こんなところにいた……。 歩けるように、なったんだね。おめでとう。 ……ううん、分かってるよ。 本当は、もうとっくに治ってたんでしょ? 油断させておいて、隙を見て脱出しようとしてたんだよね。 ふふ、全然気づかなかった。 でも、それだったら、5日前が一番のチャンスだったのに。 私の具合がよくなるまで待っててくれたの? あなたは本当に優しいね。 そんなあなただからこそ、この残酷な現実から、遠ざけておきたかった。 ……そうだよ。これが外の世界。 もう誰もいない、私たちの街。