてまだまだ子供であることは、私が一番理解しています……」 SE:(ヒ)背中を洗う音(ループ) ;>>立ち位置:D(マイクの方を向いて) 【詩織】「(15秒程度吐息をお願いいたします)※背中を洗う」 【詩織】「え、あ、ほ、本当に……? 本当に、お兄様にとって、魅力的な女性になっているでしょうかっ?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「そ、そうですか……安心しました。今日まで、お兄様にふさわしい女性にと精進を重ねてきて、本当によかったです」 SE:(ヒ)背中を洗う音(ループ)ここまで 【詩織】「あ……、ふふっ、お背中を洗い終わってしまいました」 【詩織】「広かったですが、楽しかったのであっという間でしたね、ふふふ」 SE:(ヒ)移動する足音(女性/裸足/タイル) ;>>立ち位置:D→F(しゃべりながら移動) 【詩織】「次は、右の腋を失礼します……、腕をあげていただけますか?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「ありがとうございます」 SE:(ヒ)腋を洗う音(ループ) 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※腋を洗う」 【詩織】「くすっ、くすぐったいですか?」 【詩織】「すみません。少しだけ我慢してくださいね?」 【詩織】「(15秒程度吐息をお願いいたします)※腋を洗う」 SE:(ヒ)腋を洗う音(ループ)ここまで 【詩織】「ありがとうございました。もう下ろしていただいて構いません」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「ふふ、腕も洗っていきますね?」 SE:(ヒ)腕を洗う音(ループ) 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※腕を洗う」 【詩織】「お兄様は、腕もたくましいですね」 【詩織】「こうして両手でぐるっと囲んでも、掴みきれません」 【詩織】「男らしくて、とても素敵だと思います……」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※腕を洗う」 SE:(ヒ)腕を洗う音(ループ)ここまで 【詩織】「指先も……、1本1本、丁寧に……」 【詩織】「親指から……」 SE:(ヒ)指を洗う音(ループ) 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※指を洗う」 【詩織】「人差し指……」 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※指を洗う」 【詩織】「中指……」 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※指を洗う」 【詩織】「薬指……」 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※指を洗う」 【詩織】「小指……」 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※指を洗う」 SE:(ヒ)指を洗う音(ループ)ここまで 【詩織】「最後に、手のひらと手の甲を洗って……」 SE:(ヒ)手を洗う音(ループ) 方位F 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※手を洗う」 SE:(ヒ)手を洗う音(ループ)ここまで 【詩織】「指先が節張っていて、大きい手のひら……、こうして重ねているだけでドキドキしてしまいました……ふふふ」 SE:(ヒ)移動する足音(女性/裸足/タイル) ;>>立ち位置:B(マイクの方を向いて) 【詩織】「では、左腕も同じように洗っていきますね?」 【詩織】「また、腕をあげていただけますか?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「ありがとうございます」 【詩織】「まずは、腋から……」 SE:(ヒ)腋を洗う音(ループ) 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※腋を洗う」 SE:(ヒ)腋を洗う音(ループ)ここまで 【詩織】「ありがとうございました。下ろしていただいて構いませんよ」 【詩織】「今度は、くすぐったそうにしませんでしたね?」 【詩織】「もしかして、我慢してたんですか? ふふふ、お兄様は昔から頑張り屋さんでしたからね」 【詩織】「ありがとうございます。とても助かりました」 【詩織】「次は、腕ですね」 SE:(ヒ)腕を洗う音(ループ) 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※腕を洗う」 SE:(ヒ)腕を洗う音(ループ)ここまで 【詩織】「指先も……、親指……」 SE:(ヒ)指を洗う音(ループ) 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※指を洗う」 【詩織】「人差し指……」 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※指を洗う」 【詩織】「中指……」 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※指を洗う」 【詩織】「薬指……」 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※指を洗う」 【詩織】「小指……」 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※指を洗う」 SE:(ヒ)指を洗う音(ループ)ここまで 【詩織】「手のひらを重ねて……」 SE:(ヒ)手を洗う音(ループ) 【詩織】「コシ……、コシ……、コシ……」 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※手を洗う」 SE:(ヒ)手を洗う音(ループ)ここまで 【詩織】「ふぅ……、腕も洗い終わりました」 【詩織】「あとは…………えっと……、前も、洗いますね?」 