■痴漢体験告白01『自分は強気だと思っていたけれど』 ■01 今日、帰宅の時、初めて痴漢に遭った。 けれど、よく考えてみたらこれまでにもお尻をさわられたことはある。 満員電車でお尻や脇腹に当たっていたのは、見知らぬ誰かの手だったのかも。 電車を降りる際、不意にお尻に当たっていたもの……てっきり後ろから押されたり、鞄が当たっていただけだろうと思っていたものも、誰かの手だったのかもしれない。 でも、今日のは違う。 しっかりとお尻を撫で回されたし……胸にも手が伸びてきた。 制服の上から胸を揉む手をはっきりと見た。 当然だろうけど、男の人の手だった。 きっと年上だと思うけど、確認はしていない。 これまで私は、痴漢なんてされたらすぐに相手を捕まえられるものだと思っていた。 許可無く私にふれる手を掴み、この人痴漢です、と声を出せる。 そう思っていた……けど、できなかった。 お尻はもとより、乳房を掴まれるようにして揉まれても私は相手を捕まえるどころか声を出すことさえできなかった。 正直、かなりショックだった……自分は気の強い方だと思っていたから。 超満員と言うほどでもない、適度な混み具合の電車。 これまでずっと通学に使っていたけど、何事もなかった電車の中で、まず最初にお尻をさわられた……少しの間、それに気付かなかった。 気が付いたのは、揉まれたから。 大きな手で右のお尻を鷲掴みにされた。 スカートの上からだったけど、明らかに揉んでいる。 なんて堂々としてるんだろう……そう、呆気に取られるばかり。 けれど、痴漢と気付いてしまうと一瞬で鼓動が跳ね上がった。 声を出そうとするけど、息を呑むことしかできない。 もちろん振り返ることもできず、俯いてしまった……これがいけなかった。 痴漢はすぐに左のお尻も揉んでくる。 私はその手を押さえるどころか声を出すこともできず、俯いて息を潜めてしまう。 痴漢されている側なのに、酷く恥ずかしくなって静かにしてしまう。 こんな自分を誰にも見られたくない。 知り合いはもちろん、赤の他人にさえ痴漢されている私を見られたくなかった……それが駄目なことは家に帰ってきた今ならわかるけど、その時は思いつかない。 痴漢被害があまり表沙汰にならないのは、多くの女性がわたしと同じように思ってしまうからだろう。 そして、そこに付け入られてしまう……私が声を出さないと悟った痴漢は、行為をエスカレートさせた。 痴漢の手が、胸へと伸びてきた。 俯いた私の視界に、痴漢の手がはっきりと見える。 男性の大きな手。 若々しくはない……けれど、しわくちゃでもない。 青年から中年といったところだろう。 時計はしていなかった。 袖の感じだけでは、学生服なのかスーツなのかはわからない。 痴漢はまず、右の乳房を正面から鷲掴みにした。 Fカップある私の胸は、ブラで押さえていても大きい。 お尻を揉んだ時と同じく堂々と、強く揉まれて、乳房にブラが食い込む。 少し痛かったけど、やっぱり声は出なかった。 私は他人に胸を揉まれたことはない。 冗談やじゃれ合いでもなかった。 だからその時、自分の胸を揉んでいる手に現実感がなかった。 もちろん快感なんてあるはずもない。 むしろ滑稽ですらあったのだけれど、笑えるはずもなかった。 痴漢の手はオッパイの下へと回り、すくい上げるようにして揉み始める。 けど、制服とブラで固められているから、どこまで私の柔らかさを感じられただろう。 ブラがずれてきて、痛い。 ここで、痴漢が私の真後ろに立っていることがわかった。 背後から回した右手で、右の乳房を揉んでいたのだけど、手を伸ばして左の胸も揉み始める。 私は、抱きすくめられてしまっていた。 左手を使ってこないのは、荷物を持っているからだろうか。 俯いてみてるけど、自分の乳房が邪魔をして痴漢の方までは見えない。 こういう時、巨乳は損だと思う……男の人にはわかるまい。 痴漢はしばらくの間、左の乳房を揉んだり、右の乳房を揉んだりしていた。 