「イヤシマ(癒島)のふたご姫(Healing iland of Twin princess)」 作 癒し家 【プロローグ:ある西方の挿話集より「おてんばお姫様といやし男」】 昔々、とある小さな国のお城におてんばでひねくれた性格のお姫様が住んでいました。 そのひねくれっぷりには、誰もががうんざりして、 人が集まる井戸端や街角、あらゆる場所でお姫様が話題にならない日はありませんでした。 そんなある日、一人の旅の男がやってきました。 小柄な旅の男は、「いやし」という耳慣れない仕事を生業(なりわい)にしていました。 男の言う「いやし」に、街の人々は何のことだかわからず、首を傾げるばかりでしたが、 実際に体験すると、一人、また一人と、その「いやし」の虜になっていきました。 虜になった人々はうっとりとした顔で口を揃えるように、 「体と心が信じられないくらい楽になって、気持ちよかった」と、言いました。 そんな「いやし」の噂を耳にしたお姫様は、旅の男を城に呼びつけました。 半信半疑、挑むように旅の男を試すお姫様でしたが、 男の「いやし」の技の数々に、あっという間に心を奪われてしまいました。 旅の男の「いやし」の虜になったお姫様は、 男のために城の中に住む部屋とお金を用意すると言い出しました。 初めて見る気前の良いお姫様の姿に、お付きの者は驚き、おののきました。 しかし、この有り難い申し出を旅の男は断りました。 なぜなら、旅の男には、世界中の人々に「いやし」を施すという壮大な夢があったのです。 以前のお姫様なら、無理やりにでも言うことを聞かせたでしょうが、 「いやし」を施されたお姫様は別人になっていました。 もはや、お姫様はおてんばでもひねくれてもいませんでした。 「いやし」は、お姫様自身をも変えてしまったのです。 そうして、旅の男は城の者全員に「いやし」を施し終えると、満足して、城を後にしました。 お姫様は大勢の見送りの先頭に立って、旅の男の姿が見えなくなるまで手を振って見送りました。 その顔には、初めての笑顔、素敵な笑顔が浮かんでいました。 旅の男の「いやし」は、その後もお姫様と人々の中に生き続け、笑顔が絶えることがなくなりました。 いつしか、小さな国は「いやしの国」と呼ばれるようになり、平和であり続けたそうです。 【イヤシマのふたご姫】 (海の音:BGM) 陸地から遠く離れた絶海。 海面から突き出るような大きな岩の上にその城はあります。 小さいながらも作りは立派で趣きのある白亜の城。 四方を海で囲まれる様子は、まさに絶海の孤城。 城を訪れるには、空を飛ぶか、海を泳ぐしかないといいます。 その城の名前は、イヤシマ。 名付け親は、城の主(あるじ)でもある双子の姉妹。 そう、貴方の目の前にいるふた粒の真珠です。 瓜二つ。 まるで合わせ鏡に映したかのような、双子の姉妹。 白い肌に黒真珠の如き艶(つや)やかな黒髪と白いワンピースの裾が爽やかな風に揺れています。 イヤシマの噂が人々の口の端(は)に上(のぼ)るようになってから、幾年月(いくとしつき)。 その頃から、今も、美しい。 美しいままの、双子の姉妹。 姉妹の細い体に似つかわしくない豊かな胸が、同時にゆるやかに盛り上がると、 可憐な唇が微かに開き、こう言葉を紡ぎます。 「「ようこそイヤシマへ」」 見事なハーモニー。 甘露のような声は、聞くものの耳を蕩かせ、頬を染め、心を躍らせます。 「「“空の月が満ちる時、イヤシマには必ず人が訪れ、空の月が欠ける時、帰路に立つ” 今日、貴方がここにいるのは、イヤシの神の御心。 イヤシマは、自分の意志では決して訪れることができません」」 姉妹は、貴方の目を優しく見つめ、言葉を続けます。 「「突然のことでなにがなにやらわからず、驚いていますね? 今の貴方と同じ顔を、何度も見てきました。 大丈夫。何も心配はいりません。 月が欠ける、その時まで、貴方をイヤシ続けます。 それが、 イヤシマで暮らす…、 ナーサティヤ。 ダスラ。 イヤシの神に仕える、私たちの務め」」 見つめながらの微笑み。 それは、まるで、天使か女神。 貴方の心と体は、抗うことなく一瞬で虜にされます。 「「改めて、ようこそ、イヤシマへ」」 鏡のようにきらめく碧い海と雲一つない青い空のみで構成された景色。 それに姉妹を重ねると、美しさが極限にまで高まります。 「「それが、「イヤシ」。 今、貴方の中に生まれた感覚が「イヤシ」」」 息が止まる。 それ程に美しい。 「「イヤシマは目の前の海と比べたら、ほんの小舟程度かもしれません。 