トキワ退魔家業 退魔服に取り憑く霊 心霊事件2    それから常盤は生まれて初めて美容院に行った 否 連れて行かれたのだ [常盤]「 わわわっ…私は西洋床屋など いった事がないぞ 光太!」 ]「恐い事など何もありません 綺麗にして差し上げるので 大人しくして下さい」 (まったく女の人のくせに 一度も美容院に行った事もないなんて何時の時代の人なんだよ)  [光太]「さあ問題は服だよ…どう説得しようか?」 (霊能者として箔が付く様な服か…ネットで捜して見るのが早いかな?) 光太は常盤の髪が仕上がる間での時間を利用し インターネットで検索し 丁度良い感じの服を見つけた 身長も体型も気味悪いくらい アシラエたようにピッタリだ! それに安い!オークションで 即決二〇〇〇円とは…送料を払っても安いだろう。 光太は直ぐにそれを落札し 常盤の住所に送った (体重以外は女の人も上手く聞けば教えてくれる) 常盤の普段の服も必要だが 残念ながら光太の所持金の 残高はそれを満たせそうに無い。 [光太](まってて下さい常盤様 …すぐに良いベベをお着せ出来るように成りますから) 光太はその思いを 理容室から出てきた常盤を見て更に強くした [美容師]「お姉さん御綺麗でしょ?まるでどっかの お姫様みたいですよ」 どうやら光太は引きこもりの 姉を無理矢理美容院に連れ出した姉想いの弟だと思われたらしい、 そんな事より 髪を綺麗にカットされた常盤は息を呑むほど美しく気品があった [光太] 「本当に綺麗です常盤様」 常盤は腰に手をおき 「と…当然だ!こう見えても私は 出雲の常盤姫と呼ばれていたくらいだからな!」 まあ照れ隠しに言った一言なので光太も (確かにこの気品は姫様だよな ドSだけど)これで後は 常盤を写真館に連れていき それなりの写真を一枚用意すれば準備ばんたんとなる 二人はその足で直ぐ近くに ある写真館に行った その写真館では着る物も レンタルしてくれると言う [光太]「出来れば今日落札したあの衣装が良いけど」 流石に最短でも3 4日は掛かるだろうか? そう思い光太が後ろを振り返ると そこには常盤のために落札したあの退魔服がクローゼットに吊してあった [光太]「な…なんでこの服がここに?」光太に言われて 写真館の主も驚いた顔をした 「そんな馬鹿な!どうしてこの服が此処にあるんだ?」 その顔は恐怖に歪んでいる 光太は主人の 只ならぬ反応に興味をい抱いた 「どうしたんですか?ごしゅじん、 もしかしてこの服何かあるんですか?」 光太はそう言いつつ常盤のほうを見る (常盤様は…この服に何か感じているのか) だが光太と主の会話を 少し離れて聞きながら 常盤はニヤニヤ見ているだけだった (どうやらお手並み拝見と 決め込んで俺を試す気みたいだな常盤様は…) 「ごしゅじん…この服は俺が今日落札したんだけどオークションに出す服を貸してるのはどうしてです?」光太はまず確信から外れた所から入る事にした [主]「坊やが落札してくれたのかーそれは良かった 、直ぐ引き取って下さい」 ここで光太は 「少し待って下さい、俺の言うことを全然疑いもせず …調べもしないでそんな対応するなんて何かあるんじゃ無いですか?その服」 光太は疑う様子でカマを掛ける、当然主は目線を外し 「いや…何もないですよ何も」何かあると言っているのも 同然の不自然極まり無い態度だ [光太]「曰く付きの服を 他人を騙して何度売っても その都度帰って来ますよごしゅじん」 どうしてそれを!? と言う顔で写真館の主は光太をがん見する! [光太]「実は此処だけの話…そこに居られるかたは その道のプロでその手の問題を何度も解決しているんですよ」 だが写真館の主は 「そんな事言われても今まで何人もの霊能者に頼んだのに無駄だったんだよ…あっ!」  何が あっ!だー もう遅いよ 「やっぱりね…危うく曰く付きの服を買わされる所だった…じゃあ 理由をオークションサイトに通報して二度と出展出来ない様にさせて貰うんで 後は自力で頑張って下さい」 主は慌てふためいて [主]「あああ〜待ってくれ!いや下さい!頼みます助けて下さい」 もう主は多少怪しくてもこの霊能者をアテにするしかないと思った 「じゃあ正式に依頼されるのですね?」 