後ろにぴったりと密着されていた感じからすると、身長は私よりも二十センチほどは高いだろうか。 肥えた感じはない。 しっかりとした体格。 エロティックな手の動き。 熱い体……いや、もしかすると私の方が熱くなっていたのかもしれない。 もちろん快感などではなく、羞恥と嫌悪……そして怒りから。 ようやく痴漢に対する怒りが湧き上がった私は、その手を押さえようと自らの手を伸ばす……そして痴漢の腕にふれた、ちょうどその時だった。 痴漢の指先が、乳首を摘まんだのは。 強烈な痺れが全身を駆け巡る。 それは脳天にまで伝わり、一瞬目の前を真っ白にした。 快感のはずはないけれど、痛みという感じでもない。 抑えていたはずの声が出てしまったかもしれない。 私はまた息を殺し、周囲の視線から逃れるように俯いてしまう。 目に入ってくるのは痴漢の手。 左の乳首を、右の乳首を探し当てて摘まみ、ころころと転がす……私は下唇を噛んで、堪えた。 ブラの上から無理矢理摘ままれているから、痛みがはっきりとしてくる。 身をよじって痴漢の腕から逃れようとするけど、力強い腕から解放されることはなかった。 腕力で負けているのが、酷く悔しい。 痛みと怒りで涙が滲む。 抑えていた息が苦しくて、次第に荒くなってくる。 その時は、このまま息を荒げていれば周囲の人が痴漢に気付いてくれる、という考えには及ばなかった。 むしろ気付かれてしまうことが恥ずかしく、更に息を潜めるばかり。 高まる鼓動が、耳の奥でドクンドクンと痛いほど響く。 ふと、痴漢の手が胸から降りた。 私が乳首を嫌がっていることに気付いた……。 そんなハズがない。 その手はお腹を撫でながら下腹部へと下り、股間をまさぐり始めた。 息が止まるような衝撃が体を貫く。 スカートの上からとはいえ、女性の大事な部分をさわられたのだ。 私は生まれて初めて、血の気が引く感覚を覚えた。 強烈な貧血という感じか。 もしかすると、一瞬意識を失っていたのかもしれない……けど、それは紛れもない現実だった。 ガクンッと膝の力が抜ける……同時に、体が傾 いだ。 駅だ! もうろうとする意識の中、どこだか分からないけれど駅に停車したことに気が付いた。 私はなりふり構わず、駆け出していた。 体勢を崩したのが良かったのかもしれない。 痴漢は私を捕らえ続けることはなかった。 私は逃げおおせたのだ……しばらくその駅で放心してしまい、帰宅には随分と時間がかかってしまった。 ■02 痴漢されるのが屈辱的だ、と思うのは、ずっと後になってからになる。 されている時は、ただ単に熱いとか痛いとか、怖いとか……自分のことを強気だと思っていた私でさえ、そうだった。 終わったり逃げ出せた時は開放感で爽快ささえあるのだけれど……今にして思えば、非現実的な感じが強い。 私は本当に痴漢されたのだろうか。 お尻をさわられ、胸を揉まれ、股間までも? これまで彼氏がいたことのない私は、男の人に体をさわられたことはない。 お父さんと一緒にお風呂に入ったのでさえ小学三年生までで、以来、不用意にふれたりふれられたことはない。 もしかしたら、あの痴漢は私の妄想だったのだろうか。 私にはそんなおかしな欲望があった? もちろん、そんなハズはない。 あの痴漢が実際のことだったのは、数日後に確認された……。 それが同じ人なのは、直感でわかった。 学校からの帰り道。 どうして私は、同じ電車を使ってしまったのだろう。 少しばかり時間がずれていても、路線と時間帯が同じであれば変わらない。 痴漢は前と同じように腕を回して、乳房を掴みながら私を抱きすくめた。 前回、同じようにしても抵抗されなかったからと思っていい気になっているのだろう。 その行為にためらいはなく、 まるで親が子を抱くように堂々としたものだった。 とはいえ痴漢のすること。 親子の間にあるような優しさはどこにもなく、早速淫らな行為に及ぶ。 私は今度こそその手を押さえ、痴漢を捕らえるつもりでいた。 最初の日以来、何度も心の中でシミュレートしてきた。 