それほどに、小さく。 それほどに、ちっぽけです。 ですが、 だからこそ、「イヤシ」が生まれる。 この星にはなかった「イヤシ」が生まれるのです。 姉妹は白魚のような手を貴方に差し出します。 「「さぁ、中へ。」」 左右それぞれの手で姉妹の手を掴み、貴方は足を一歩踏み出します。 イヤシの一歩を踏み出します。 「「奇蹟の邂逅を経て、貴方は「イヤシ」が素晴らしい事を知ります」」 人類は今、大きな一歩を踏み出すのです。 「「心の底から蕩ける「イヤシ」を貴方に」」 (扉SE) 【イヤシの一:イヤシの始まり】 イヤシマの小さな孤城の中、 定期的に訪れる者のためにしつらえられたスイートルーム。 その豪奢(ごうしゃ)な部屋へと案内されます。 「「扉を開けるだけで目の前に海が広がり、数歩進むだけで美しい海の中を冒険する事も可能です。 バルコニーからの眺望は…、もはや、説明は不要ですね(微笑)。 ともかく、 まずは、お座り下さい。 イヤシをもたらすためには、心と体、共に落ち着かせねばなりません。 (コップ) (炭酸SE) どうぞ、召し上がれ。 短くはないイヤシの日々の始まりはこの飲み物から始まります。 私たちもこれに目がなく、欠かした日はありません。 天然の炭酸水に果実の搾り汁をくわえたものですが、 爽やかで涼やかな飲み心地が、貴方の体の中から…イヤシをもたらします。 (乾杯:チン) (一口:ごくり) す~っと、口の中に溢れる、果実のかすかな甘味と酸味。 かすかに弾ける炭酸とはほどよいバランス。 飲み下すと、涼しい流れのまま、喉を降りていき、 口の中に残る、微かなすっきりとした後味と余韻。 それが消える前に、さらに一口。 (二口:ごくごく) ふたたびの、涼やかな流れ。 口の中から、喉の奥へ、 爽やかな清涼感が広がっていきます。 一口が呼び水になって、 さらに… 。 (ごくごく) 止まらない。 一口が、さらなる一口を呼びます。 (ごく) 喉の渇きとは関係なしに。 (ごくごく) 止まらない。 (ごくごく) さらなる一口が、終わらない。 (ごくごく) 繰り返し、繰り返す。 (ごくごくごくごくごくごくごくごくごく) 次第に、 貴方の全身にまで、清涼感が広がっていきます。 (ゆっくり) お腹から、胸、腰、ふともも、膝、すね、足の裏。 お腹から、胸、肩、上腕、肘、前腕、手のひら。 お腹から、首、耳、鼻、目、額、髪の毛。   (囁き) 貴方の体、 すべての細胞が、ひと心地。 清々しさに、包まれていきます。 (ごくごく) 貴方の体、 細胞が一つ残らず、ひと心地。 爽やかさが、染み入っていきます。 (ごくごく) 爽やかで、清々しい気分。 それが、イヤシ。 (ごく) 爽やかで、清々しい気分。 これが、イヤシ。 (最後の一口:ごくりっ) ……。 これが、始まり。 爽やかな美味しさから始まる。 イヤシの下地を整えた…今。 これからが、真の始まりです。 真(しん)なるイヤシへ、さらなる一歩を踏み出しましょう」」 【イヤシの二:双子の海イヤシ】 「「心と体、ひと心地ついた所で、外へ。 外の海へ、参りましょう。 海の中へ、参りましょう。 イヤシマの海にこそ、イヤシはあります。 それには、服は邪魔。 生まれたままの姿になります。 (衣擦れ音) (微笑しつつ)とはいえ、水着は着ていますので、ご心配なく。(肩紐パチン) もちろん、貴方の分の水着もありますので、どうぞ、ご安心を。 (扉音) (海の音:BGM) (パシャ) 海に入っても、泳ぐ必要はありません。 全身で、海に浸かる。 それだけで構いません。 イヤシマを囲む、大海原に浸るだけで構いません。 (波音) 海というものには、 海の果ての楽園、という伝承がつきものです。 人々は広大な海の向こうに幻想を抱いてきました。 そこに“楽園や極楽がある”、と。 人々はイヤシを知らずとも、それが海からもたらすものだと本能的に悟っていたのかもしれません。 貴方の目を奪う、碧い海。 貴方を包む、波の音。 貴方をさらう、潮の風。 それらが、高ぶった体を平常にします。 体の疲れを、やわらげます。 海に浸かるだけで、体が、洗われていきます。 貴方の目を奪う、碧い海。 貴方を包む、波の音。 貴方をさらう、潮の風。 それらが、荒ぶった心を平常にします。 心の疲れを、しずめます。 海に浸かるだけで、心が、洗われていきます。 波に揺れる。 波が、体の重みをさらいます。 波に揺れる。 海が、体の重みを無くします。 ぷかり。 体が横になる。 ぷかり、ぷかり。 自然に横になる。 