【あなた】「(それは自分で)」 【詩織】「自分でなどいけません。お兄様は私の生き甲斐を取り上げるおつもりですか?」 【あなた】「(???)」 【詩織】「お兄様のお世話は、すべてしたいんです。お願いします、前も洗わせてください」 【あなた】「(そこまでいうなら)」 【詩織】「ありがとうございますっ。丹精込めて洗わせていただきますっ」 SE:(ヒ)移動する足音(女性/裸足/タイル) ;>>立ち位置:@(マイクの方を向いて) 【詩織】「で、では、失礼します……」 SE:(ヒ)身体を洗う音(ループ) 【詩織】「すーー、はーー……、洗い……ますね?」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※身体を洗う」 【詩織】「こ、これがお兄様の胸板……、とても厚いです……」 【あなた】「(?)」 【詩織】「あ、いえ、こちらの話です、すみませんっ」 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※身体を洗う」 【詩織】「お兄様、けっこうお身体が引き締まっていますよね……」 【あなた】「(?)」 【詩織】「あ、いえ、社会人は学生と違い、運動する機会があまりないと耳にしたことがありましたので……」 【詩織】「特に、お兄様はスポーツとかもされていませんよね?」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※身体を洗う」 【あなた】「(白状する)」 【詩織】「あ……、私に、恥ずかしくないように……? 密かに筋トレを……」 【詩織】「そうだったんですね……、そうとは知らず……」 【詩織】「嬉しいです……」 ;>>嬉し恥ずかしそうに 【詩織】「その…………、と、とても、ご立派なお身体だと、思います…………」 【詩織】「(30秒程度吐息をお願いいたします)※身体を洗う」 SE:(ヒ)身体を洗う音(ループ)ここまで 【詩織】「洗い残しがないか、確認しますね……」 【詩織】「んー…………」 【詩織】「はい、ないようですので、洗い流していきますね」 SE:(ヒ)桶を持つ音 【詩織】「かけていきます」 SE:(ヒ)主人公の身体にお湯をかける音(ループ) 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※主人公の身体にお湯をかける」 SE:(ヒ)蛇口のハンドルを回す音 SE:(ヒ)主人公の身体にお湯をかける音(ループ)ここまで 【詩織】「はい、もう動いてくださって構いません」 【詩織】「ご気分はいかがですか?」 【あなた】「(爽快)」 【詩織】「ふふ、サッパリされたようでなによりです」 【詩織】「では、ゆっくりと湯船につかって、おくつろぎください」 【あなた】「(詩織は?)」 【詩織】「え、私も一緒に入っていいんですか?」 【詩織】「あ、で、では、すぐに身体を洗いますので、少しだけお待ちくださいっ」 SE:(ヒ)急いで身体を洗う音(ループ) 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※急いで身体を洗う」 SE:(ヒ)急いで身体を洗う音(ループ)ここまで SE:(ヒ)お湯で泡を洗い流す音(ループ) 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※お湯で泡を洗い流す」 SE:(ヒ)お湯で泡を洗い流す音(ループ)ここまで 【詩織】「はぁ、はぁ……お待たせしましたっ」 【あなた】「(急がなくていいのに)」 【詩織】「急ぐに決まっています。お兄様を待たせて、風邪をひかせるわけにはいきません」 【詩織】「私が楽しみ……、というのもありましたし……」 【詩織】「さ、さあ、入りましょう、お兄様……」 SE:湯船につかる音×2 ;>>向かい合って湯船に浸かっている ;>>立ち位置:H(マイクの方を向いて) 【詩織】「ふぅ……」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※湯船につかっている」 【詩織】「その……、向かい合って、というのは、なかなか気恥ずかしいものがありますね……」 【あなた】「(頷く)」 ;>>恥ずかしがっている吐息 【詩織】「……」 【詩織】「お、お兄様、私など見てもつまらないだけです。それよりも、大窓から見える景色を……」 【詩織】「ぁ…………、ぅ…………」 【詩織】「そんなに見つめないでください。嬉しいですが、顔が熱くなってきました……」 【詩織】「私、これ以上は、耐えられそうにありません……、恥ずかしくて、死んでしまいそうです……」 【あなた】「(困った)」 【詩織】「あの、お兄様……、でしたら、その……、手を、繋いでいただけませんか?」 【詩織】「そうすれば、勇気が出るかもしれません」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「はい、よろしくお願いします」 SE:(ヒ)近づく水音 SE:(ヒ)主人公と手を繋ぐ水音 ;>>立ち位置:@(マイクの方を向いて) 【詩織】「お兄様……、ただ手を繋ぐだけでは嫌です」 【あなた】「(?)」 【詩織】「恋人繋ぎがいいです……」 【あなた】「(頷く)」 SE:(ヒ)恋人繋ぎをする水音 【詩織】「あ……、ふふ、お兄様と指先を絡め合っています」 【詩織】「私、してみたかったんです、恋人繋ぎ……、今までしたことなかったでしょう?」 【詩織】「すごいです。普通に繋いだときと、全く違います」 【詩織】「指の1つ1つから、お兄様を感じ取れます」 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※恋人繋ぎをしている」 【詩織】「ふふ、お兄様から勇気をもらいました」 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※恋人繋ぎをしている」 【詩織】「あの……、もう少し、お兄様の近くにいっても良いでしょうか?