私を抱きすくめる手を取り、この人痴漢です、と声をあげる。 その想定の通り、私は痴漢の腕に手をかけた……かけようとした。 その瞬間、乳房にふれていた痴漢の手が、制服の中にすべり込んだ。 ゴツゴツとした男の手が、お腹にふれる。 そのくすぐったさに、私は思わず噴き出しそうになってしまった。 けれど、いきなり笑い出すわけにはいかない。 私はまたも周囲の目を気にして、息を潜めてしまった。 どうしてここで笑い出さなかったのか……声を荒げなかったのか。 今になっても悔やむ。 痴漢の手は直ぐさま乳房へと辿り着いた。 ブラジャーごとすくい上げるようにして何度か揉んだかと思うと、ためらうことなく谷間から生の乳房へと潜り込む。 乳首に擦れられて、強い痺れが走った。 指と指の間に乳首が挟まれ、同時に全体を揉み込まれる。 左の乳房だ。 私は痴漢に背後から抱き締められ、乳房を直接さわられていた。 あまりのことに、羞恥や痛みよりも困惑でいっぱいになる。 コリッコリッと乳首が捏ねられ、その度に生まれる刺激で喘ぎが漏れそうになる。 くすぐったさ、快感、痛み、快感……そう、それは確かに快感だった。 甘い痺れ。 官能の刺激。 私は初めて覚える性の快楽に呆然として、痴漢を撃退しなければという思いを忘れてしまった。 大きいと思っていた乳房も、痴漢の手では一掴みだ。 じっくりと、たっぷりと揉み込まれる。 乳首は、指で挟むだけではなく摘まんだりもしてきた。 キュッと掴まれ、伸ばされる。 自分でも驚くほどの痺れが全身を駆け巡り、喘いでしまわないようにと慌てて自ら口を塞ぐ。 もう駄目だった。 自ら声を出さないようにしてしまった私は、痴漢の思うつぼ……されるがままになるのを認めてしまったようなものだ。 背後で痴漢がフッと笑ったのは、気のせいではないだろう。 痴漢はついに左手も使い始めた。 ブラのホックを器用に外し、胸の締め付けをなくす。 そして右の乳房にも手を伸ばした。 強く揉みしだかれ、乳首を捏ねられる。 私は口を押さえて声を殺す。 痴漢は右手で乳房をもてあそびながら、左手でお腹にふれた。 両手で強く抱き締められて密着し、ふれた背中がゾクゾクとする。 その痺れが脳天に達したのを見計らったかのように、 痴漢の左手が股間に触れた。 まずはスカートの上から……けれど、すぐにスカートの中に手を入れられる。 パンツをさわられていた。 パンツの上から、陰毛のあたりを撫で回された。 なけなしの抵抗力を振り絞り、太ももを締める。 これ以上、股間をさわられるワケにはいかない。 このまま指に潜り込まれてしまうと……女性器に当たる。 そんなことが許されるはずがない。 本来、痴漢というのはお尻をさわる程度のものではないのだろうか。 乳房にふれることもあるだろうけど、直接素肌を、生のオッパイを揉まれることなどあるのだろうか……客観的に考える。 けれど、考えたところで仕方がなかった。 現に、この痴漢は私の乳房を揉み、乳首を摘まみ、ついには女性器にまで手を伸ばしている。 当然、パンツの上からだけで済むはずはなかった。 痴漢の手がパンツの中にすべり込み、陰毛を直接くすぐる。 しゃりしゃりと音がするほど捏ねられ、目の前が真っ白になった。 自分でさえ洗う時にしかさわらない場所を、他人にさわられる。 しかも、その指先はすぐに奥まで潜り込んだ……女性器だ。 体がビクンと跳ね上がった。 抱きすくめられていたから体勢を崩すことはない。 痴漢の指先が内ももをくすぐり、股間にふれる。 女性器をさわられた。 オマンコをさわられた。 顔も知らない男の人に、女の大切な部分をさわらせてしまった。 それは精神的、肉体的な衝撃となって私を襲い、同様と混乱と、快楽を誘う。 自分でもこんな風に女性器をさわったことはないから、どこをどうさわられているのか細かくはわからないし、どこからこの刺激が生まれているのかもわからなかった。 それなのに、痺れはある。 