ふふふふっ……。 あ……起きた? ごめんなさい……起こしてしまったわね。 え? 『ここまで寒くなかった?』って? もう暖かいわ! 貴方とこうしてくっついているんだもの。 ふふふ……気持ちいい。 うん? ええ……外ね……。雪が降っていてよ。びっくりしたわ。 今年は、寒くなりそうね。 ふふ……ありがとう。暖かいわ。 ええ……。そうなの。足が、とても冷えるの。 ……でも。貴方が暖めてくれるから。もう、平気よ。 貴方の足の甲、暖かい。 あら。……くすぐったい。ちゅっ。ふふ……うふふ。 ねえ。もうすぐ、冬休みね。貴方は。今年はご実家に戻られないの? 『戻らない』? 『私と冬休み、一緒に行きたいところはある』……? 本当に、私と、過ごしてくれるのね……。 ……あのね。 今日は私……貴方にその話をしようと思って、来たの。 あのね。こんな時間に、こんなことをお願いするのは、非常識だし。 とても申し訳ないと思うのだけど……。 私。前々から。貴方にお話ししなくてはいけないことがあって……。 貴方さえ、良ければ……。これから、一緒に来てほしいところがあるの。 本当は……話すかどうか。とても迷ったの。 ……でも。 都合の悪いことを、隠して。 教えたくないことを、見ないようにして。 何もかも秘密にしていれば……。 私たち、ずっと仲良しでいられるのかもしれない。 私はずっと……貴方の恋人を気取って。卒業まで楽しく暮らせるのかもしれない。 ……でも、私、そんな不誠実なことはできない。 貴方には、本当のことを伝えたいの。 貴方のことが……本当に好きだから。 お願い。私と。一緒に来ていただけるかしら。 ……ありがとう。私の急なお願いを聞いてくれて。 あ……。 ええ! 手を繋ぎましょう。 ふふ……嬉しい……。うん。恋人繋ぎしちゃうから。 『腕も組んでいい?』もちろんよ! うん。いつものように、たっぷりくっついて歩きましょう? ありがとう……。大好きよ。 私……こうやって。とても優しい貴方だから、話したいと思ったの。 ……いいえ、『話したい』というのは違うのかもね。 本当はもう。貴方もすでに知っていることなのかもしれないから。 そうよね。貴方なら、これから何が起きるのか、きっともう想像がついているのかもね。 それでも、貴方は一緒にいてくれる……。 好き。私、貴方のこと、本当に大好きよ。 貴方のような誠実な人と出会えて、本当に良かったと思ってる。 あのね……。私、ずっと考えていたの。 初めて貴方を図書館で見つけて……。素敵だなって、思った日から。 どうしたら、貴方と仲良くなれるのかしら? って。 お友達になれてからは……。 どうしたら、私を友達以上に想ってくれるようになるかしらって。 そして。両想いになれてからは。 どうしたら一日でも長く、貴方と幸せに過ごせるのかしらって……。 うん? 『初めて会ったのは、二年生の始業式の日、教室でじゃないの?』って? そうよ。本当は違ったの。私。それよりも前から、隠れて貴方を見つめていたの! 気付かなかった?  こんなに視線を送っていたのよ! だって貴方、とても素敵だったんだもの。私、『絶対仲良くなりたい』って思ったの。 ……その時は。まだ、お友達になりたいって気持ちだったけど。 今は……恋人。として、ね! ふふっ。ええ……こっちよ。図書館に向かっているの。私たち。 『閉館してる』?  ううん。それは大丈夫なの。 私、いつでもここに入れるの。 【1372文字】