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「ありがとうございます……」 SE:(ヒ)湯船につかったまま移動する水音 ;>>立ち位置:@(近く) 【詩織】「お兄様のお顔が、すぐ近くにあります……」 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※見つめ合う」 【詩織】「お兄様……」 SE:(ヒ)主人公に静かに抱きつく水音 ;>>立ち位置:F(耳の近くで) 【詩織】「ん……、抱きついてしまいました……」 【詩織】「お兄様のぬくもりと鼓動を感じます」 【詩織】「私と同じで、ドキドキと高鳴っています」 ;>>立ち位置:F(耳元で囁く) 【詩織】「……本当は、ずっとこうしたかったんです」 【詩織】「いつも抱きしめてくださるのはお兄様からですので、次は私から、と密かに決めていました」 【詩織】「今は2人きりですので、いいですよね……?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「ふふ……、私たち、なんだかすごく、いけないことをしているみたいですね」 【詩織】「こんなことまでしていると知ったら、皆さんどう思うでしょう?」 【あなた】「(首を振る)」 【詩織】「くすっ、いいませんよ、お父様にもお母様にも、もちろんお友達にも……」 【詩織】「2人だけの、大切な秘密として、大切にとっておきたいですから……」 ;>>立ち位置:F(耳の近くで) 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※抱き合っている」 【詩織】「もう少し、このままでもいいですか?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「ふふっ、ですが、気をつけないといけませんね」 【詩織】「今でもこれほど身体が熱いのに、油断しているとすぐにのぼせてしまいそうです」 【詩織】「あ、お風呂をあがったら晩酌にしませんか?」 【詩織】「お風呂あがりの晩酌が最高なのだと、お父様がよくいっています」 【詩織】「ちょうど、お兄様のお気に入りの日本酒もあります。お父様がお兄様のために、と買い置きしているんですよ」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「ふふ、お酒に合う肴も、いくつかご用意しますね」 【詩織】「お兄様もご存じとは思いますが、私、料理の腕には多少の覚えがありますし、お兄様の好みも把握済みですので、お任せください」 【あなた】「(楽しみ)」 【詩織】「花嫁修業の成果を見ていただくときですね、ふふふ」 ■■■シーン7■■■ ◆場所:東条邸(日本家屋)の大広間(夜) ;>>このシーン以降、詩織は寝巻です。 SE:(環境)添水の音(ループ) SE:(環境)スズムシの声(ループ) ;>>立ち位置:I(マイクの方を向いて) 【詩織】「失礼します」 SE:(ヒ)襖の開閉音 SE:(ヒ)皿等を載せた盆を運ぶ足音(女性/裸足/畳) ;>>立ち位置:B(マイクの方を向いて) 【詩織】「お待たせしました」 SE:(ヒ)皿等を載せた盆を座卓に置く音 ;>>立ち位置:A(マイクの方を向いて) 【詩織】「こちらが日本酒と……」 【詩織】「お酒の肴に、ごぼうチップス、めんたいだし巻き、鱈のホイル焼きを作りました」 【詩織】「どれもお兄様の好物ですよね?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「あ、お酒は私がお注ぎします」 SE:(ヒ)とっくりの酒を猪口に注ぐ音 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※酒を猪口に注ぐ」 【詩織】「ふふ、では、乾杯しましょう」 【詩織】「私はまだお酒が飲めませんので、こちらで」 【あなた】「(それは)」 【詩織】「はい、冷たい緑茶です。ほうじ茶も好きなんですが、今日はこちらにしてみました」 【詩織】「では……、久しぶりにお兄様と会えたことをお祝いして……」 SE:(主)猪口とグラスを軽く合わせる音 【詩織】「乾杯ですっ」 【あなた】「(酒を飲む)」 【詩織】「ふふ、一気に飲み干されてしまいましたね。さあ、どうぞ。お注ぎします」 SE:(ヒ)とっくりの酒を猪口に注ぐ音 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※酒を猪口に注ぐ」 【詩織】「お父様は胸の奥のほうがカーッと熱くなる感覚が最高なのだといっていました」 【詩織】「私にはよくわかりませんが、お兄様も同じなのでしょうか?」 【あなた】「(酒を飲む)」 【詩織】「ふふ、美味しいですか? お酒はまだまだありますので、ご遠慮なさらないでくださいね」 【詩織】「あ、ですが、お酒ばかりですと早く酔いが回ってしまいますよ?」 【詩織】「お酒の肴も、温かいうちに召し上がってください。いかがしましょうか?」 【あなた】「(じゃあ)」 【詩織】「はい、めんたいだし巻きですね」 【詩織】「少しお待ちください」 SE:(ヒ)箸でだし巻きを切り分ける音※「一口大にわけて」で再生 【詩織】「お箸で…………、一口大にわけて…………」 ;>>息を吹いて冷ます 【詩織】「ふー…………、ふー…………、ふー…………」 【詩織】「お兄様、お口を開けてください……、はい、あーん」 【あなた】「(食べる)」 【詩織】「いかがですか?」 【詩織】「優しいお出汁の味に、明太子がピリッと効いていて美味しいですよね」 【詩織】「隠し味に、麹甘酒を少し加えているんです。奥深い味が出ますし、お酒との相性もピッタリだと思いますよ」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「ふふ、お酒が恋しくなってきましたか? お注ぎします」 SE:(ヒ)とっくりの酒を猪口に注ぐ音 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※酒を猪口に注ぐ」 【あなた】「(酒を飲む)」 【詩織】「お父様と違って、とても豪快な飲みっぷりです」 【詩織】「お父様にもお酌することがあるんですが、とても弱いんですよ?」 