乳房からも、乳首からも快楽は生まれ、股間からも甘い官能が湧き上がる。 密着した背中から鼓動が伝わり、熱さが滲んでくる。 頭の後ろから、熱っぽい吐息も聞こえていた。 痴漢も悶えている。 私をさわって快感を得ている。 性の欲望があふれ出し、興奮を抑えきれなくなっていたのだろう……痴漢が私に性欲を覚えているのだ。 そう思った瞬間、強い衝撃が来た。 それは、これまでに感じたことのない強烈な快感だった……次に気が付いた時、私は電車の床に膝をついていて、年配の女性に声をかけられていた。 そこに痴漢の姿はなく、快楽の残滓だけがあった。 ブラは外されていたし、パンツもずり下がっていた。 股間はヌルヌルとしていて気持ち悪く、立ち上がろうにも膝が笑ってしまっていた。 それが絶頂だったのは、後になってから知ることになる。 ■03 ここ数日、痴漢は現れていない。 それは喜ぶべきことなのに、私は心のどこかに物足りなさを感じていた。 痴漢行為に対する怒りや嫌悪感がなくなったわけではない。 やはり不愉快ではある。 けれどもそれ以上に、あの強烈な快楽が私の体を捕らえ続けているようだった。 通学の電車に乗るだけで胸が、そして股間がうずく。 キョロキョロと周囲を見回して、それらしき人を捜してしまう。 もちろん、顔を知らない相手だ。 捜したところで見つかるわけがない。 だいいち、相手が学生なのかサラリーマンなのかすらわかっていないのだ。 知っているのは、手と体付き、そして熱さ。 大きくてゴツイ手が、私の乳房をまさぐる。 意外にも乱暴ではなく、優しささえ感じられる。 自分で乳房を握ってみるが、痴漢の手の大きさとは違いすぎる。 乳首を摘まんでも、感覚が違う。 パンツの上から股間を撫でても、パンツの中に指を潜り込ませてみても、私の細い指では頼りなく、男らしさなどあろうハズもない。 けれど……体の奥の火照りは思い出せる。 あの官能も。 その日……私は生まれて初めての自慰行為に耽ってしまった。 帰宅してからも制服を脱がず、ベッドに横たわることもなく。 自分の部屋で立ち、目を閉じて電車内であることを妄想する。 まずは制服の上から乳房を揉む。 自分で揉んでも、それはただの乳房であって大きさや柔らかさに何か感じることはない。 男の人がオッパイを好きなのはわかる。 痴漢も、楽しそうに揉んでいた。 乳首のあたりを擦ってみると少しだけゾクッとした。 こそばゆく、快感が生まれそうな感じがわかる。 私は急いで制服の中に手を突っ込んで、ブラジャーの上から乳房を握ってみた。 やはり自分のオッパイはただのオッパイなのだけど、目を閉じて、痴漢の動きを思い出しながら揉むと、背筋がゾワゾワとしてくる。 乳首を押してみると、じんわりとした快楽があふれ出す。 ブラを外さず、無理矢理手を潜り込ませる。 乳首が硬く尖っていた。 普段は柔らかいのに、どうしてこんなにすぼまっているのだろう……まさか、摘まみやすくするため? 体が勝手に反応しているのだろうか。 硬くなった乳首は、摘まむとキュンとした。 乳房全体を揉んでも快楽はなかったけど、乳首にはある。 摘まんで捏ねてみると、明らかな快感があった。 同時に吐息が熱くなったのにも気付く。 私は左手で口を塞いで、右手で乳首を転がし続けた。 まずは左の乳首……摘まんで引っ張ると、ジンジンとした甘い痺れが湧き上がる。 もちろん右の乳首も同じようにする。 心地良さに喘ぎが漏れるが、ここは電車の中……誰かに見つかるようなおかしな声を出すわけにはいかない。 現実でもキッチンにはお母さんがいるから、喘ぎ声を聞かれるわけにはいかない。 もっと乳首を弄りたくて、ブラを外す。 もちろん、制服は脱がないまま。 右の乳房を、左の乳首を、交互に色々と弄くり回すと、全身に快楽が滲んでくる。 これはいい兆候だ。 もっと快感を味わえる。 私の手は自然と股間に向かっていた。 スカートの上からはまどろっこしいので、最初からパンツに、その内側へと指を伸ばす。 