ぷかり、ぷかり。 体が浮かぶ。 ぷかり、ぷかり。 体が海に浮かぶ。 ぷかり、ぷかり。 海に浮かぶ。 ぷかり、ぷかり。 木の葉のように浮かびます。 ぷかり、ぷかり。 体が浮かぶ。 ぷかり、ぷかり。 体が海に浮かぶ。 ぷかり、ぷかり。 海に浮かぶ。 ぷかり、ぷかり。 木の葉のように浮かびます。 気持ちがいい。 波に身を任せるのは、気持ちがいい。 ゆらり、ゆらり。 海に漂う。 ゆらり、ゆらり。 波に任せて、漂います。 ゆらり、ゆらり。 海に漂う。 ゆらり、ゆらり。 波に任せて、漂います。 ゆらり、ゆらり。 海に漂う。 ゆらり、ゆらり。 波に任せて、漂います。 ゆらり、ゆらり。 海に漂う。 ゆらり、ゆらり。 波に任せて、漂います。ゆらり、ゆらり。 海に漂う。 ゆらり、ゆらり。 波に任せて、漂います。 ゆらり、ゆらり。 海に漂う。 ゆらり、ゆらり。 波に任せて、漂います。 心地がいい。 波に身を任せるのは、心地ちがいい。 イヤシが、 ゆっくり、貴方の元へとやってきます。 目を閉じる。 そうすると、さらに、イヤシが貴方に近づきます。 ゆっくり、目を閉じる。 そうする事で、さらに、イヤシが近づいてきます。 波に合わせるように、大きく息を吸い込んで、 波に合わせるように、ゆっくりと、息を吐き出す。 波に合わせるように、大きく息を吸い込んで、 波に合わせるように、ゆっくりと、息を吐き出す。 波に揺れて、深呼吸をするのは気持ちがいい。 繰り返す度に、イヤシが貴方のすぐ側へと近づきます。 波に合わせるように、大きく息を吸い込んで、 波に合わせるように、ゆっくりと、息を吐き出す。 波に合わせるように、大きく息を吸い込んで、 波に合わせるように、ゆっくりと、息を吐き出す。 波に揺れて、深呼吸をするのは心地がいい。 繰り返す度に、イヤシが貴方の直ぐ側まで近づきます。 何回も、何回も、繰り返す。 何回も、何回も、繰り返す。 すると、 イヤシが、貴方の横に…。 だから、さらに、繰り返します。 すると…、 全身の力が抜けていきます。 息を吐く度、波にさらわれる度、力が抜けていきます。 右腕の力が、抜けていきます。 凝り固まった筋肉が、一本一本ほぐれるように、 力が抜けていきます。 どんどん抜ける。 抜けていきます。 力は抜けきって、空っぽ。 空っぽになる。 右腕が空っぽ。 空っぽになる。 空っぽの右腕に、イヤシが満ちていきます。 空っぽの右腕が、イヤシに満たされていきます。 それは、気持ちがいい。 イヤシに満ちて、右腕がふわふわと軽くなる。 右腕が軽くなる。 ふわふわと軽くなる。 それは、とても気持ちがいい。 左腕の力が抜けていきます。 凝り固まった筋肉が、一本一本ほぐれるように、 力が抜けていきます。 どんどん抜ける。 抜けていきます。 力は抜けきって、空っぽ。 空っぽになる。 左腕が空っぽ。 空っぽになる。 空っぽの左腕に、イヤシが満ちていきます。 空っぽの左腕が、イヤシに満たされていきます。 それは、気持ちがいい。 イヤシに満ちて、左腕がふわふわと軽くなる。 左腕が軽くなる。 ふわふわと軽くなる。 それは、とても気持ちがいい。 そうして、 右足の力も抜けていきます。 太ももから足のつま先まで、力が抜けていきます。 力が抜けていきます。 どんどん抜ける。 抜けていきます。 力は抜けきって、空っぽ。 空っぽになる。 右足が空っぽ。 空っぽになる。 空っぽの右足に、イヤシが満ちていきます。 空っぽの右足が、満たされていきます。 それは、気持ちがいい。 イヤシに満ちて、右足がふわふわと軽くなる。 右足が軽くなる。 ふわふわと軽くなる。 それは、とても気持ちがいい。 左足の力も抜けていきます。 太ももから足のつま先まで、力が抜けていきます。 力が抜けていきます。 どんどん抜ける。 抜けていきます。 力は抜けきって、空っぽ。 空っぽになる。 左足が空っぽ。 空っぽになる。 空っぽの左足が、満たされていきます。 それは、気持ちがいい。 イヤシに満ちて、左足がふわふわと軽くなる。 左足が軽くなる。 ふわふわと軽くなる。 それは、とても気持ちがいい。 両手と両足の力が抜けて、とても気持ちがいい。 両手と両足がイヤシで満ちて、とても気持ちがいい。 意識は、ゆらゆら。 ゆりかごに揺られているかのような、感覚。 とても気持ちがいい、感覚。 気持ちがいい。 とても気持ちがいい。 両手と両足の力が抜けて、とても心地がいい。 両手両足がイヤシで満ちて、とても心地がいい。 