こうしていると、まるで世界で二人きりになったみたい。 外の音、聞こえないでしょう? 例え世界が滅んでも、あなたには分からない。 それくらい、ここは隔絶されている。 だから……だからこそね、あなたは自由に思い描くことができるんだよ。 こうしている間にも、外では今まで通り、平和で温かな日常が営まれている。 ご家族はきっと、あなたを探していらっしゃるでしょうね。 お友達もあなたの帰りを待っている。 警察がここを見つけ出すのも、そう遠くないかも知れない。 そしたら私は捕まってしまうけれど、でも、あなたが助かるなら、それはそれでいいと思うの。 外の世界を忘れられないというのなら、その日を夢見て元気を出して。 どうしてそんなに悲しそうな顔をするの? あなたは何も悪くない。 私がどんなに汚れても、あなたは綺麗なままだよ。