【詩織】「酔ったお父様はいつもお兄様の話ばかりで、本当に良い青年だ、早く息子にしたい、孫の顔が見たい、とうるさくて……」 【詩織】「交際は順調なんですから、放っておいてほしいですよね? ふふふ」 【詩織】「次は、鱈のホイル焼きはいかがですか?」 【あなた】「(頷く)」 SE:(ヒ)箸でホイル焼きを切り分ける音※「一口大に切り分けて」「きのこと一緒に」で再生 【詩織】「こちらも、一口大に切り分けて…………、きのこと一緒に…………」 ;>>息を吹いて冷ます 【詩織】「ふー…………、ふー…………、ふー…………」 【詩織】「はい、あーん」 【あなた】「(食べる)」 【詩織】「いかがですか? 醤油やバターの代わりに、味噌とマヨネーズで味付けをしてみたんですが……」 【あなた】「(美味しい)」 【詩織】「ふふ、よかったです。きっと、お兄様の好みに合うと思ったんです」 【詩織】「また、お酒が欲しくなってきましたか?」 【詩織】「はい、どうぞ」 SE:(ヒ)とっくりの酒を猪口に注ぐ音 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※酒を猪口に注ぐ」 【あなた】「(酒を飲む)」 【詩織】「お兄様、少しお顔が赤くなってきていますよ? 大丈夫ですか?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「くすっ、お酒もお料理も逃げていきませんので、ゆっくり召し上がってください」 【詩織】「ごぼうチップスもいかがですか?」 【詩織】「塩とこしょう、青のりで味付けしてみました」 SE:(ヒ)箸でごぼうチップスを掴む音 ;>>息を吹いて冷ます 【詩織】「ふー…………、ふー…………、ふー…………」 【詩織】「はい、あーん」 【あなた】「(食べる)」 【詩織】「ふふ、このパリパリ感は病みつきになりますよね」 【詩織】「昔、小学校の給食で、野菜チップスというのがあって、それを思い出しながら作っていました」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「あ、お兄様のときもありましたか?」 【あなた】「(もう1つ)」 【詩織】「ふふ、懐かしくなってきましたか? はい、もう1つですね」 SE:(ヒ)箸でごぼうチップスを掴む音 ;>>息を吹いて冷ます 【詩織】「ふー…………、ふー…………、ふー…………」 【詩織】「はい、あーん」 【あなた】「(食べる)」 SE:(ヒ)とっくりの酒を猪口に注ぐ音 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※酒を猪口に注ぐ」 【詩織】「お酒もどうぞ」 【あなた】「(酒を飲む)」 SE:(主)酔って目が回り環境音がぶれる SE:(主)ヒロインにもたれる衣擦れ音 ;>>立ち位置:B(耳の近くで) 【詩織】「ひあっ、えっ、えっ、えっ……」 【詩織】「お、お兄様……? 急に私にもたれてきて、どうされたんですか?」 【詩織】「いえ、その、私は嬉しいんですが……」 【あなた】「(……)」 【詩織】「あ、その目……、しょぼしょぼしていますよ?」 【詩織】「やはり、飲み過ぎじゃないですか?」 【あなた】「(反省)」 【詩織】「くすっ、私の注ぐお酒がいつもより美味しくて、ついつい、ですか」 【詩織】「その感覚は、私にもわかります。私もお兄様と一緒にご飯を食べていると、いつもよりずっと美味しく感じます」 SE:(ヒ)水差しに入った水をグラスに注ぐ音 方位B 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※水をグラスに注ぐ」 【詩織】「ひとまず、これを飲んでください。お水です」 【あなた】「(首を振る)」 【詩織】「ご自分では飲めませんか?」 【詩織】「くすっ、酔ったお兄様は、少し甘えん坊ですね」 【詩織】「私が飲ませてさしあげます」 【詩織】「お口を開けてください。慌てず、ゆっくり飲むんですよ……」 【あなた】「(水を飲む)」 【詩織】「お酒ばかり飲んでいると脱水症状になることがあるそうです。水分はしっかり摂っておかないと……」 【詩織】「ほら、もう少しですよ、お兄様。くーっと飲み干してください」 【あなた】「(水を飲む)」 【詩織】「全部飲めましたね。偉かったですね」 【詩織】「では、お酒を飲むのは一旦やめて、横になってください」 【詩織】「はい、私の太ももの上にどうぞ」 【あなた】「(頷く)」 SE:(主)ヒロインに膝枕をしてもらう衣擦れ音 ;>>立ち位置:@(マイクの方を向いて) 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※主人公を見つめる」 【詩織】「お加減はいかがですか?」 【詩織】「気分が悪くなったり、頭が痛くなったりしていませんか?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「ふふ、ではしばらくこうしていてください。気分も落ち着いてくるはずです」 【あなた】「(謝る)」 【詩織】「いえ、全く迷惑ではありません」 【詩織】「お兄様のこうした姿を見られるのは、許嫁の特権だと思っていますので」 【あなた】「(?)」 【詩織】「このような無防備な姿を見せてくださるのは、私をそれだけ信頼してくれているということでしょう?」 【詩織】「だから、私は嬉しいんです」 【詩織】「こんなときくらいは私に甘えてください」 【詩織】「普段、私がお兄様に、たくさん甘えさせてもらっている分……」 【詩織】「私では、力不足かもしれませんが」 【詩織】「早く、お兄様が安心して甘えられる、オトナの女性になりたいです……」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※主人公を見つめる」 【詩織】「私も、お兄様みたいにお酒が飲みたいです……」 【あなた】「(!)」 