全身の力が抜け、イヤシに満たされ、頭はぼぉ~っとしてきます。 力が抜ければ抜けるほど、イヤシが満ちれば満ちるほど、 頭はぼぉ~っとしていきます。 意識が、ゆらゆら。 眠りに着く寸前のような、感覚。 とても心地がいい、感覚。 心地がいい。 とても心地がいい。 波のように、揺れて、揺れて、揺れる。 波のリズムと、呼吸がシンクロする。 波のように、揺れて、揺れて、揺れる。 波のリズムと、呼吸がシンクロする。 波と、シンクロする。 波のように、揺れて、揺れて、揺れる。 波のリズムと、呼吸がシンクロする。 波のように、揺れて、揺れて、揺れる。 波のリズムと、呼吸がシンクロする。 波と、シンクロする。 揺れて、揺れて、波になる。 揺れて、揺れて、波になる。 ただ、ただ、気持ちがいい。 揺れて、揺れて、波になる。 揺れて、揺れて、波になる。 ただ、ただ、気持ちがいい。 ただ、ただ、心地がいい。 揺れて、揺れて、イヤシに包まれる。 揺れて、揺れて、全てが、イヤシに包まれる。 揺れて、揺れて、貴方の全てが、イヤシに包まれる。 ただ、ただ…、気持ちがいい。 揺れて、揺れて、イヤシに包まれる。 揺れて、揺れて、全てが、イヤシに包まれる。 揺れて、揺れて、貴方の全てが、イヤシに包まれる。 ただ、ただ…、心地がいい。 波がきらめく。キラキラきらめく。 波がきらめく。宝石のように、キラキラきらめく。 波がきらめく。貴方の心のように、キラキラきらめく。 貴方の心がきらめく。 かつてないほど、気持ちがいい。 波が輝く。キラキラ輝く。 波が輝く。宝石のように、キラキラ輝く。 波が輝く。貴方の心のように、キラキラ輝く。 貴方の心が輝く。 ありえないほど、心地がいい。 貴方は、呼吸を意識する事で、波になる。 いつでも、どんな時にでも、波になる。 呼吸を意識する事で、波になる事ができる。 呼吸を意識する事で、キラキラの波になる事ができる。 呼吸を意識する事で、イヤシに包まれる事ができる。 貴方は、呼吸を意識する事で、イヤシを感じる。 いつでも、どんな時にでも、イヤシを感じる。 呼吸を意識する事で、イヤシを感じる事ができる。 呼吸を意識する事で、気持ちがいいイヤシを感じる事ができる。 呼吸を意識する事で、心地がいいイヤシを感じる事ができる。 (波音:5分) それでは、 そろそろ、上がりましょう。 イヤシマの海を、大海原を十分に堪能しました。 十数えますので、 ゆっくりと、海から上がります。 海から上がると、体がとてもすっきりとして、楽になっています。 海から上がると、心もとってもすっきりとして、楽になっています。 十、体の中に力がみなぎってきます。 九、抜けた力が戻ってきます。 八、頭の中の意識がはっきりとしてきます。 七、抜けた意識が戻ってきます。 六、体と頭がすっきりとします。 五、深呼吸をする事で、波を感じる事ができます。 四、気持ちのいいイヤシを感じる事ができます。 三、体がとっても軽い。 二、心がとっても軽い。 一、すごく楽です。 〇、それでは上がりましょう。 城に戻る前に、一度軽く伸びをする。 体がとっても楽になる。 城に戻る前に、一度深呼吸をする。 心にイヤシを感じる。 気持ちがいい。 貴方は深呼吸をする事でいつでも、心地よいイヤシを感じる事ができる」」 【イヤシの三:双子の膝枕と耳かき(右)】 「「イヤシマを囲む海のイヤシを堪能した後は、再び、お部屋に戻ってのイヤシ。 それは、私たちが仕える神も絶賛のイヤシ。 海のイヤシとはまた別の素晴らしさがあります。 それがどんなものか…。 気になってますね。 わかります。 (ゆっくり探るように) 貴方のはやる気持ち、 貴方の猛る気持ち、 私たちの胸に…こう、ビン、ビン、と、伝わってきます。 わかりますが、 その気持ちは一旦、抑えて。 深呼吸。 イヤシを感じて、あくまでも自然体に。 はい。 いいです。 いいですね。 そうしたら、 ゆ(溜め)っくり、体を横にしてみて下さい」」 (SE) 「いえいえ。 横たわるのは、ベッドではありません。 (ポンポン) ここ。 私、ナーサティヤのふともも。 ふとももです。 (ポンポン) ここに、頭を乗せて下さい。 ふとももを、枕に見立てるさまを、膝枕、と言います。 膝枕こそ、一番イヤシに近いと言われる枕。 本来なら、私とダスラ、二人のふとももで膝枕をしたいのですが、 それだと、寝心地が快適とは言えません。 膝枕は、寝るのもするのも、一人が理想的。 ですので、 ダスラは一時、お休み。 