写真館の主はウンウンと 頷き 「解りましたお願いします!」 光太は常盤に 「どうでしょう常盤様…この服についた悪霊を何とか出来ますか?」 常盤はタバコを口にくわえ 「光太…」 そう言って火を付けるように促す (常盤様は…タバコ 吸うのか ) 「御主人 ライターはありますか?」 主人は自分のライターを光太に渡した [常盤]「高そうなライターだな」光太は常盤のタバコに 火を付けた後 ライターを主人に返そうとする だが主人は「いえいえそれは差し上げます、非礼な事をしたお詫びで」 光太は「それではお布施と言うことで」そのライターを 光太が胸のポケットにしまうと [常盤]「悪霊の件だが気の毒なご主人を助けてあげても私は構わないと思うが」 それを聞き光太は「流石は常盤様です 自分が呪われた服を着せられていたのかも知れないのに」 主人は苦虫を噛み潰した顔をする [主人]「も…申し訳ありませんでした! 当然そんなライター一つで許して貰う気なんてありません」 「その服のお金は勿論お返ししますし 迷惑料もお支払いを」 ここで光太は「いいえ!勘違いして貰っては困ります 我々は恐喝している訳じゃなく悪霊退治は仕事ですから」 と 講釈を述べる  [常盤](光太めなかなかの才覚ぶりじゃないか) 光太は「この悪霊なら必要な呪符の枚数はどれくらいでしょう 」 常盤は指を折りながら 「そうだな…アレとアレで余裕を持って四枚あれば十分だろう」 光太は「呪符四枚ですね? 解りました」 光太は主人に向かい 「呪符一枚が一万円で四枚ですから四万になりますが宜しいでしょうか?」 それは安い 主人はこれまでの霊能者達が皆 自分の弱みに付け込み高額の請求をしてきたのを思いだし逆に聞きたくなる [主人]「そ…そんな安くて良いので?」 光太は「ええ、それ以上は頂きません、でも この服とライターは頂きますよ!お布施としてね」 主人は二つ返事で [主人]「良いです良いです良いですとも勿論この気味の悪い服から解放されるのなら」 それを聞き光太は常盤に向かい [光太]「それじゃ常盤様この服の呪いをたって下さい」 それを聞いた常盤は何処からか筆をとり出し はたまた 紙を取り出した [光太]「ソレ一体何処に隠していたんですか?」 常盤は 仕込みふでの頭を抜き け先の部分を出した そしてお尻を抜くと その中には墨に呪いと書いて墨呪が入っている [光太]「もう血のほうは?」 常盤は小声で「ああ仕込み済みだ」 光太が事前に常盤式呪符の制作方法は秘密にするよう言ってあるので常盤も その考えに同調し他人に聞かれない様に気を付けた 「まずは…服についた霊を結界符で閉じこめて」 常盤が四枚の呪符の内一枚にサラサラと文字を書くと その一枚から逆三角形の結界が発生しクローゼットに吊した服を完全に閉じこめた その瞬間 部屋の空気がガラリと変わった  [光太]「…どうやらお出ましの様ですね」 [主人]「ひいいいい〜」 一度霊体を見た人間は 体内周波数が変化を起こし 霊的な物を見やすくなる そのため悪霊トンネル事件以来、光太も霊体を見る事が出来る体質になっていた。 [主人]「ここ…こいつだ 毎晩俺の枕元に現れる女は〜っ!!」そう言って主人は 逆三角の結界に閉じ込められ身動きの出来ない幽霊を 指さし叫んだ [悪霊]「われをこんな所に閉じ込めるとはどういうつもりだ 」 悪霊は明らかに光太達を威嚇してきた [光太]「常盤様…」 その迫力に緊張した声で光太が常盤の名前を呼ぶ 「心配ない…こいつだけなら直ぐに決着はつく」 だが常盤の言葉を聞いて光太は直ぐに(こいつだけなら …と言う事はこいつの仲間が他にいるのか?)光太は 部屋の中を見渡した すると写真館の主人の様子がどうもおかしな動きを見せている [光太]「どうしたんです御主人!?」次の瞬間 主人は服の悪霊を閉じ込めている結界のふだを掴んで 破り捨てた  「ああっ!呪符が!」 まさか 悪霊に操られているのか? 