【詩織】「ああ、いえ、今すぐというわけではなくっ」 【詩織】「いずれです、いずれっ」 【あなた】「(安心する)」 【詩織】「この歳でお酒を飲む人は不良です。悪いことです。絶対にいけません」 【詩織】「私もお酒を飲めるようになったら、お兄様と同じ景色が見えるのかな、とふとそう思ったんです」 【詩織】「くすっ、我ながら安直すぎでしたね」 【あなた】「(首を振る)」 【詩織】「そんなこと、ないでしょうか……?」 【あなた】「(経験を語る)」 【詩織】「ふふ、お兄様も私と同じくらいの年齢の頃に、似たようなことを考えていたんですね」 【詩織】「理由はそれぞれでも、誰もが通る道…………、そうなのかもしれません」 【あなた】「(約束を提案する)」 ;>>二十歳:はたち 【詩織】「え……? あ……、私が二十歳になったら……、一緒にお酒を……」 【詩織】「そうですね、お互いにお酌をし合って、お酒を楽しむ……、想像しただけで胸が躍ります」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「はい、約束しました」 【詩織】「そのときは、美味しいお酒を教えてくださいね?」 ■■■シーン8■■■ ◆場所:東条邸(日本家屋)の客間(夜) SE:(環境)スズムシの声(ループ)※後半に鳥の声が入ってきます ;>>畳の上に座って向かい合って会話 ;>>立ち位置:@(マイクの方を向いて) 【詩織】「お兄様、夜が深くなってきました」 【詩織】「そろそろ、床につかれてはいかがでしょうか?」 【詩織】「お兄様とはいつまでもお話していたいですが、あまり夜更かしをされては、明日に差し障ります」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「お布団は、そちらのものをお使いください。先ほどお兄様が歯を磨きに行かれている間に敷いておきました」 【あなた】「(お礼をいう)」 【詩織】「ふふふ、私のほうこそ、今日1日お兄様に尽くすことができて、嬉しかったです。ありがとうございました」 【詩織】「……それで、ですね」 【詩織】「私としては、お兄様が眠るそのときまで、尽くしたいといいますか……」 【あなた】「(?)」 【詩織】「つまりは、ですね……」 【詩織】「一緒に、寝ていただけないでしょうかっ?」 【あなた】「(!)」 【詩織】「お、お兄様さえ、よろしければ、ですが……、い、いかがでしょうか?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「い……いいんですかっ? 本当に? 本当に、一緒に寝ていただけるんですかっ?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「はぁ〜……、勇気をだして、いってみてよかった……」 【詩織】「で、ではっ……私は、自分の部屋から、枕をとってきますので……、す、少し、お待ちくださいっ……」 SE:(ヒ)立ち上がる衣擦れ音 SE:(ヒ)遠ざかる足音(女性/裸足/畳) SE:(ヒ)襖の開閉音 ;>>スズムシの声のみを20秒程度流して下記へ SE:(ヒ)襖の開閉音 SE:(ヒ)近づく足音(女性/裸足/畳) ;>>立ち位置:@(高低差:高/マイクの方を向いて) ※ヒロイン立ち、主人公座り 【詩織】「おっ、お待たせ、しましたっ」 SE:(ヒ)かがむ衣擦れ音 SE:(ヒ)主人公の枕の隣に自分の枕を並べる衣擦れ音 ;>>立ち位置:@(マイクの方を向いて) 【詩織】「枕、置きましたっ……」 【詩織】「できましたのでっ……、い、一緒に、寝ましょうっ……!」 【あなた】「(頷く)」 SE:(主)布団に入る衣擦れ音  ;>>立ち位置:J(マイクの方を向いて) 【詩織】「で、では……私も、し、失礼します……」 SE:(ヒ)布団に入る衣擦れ音 【あなた】「(?)」 ;>>立ち位置:B(並列) 【詩織】「え、えと……、う、上を向いているのは……その……、お布団に入るとつい、天井のシミを、数えたくなってしまいますよね……」 【あなた】「(様子を指摘する)」 SE:(ヒ)主人公の方を向く ;>>立ち位置:A(マイクの方を向いて) 【詩織】「えっ、え……、私、緊張しているでしょうか?」 【あなた】「(大きく頷く)」 【詩織】「そ、そんなに、ですか……、あ、あの、でも、お兄様とはじめての夜をすごそうとか、そういうつもりはありませんので……」 【詩織】「もちろん、お兄様が求めて下さるなら、なんでも受け入れるつもりですがっ……」 【あなた】「(笑う)」 【詩織】「うー……どうして笑うんですか」 【あなた】「(本音を話す)」 【詩織】「あ……、お兄様も、緊張されていたのですね……、でも、私のほうがもっと緊張していて、ほぐれてしまった、と……」 【詩織】「くすっ、お兄様のお役に立てたのなら、私の緊張も無駄ではなかったですね」 ;>>息を大きく吐き出す 【詩織】「ふぅ…………」 SE:(ヒ)主人公の顔を覗き込む ;>>顔が向かい合う ;>>立ち位置:@(マイクの方を向いて) 【詩織】「ふふ、ようやくお兄様のお顔を見ることができました」 【詩織】「お身体の具合はいかがですか?」 【詩織】「酔いは覚めてきましたか? もう気分は悪くありませんか?」 【あなた】「(むしろ……)」 【詩織】「え……今度は目が冴えて、逆に寝られなく……」 【詩織】「それは、困りましたね……」 【あなた】「(困った困った)」 【詩織】「明日はお仕事ですので、早く寝ないといけませんし……、んー……」 【詩織】「あ、そうです……」 【詩織】「お兄様、もう少し近くにいってもいいですか?」 【あなた】「(頷く)」 SE:(ヒ)主人公に近づく衣擦れ音※「んしょ」で再生 ;>>立ち位置:@(近く) 【詩織】「では……、んしょ……っ、失礼、します……」 【詩織】「あ……、ふふっ……、お兄様のお顔が、すぐ近くになりました……」 【詩織】「胸が……トクン、トクンって……お兄様の鼓動と重なり合って、とても心地いい響きです……」 【あなた】「(同意)」 【詩織】「気づけば、お兄様から幸せをもらってばかりですね」 【あなた】「(首を振る)」 【詩織】「あ……はい、私たち2人で、幸せを分かち合っているんですね、ふふ」 SE:(ヒ)主人公の横に寝そべる「ぐっすり眠れますように……」で再生 【詩織】「このまま、幸せな気持ちで、お兄様がぐっすり眠れますように……」 SE:(ヒ)主人公の腕を優しく叩いて寝かしつける音(ループ) ;>>立ち位置:B 【詩織】「トン…………、トン…………、トン…………」 SE:(ヒ)主人公の腕を優しく叩いて寝かしつける音(ループ)ここまで 【詩織】「私がよく眠れないとき、お母様がこうして優しく腕を叩いて、寝かしつけてくれたんです」 【詩織】「子供っぽすぎたでしょうか?」 