陰毛がまるで自分のものではないような感触。 私はあまり陰毛が多い方ではないと思うのだけど、指先をくすぐるショリショリとした感じは楽しい。 ちょっと摘まんで引っ張ってみる。 痴漢はこんなことはしなかったけど、されてみたいと思えた。 快楽の欲求はどんどんとエスカレートした。 乳首をキュッと摘まみながら、女性器に手を伸ばす。 まず最初にふれる突起がクリトリスであることはもうわかっていた。 性に敏感な部分なのだ。 自分でさわってみてもビリッと強い刺激があるのがわかる。 それは快楽の痺れ。 乳首よりも小さな突起が、指先に当たる。 コロコロとした不思議な感触と、同時に湧き上がる女性器の官能。 痴漢が執拗に弄ろうとしていたのがよくわかる。 ここをさわると気持ちいいと知っているのだ。 例え痴漢相手でも、クリちゃんを触られると感じてしまう。 そして……その快楽に溺れてしまう。 乳首を、痛くないギリギリの強さで摘まむ。 中指と薬指でクリトリスを擦る。 乳首にそうするように、指先でクリちゃんを挟んでみる。 ビクンッと体が跳ねた。 脳天まで痺れさせる性の快楽。 ここは気持ちいい。 クリトリスは気持ちいい。 乳首もいいけど、クリちゃんは別格だった。 何度も擦り、摘まみ、押し込む。 息を潜め、声を殺し、頭の中で激しく喘ぐ。 そして……来た。 全身を駆け巡る激しい痺れ。 快楽に体が跳ね上がり、頭の中が真っ白になる。 絶頂……アクメ……オルガスムス。 私は、イった。 自分で女性器をいじくって、快楽でイってしまった。 脱力して立っていられなくなる。 ベッドに倒れ込んで、息を荒げる。 ジンジンとした甘い痺れが体中を駆け巡り、絶頂の喜びで心を溶かす。 私はもう、この快楽の虜になっていた。 パンツを脱ぎ、股を開いて、女性器に手を伸ばす。 クリちゃんから下へ、性器の谷間へ。 陰唇と呼ばれるそこは、ねっとりと濡れていた。 愛液だ。 セックスをするために女性器はとろける。 それは膣に男性器を挿入する助けとなる。 男性器……ペニス……オチンチン。 あの痴漢は私とセックスがしたいのだろうか。 それはそうだろう。 男性の性欲はペニスに集約されるという。 いくらオッパイを揉んでも、クリちゃんを弄っても、ペニスが気持ち良くなければ男性は本当に喜べない。 けれど……電車の中で、セックスができるのだろうか。 隣に他人がいる場所で? いや。 電車から連れ出される。 そしてホテルへ連れて行かれる……きっとそうだ。 あの痴漢は、私とセックスするために破廉恥な行為を繰り返していたに違いない。 セックス……性行為……。 私が? これまで彼氏どころか男友達さえいなかった私が、セックスできるのだろうか……このトロトロになった女性器に、見知らぬ男性のペニスが入ることはおかしくないだろうか。 私は、セックスよりも……こうして、クリトリスを弄られていたい。 オッパイを揉まれ、乳首を摘ままれて捏ねられて、抓られて引っ張られて、押し込まれて乳房全部を揉み込まれたい。 愛液で濡れたクリトリスもしっかりと摘まめば大丈夫。 濡れれば濡れるほど快感は強くなって、絶頂感も増していく。 その日、三回絶頂したところで軽く意識を失った……最高の快楽だった。 ■04 恥ずかしながら、あれ以来、オナニー癖がついてしまった。 痴漢さんが来ない日は、帰宅してから夕飯前にお風呂に入るまで、ずっとオナニーすることもある。 最低でも一回は絶頂しないと、 一日無駄にした気分になる。 それでも、オナニーできない日はある。 生理の時だ。 オッパイはできるけど、乳首だけではイけない。 お風呂でならできなくもないけど、経血を見ると萎える。 そのわりに、生理の時でも性欲は衰えない。 したくでもできないというモヤモヤとした感じ。 その上、生理痛があるのだからたまらない……こんな時に痴漢さんに来られると困るな。 その思いが通じてしまったのか、何日かぶりに痴漢さんが来てしまった。 もう、後ろに立たれた気配だけで彼だとわかる。 