先に、膝枕の大役を務めるのは私からになります。 さぁ、遠慮はいりません。 どうぞ、(ポンポン)お乗せ下さい。 膝枕の寝心地を味わって下さい。 (SE) (慈しむように) 貴方の頭を、受け止めました。 ふんわりとした私の太ももが、しっかりと、受け止めました。 (SE) 張り。 柔らかさ。 ぬくもり。 そして、馥郁(ふくいく)とした香り。 全てが、普通の枕ではありえない、気持ちよさ。 太ももに触れている貴方の頭を、優しく包みます。 (ゆっくり) まずは、どうぞ、そのまま。 膝枕の寝心地を、堪能して下さい。 その、張り。 その、柔らかさ。 その、ぬくもり。 そして、かぐわしい香り。 全てが、普通の枕ではありえない、心地よさ。 太ももに触れている貴方の頭を、穏やかに包みます。 どうぞ、そのまま。 膝枕の寝心地を、味わって下さい。 張り。 押したら返す、弾力。 柔らかさ。 泡に触るように融(と)けてしまいそうな、柔肌。 ぬくもり。 南の国の暖かい夜を思わせる、ぬくもり。 香り。 花弁のようにこぼれ落ちる鮮やかな、香り。 そうして、 寝心地にひと心地ついたら、 そ…っと、頭を撫で始めます。 優しい、愛撫。 ふとももは、じんわりと、貴方を包み込む。 母のような力強さは、勇気を与えてくれる。 それは、この先、どんな困難に出会っても、乗り越えていける。 そんな風に思わせる、安心感。 ぬくもりが、貴方の力になる。 穏やかな、愛撫。 ふとももは、しっとりと、貴方を包み込む。 母のような暖かさは、慰めを与えてくれる。 それは、この先、どうしたらいいか、どう生きていったらいいか。 そんな人生の指針をも指し示す、安堵感。 ぬくもりが、貴方の支えになる。 太ももは、単なる肉体の一部ではありません。 精神的で、宇宙的。 寝ている貴方を蕩(とろ)けさす、イヤシの宿る場所。 だからこそ、 膝枕で見る夢は、格別…。 格別なのですが、まだ、尚早。 さらなるイヤシを重ねた後のお楽しみ。 この、み、み(耳)。 貴方の、この耳を使って、イヤシを重ねていきます。 実は、この耳こそ、イヤシのためにある。そう言っても過言ではありません。 人体に隠されたイヤシの扉。 それを開け放っていきます。 耳の裏。 小指で、そっと、触れる。 いえ、触れるか、触れないか。 そのくらいの力加減で…撫で始めます。 外側から、内側に。 円を描くように、撫でます。 耳の付け根。 下から上に向かって、優しく、擦る。 擦ります。 耳の裏から、耳の表に移動。 耳の縁(ふち)。 ここを、上から、下へと、擦ります。 もちろん、触れるか、触れないか、微妙な距離で、擦る。 擦ります。 続いて、うねくる耳の溝を、強弱をつけて、擦る。 擦ります。 さらに、耳たぶ。 ここは、指で…挟むようにして、優しく引っ張る。 そして、揉むようにしてほぐします。 最後に、耳の穴。 この耳の穴は、穴の縁を擦るように…、 一周。 また一周。 また、一周。 もう、一周。 さらに、一周。 十分、擦り終わったら、 指先を…穴の中に、挿入。 ただ、挿れるのではなく、小刻みにする。 小刻みに、出し挿れ。 こうすることで、 イヤシが、近づいてきます。 一歩。 そして、また一歩。 さらに一歩、近づいたところで、 一気に、抜き去る。 ふ~~~~っ。 すかさず、不意をつくかのように、耳への息。 これで、貴方の耳に近づいていたイヤシを、がっちり、捕まえる。 耳から感じる…確かなイヤシ。 このイヤシをさらに、高める。 高めて、積み重ねる。 そのために、さじにも似た、この小さな棒きれを使います。 耳かき。 耳の中を掃除するための道具です。 これこそが…イヤシの、 いえ、言葉で説明するのはやめておきましょう。 実際に味わってもらえば、すぐにわかります。 右耳が真上になるよう、体を横向きに。 (SE) 私の目の前に貴方の耳の穴。 露わになった耳の穴。 こんなにも、丸見え。 丸見えです。 丸見えなので、耳かきを入れやすい。 このまま。 じっと、動かず。 そのままの態勢で。 そうすれば、問題なく、耳かきを迎えることが出来ます。 (挿入) 静かに、あくまでも、静かに、耳かきが、耳の穴の中に、入っていきます。 耳の中のうぶ毛をかき分けながら、中に入っていきます。 元々、この耳かきは耳の中を掃除する事にも使うもの。 ですが、それ以上に、イヤシを呼ぶ魔法の杖。 いえ、杖ではありませんね。 これは、イヤシを招く、魔法のさじ。 ゆっくり、 耳の中を探るように、さじの先を潜らせる。 貴方の全身の神経が、耳の穴に集中。 