光太は力ではこの主人にかなわない 常盤も当然そうだろう [悪霊]「フフフ…形勢逆転と言う所だな祓い屋… 」  「私はこの男を操り何人もの美しい女を呪い殺してきた この服に袖を通したが最後 どんな人間も私の操り人形になるのだ」  そう言いながら おおがらな店の主人の肩に 長くて細い両の腕をダラリと乗せる [光太](つまりこの主人には女装癖があるのかよ?おえーぷ!) 光太は思わず想像し気持ち悪く成った 「気持ち悪い 吐きそうです常盤様」 [常盤]「そうだ…だから この主人はこいつに殺されなかったのさ」 気持ち悪いから 成る程…光太も納得の答えだ [悪霊]「貴様も美しいな…祓い屋…お前この服を着ろ さもないと」そう言い終わるやいなや主人は光太に襲いかかり、 その細い首に手を掛けた 常盤は叫ぶ「光太!」 悪霊に操られた主人は 容赦なく光太の細い首を絞め上げる [常盤]「貴様…」 常盤の中に今までにない 怒りの感情が沸き上がる 「初めて思ったぞ悪霊め! 貴様らを許せないと」 悪霊はイヒヒと笑い 「良いぞその表情 お前にとってこのガキは特別みたいだな」 常盤は 首を絞められる光太を見 [常盤]「解った…言う通りにする…その服を着ればいいなだな?」 光太は苦しい息の中で「だ…ダメです常盤様…俺のことは良いですから」 常盤はそう言う光太を優しい声で「私は大丈夫だ 」 そう言い 服に手を掛けると袖を通した それだけで悪霊は常盤の体に 同化したのだ [光太]「うぅ…常盤様!」 悪霊はその体を陽炎の様に揺らしながら悦びに身悶えした [悪霊]「フヒャヒャやったぞ!この祓い屋の体はもう われのものだ!!」光太は 自分の為に我が身を犠牲にしてくれた常盤を思い絶句した 「と…常盤様」 だが次の瞬間、凄まじい 絶叫を上げて悪霊が 常盤の体から逃げ出した 「何だこの女の体は?どうなっている!?」 常盤の体から離れた悪霊は 半分崩れ 白い灰のように変わり果てている [常盤]「お前達悪霊は何かと言うと人の体に取り憑こうとするが 、中には取り憑こうにもどうしようもない人間も居るんだ!」 光太は思わず常盤の 格好良さに惚れ惚れした [光太]「常盤様格好いい」 悪霊は怒り狂い写真屋主人の体を操り二人を殺そうとする だが常盤は二枚目の呪符を 発動させた「縛!」 その呪符は霊によって操られている人間を動けなくする 効果があるのだ。 [悪霊]「貴様あああ呪い殺す 今直ぐその餓鬼共々とり殺してやる」 常盤は無言で自分の足下に 一番最初に使った物と同じ 結界の呪符を置きそれを踏んだ 「結界」と叫ぶと 常盤の着た服と一緒に 悪霊の本体も逆三角の結界の中に再び閉じ込められた [常盤」「やはり…4枚必要だったな」 悪霊は何とかこの結界から 逃れようと暴れ回るが [悪霊]「おおお何だなにをする気だ? 何をしようと無駄だぞわれは不死身なのだ だから必ず貴様に復讐してやるぞ!」常盤は涼しい顔で「ふーーん 復讐か…それは残念だったな …お前はもうすぐ世界から消滅するからその復讐とやらは果たせないよ」 そう言って常盤が取り出したのは爆の文字が裏に書かれた呪符だった [光太]「常盤様それは」 [常盤]「爆心地から14 5メートル四方の霊体を吹き飛ばす効果がある呪符さ 当然 その効果は霊体だけに限定される」  これを聞いた悪霊は恐怖に顔を歪めた 「な…何だ?何をする気だ?爆弾なんか使うのか? 幽霊だけを吹き飛ばすって 何だ?何をわれにする気なのだ?」常盤は冷たく言った 「疑問が多すぎるぞ悪霊 問答無用と言う言葉を 知らないのか?」 悪霊は訳の分からない恐怖に襲われ激しく動揺した 「解った…もうしない! 人を呪ったり悪いことはしない だから許してくれ」 常盤は目を閉じ「私に命乞いをしても無駄だ」 そう言うと爆の呪符を起爆 させた「私は祓い屋ではない…退魔師なんだよ」 「退魔師とは人間に害を成す 如何なる悪鬼も退治する のが役目なのだから」 次の瞬間悪霊は凄まじい爆発の衝撃と轟音に襲われ 断末魔の悲鳴を上げる間もなく爆砕消滅した。 [常盤]「爆砕消滅…現時点で最強の破壊力を持つ呪符だ …貴様程度に使うには 勿体ない威力だったろ?」 