【あなた】「(首を振る)」 【詩織】「ふふ、それでは、続けますね」 SE:(ヒ)主人公の腕を優しく叩いて寝かしつける音(ループ) 【詩織】「トン…………、トン…………、トン…………。トン…………、トン…………、トン…………」 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※主人公を寝かしつける」 【詩織】「こうして、一定のリズムでトントン、とされていると、守られているような、安らかな気持ちになってきませんか?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「なによりも、お母様とこうしていられる時間が、大好きだったんです」 【詩織】「お母様は、私の理想の女性ですから……」 【詩織】「トン…………、トン…………、トン…………」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※主人公を寝かしつける」 【詩織】「私、将来はお母様のような女性になりたいと思ってるんです」 【詩織】「聡明で、優しく、気高く……そんな、素敵な女性に」 【詩織】「まだ未熟なところばかりですが、なれるでしょうか……?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「ありがとうございます。お兄様にそういっていただけると、自信に繋がります」 【詩織】「トン…………、トン…………、トン…………」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※主人公を寝かしつける」 SE:(ヒ)主人公の腕を優しく叩いて寝かしつける音(ループ)ここまで 【詩織】「お兄様は、理想はありますか?」 【あなた】「(?)」 【詩織】「将来の……夫婦の、理想像です」 【あなた】「(考える)」 【詩織】「ふふ、今すぐには、難しいですよね」 【詩織】「許嫁とはいえ、今すぐに結婚できるわけではありませんし、恐らくそれまでに、いくつもの壁やトラブルがあると思います」 【詩織】「ですが、お兄様と一緒なら、どんな苦難でも乗り越えられる……、私はそう、信じています」 【あなた】「(頷く)」 SE:(ヒ)主人公の腕を優しく叩いて寝かしつける音(ループ) 【詩織】「トン…………、トン…………、トン…………」 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※主人公を寝かしつける」 【詩織】「お父様たちはさみしがるでしょうが、やはりはじめは、2人きりで暮らしたいですね?」 【詩織】「お部屋はどんなものでもいいですが、狭いほうが、いつもお兄様を近くに感じられて、嬉しいかもしれません」 【詩織】「あ、私、節約の心得がありますので、家計の助けになると思います」 【詩織】「お食事も、お洗濯も、お掃除だって……、あ、ですが、今は男性は外で働いて、女性は家を守る、という考え方は古いのですよね?」 【詩織】「夫婦共働きもいいですね」 【詩織】「私も一所懸命働いて、経済的にもお兄様を支えられるように……」 【あなた】「(首を振る)」 SE:(ヒ)主人公の腕を優しく叩いて寝かしつける音(ループ)ここまで 【詩織】「……お兄様?」 【あなた】「(質問する)」 【詩織】「私のしたいこと……ですか」 【詩織】「お兄様の、お嫁さんです」 【あなた】「(……)」 【詩織】「それ以外は……、本を読むことなどは好きなのですが……」 【詩織】「すみません、今は思いつきません。お兄様に尽くすことしか、考えていませんでした……」 【詩織】「ですが、私の好きなことを、というのがお兄様の望みでしたら、在学中に考えてみようと思います」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「私の将来まで真剣に考えて下さって……ますます、お兄様のことが好きになります」 【詩織】「本当に、お兄様の許嫁にしてもらえて、よかったです、ふふ」 SE:(ヒ)主人公の腕を優しく叩いて寝かしつける音(ループ) 【詩織】「トン…………、トン…………、トン…………」 【詩織】「(15秒程度吐息をお願いいたします)※主人公を寝かしつける」 SE:(ヒ)主人公の腕を優しく叩いて寝かしつける音(ループ)ここまで SE:(ヒ)主人公の顔を覗き込む ;>>立ち位置:@(近く) 【詩織】「あ、あの、お兄様は……、子供は、何人ほしいですか?」 【あなた】「(!)」 【詩織】「あ、あくまで、調査といいますかっ、予定といいますかっ……そ、そういうのです」 【詩織】「ちなみにですが……、私は、3人がいいかなと思っているんですが……」 【あなた】「(……)」 【詩織】「あ、お、多かったでしょうかっ?」 【詩織】「ですが、お兄様も知っての通り、私は一人っ子でですね……、兄弟がいるお友達がうらやましかったんです……」 【詩織】「お兄様がいてくれましたが、少し年が離れているせいか、いつも私には優しくして下さいましたし……」 【詩織】「兄弟でお菓子の取り合いをしたりとか……、してみたいと、何度も思っていました」 【詩織】「お国も少子化で困っているようですので、2人では足りないかと思いましてっ……、しゅ、出生率をあげる、ご協力をっ……」 【あなた】「(笑う)」 【詩織】「うー……今日はお兄様に笑われてばかりです……」 【あなた】「(賛成)」 【詩織】「い、いいんですか? 3人でも?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「ありがとうございますっ。