さじの先は、 穴の浅いところを、覗くように、軽く、潜って…、 一旦、穴の外へと…引き返す。 こうする事で、  貴方の全身の神経が、さらに、耳の穴に集中。 改めて、耳の中へ、 貴方の、体の内側に、入る。 貴方の、無防備な身体の内側に、入る。 耳垢だらけの、耳の中へ、入る。 大小様々の耳垢が潜む、耳の中へ、入る。 瞬間、 ぞくぞくっと、体が震える。 イヤシが、耳にやってくる。 耳の中の浮いた耳垢を、かき出す。 瞬間、 ぞわぞわっと、体が震える。 イヤシが、耳から走り抜ける。 耳の中の浮いた耳垢を、かき出す。 ゾクゾク、体が震える。 イヤシが、耳から駆け巡る。 耳の中のこびり付いた耳垢を、剥がし取る。 ゾワゾワ、体が震える。 イヤシが、全身へ走り抜ける。 耳の中のこびり付いた耳垢を、遅滞なく、剥がし取る。 ゾクゾク、体が震える。 イヤシが、全身へ駆け巡る。 耳の中で、耳かきが踊る度に、イヤシが高まる。 耳の中で、音がする度に、イヤシが高まる。 まだまだ、これから。 まだまだ、始まったばかり。 (SE) そして、 耳かきはさらに、奥へ。 耳の中の奥へと、入り込む。 耳の中の壁に、さじの先を、敢えて、あてる。 瞬間、 ぶるっと、体が震える。 イヤシが、耳から走り抜ける。 耳の中の壁に、さじの先が、敢えて、触れる。 瞬間、 ぶるっと、体が震える。 イヤシが、耳から駆け巡る。 耳の奥に張り付いた耳垢を、剥がしていく。 (ぺりぺり)    かさぶたを剥がす時のような、音。 耳の中で壁紙と化した、大きく、薄い耳垢を剥がしていく。 (ぺりぺり) イヤシが高まる。 イヤシが膨れあがる。 剥離させた耳垢を、 ピザ生地のように薄くて大きい耳垢を、 耳かきのさじから、落とさないよう、 慎重に、 ゆっくり引き上げ、 外へと、出…す。 耳垢を抱えた耳かきが、外へと出た瞬間、 外気が耳の穴に入り込む。 (囁き) ひんやり。 耳の通りがよくなり、 音がより、聞こえる。 私たちの声も、より、聞こえる。 その、爽快感。 爽快感で、イヤシが頂点」 イヤシが高まりきって、頭の中が真っ白になる。 イヤシは空のように、無限に広がっていきます」 【イヤシの四:双子の膝枕と耳かき(左)】 「続いては、反対の耳。 当然ですね。 両方の耳にイヤシを招きます。 その前に、 ナーサティヤの太ももから」 「私、ダスラの膝枕に交代。 (SE) 寝心地に一切、変化はありません。 私たちは、名前以外、なにからなにまで、瓜二つなのです。 相変わらずの、気持ちよさ。 変わらぬ、心地よさ。 心の底から安心出来ます。 張りのある、弾力。 融けるような、柔肌。 暖かい、ぬくもり。 鮮やかな、香り。 変わらない。 ナーサティヤも私も同じ。 同じ楽園。 膝枕という楽園。 楽園はイヤシを呼ぶ。 この耳が、イヤシを…呼びます。 耳の穴の上の三角窩(さんかくか)を、 耳かきのさじで、なぞる。 ほどよい強さで、なぞる。 同じ場所を、なぞる。 弱い刺激、 弱い刺激だからこそ、全身の意識が集中。 集中していきます。 その集中が高まった頃合いを見計らって、 耳のツボを、刺激する。 ツボ…それは、人の体にある、経穴。 ここを刺激すると、血液の循環がよくなり、頭の回転が促進され、血液が体のすみずみまで行き届くようになる。 ストレスは解消され、内臓を丈夫にする。 さじでなぞりながら、力加減を調節し、耳のツボを刺激していきます。 その度に、 体がひくひく震える。 その度に、 体がぷるぷる震える。 すると、 耳かきのさじは、大きく進路を反れ、 耳の大外、耳輪の窪みをなぞっていきます。 堀の深い窪みを、ゆっくり、時には速く、時には、往復するかのように、なぞる。 なぞっていきます。 耳元の振動が、さらに、感覚を敏感にする。 耳に走る曲がりくねった小径を、なぞる。 なぞっていきます。 耳元の振動が、さらにさらに、感覚を敏感にする。 耳に走る曲がりくねった小径を、なぞる。 なぞっていきます。 そうして、ようやく、 耳の穴に、舵を取ります。 円を描くように、耳の穴の入り口を、なぞる。 地球を回る月のように、周る。 何度も、周る。 何度も、なぞる。 何度も、耳の穴の中に入りかけて、くるっと弾かれる。 何度も、周る。 何度も、なぞる。 耳の穴の浅いところで生えている耳の毛にわざと触れて、反転する。 入りそうで、入らない。 この、もどかしさ。 体中が、ぞわぞわする。 入り口を旋回するように、くるっとなぞる。 地球を回る月のように、周る。 幾度も、周る。 