光太を痛めつけられた常盤の怒りがこの最強の呪符を 使わせたのだ 光太は爆砕消滅の呪符の威力を間近に見て自分の体が 何ともない事に驚いた [光太]「幻覚にでも掛かった様な妙な感じだ…でも」 あの悪霊は姿形も残さず この世から消滅していた 写真館の主人は自分が操られている間の記憶も 残っており光太と常盤に誠心誠意詫びた [主人]「まるで夢でも見ていた様です、 私があんな酷い真似を きみみたいに可愛い坊やにするなんて」 常盤は「気にすることはない 悪霊に操られてしたことだ 御主人に罪はないよ」 [光太]「そうですよ 只…常盤様の写真のほうは その分オマケして下さいね」 主人は胸を叩き 「お任せ下さい最高の写真を撮って差し上げます、 当然お礼も込めてタダで」 バシャっと こうして 常盤と光太二人が組んだ初めての退魔師としての 仕事がかたずき、無事 常盤の写真撮影も終わり いよいよ本格的にトキワ退魔家業の本番が始まるのだ。 鬼が出るかじゃが出るか乞うご期待だ! さてさて… トキワ心霊事務所のホームページには 裁ききれないほどの仕事が舞い込み殺到した [光太]「うう〜ん」 どうやら全国では霊害に苦しむ人達が想像以上に多いみたいだなと、 八尾光太は今まで自分が知らなかった世界の一旦を覗いた気分だった 常盤が 「光太〜ん 」 タブレットを見ていた光太は ちゃぶ台の向こうで自分の名を甘えた声で呼ぶ美人でドSの御主人様の顔を見る [光太]「何ですか常盤様 もう お酒は駄目ですよ… 今日はお仕事が立て込んでいるんですからネ!」 酒・タバコ・光太!と欲望に 忠実で自堕落に素直…それが普段の 出雲常盤の姿である それが悪鬼夜行と対決と成ると途端に   別人と化してどんな悪霊でも震え上がる存在となるのだ! だが普段の常盤は光太に依存し、甘えるだけの駄目人間だ。 「光太あ〜ん 」 常盤はからになった酒瓶を 口にくわえるとイヤらしく舐め回し  そして憂いを込めた目で 光太を見つめる 「常盤様」 光太はその行為に自分の思春期の塊を舐め回されるみたいな感じがして下半身に力が漲るのを感じる。 そこに常盤の足先が延び光太の股間を刺激してきた 「もーやめて下さい!」 (や…やばー!また常盤様の 術宙にはまる!) [常盤が 「光太ーー サケー 」 「駄目です!お仕事が終わってからです!」 アアンいけず〜、ちゃぶ台から立ち上がる光太を 恨めしそうに見上げる…そして常盤は光太に後ろから抱え上げられながら 「ナンラヨー離せよー」光太はそんな時決まって常盤に「ちゃんとお仕事して下さったら今晩何でも言うことを聞きますから」 というと シャキーンと立ち上がり 常盤の様子がその一言で豹変する バッと退魔師の衣装に着替え! 注 この服は女装男が着た服だが光太が初めて買ってくれた服だからと常盤は喜んで着ている。 「何をしている 光太!悪霊退治にいくぞ!」 「はい!常盤様」 常盤のモチベーションを引き上げるには光太のこの一言が重要なのである それはそうと、今回の以来には何と送迎車がオプションとして付いていた。 [光太]「今回の以来内容は 悪霊に取り憑かれてしまった 心霊億ションの販売店からで …引き渡しまで日がないので明日の朝までに何とかして欲しいそうです」 常盤は「それじゃあ今日の 晩は億ションで光太と一晩を共にするのかな?」 光太は何かトンでもない事を常盤が考えているんじゃないかと気が気じゃない [光太]「言っておきますがベットの使用は出来ませんよ …引き渡し前の物件ですからね」光太にそう言われ [常盤]「だったら今日は 光太と何処で眠るんだ?」 と聞いた コレ重要 [光太]「億ションには来客ように部屋が別に用意されていてそこを利用してくれと言われています」 まあ超高級マンションの来客室である…相当なものであることは間違いない [常盤]「大金に絡んだ悪意を感じる…ろくな悪霊じゃないな」 光太「でもですねー かなり上客ではありますよ 前金まで貰えたし」 常盤は「また随分気前が良い話だな、嫌な予感がビンビンするよ」 常盤の予感は霊能者の予感である、光太は一抹の不安を感じたが、肝心の 億ションを見たとき ある考えが光太の脳裏に浮かび それ所では無くなった [光太]「す 凄いですね!常盤様…床が全部大理石ですよーそれに豪華な家具ばかり もう別世界に来たみたいです!」