痴漢さんも私も、この行為に慣れてきていた……けど、今日は困る。 いつものように早速制服の中に手を突っ込んでくる痴漢さん。 私はその手にそっと触れて……少しだけ振り返って、呟いた。 ごめんなさい、今日は生理なの、と。 痴漢さんの手が止まった。 動揺しているのが手から伝わってきた。 それでもしばらく、いつもよりはためらいがちに乳房を揉んでいた。 少しして、その手が私の中から逃げていく。 それを残念だと思ってしまう私は、どうかしている。 今日は痴漢行為はなし……そう思った矢先、痴漢さんの手が私の手を取った。 これまでにない行為に、胸が高鳴る。 まるで恋人に手を握られたかのよう。 痴漢さんはその手を下ろし……。 私の手に何かを押し付けた。 生温かい。 柔らかい。 ムニムニとしていて蠢いている? まさか生き物のはずはないし、人の体にこんな部位は……あった。 それは、男性にだけある特別なもの。 背後から、痴漢さんが囁く……握って、と。 初めて聞く彼の声は、甘く切なく、エロティックだった。 耳元で囁かれただけで、まるで乳首を摘ままれたかのような痺れが走る。 耳も性感帯なのだろうか。 私は自分の淫らさを恥じながら、興奮していた。 握った手の中で、ペニスはムクムクと膨らんでいく。 勃起しているのだとわかった。 それは初めて知る男性の生理。 性欲が溢れ、セックスしたくなると勃起して、ペニスは硬く大きく、長くなる。 それで女性の膣内に挿入できるようになる。 やはりこの痴漢さんは、私とセックスしたいのだろう。 その証をこうして見せつけて……さわらせている。 怖くて見られない。 けど、怖いもの見たさで俯いたのだけど、位置取りや乳房で見えなかった。 よく考えてみたら、電車内でオチンチンを出しているのだ。 他の人に見られたら、どれほど恥ずかしいだろう。 きっと誰にも見られないよう、向きや位置に注意しているに違いない。 私にだけさわられるように。 私にだけ感じられるように。 それは、とても嬉しいことだった。 私に性欲を覚え続けていた痴漢さんが、それをはっきりと示してくれている。 手の中のオチンチンはとても大きくなって、一握りでは掴みきれない。 もしかしたら三十センチくらいあるのではないだろうか……もちろんそんなことはなかったのだけど、初めて男性器にふれた私は、驚きと興奮でまともな思考ができていなかった。 恐らくは最大限まで勃起したところで、痴漢さんはペニスを握る私の手を優しく包み、前後に動かし始めた。 何をしているのかはわからなかったけど、そうすることに意味はあるのだろう。 しばらくは痴漢さんのなすがままにされる。 少しして、どうやらオチンチンを擦っているのだろうと気が付いた。 乳首やクリちゃんをそうするように、男性器も擦ると気持ちいいのだろう。 痴漢さんの熱い吐息が耳にかかる。 それにゾクゾクしながら、オチンチンをキュッと握る。 痛いのか、気持ちいいのか、彼は低く呻いて更に手を前後させる。 その動きの感覚がわかってきた。 私が動きを覚えたのに気付いた痴漢さんは両手で乳房を揉み始める。 制服の中に手を突っ込み、ブラを外して、生オッパイを揉みしだく。 乳首を摘まみ、転がし、引っ張ったり押し込んだり。 これで私も気持ちいい。 やはり自分で乳房を弄るより、痴漢さんに愛撫される方が断然気持ちいい。 しかもペニスを擦ることで彼も気持ち良くしてあげられている。 なんて幸せなことだろう。 私は夢中になってペニスを扱きながら、オッパイの快楽に耽っていた。 どのくらいそうしていただろう。 痴漢さんはオッパイから手をどけて、ペニスを握る私の手もどけさせた……。 痴漢行為の終わりなのだろうか。 下車駅まではまだ少しあるのだけれど……ガッカリした私の気持ちを察したのか、痴漢さんはスカートをまくり上げて背中に密着して来た。 そして、お尻に熱いモノが当たる。 お尻の谷間にオチンチンを当てていた。 