(正位置・通常) はいはい。 じゃあ、くるっと反対向いてね。 (SE:寝返りする音、左耳が上) (左・通常) はい、おっけー。 おっほー! こっちの耳も期待通り、いっぱい溜まってるね! 腕がなるなぁ。 (左・接近しながら) それじゃ・・・。 (耳かき開始) (左・通常) おほぉ〜、こっちの耳もいいね、いいね。 キミの耳、汚くて本当に最高だよ。 おほ〜〜。 (間) うん、うん。 ああ、耳垢を擦る喜び・・・。 アタシにとって至福の時間だ。 ん? キミはいまいち分かってないようだね。 この繊細な作業を行う、程よい緊張感と、耳かきを終えた時の達成感。 何だ? その納得できないような顔は。 (間) おお。 おお。 おお。 (手を止めて) (左・通常) うっほ〜〜! 何なんだ、キミの耳は! かいても、かいても、耳垢が出てくる! 4次元ポケットか!? そうなのか!? 人類を超えた存在なのか!? 最高だよ、最高の耳だよ! もっと、もっと耳かきさせてくれぇ〜! ・・・はぁ、はぁ。 (SE:メガネをかけ直す音) (左・通常) ・・・す、すまない。 たまに興奮しすぎてこうなるんだ。 気にしないでくれたまえ。 それじゃあ、続きをやるからね。 (耳かき再開) (左・接近) どうだい? アタシの耳かきは。 痛みとかあるかい? え? 気持ちいい? でしょ〜? そう言ってもらえるように、日々研究してるんだからね。 前は自分の耳を毎日耳かきしてたんだけど、医者にドクターストップかけられてさ。 あはは。 今は、こうやって他の人の耳を耳かきさせてもらって研究してるんだ。 どこを擦ると気持ちいいのか、とか、力加減とかをね。 研究の成果が出ているようで嬉しいな。 (間) ん? 何だい? ああ、この耳かき棒かい? これは耳かき棒を作る名人に頼んで作ってもらった、世界に1本しかない耳かき棒なんだよ。 耳に当たる部分がなめらかで気持ちいいだろう? 耳かきもしやすいんだ。 だから、ほら。 (SE:奥を擦る音) こんな奥でも耳かきできるんだよ。 どうだい〜? すごい奥を擦られてるのに、ちっとも痛くないだろう〜? はぁ〜、はぁ〜。 動いちゃダメだよ。 危ないからね〜。 ああ〜、もうほんのちょっとでキミの鼓膜だよ? 怖いよね〜? ぞくそくするよね〜? だから、絶対動いちゃダメなんだよ〜? はぁ〜、はぁ〜。 (間) はぁ〜〜、はぁ〜〜、はぁ〜〜、はぁ〜〜、はぁ〜〜。 はぁ〜〜、はぁ〜〜、はぁ〜〜、はぁ〜〜、はぁ〜〜。 はぁ〜、はぁ〜。 よ〜し。 奥はもういいかな。 この辺りはデリケートな部分だから、あんまりやり過ぎると良くないしね。 ふふふ。 ドキドキしたかい? (間) はぁ〜〜、はぁ〜〜、はぁ〜〜、はぁ〜〜、はぁ〜〜。 はぁ〜〜、はぁ〜〜、はぁ〜〜、はぁ〜〜、はぁ〜〜。 ああ〜、ああ〜〜、終わる〜、耳かきが終わってしまう〜〜。 ごめんね、ごめんね。 アタシの耳かきが上手なばっかりに、こんなに早く耳かきが終わってしまうなんてえ〜。 悲しすぎるう〜。 せめてのお詫びに最後のふ〜はいっぱいして上げるからね。 (間) ・・・よしっと。 じゃあ、最後の仕上げといきますか。 いっぱいフーフーして上げるよ。 ふ〜〜〜。 (SE:梵天) ふ〜〜〜。 (SE:梵天) ふ〜、ふ〜。 (SE:梵天) ふ、ふ、ふ〜〜。 (SE:梵天) ふ〜〜〜〜〜〜〜〜。 (離れながら) はい。 (左・通常) 終わったよ。 さあ、起きてみて。 (正位置・通常) どうだい? すっきりしただろ? アタシもキミみたいな貴重な耳を耳かきできて良かったよ。 え? 取った耳垢かい? これはシャーレに入れて保存しておくんだ。 こんなに大きくて大量の耳垢は貴重だからね。 ところで、相談なんだけど〜。 (右・接近・こしょこしょ声) 今度は1年ぐらい耳掃除しないで溜めておいてもらえないかな? (正位置・通常) すっごく耳垢が溜まると思うんだ。 お願い!