それを聞いて常盤は、 こうた みょうにテンション、たかいな…! 常盤は光太がこんな風に人の家を羨ましがるとは思わなかったので 「何をはしゃいでいるんだ?お前らしくもない」 [光太]「!す…すいません…常盤様といつか…こんな所に住めたら良いなと思い ついハシャギ過ぎてしまいました」  こんな事を 光太に言われたら常盤はそれだけで舞い上がってしまいそうだが [常盤]「そうだな  光太… でもそのためにも…コイツのことを先にかたずけないとな」 常盤がそう言うと空中から金色に輝く光が現れて その光の中から不気味な 顔面だけが浮き出て来たのだ [光太]「これは…」 [常盤]「守銭奴の亡者 叫喚地獄から抜け出てきた 質の悪い悪霊だ」 俗に地獄の亡者と言うこの世のモノではない その存在は地獄の釜が開いた時に 亡者がこの世に帰る際亡者のむれからはぐれ この世にとどまり悪事を行うハグレ亡者と言われる この強力な霊力を持つ悪霊は退魔師に最も警戒されている 「成る程 強敵って訳ですね?でも…常盤様なら何でもないんでしょ?」 常盤は強く頷き 「さあな?」と言った [光太](どっちですか!?) 「じゃあ何故頷いたんですか?」 光太にそう言われ [常盤]「自信はあるけど確実じゃない」と言い切った 「大体地獄のハグレ亡者とは初めて会ったんだ だからどんなもんかわからんのは仕方なかろう?」 確かに地獄の亡者に常盤の呪符が効くかどうか 「しかも…こいつは人間の肉を食らって実体化 までしている」 金の亡者は二人の会話を小気味良さそうに聞いている [亡者]「どうやら俺様の事は良く解っているみたいだな退魔師よ…」 常盤が祓い屋や拝み屋のたぐいでは無いことをこの亡者は既に見抜いていた [光太]「常盤様…それじゃあ…こいつには常盤様の呪符は効かないんですか?」 常盤は光太に向き直ると 「そうだな…きっと今の装備では無理だろう」 光太は常盤の落ちついた態度で何か手があるのだと悟った (常盤様にはこの亡者を倒す方法がきっとあるんだ!、だったら…)光太はそう思い 「金の亡者め!どうしてここに取り憑いたんだ」 光太は、なんとか会話で亡者の気を引き常盤から目を反らす作戦に出た  [亡者]「生前の俺様はこんな所で住めなかった、だから力ずくで手に入れてやる」 光太は亡者と言うモノが理屈や説得がまったく通用しない相手だと 常盤に言われていたが成る程その通りだと今更ながらに納得できた [光太](人間でも亡者でも己の欲望に負けたらこんな風になるのか…) 「そんな無体な理屈で 真面目に働いて稼いだ人の 住む場所を奪うなんて 許される訳がない」 [常盤]「お前の言うとおりだ光太」 どうやら準備が出来たのか…常盤は光太の前に進み出て金の亡者と対峙した  「こんな奴はさっさと吹き飛ばすに限る」 だが金の亡者は余裕シャクシャクで 「俺様を吹き飛ばすだと? たかが人間如きにそんな真似が出来るかどうかやってみるが良いさ」 と言い終わるや巨大な光の塊となってその光から無数の触手が矢のように伸びる! [光太]「うわああああああああ」 光太はその矢に自分の身体を貫かれたと思った だがそうは成らなかった 亡者の触手は光太に当たらず 数十センチの所で食い止められていた [亡者]「何だと!?」 亡者が驚くのも無理はない 光太の身体には至る所に 強力な結界の呪文が書かれていたのだ [光太]「な…何で…」光太は思い出した 今朝がた常盤によって 自分の身体に落書きされていた事を [光太] 「常盤様が俺の身体に何時もイタズラ書きしていたのは もしかしてこんな時の為?」「只の墨汁だと思っていたのに、 貴重な墨汁を…いや 自分の血を混ぜた墨呪を 毎朝俺を守るために?」 只のイタズラじゃ無かったんだと解ったとき光太は 常盤の優しさを知った だがその常盤は防御結界など使っておらずまともに 亡者の攻撃を食らってしまっていた 光太が見ると 亡者の触手が常盤の身体に 突き刺さって見えた [光太]「と…常盤様ぁー」 光太は悲痛な声で叫び常盤の所に駆け寄った 亡者は常盤の絶命を確信し常盤に突き立てた触手をその身体から抜いた。 [亡者]「ぎゃぁあー」 光太が叫び声をあげる亡者を見ると亡者の自慢の触手は 悉く溶け落ちその先端部分は無くなっていた [光太]「これは…」 そして常盤の声が 「私の血には神が宿っている…」 常盤の血が溶鉱炉の様なものであると言う事を知りさすがの亡者も怯んだ 「近づくなぁーこの化け物めぇえ」 [常盤]「お前がそれを言うか…地獄の亡者のくせに」 [光太]「常盤様…無事で良かった!」 そう言い常盤に抱きつく光太の頭を撫でながら 「心配させて悪かったね光太」となだめて 「さて…金の亡者にはさっさと吹き飛んで貰うとしようか」 そう言うと常盤は赤い文字で書かれた呪符を取り出した、 その呪符には阿鼻級爆砕と書かれ 明らかにその字は血文字である。 [亡者]「ま…待て…それはやめろ!」 [常盤]  「今まで自分が不死身だと思って散々人間を祟り殺して来たくせに…今更命乞いとは見苦しいぞ亡者ー」 そう言い終わるが早いか 「阿鼻級爆砕消滅呪符の威力…存分に味わうが良い!」常盤は呪符を起爆する 果たして その威力は… 「貴様の居た地獄の階層の熱さとは比べ物にならない! 叫喚地獄に居た方が、まだましだったな亡者」 八第地獄最下層の炎の威力は 霊的核エネルギーの超高温に晒されるのである  ぐぎゃあああああぁーー 凄まじい断末魔をあげて地獄の亡者は一瞬にして 実体化に使った肉も残さず消滅した  光太は常盤が自分の身を挺してその爆発から光太を守っているのに気が付いた 「常盤様…」 「大丈夫だ 私がお前の魂をこうやって抱きしめ守っているから」 ぎゅぅうと光太の身体を抱きしめる常盤、どうやら危機は去ったようだ     「地獄の亡者が相手だなんて…大変な目に遭いましたね常盤様…」 「光太がいれば、どんな悪霊にも負けない自信がある…」 「でも吸引の呪符は無駄になったな w」   「常盤様…」 光太を抱きしめつつ常盤は 「さあ…もう仕事は片づいたんだし …今からお前を好きに料理していいんだったな〜光太」 光太は冷や汗を流してつばを飲む 「ハハハお手柔らかにお願いします」 (何だ何だ?何をされるんだ?)期待と不安がいり混じりながら 光太は依頼を果たし終えた事をこの億ションの売りぬしである大手不動産の部長に伝えた  「電話口で部長さんが常盤様に大変感謝されてました」 「そのお礼に今日はゲストルームを好きに使ってくれと言うことです」 [常盤]「フーンそうか」 常盤は光太がベットに来るのを鼻歌を歌いながら 上機嫌で待っている [光太]「今回は凄い報酬ですよ聞きますか常盤様?」 常盤は「お金なんかどうでも良いから早くこっちゃこいよー光太」 この依頼の報酬が百万以上に成った事は光太が交渉すればこその成果だが [光太]「常盤様…全部俺に丸投げで良いんですか?」 だが流石に光太も常盤の無防備な 依存体質には不安を感じた [常盤]「カネの事はお前に全部任せると言ったら任せる、それで良いよ、だから早く 服を脱いで こっちに来い!」   もう常盤は我慢できないみたいである 光太は上着を脱ぐとベットで裸で横たわって寝ている常盤のそばに座る  「俺をそこまで信じてくれるのは凄く嬉しいですけど…もう少し用心して下さい」   「お前を信じなくて一体誰を信じるんだよ光太」 常盤は淀み無くそう言いきった、どうやら常盤は光太を 無条件で信頼している様だ。 「だから…常盤様そんな無防備に」 「こい!」 突然光太は常盤に、腕を引っ張られベットの上に倒された 「そんな話はどうでも良い」 光太の顔に常盤の美しい顔が迫ってくる物凄く鼻息が荒い (随分欲求不満だな…)「常盤様…」 光太は目を瞑り常盤にキスされるのを待った 「アレ?」だが幾ら待っても 常盤はキスをしてこない。色々エッチな事ばかりを、してくる常盤だが、何故か未だにキスだけは、まだであったから今回の依頼が終わって光太と一番先にしたいのはキスだろうと内心期待して待っていたのだが 「うぅうー」 だが…常盤は確かに、光太にキスしようとはしていたが 金縛りの様に身体が硬直してそれが出来ないでいた。 (接吻は恋人同士の証…やはり私が奪って良い筈はない!) 光太は常盤が少し迷っているだけだろうと自分から キスをしようと顔を近づける (駄目だ…) (光太を偽って主従関係を築いている自分にそんな権利はない!) 