セックスをする気だろうか? けど、生理なのにどうやって? パンツも脱がしていない。 オチンチンには、女性器を覆う大きなナプキンが当たっているはず。 そんな私の心配を余所に、痴漢さんはオチンチンを内ももに擦り付けてきた。 なるほど、そういうコトか。 手で擦るよりも柔らかな内ももに挟んで擦った方が気持ちいいのだろう。 それに、これはまるでセックスのよう。 疑似セックスだ。 私は痴漢さんのオチンチンがオマンコの中に入ってくるのを妄想しながら、脚をキュッと締める。 股間の真下の内ももに、ペニスが擦れる。 それは手で感じるよりも熱く、長い。 ビクンビクンとした脈動が伝わり、彼の鼓動まで滲んでくるよう。 ペニスを股に挟むだけでこれほど気持ちいいのだ。 セックスの快楽はどれほどのものなんだろう。 私はセックスの妄想に酔い痴れ、痴漢さんの腰の動きに悶えた。 もう、声を殺すのにも慣れ、息を潜めて静かにしていることも得意になっている。 後は、痴漢さんの好きにしてもらえばいい。 そして、その時は来た。 痴漢さんが耳元で熱い吐息と共に囁く……イくよ、と。 何が来るのかわからないけど、私は内ももを締め付けた。 オマンコに密着する位置で、オチンチンが跳ね回る。 ビクンビクンと激しく脈動し、内ももがじんわりと熱くなった……と思ったら、すぐに冷たさも感じる。 なんだろうか。 内ももを何かが伝っていく。 愛液があふれ出したかもしれない。 そう思って焦る私に、痴漢さんはまたも囁く……次の駅でトイレに行ってね、と。 言われるがままトイレに行くと、内ももとスカートの内側がたっぷりの粘液……彼の精液で濡れていた。 射精することを、イく、と言うのだと知ったのはその日の夜。 こうして私たちの疑似セックスは無事成功したのだけれど……私は物足りなくて、お風呂で二回、オナニー絶頂を楽しんだ。 ■05 私は生理が終わるのが待ち遠しかった。 経血さえなければ、無事にセックスできるはずだから……けれど改めてセックスのことを学ぶと、初体験では破瓜という出血があるらしいと知る。 電車の中でセックスするとして、痴漢さんのオチンチンを血まみれにするわけにはいかない。 裸になるわけではないのだから、彼のズボンやパンツ、私のパンツにも血がついてしまうだろう。 私は意を決して、自ら処女膜を破ることにした。 破瓜のための道具は最終的に魚肉ソーセージかズッキーニの二択となり、細さと柔らかさで魚肉ソーセージ……ギョニソを選んだ。 ズッキーニの方が痴漢さんのペニスっぽかったけど、最初から大きすぎるのは怖い。 まずはクリトリスオナニーでたっぷりと女性器を濡らしてから、ギョニソにコンドームを被せ……そして。 思い切って挿入してみた。 ピリッとした鋭い痛みがあった。 指先をカミソリで切ってしまったような感覚。 でもそれは、ギョニソを出し入れすることで少しずつ収まっていった。 血は、出た。 破瓜の血。 処女の証。 でもこれはセックスじゃないから、精神的にまだ私は処女だと思っている。 そもそも、膣にギョニソを挿入してもさほど気持ち良くはなかった。 これがセックスの感覚なのだろうか。 やはりペニスを入れてみなければ本当のセックスにはならない。 痛みと血が収まったところで、私はギョニソを捨てた。 さすがに、膣に入れたモノを食べる気にはならなかった……。 ともあれ、これで準備万端整った……そう思っていたのに、あの日以来、痴漢さんはなかなか現れてくれなかった。 もしかすると、生理の日の素股で満足してしまったのだろうか? 期待していただけに、失望が重くのしかかる。 数日の間オナニーさえできず悶々としていた私だったけど……その日、ようやく痴漢さんは現れてくれた。 背後から抱き締めてくれる腕に安堵する。 痴漢に対して安心してしまう私自身が滑稽で、ふっと笑いがこみ上げた。 どうかしたの? そう尋ねてくる痴漢さんに、私は首を振って応える。 そして、生理が終わったことを告げた。 痴漢とこんな風に会話するのもおかしな話だ。 