がんばりますね? って私は、なにをがんばろうとしているんでしょうっ」 【あなた】「(笑う)」 【詩織】「うー……また笑われてしまいました」 SE:(ヒ)主人公の横に寝そべる SE:(ヒ)主人公の腕を優しく叩いて寝かしつける音(ループ) ;>>立ち位置:B 【詩織】「トン…………、トン…………、トン…………。トン…………、トン…………、トン…………」 【詩織】「(30秒程度吐息をお願いいたします)※主人公を寝かしつける」 SE:(ヒ)主人公の腕を優しく叩いて寝かしつける音(ループ)ここまで 【詩織】「お兄様……眠くなってきましたか?」 【詩織】「目が、しょぼんとしてきていますよ……」 【あなた】「(頷く)」 ;>>立ち位置:F(耳元で囁く) 【詩織】「お兄様が眠れるまで、トン、トン、ってしていますね?」 【詩織】「1日の終わりまでお兄様に尽くすことができて、私はとても幸せです」 【詩織】「ゆっくり、お休みください」 SE:(ヒ)主人公の腕を優しく叩いて寝かしつける音(ループ) 【詩織】「トン…………、トン…………、トン…………。トン…………、トン…………、トン…………」 【詩織】「(60秒程度吐息をお願いいたします)※主人公を寝かしつける」 【詩織】「おやすみなさい、お兄様……」 ■■■シーン9■■■  ◆場所:東条邸(日本家屋)の客間(夜) SE:(環境)スズムシの声(ループ) SE:(ヒ)小説(文庫本)をめくる音(ループ) ;>>寝ている主人公の横で座って本を読んでいる ;>>立ち位置:B(並列) 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※静かに本を読んでいる」 ※本の内容に感心しているニュアンスで 【詩織】「はぁ〜……」 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※静かに本を読んでいる」 ※本の内容に微笑んでいるニュアンスで 【詩織】「ふふっ、ふふふ……」 【詩織】「(20秒程度吐息をお願いいたします)※静かに本を読んでいる」 SE:(ヒ)小説(文庫本)をめくる音(ループ)ここまで SE:(主)身じろぎする音 【あなた】「(……)」 ;>>立ち位置:A(マイクの方を向いて) 【詩織】「……あ、起こしてしまいましたか?」 【詩織】「すみません、ライトが眩しかったですよね」 【あなた】「(質問する)」 【詩織】「本を、読んでいたんです。私のお気に入りの冒険小説です。何度読んでも面白いですよ」 【詩織】「なんだか、眠ってしまうと、勿体ないような気がして……」 【詩織】「ですが、そろそろ眠らないといけませんね。私も明日、学校ですし……」 SE:(ヒ)小説(文庫本)を閉じる音 SE:(主)布団から出る衣擦れ音  ;>>立ち位置:@(マイクの方を向いて) 【詩織】「お兄様……? 起きてしまっていいんですか?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「あ、もしかして、私の様子を気にかけて……?」 【詩織】「……悩みというほど、たいしたものではありません」 【詩織】「お兄様は本当に、優しいですね……」 【詩織】「ただ、いつまでも今日が続けば良いのに……と、ふと思ってしまいました」 【詩織】「眠ってしまえば、今日が終わってしまうでしょう?」 【詩織】「明日になれば、お兄様は会社へ……私は学校へ通う日々に戻ってしまいます」 【詩織】「次にまたこうして会えるのは、いつになるかわかりません……」 【あなた】「(……)」 【詩織】「もし目が冴えてしまったのでしたら、お兄様も本を読まれますか?」 【詩織】「もう少しすれば、また眠気がやってくると思います」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「ふふ、では、隣にどうぞ……」 SE:(主)ヒロインの隣に座る音 SE:(ヒ)小説(文庫本)をめくる音(単発) ;>>立ち位置:A(マイクの方を向いて) 【詩織】「主人公の男性は、とある王国に仕える近衛騎士……、王女様とは幼なじみで、2人は密かに想いを通わせていました」 【詩織】「ですがある日、帝国の侵略を受け、王城は陥落し、王女様は殺されてしまいます」 【詩織】「そんな悲劇的なシーンから、物語ははじまります……」 SE:(ヒ)小説(文庫本)をめくる音(単発) 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※静かに本を読んでいる」 【詩織】「しかも、王女様が亡くなったのは、主人公を守ったからでした……」 SE:(ヒ)小説(文庫本)をめくる音(単発) 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※静かに本を読んでいる」 【詩織】「主人公は悪魔バフォメットと契約し、帝国への復讐を誓って、旅に出ます」 SE:(ヒ)小説(文庫本)をめくる音(単発) 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※静かに本を読んでいる」 【詩織】「ですが私、思うんです」 【詩織】「きっと王女様は、幸せだったんじゃないかと……」 【詩織】「だって、亡くなるその瞬間まで、愛しい人のために生きることができたんですから……」 SE:(ヒ)小説(文庫本)をめくる音(単発) 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※静かに本を読んでいる」 【詩織】「今の時代と照らし合わせると、価値観が古いということはわかっていますが、私はそうありたいと思います」 【詩織】「私の考え方、おかしいでしょうか?」 【あなた】「(首を振る)」 【詩織】「そうですよね、価値観は、人それぞれですよね。お兄様にいっていただけて、安心しました」 SE:(ヒ)小説(文庫本)をめくる音(連続) 【詩織】「(10秒程度吐息をお願いいたします)※静かに本を読んでいる」 【詩織】「私は、大好きな方の……、お兄様のために、生きたいです」 【詩織】「もちろん、私自身の夢も、見つけるつもりでいますが……」 【詩織】「それでもやはり、私の中心はお兄様なんです。