「もうキスはいい!また今度だ!」 光太の唇からそう言って離れると、 常盤は涙ぐんだ目で光太と目があった 「常盤様…?」 常盤はその涙で自分の考えが見透かされわしないかと焦り 光太のズボンに手を掛けると ベルトを外しズボンをズリおろそうとする 「いきなり何するんですかー!?」 光太は自分のズボンを降ろされまいと手で押さえる 常盤は「私の好きにさせると約束したのに抵抗するな! 手を離せ光太」 光太は常盤にそう言われ 恐る恐る手を離す 常盤は強引に光太のズボンを 中に履いていたトランクスと 一緒に膝まで引きずり下ろした。 その拍子に光太のお稲荷さんが姿を現す 「そのまま動くなよ光太…気持ち良くしてやる」 光太は自分の臀部に常盤が 舌を這わせてくるのを感じた 「うわわっ何処を舐めてるんですか?」 常盤は光太の丸いお尻を 舐めながら「可愛い尻だからな…前から一度食べてみたいと思ってたんだよ」 「アハハ!コソバユいです常盤様」 常盤は逃げようとする光太の お尻をカジっと噛んだ 「痛い!」 「逃げたらまた噛むからな」そう言って常盤は 光太のお尻を舌で舐め廻して ベちょべちょに濡らした 「常盤様…俺変な気分です」 常盤は光太の臀部を舐め終えると 「私も…何だか変な気分だぞー光太」 (キスなんか出来なくても私は光太の隅々まで味わい堪能できる) 常盤は光太の尻の割れ目を両手で開き光太の菊の蕾を見つけて舌なめずりをした (コッチの口なら…キス出来る…)常盤は光太の菊の蕾に唇で接吻する [光太]「うわわっ!」 常盤は光太のソコを味わう様に舐めシャブるが、舐め廻されている光太のほうは、もうたまらない! 「常盤様…俺 も もう」  そう言い終わる間もなく 光太の思春期の塊は熱い息吹を噴出した、びゅっと音が聞こえる程勢いのある息吹を常盤はトッサに片手で受け止める そして手に着いたその熱い息吹を 美味そうに舐めとり ]「肛門を私にシャブられて漏らすとはこの変態の下僕め…ヤらしい 奴だ」  常盤にそう罵られ 光太は顔を赤くしながら無言で常盤をベットに押し倒す「常盤様…俺もう我慢できません」 [常盤] 「いきなり何だ?今イッタばかりだろ?」 だが常盤が見ると光太の思春期はそそり立ったままだった [光太]「俺は常盤様とシタイです…」 [常盤]「何だ…前戯も無しに突っ込む気か?」光太は当然常盤が拒否するものと思っていた…だが 常盤の答えは全然違っていた 「じゃあ俺と、してもいいんですか?」そう言って喜ぶ光太に 常盤は下着を脱ぎながら 「ほら私のお尻を舐めろ…下僕のお前にはこっちの方が似合いだよ」 光太は ヘ?と言う顔になる 常盤は蒸気した顔で 「私のお尻を舐めるのは汚いから嫌なのか?私はお前のお尻の穴の中まで舐めてやったがな」 常盤は自分の腰を手でささえると光太に女として最も恥ずかしい秘部を晒した 「き…汚いなんてとんでもないです…俺だって常盤様のならいくらでも」 光太はそう言って常盤の丸い臀部を舌で舐め愛撫を始める [常盤]「もっと私のお尻を舐めてお前の唾でベトベトにしろ!私がお前のお尻をべたべたにしたように」 光太は言われるままに常盤の丸い臀部を舐めて唾でビチャビチャに濡らした、光太が 見ると常盤の女陰から大量の密が溢れるように出ている 「常盤様の愛液美味しそうです」 光太はそう言って常盤の愛液を直接口をつけて飲もうとするが常盤はそれを許さず両手で覆い隠した [常盤]「そこは聖域だ…お前が触れて良いのは不浄と呼ばれるその場所だけだろ」 その時常盤は心の中でこう叫んでいた (ソコだけは駄目なんだ!ソコを責められたらもう我慢出来なくなるから!) 常盤のそんなギリギリの心理状態を光太はまったく見抜けない、光太は常盤が悪霊と戦う勇ましい姿ばかりを見ているので弱い常盤を想像もできないのだ、常盤は常に強いと思っている。光太はじつは常盤は脆い心と強靱な意志を両方あわせ持つ複雑な性格の女、などとは夢にも思って否かった。 