幾度も、なぞる。 幾度も、耳の穴の中に入りかけて、くるっと、弾かれる。 幾度も、周る。 幾度も、なぞる。 耳の穴の浅いところで生えている耳の毛にわざと触れて、反転する。 入りそうで、入らない。 この、切なさ。 体中が、ぞくぞくする。 それでも、動かないで下さい。 もどかしくても、このまま。 切なくても、じっとこのまま。 言い聞かせるように、 耳をぐいと引っ張り、耳の穴を広げる。 そして、今度こそ、 耳の中へ、舵を切る。 (挿入) 静かに、耳かきが入っていきます。 一面のすすき野原をかき分けるように、耳の中を進みます。 耳の毛を右に左に倒しながら、進んでいく。 その度に、 ぞくぞくっと、体が震える。 イヤシが、耳にやってくる。 (SE) 耳の穴の毛を擦る。 イヤシに震える。 イヤシが、耳を駆け巡る。 耳の穴の毛を撫でる。 イヤシに揺れる。 イヤシが、耳から走り抜ける。 耳の穴の毛をさする。 イヤシにおののく。 イヤシが、全身へ駆け巡る。 耳の中で、耳かきが舞う度に、イヤシが高まる。 耳の中から、耳垢がかき出される度に、イヤシがこみ上げる。 耳の中で、音がする度に、イヤシが高まる。 耳の中から、耳垢がかき出される度に、イヤシがこみ上げる。 耳かきが、耳の奥へと入り込む度に、イヤシが高まる。 耳かきが、耳の奥の耳垢を剥がす度に、イヤシが高まる。 粉状の耳垢。 平べったい耳垢。 薄黄色の耳垢。 頑固に張り付く耳垢。 あらゆる耳垢を、かき出し、 あわゆる耳垢を、剥がしていきます。 取りこぼしなんてありません。 完全に、綺麗。 完璧な耳の穴。 (囁き) 耳の通りがよくなり、 音がより、聞こえる。 私たちの声も、より、聞こえる。 その、爽快感。 この、爽快感で、イヤシが極まる。 極まって、頭の中が真っ白になる。 イヤシは宇宙のように、無限に広がっていきます」 【イヤシの五:双子の添い寝】 ※左右から交互に音声 「「膝枕のイヤシは、耳のイヤシと積み重なり、貴方の中で、広がった。 広がったイヤシは、貴方の中に、染み入る。 イヤシが、貴方の中、細胞の一つ一つに、染み入っていく。 (ゆっくり) 気持ちいい。 心の底から気持ちがいい。 イヤシに、溺れる。 イヤシに、溺れていく。 イヤシに溺れて、イヤシに溺れる。 イヤシに溺れて、意識がゆったり。 イヤシが深くなる。 いい感じ。 とても、いい感じ。 心地いい。 心の底から心地がいい。 イヤシに、浸(つ)かる。 イヤシに、浸かっていく。 イヤシに浸かって、イヤシに浸かる。 イヤシに浸かって、体がゆったり。 イヤシが深くなる。 いい感じ。 とても、いい感じ。 いい感じ。 大変、いい感じ。 意識がふわふわ。 体はゆったり。 すごく気持ちがいい。 意識がゆったり。 体がふわふわ。 すごく心地がいい。 何もかも、ふわふわ。 考えるのが、だるくなる。 何もかも、ふわふわ。 考えるのが、面倒になる。 ふわふわで、ふわふわ。 考えるのをやめる。 やめてしまう。 私たちの声を聴くだけ。 聴くだけになる。 私の声が、気持ちがいい。 私の声が、心地がいい。 ふわふわ、ふわふわ。 気持ちがいい。 ふわふわ、ふわふわ。 心地がいい。 すごく気持ちがいい。 全身の力が抜ける。 どんどん抜ける。 力が抜けていく。 どんどん抜けていく。 気持ちがいい。 全身の力が抜ける。 どんどん抜ける。 力が抜けていく。 どんどん抜けていく。 心地ちがいい。 すごく心地がいい。 頭の力が抜ける。 落ちていくように、抜けていく。 頭の奥の力が抜ける。 落ちていくように、抜けていく。 頭の奥が重くなる感覚。 頭の奥が引っ張られる感覚。 それも、気持ちがいい。 頭の奥が重くなる感覚。 頭の奥が引っ張られる感覚。 それも、心地がいい。 頭の奥が重く、沈んでいく。 意識が深く、沈んでいく 深い、深い、イヤシの深みに、沈んでいく。 頭の奥が重く、沈んでいく。 意識が深く、沈んでいく 深い、深い、イヤシの深みに、沈んでいく。 沈む。 深く、沈んでいく。 沈む。 深く、深く、沈んでいく。 落ちる。 深く、沈んでいく。 落ちる。 深く、深く、沈んでいく。 意識が沈む。 気持ちいい。 意識が落ちる。 心地いい。 深く、沈む。 気持ちいい。 深く、沈む。 心地いい。 落ちる。 落ちる。 落ちる。 気持ちいい。 落ちる。 落ちる。 落ちる。 心地いい。 どこまでも、落ちる。 沈む。 沈む。 沈む。 気持ちいい。 沈む。 沈む。 沈む。 心地いい。 どこまでも、沈む。 イヤシに沈む。 