私は、彼の人間性には何の期待もしていない。 容姿や素性もどうでもいい。 ただ、性の快楽を教えてくれたことにだけ感謝し、そのお礼をさせてあげるだけ。 セックスというお礼を……痴漢さんの股間に手を伸ばし、ズボンの中のペニスをまさぐる。 彼はすぐにそれを取り出し、私の手コキを望む。 けれど私は、勃起したペニスをお尻にあてがった。 お尻の谷間で挟むようにする。 腰を前後させて、股間でペニスを擦り……自ら下着のお尻の側をズリ下げた。 肛門付近に当たる熱い肉棒に、私は小さく喘ぎを漏らす。 痴漢さんも息を呑んだ。 いいの? そう訊く痴漢さん。 私は振り返らず、彼の手の甲を軽く抓る。 ここまでしている女に、わざわざそんなことを訊くものではない。 情緒のない人だ……痴漢なんてしてるのだから、当たり前か。 痴漢さんは興奮を抑えきれない様子でペニスを私に擦り付ける。 期待していたからか、女性器はすぐに潤って挿入の手助けをしてくれる。 彼は経験者だろうか、それとも童貞? それも、どちらでも構わない。 どうせすぐ、経験者になる。 もちろん、私も。 そして、その時は来た。 痴漢さんの大きなオチンチンが、私の中にめり込んでくる。 やはりギョニソより大きい。 でも十分に濡れていた膣は、彼のペニスをすんなりと受け入れてくれた。 ニュルリッと異物が入って来る感覚に、思わず呻きそうになる。 私はいつも通り口を押さえ、喘ぎ一つ漏れないようにする。 ズブズブとオマンコにめり込んでくるオチンチン。 その熱さ、硬さ、長さ、太さ。 私は痛みよりもまず、セックスの官能に心を躍らせた。 ついに処女を奪われた。 大人の女になったのだ。 ペニスはやはり、細くて柔らかいギョニソとはまるで違う。 ゴツゴツとした感触と、何よりも熱い。 指ともまったく違う快感だった。 膣内をまさぐられるこそばゆさ、押し込まれる苦しさ。 それらに伴う大きな快感。 絶頂に近い痺れが全身を駆け巡り、体がビクンビクンと勝手に跳ねる。 なんて気持ちいいのだろう。 乳首を摘ままれるとか、クリトリスを撫でられるとか、 そんな快感は、セックスとは比べるべくもない。 付き合ってすぐセックスにハマる恋人たちが多いことに、ようやく頷ける。 これを覚えてしまったら、他の楽しさや喜びでは刺激が弱い。 痴漢さんも私の膣を喜んでくれているようで、入れ始めてすぐに出し入れを始めた。 ゆっくりと押し込み、ゆっくりと引き抜く。 お腹の中をくすぐられる強い快感が私を昂ぶらせていく。 あまり派手な動きをすると痴漢行為がバレてしまうからだろうか。 彼の動きはとてものろい。 けど、十分な快楽があるので構わなかった。 何度か出し入れをされて、ふと気付く……このまま、 痴漢さんの精子を注がれるのか。 妊娠してしまうだろうか。 見知らぬ男性の、しかも痴漢の赤ちゃんを孕んでしまう? けれど、膣内射精されたからと言って、必ず妊娠するわけではない。 それにこの快楽の末の妊娠であれば仕方ないだろう。 楽あれば苦あり、というものかもしれない。 私は口を押さえるのも忘れ、ふふっと艶めいた吐息を漏らした……そしてつい、駄目、とも。 何に対しての駄目だったのか、もう覚えてはいない。 けどその言葉は、近くにいた年配の女性に届いたようだった。 すぐさま耳をつんざくような金切り声が聞こえ、膣内から快楽の素が抜けたのがわかる。 私は女性に抱き締められており、先ほどまで私を抱き締めていた痴漢さんは、数人の男性に押さえ込まれていた。 少しの間何があったのかわからなかったけど、もう大丈夫よ、という声で我に返る。 痴漢さんは、痴漢の罪で捕まっていた。 私は痴漢の被害者になって、哀れみの目を向けられていた。 やたらと親切なおばさんが次の駅で降りて、彼を警察に突き出す。 警察に捕らえられた彼がどこに連れて行かれるのか、私は知らない。 私にできることはただ、毅然と彼の背中を見つめて……その人、痴漢です……そう、はっきり言うことだけだった。