■冒頭 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 小鳥のさえずり 窓から差し込む光の中にホコリが漂う。 古寂びた木のカウンターと本の香り ロフトを繋ぐ梯子、高い場所の本を取るとき踏み台、綺麗に整頓された本棚が 室内をびっしりと埋め尽くし すれ違うには皆半身になる。 店内に入ると 鈴の音色と共に 店主の娘がカウンターから出迎えてくれる 少し大きめの椅子に座りこみ、女性はひたすら本を読む。 カウンターの付近は片付いておらず、なにやら分厚い本が カウンターの上や下に レジらしき物と共に置かれてある 店内は女性が楽しげにページ捲る音だけが響く。 そんな静寂に包まれた空間を割く様に 今日は少し違う鈴音が 店内を響かせた。   ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 以下ネタバレです!本編後にお読みください。 ■ストーリー概要と補足、詳しい場面説明 ※状況分からない時にお読みください。 ※常連さん=怪しい男 本屋の娘=女の子 ■前話。 常連さんは本屋の娘に恋をしていた。 病気がちな大学生の女の子は、過保護な父によく外出を止められ いつも家の手伝いを励んでいた。 常連さんは、そんな過保護な父の存在が邪魔に思えた。 自分の病院で仕入れた危ないお薬を、風邪薬とよそおい 父に薬を渡していた。 ■ストーリー概要 女の子が店番してる日、常連さんは変装して父の薬を渡しに行きます。 すると女の子が 危ないお薬を飲んでしまう結果になってしまいます。 元々体の弱い女の子はすぐ薬の効果が出てしまい、 以降 現実と空想の区別が付かなくなってしまいます。 常連さんはすぐ異変に気付き、自分の病院に運びます。 女の子は常連さんとエッチな事をしたり、猟奇的な幻覚を見たりしますが 次第に病状は良くなり、改めて常連さんを「狙っちゃうよ」 と好意を伝える。 ■薬の幻覚 常連さんは女の子の父を邪魔な存在だと思っていました。 作中では女の子が父を刺す描写がありますが、実際は常連さんが刺しており。 常連さんが好きな女の子は、都合の良い様に記憶を差し替えました。 作中でもありましたが、女の子は初めから 怪しい男=常連さんだと 本を持つ手癖から分かって行動しています。 ほぼその時点で父親に危ないお薬を渡している事を、父の体調の変化から気が付き、自分の判断で飲みました。 (ひっ!じょ、常連さん…い、居たんですか)→元から居た (元のお父さんに戻れば…)→常連さんが後ろから刺した (私やってない…)→やってない。常連さんがやったとも思いたくない。 常連さんが居ないと思う理由 父親からの暴力をマジマジと見ている常連さん。常連さんが好きな女の子にはその情報は不都合です。 薬の効果もあいまって、無意識にその場に常連さんは居ないと思い込んでいます。 それを証拠に歩いて扉に向かったSE無く、扉の鈴の(ほんの少しですが)特徴を変えています。                    ↑多分聞き直しても分かりませんが、                     女の子 常連さん 幻覚の鈴音は少しだけ変えています。 ただ、集中すると周りが見えなくなるタイプなので 女の子自体見落としてる部分が多いです。 ■ Q & A Q.男はそのままの娘が好きだったので、娘がおかしくなってしまったのは想定外のマイナスの事? A.想定外のマイナスでしたが、  彼女が狂ってる間に邪魔者を消せて、好きな子と一緒に居られる様になったので  結果的にはプラスです。彼女の狂う姿も見られたので更にプラスです。  「君の全てが見たかった」その言葉に嘘はありません。 Q.薬でおかしくなった父親に暴行されるけど、 同時に娘も薬で変になっているので「父親に怯えている」表現は不要? A.・性的暴行に怯えるのは不要。暴行に怯えるのは必要となります。  薬2回分の服用により、娘も変になっていますが、  より前から狂っていた父親に暴行されるのは現実で、娘は純粋に訳が分からず恐怖しています。  (父親が狂ったのは 娘も分かっていたが、「暴力なんてされたことないのに…」と、)  困惑し、怯えて、これ以上何をされるか本当に分からない状況です。  それでも、父親が嫌いと言う感情は一切ありません。 ■登場人物 女の子  本を読むのが好きな大人しめの女の子 大学生で病気がち  集中すると周りが見えなくなる 本屋の愛娘でよく家の手伝いをする。 お父さん  本屋の店主。かなりマニアックな品揃え 最近様子がおかしい。 薬を届けてくれる男  コート マスク サングラス 明らかに怪しいお父さんの主治医。 常連さん  毎日小さな本屋に足を運んでくれるお兄さん。  女の子と仲が良く、本が目当てと言うより、女の子が目当てっぽい  女の子も薄々気付いているご様子