そうして、無音。 私たちの声しか、聞こえない。 他の音は一切、聞こえない。 雑音がなくなる。 鼓動すら聞こえない。 聞こえるのは、私たちの声だけ。 私と、 私の、 声だけ。 だから、落ち着く。 そうして、 落ち着いた今、 今から、三つ数える。 数えます。 そうすると、 深い眠りの世界に落ちる。 落ちていく。 それは、気持ちのいい世界。 すごく、気持ちのいい世界。 (ゆっくり) 三、二、一、〇。 すーっと、落ちる。 すーっと、沈む。 すごく、気持ちがいい。 意識が、下へ下へ、落ちていく。 気持ちがいい。 気持ちがいいから、落ちていく。 すーっと、落ちる。 落ちる。 (ゆっくり) 気持ちがいい。 どんどん、落ちる。 気持ちがいい。 どんどん、落ちる。 落ちて、落ちて、落ちる。 落ちていく。 落ちるほど眠くなる。 眠くなる。 眠くなる。 眠くなる。 眠くなる。 眠い。 眠い。 眠い。 眠い。 イヤシに包まれて、朝までぐっすり眠る。 イヤシに包まれて、気持ちよく目を覚ますことが出来る。 朝になれば、心は爽やか。 朝になれば、体は健やか。 朝になれば、力が満ち溢れる。 明日を元気に過ごすことが出来る。 明日から元気に過ごすことが出来る。 朝を迎えるのが楽しみ。 そんな朝を迎えるために、眠る。 おやすみなさいの言葉を合図に、貴方の意識は一気に眠りに落ちます。 おやすみなさいの言葉を合図に、ストンと落ちます。 三つ数えます。 気持ちのいい眠りへ、 今から三つ数えます。 三、 二、 一、 〇。 おやすみなさい」」 【イヤシの六:イヤシ】 (ゆっくり) 「「貴方はイヤシに包まれ、夢の中を漂う。 イヤシマに来て、貴方は「イヤシ」が素晴らしい事を知った。 知りました。 貴方はイヤシに覆われ、夢の中を漂う。 イヤシマに来て、貴方は「イヤシ」が気持ちいい事を知った。 知りました。 貴方は、夢の中を漂う。 貴方は、夢の中を漂っている。 それは、爽やかで、うららかで、清々しい。 この世界になかったイヤシは、貴方に根付いた。 しっかりと、根を張った。 イヤシは今、貴方のもの。 貴方は、今、人生で一番の状態。 これ以上ない、気分。 理想的。 最高。 理想的で最高の貴方。 これ以上ない、居心地。 貴方の理想郷。 理想的。 最高。 理想的で最高の居心地。 (BGM) 次第に、溶けていく。 夢の中で、何もかもが溶けていく。 夢の中で、心が溶けていく。 夢の中で、体が溶けていく。 夢の中で、魂が溶けていく。 イヤシに、何もかもが溶けていく。 イヤシに、心が溶けていく。 イヤシに、体が溶けていく。 イヤシに、魂が溶けていく。 溶けて。 解けて。 融ける。 溶けて。 解けて。 融ける。 溶ける。 解けて。 融ける。 溶けて。 解ける。 融けて。 貴方が、イヤシになる。 溶けて。 解ける。 融けて。 貴方が、イヤシ。 貴方が、イヤシになる。 ただただ、気持ちがいい。 貴方が、イヤシ。 ただただ、気持ちがいい。 貴方が、イヤシになる。 ただただ、気持ちがいい。 貴方が、イヤシ。 ただただ、気持ちがいい。 貴方が、イヤシになる。 ただただ、心地がいい。 貴方が、イヤシ。 ただただ、心地がいい。 貴方が、イヤシになる。 ただただ、心地がいい。 貴方が、イヤシ。 ただただ、心地がいい。 イヤシ。 貴方は、イヤシになる。 もう、すべてが気持ちいい。 もう、すべてが心地いい。 今の貴方は、 何があっても、大丈夫。 今の貴方は、 何があっても、安らか。 貴方は、穏やか。 明日の貴方は、 何があっても、大丈夫。 明日の貴方は、 何があっても、安らか。 貴方は、静やか。 明後日の貴方は、 何があっても、大丈夫。 明後日の貴方は、 何があっても、安らか。 貴方は、のどやか。 もう、何があっても、大丈夫。 もう、何があっても、安らか。 貴方は、イヤシマから戻っても、何の心配もない。 もう、何があっても、大丈夫。 もう、何があっても、安らか。 貴方は、私たちから離れても、何の憂いもない。 このまま、 目を開いた時、最高に、爽やかで、うららかで、清々しい。 このまま、 朝を迎えた時、最高に、穏やかで、のどやかで、静やか。 貴方は、イヤシに包まれたまま、日々を過ごせる。 貴方は、イヤシに覆われたまま、日常を過ごせる。 貴方の人生は、イヤシと共に。 それは、とてもとても、素晴らしい。 貴方の人生は、イヤシとある。 それは、とてもとても、羨ましい。 貴方と、世界に、イヤシあれ。 貴方の、人生に、イヤシあれ」」