;レストラン音ガヤ音流してフェードアウト 「……ねぇ、一つ聞いても良い? あなた、私の知らないところで本当に怪しいバイトとかしたりしていない?」 「そりゃ、驚くわよ……まず、ここに来るまでにも驚いたけど、夕食でこんなところに来るなんてね……前にテレビで見たとき、確かに行ってみたいと言ったわよ? 言ったけどね、まさか本当に連れてこられるとは思わなかったもの」 「……ええ、もう……驚いてばかり。今日のあなたは本当にいつもと違う感じで……嬉しい反面、少しだけ……ううん、何でも無いわ」 「それよりも、本当に良いの? 結構な出費だと思うけど……ここも安くはないわよ? ……そう、本当に良いのね……良いわ。じゃあ、お言葉に甘えさせて貰うわ」 「ええ、ここまで来たらね。今更遠慮すると逆にあなたの気持ちっていうのを考えて無いかもしれないと思い改めたのよ。実際、思いつきの様な行動とはいえ、ここまでしてくれたらね、あなたの男気というのか。そういうのも考慮した方が良いのかな、って思ってね」 「……ええ、そうね。ここはあなたの気持ちというのを戴こうと思うわ。それじゃ、楽しく夕食にしましょうか」 ;ガヤ音 フェードアウト ;3〜4秒ほど間で時間経過表現 「んー……美味しかった……ふふ、ええ。とても満足……本当にね、ありがとう」 「今日のあなたには驚かされることが多いわ……ふふ、たまにはね、こういうのも悪く無いかもしれないわ」 「……そうね、たまには、かしら。普段は……いつも通りのあなたで良いわよ? 無理はしなくて良いし、背伸びもそんなにしなくて良いわ」 「……それはね、確かに誕生日とか、そういう特別な日はきちんとして欲しいし、朝もできれば自分で起きて欲しいし、自分勝手なところは少し直して欲しいし、できれば勉強もね、別に学年のトップ10に入って欲しいとは思わないけど、赤点ギリギリよりはせめて半ばくらいは維持して欲しいし……あら、言ってみると意外と変わってほしいところ、あるのね」 「ふふ、冗談……じゃないけどね、良いのよ、普段通りで。凡庸で、鈍才で、平凡で、鈍感で、そうじゃないと、私の方の調子まで狂っちゃいそうだというのは今日痛感したわ……褒め言葉に聞こえない? そうね、言ってて自分でも褒め言葉とは思えないわ」 「どこが好きになった、ねぇ……難しい質問ね。それこそあなたは私のどこを好きになったの?」 「……胸とか体つきとか? そう、身体目的だったのね、悲しいわ……ふふ、冗談だって判ってるけどね、でも、そういう時はもっと良い褒め言葉を言って欲しいわ」 「……ふふ、そうね。そこでいきなりドキリとする様な事を言われたら、やっぱりあなたじゃない気がするわ。本心は……そうね、後で改めて聞いてあげるから、今はそれで良いわ」 「ただ、たまにはこういう風に背伸びをしたあなたを見るのも……うん、悪く無いわね。いつもこうだとどうかと思うけどね、たまになら……頑張って背伸びしているあなたを見るのはとても良い気分よ」 「それで、この後はどうするのかしら? 学校が終わってすぐに来たから、少しはゆっくりできるけど……行きたいところがあるの?」 「ええ、良いわよ。ここまで来たんだもの、最後まであなたにお任せするわ……よろしくね、私の彼氏さん?」 ;少し間 3〜5秒