;ノックの音 「おにぃ、時間ある? 明日の事なんだけど……って、またインターネット? ……ま、良いけどね。何見てるの?」 「…………おにぃ? こういう薄くてエロイ本のサイト見て、何しようとしてるのかなー? へー、即売会ねー。よくわかんないけど、こういう本作ってる人を集めて売ってるって事だよね? もう一度聞くけどそこのサイト見て、何しようとしてるのかなぁ?」 「はぁ……まーね、あたしだっておにぃの趣味を全否定なんてするつもりはないけど……てか、この前結構処分したはずなのにまた戻ってるし……うぅ、だからその、悪かったって言ってるじゃん。代わりにあたしだって処分したし、おにぃがしたい事もしたし……うう、もうやんないっての! ただし! あんまり度が過ぎたら次は無いからねっ!」 「ああ、そうそう。で、明日だけど言った通り、休みだよね? 朝から出かけようと思うんだけど……おにぃ? なんで視線が泳いでるのかなぁ?」 「……へー、そう。明日がこの即売会って奴なんだー、ふーん……で? おにぃさ、あたしとの約束したよね? 今度の休みは付き合って貰うって……もしかしてこの即売会ってのに行くつもり?」 「……あっそ。じゃあ、行けば? ううん、別に構わないわよ? あははは、怒ってないって……ただ、夏休みの間胃予定がいっぱいだからそういう事で。いつ埋まったって? 今よ、今」 「あははは、怒ってないっての。あたしを怒らせたらたいしたものよ? ……てか、あたしとの約束なんてその程度ってのがよーーーく判ったわ、うん」 「どこ行くつもりだったって……海だけど? 新しい水着買ったし、まー、おにぃは忙しいみたいだし、友達誘って適当に言ってくるから良いわよ……男も居るのかって……ふふ、居るかもね? ほら、友達と一緒って事はその彼氏とかも来るかもしれないし、そうなったらその彼氏の友達とかもありえるし? 大人数で行った方が割り勘で安くなるのも結構多いしね」 「……待ってください、ねぇ。待てじゃなくて、ちゃんと言えたのは褒めてあげる。で、何? 予定をずらして欲しい? ……ふーん、つまり明日じゃなくて、その次の休みなら、って事ね?」 「いーーーや! てか、そっちは本当に予定があるし……友達と夏物の服買い物に行くの。セールやるしね……はぁ、あのね、おにぃ。そりゃ、おにぃに服買って貰うこともあるし、それならあたしの財布だって痛くないわよ? でもね、あたしにも友達付き合いってのがあるわけ。あたしの都合だけ優先しろなんて言わないけど、おにぃの都合だけ優先ってのも無理なの。アンダスタン?」 「そーゆー事。あたしだって明日遊びに行こうって言われたけどおにぃと約束あるから断ったし……別に良いっての。おにぃにとってその即売会っての、大事なことなんでしょ? まー、中身を知ってるから怒ったけど、趣味って事で許してあげるっての……別におにぃとケンカしたい訳じゃないしね」 「……ふーん、本当に良いの? おにぃの大好きなキモーーイエロマンガ、いっぱい売ってるんでしょ? そういうの、まだ見たいんでしょ? なら、遠慮しなくても……ば、馬鹿、いきなりそういう事言うの反則!」 「はぁ、もう……なんかこれじゃあたしが悪いみたいじゃん……言っとくけど、明日一日使う予定だから、午前中はとか、帰ってからどうこうなんて無理だよ? それでも良いの?」 「……ふーん、そ。ま、判ってるなら良いわよ……じゃあ、明日に……って、こ、こら、いきなり手を掴んで何を……ん、んぅぅ……ん、ちゅぅ……ちゅぱ、ちゅぅ……ん、ちゅぅ……」 「……ぷぁ……いきなりこういうのはマナー違反って前に教えたでしょうが、童貞くさいっていうか、勢い任せなのはいつまで経っても治らないんだから……で、何よ? やっぱり明日はそっちに行くの?」 「……我慢する代わりにって……兄貴って本当に猿だよね……初めてエッチしてから結構経つのに、まだこんなに求めてきてさ……だ、だから、そういうの耳元で言うな……馬鹿」 「……はぁ、もう……判ったわよ……我慢させる代わりっていう訳じゃないけど、約束守ろうとしてくれたのはちょっと嬉しいしね……たーだーし! 明日早いから今日はあっさり終わらせるわよ? あったりまえでしょうが、これで寝不足で明日寝坊なんて笑えないオチは要らないの。ほら、横になんなさい。あたしがサクっと気持ちよくしてあげるっての」 ;3秒程度 間