;ガチャ、と扉を開く音 「ただいま。悪かったわね、今日は。一緒に帰ろうって言ってたのに、駄目になっちゃって」 「ええ、頼まれ事はきちんと終わらせたわ。心配してくれるの? ……ふふ、そう。ありがとう」 「それで母さんとお父さんは? …………そうなの、今日はデートしてくるのね」 「羨ましいんじゃなくて、呆れてるのよ。本当、あの二人は熱々ね。端から見てるとちょっとイライラするくらいにね」 「まぁ、良いわ。それじゃあ、夜ご飯は私が作ってあげるから。はいはい、判ってるわよ、お肉でしょう? ちゃんと用意するわ」 「それじゃ、夜ご飯の前に私、お風呂に入るわ。少し汗をかいたから……え、一緒に入りたい?」 「一緒に、ね……確かにうちのお風呂、二人くらいは余裕で入れるけど……私の事が心配って、何が心配なのよ。意味が判らないわ」 「それにエッチなことしたいだけって股間が主張してるわよ? そんなにペニスを膨らませておいて、心配なのはむしろ私の方よね」 「朝、昼……本当、よくそれだけペニスを勃起させられるわね。何か特別な事でもしているの? それとも普通の男の子はみんなそんな感じなの?」 「私が可愛いから、ね……嬉しいって言ったり照れるのがあなたの想像してる反応なんだろうけど、正直に言えば私のせい? と思わなくもないわ」 「まぁ、悪い気はしないわ。とはいえ、手放しで喜べないのも事実だけどね。盛りの付いた犬じゃないんだから、少しは自制できるようになさい?」 「……はぁ、もう。本当に判りやすく落ち込むんだから。嫌とは言ってないでしょう? そもそも、嫌なら嫌ってハッキリ言うわ。それくらいは私の事、理解してくれているでしょう?」 「ええ、嫌じゃないわ。素直に喜べないだけ……ツンデレじゃないわよ。半分呆れてるだけだもの」 「ま、良いから。一緒にお風呂入るならいつまでも座ってないで、立ちなさい。お風呂場まで自分で移動してくれないと困るしね」 「……そんなに喜ばれるとそれもそれでどうかと思うけどね。でも良いわ。実際、一緒にお風呂なんて普段は絶対無理と言ってもいいものね」 「……ふふ、嬉しそうにしちゃって。本当、犬みたいね、あなた。尻尾があったら、ぶんぶん振ってるんでしょうね」 「ええ、ちょっとだけ可愛いわ。素直に認めてあげる。犬みたい、って言われて喜ぶあなたは滑稽だけど、可愛らしいわ」 「ふふ、良いから。ほら、行くわよ? おいで、わんちゃん?」 ;ちょっと間。シーン切り替え、お風呂 「ふぅ……良いわよ、入って」 ;ガララ 「待たせて悪かったわね。でも、先に身体を洗わないとあなたの事だから、きっと洗わせてくれないと思ってね……その顔は図星だったわね? まったく、我慢の出来ない子なんだから」 「ん、もう大丈夫よ。汗も流したし、綺麗にしたわよ。あなたも身体洗っておく?」 「……と言っても、そんな余裕、無さそうね。ペニス、そんなに大きくして……え、我慢する? 珍しいわね、どうしたの?」 「……私を洗いたい? もう洗ったって言ったのに、もう一度? 変な子ねぇ……あなたが洗って欲しいんじゃなくて、私を洗いたいの?」 「そう。本当に変わってるわね。あなたの大事にしているエッチな本にはむしろ、女の子が洗うシチュエーションの方が多いから、そういうのが好きなんだと思ってたけど」 「……どうして知ってるって、あなたが隠すような場所なんて全部判ってるわよ。むしろ、本当にバレていないと思っていたの?」 「ベッドの脇、棚の奥、ああ、資料とかの間に挟んでもあったし、本棚の裏にもあったわね? ふふ、本当にバレてないと思ってたなんて、暢気な子ね」 「私だけが知ってるのかって? ……まぁ、知らない方が良いんじゃないかしら。あなたに嘘は言いたくないけど、傷つけたくもないもの」 「ふふ、落ち込まないの……ほら、あなたの要望通り、私の身体、洗わせてあげるわ」 「ええ、好きなようにしなさい。とはいえ、あなたの事だから、途中で我慢出来なくなるのは目に見えているけどね?」