「常盤様の不浄の孔を俺の舌で清めさせて頂きます」  光太はわざとらしく嫌味を少しまじえて言ったのだが 常盤は光太に不満を言われてもどうしても男女の正常な交わりを許すわけにいかなかった (再び交われば私は完全に光太の虜と成ってしまう…そうなっては 秘密を守り続けるのは絶対に不可能だ) でもそのかわり 常盤は光太に 「…私の不浄の孔を舐めて清めたら き…キスをしても良いぞ」  光太はこの常盤の言葉に 「エ!?さっきはしようとしたら逃げたのにどうして」 「… あれは!逃げたのではない…避けたのだ 私の口がお前の不浄を清めた後ではな…流石に悪いと 思ったのさ!」 常盤は精一杯の嘘をついた 光太はそれを聞き (そんな事を気にしてくれたのか…わりと優しい所もあるんだな) 光太の常盤に対する思い違いも此処にきて致命的なモノが出来上がってきた 本来の常盤とは、ま逆の性格の常盤が 八尾光太の心のイメージに 明確な形で出来上がりつつある、この二人は互いに互いのことを思い合いながら 互いの心を見失っているのだ 光太は強烈な誤解をい抱いたまま、常盤の不浄の孔を 自分の舌で清め始めた 「光太…」 (まるで子犬のように私の不浄の孔を清めている…舌が…シワの一筋一筋を丁寧に…ああ孔の中まで) 常盤がそうしたように光太もお返しとばかりに孔の周囲を舐め回し、孔の中にも、舌を 進入させてチロチロと中の柔肉を舌でこする [常盤](ひゃぁうう!) 常盤の不浄の孔は光太の 舌でトロトロに溶けていた [光太]「…?」 この時の常盤の顔は光太は 見てないが、もし見ていたら 常盤のあまりの切なげな表情に、がまんできずに、もらしていたかも知れない (ああ 駄目だ こんな表情とても光太には見せられない!)。 「良いぞ光太…目を閉じたままこっちに顔を持ってこい、いいか目を閉じたままだぞ」 光太は常盤に言われるまま、目を閉じ 臀部から顔を上げ、常盤の顔のほうに自分の顔を近づけた 常盤はそんな光太の顔に手を添えると自分から光太の唇に唇を重ねた 「常盤様」 (私の初めての接吻を光太に…してやれた) 「互いに互いの不浄の孔を舐め合った者同士 …その不浄の唇を重ね合ってもお互い様だ」 そう言うが早いか常盤は光太と、貪る様に唇を重ね、光太の唇いがいにも、瞼や額にも、時には舐めるように、時にはシャブる如く、暴食的な、接吻を光太にした、光太も常盤に負けじと自分から接吻をし返すが 「常盤様…俺のが もう限界です」 光太の思春期の性に常盤の強烈な行為は余りにも刺激が強く、光太は2度目の絶頂の訪れを感じていた 「…そうか…もう我慢できないのか?」 常盤は光太に 「その思春期の塊を私の不浄の孔に差し入れろ…そしてお前の熱い息吹を私の中で弾けさせるんだ」   「常盤様の中で」 今の光太にこの誘惑に抗う、すべはなかった。常盤の導きに誘われるがまま思春期の漲る塊を光太は不浄の孔に先の方だけ差し入れる 「ああぁあ常盤様」 常盤は光太の腰を自らの手で掴み「駄目だ光太!もっと奥深く差し入れろ」そう言って強引に光太の腰を引き寄せたその瞬間光太の思春期の塊は常盤の不浄の孔の奥深く進入し先端がその刺激で大きく膨張すると、漲る欲望を常盤の中で爆発させた 「うああああ」  光太はそう呻くとビュルビュルと常盤の不浄の穴の中に射精しながらビクビクと痙攣する。 常盤も歓喜の表情で光太の漲る欲望の爆発を体内で感じている  (光太の熱い息吹を不浄の孔の奥深く 感じる これは想像以上に気持ち良い) だが常盤はその気持ちよさがこの前の男女の交わりに比べると浅いように感じた (心があの時ほどには満たされない…かえって良かった…これなら何とか耐えられる) 気がつくと光太は常盤の中で果てていつの間にか深い眠りについていた [常盤]「酷いな…私の不浄に差し入れたまま眠るとは」 光太が自分の乳房を枕代わりにして眠る姿を常盤は 愛おしそうに見つめる こうして二人は深い繋がりを持ちながら 決して交わることのないすれ違いだらけの関係といたった。 これが異常な二人の異常な関係のなりそめなのだが 一人は滅び去った退魔師の里の最後の生き残りであり もう一人は年を取れない呪いに掛かった青年である この異常な二人の元に舞い込んでくる事件が普通な筈がなく次に舞い込んできたのが… トキワ退魔家業 赤い目の少女 心霊事件に続く。。