それはこれからも変わりません」 【詩織】「……小さな頃から、いつも私の手を引いてくれた」 【詩織】「私がお兄様に想いを寄せるようになったのは、ごく自然なことだったんだと思います」 【詩織】「その想いは、許嫁になってからより一層大きくなっていって……」 【詩織】「ただの一度も、色あせることはありませんでした」 【詩織】「今、この瞬間も、膨らみ続けています……」 【詩織】「お兄様が隣にいて下さるだけで、胸がドキドキと高鳴って、甘く締め付けられるんです」 【詩織】「恋とは、これほどに苦しくて、幸せなものなのだと、お兄様とお会いするたびに、思い知らされます……」 【詩織】「それと同時に……」 【詩織】「お兄様がいなくなってしまった朝は、いいようのない寂しさに包まれます……」 【詩織】「今日のようにとても楽しかった時は、なおさら……」 【詩織】「次にお兄様とお会いできるのはいつなんだろう、お話しできるのはいつなんだろう……」 【詩織】「そんなことばかり、考えてしまいます」 【詩織】「お兄様には、お兄様の生活がある……、当たり前のことです」 【詩織】「ですのでこれが、贅沢すぎる悩みだということも理解しています」 【詩織】「ですが、いつもお兄様のお側にいたいと思ってしまうんです……」 【詩織】「すみません……結局、私の話ばかりしてしまいましたね。しかも、お兄様のご迷惑になるような話ばかり……」 【あなた】「(首を振る)」 【詩織】「そろそろ眠らないと、本当に空が白んでしまいます。お布団に戻りましょう……」 SE:(ヒ)小説(文庫本)を閉じる音 SE:(ヒ)立ち上がろうとする衣擦れ音(寝巻) 【あなた】「(止める)」 ;>>立ち位置:@(マイクの方を向いて) 【詩織】「……お兄様? どうかされましたか?」 SE:(主)ポーチを開けてリングケースを取り出す音 【詩織】「この、小さな箱は……?」 SE:(主)リングケースを開ける音 【詩織】「……指輪?」 【あなた】「(プロポーズする)」 【詩織】「え……」 SE:(ヒ)小説(文庫本)を床に落とす音 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※フリーズしている」 【詩織】「あ……、すみません。固まってしまっていました……」 【詩織】「えと……、私の聞き間違え、見間違えでなければ、お兄様が差し出してくれているのは、婚約指輪……ということで、よろしいでしょうか?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「う……、あ……、すみません、あの、突然のことで、頭が混乱しています……」 【詩織】「今日が、私たちが許嫁になって、ちょうど5年だから、とかですか?」 【あなた】「(覚えてたんだ?)」 【詩織】「覚えていますよ。もちろん、覚えています。そんな大事なこと、忘れるはずないじゃありませんか」 【あなた】「(想いを伝える)」 【詩織】「ふふ、お兄様は、私がさみしがっていたことも、すべてご存じだったんですね」 【詩織】「その上で、私がきちんとこういうことを判断できる年齢になるまで、待ってくれていた……」 【あなた】「(返事をきく)」 【詩織】「私が、お兄様のプロポーズを断るはずありません。天地がひっくり返ってもあり得ません」 【詩織】「……はい」 【詩織】「謹んで、お受けいたします」 【詩織】「お兄様……、ひとつ、ワガママをいってよろしいでしょうか?」 【あなた】「(?)」 【詩織】「その指輪を、私に付けてくださいませんか?」 【あなた】「(頷く)」 【詩織】「よろしく……お願いします」 SE:(主)そっとヒロインの手を取って指輪をはめる 【詩織】「(5秒程度吐息をお願いいたします)※指輪をはめてもらう」 【詩織】「ありがとうございます……」 【詩織】「綺麗……、薬指に、お兄様を感じます……」 【詩織】「これで、お兄様と離れている間も、寂しくありませんね? ふふっ」 ;>>言い出そうとする決意の吐息 【詩織】「…………」 【詩織】「あの……、もうひとつだけ、ワガママ、いいでしょうか?」 【あなた】「(?)」 【詩織】「……キスを、していただけませんか?」 【あなた】「(!)」 【詩織】「もう、そういった分別ができる年齢です。先ほどお兄様が、認めてくれたばかりではありませんか」 【あなた】「(頷く)」 SE:(主)ヒロインの肩を抱く衣擦れ音 ;>>立ち位置:@(近く) 【詩織】「……ひぁ。お兄様に、肩を抱き寄せられてしまいました……」 【詩織】「こういうときは、そっと目を閉じれば良いんですよね……?」 【詩織】「……ん……、お願いします、お兄様……」 【詩織】「…………ちゅっ」 【詩織】「これが、ファーストキスなんですね……、とても幸せな温もりです……」 【あなた】「(質問する)」 【詩織】「はい、安心しました。ふふ、明日をさみしがらずに、眠れそうです……」 【詩織】「くすっ、お兄様も心配事がなくなって、眠くなってきたんですか?」 【詩織】「では、今度こそ一緒に、朝まで休みましょう」 SE:(ヒ)布団に入る衣擦れ音 SE:(主)布団に入る衣擦れ音 ;>>立ち位置:@(近く) 【詩織】「明日の朝は早起きして、お兄様を起こしますね?」 【あなた】「(首を振る)」 【詩織】「無理などしていません。あの……実はですね、したいことがあって……」 【あなた】「(?)」 【詩織】「今度は、私からキスをして……起こして差し上げたいな、と……」 【あなた】「(!)」 【詩織】「恋人であれば、お目覚めのキスはするんですよね?」 【詩織】「ましてや私たちは、婚約者です」 【詩織】「それともお兄様は、お嫌ですか?」 【あなた】「(首を振る)」 【詩織】「ふふっ、では、明日の朝を楽しみにお待ち下さい」 ;>>立ち位置:F(耳元で囁く) 【詩織】「明日も、幸せな1日になりますよう……」 【詩織】「おやすみなさい、お兄様」 【あなた】「(おやすみ)」 ;>>立ち位置:@(マイクの方を向いて) ;>>目を閉じる 【詩織】「…………ん」 【詩織】「(5分程度寝息をお願いいたします)※静かに眠っている」 //終わり