;登校シーン 「普段よりも早めに出るといつもの通学路もちょっと違う風景ね……これ、嫌味よ? ええ、判っていたなら良いわ」 「……で、お父さんと母さんはどうしてまた、朝早くからデートなんてしゃれ込んでるのよ」 「……CMを見て、それで美味しそうだったから、ねぇ……あの人達のそういうのには慣れてるつもりだけど、本当に行動が早いというか、思い立ったが吉日な人達ね」 「……そういう意味では、あなたは本当にあの人達の子供よね。性格がよく似てるわよ? 思い立ったらすぐに実行したり、大事な事を言わないまま行動したり……ええ、もちろんこれもさっきの事についての嫌味よ?」 「少しは反省して欲しいものね。あなたの事、嫌いじゃないし、信じているつもりだけど黙ってああいう事を急にされると、不安になることもあるのよ?」 「さっきだって、先に言ってくれれば……いえ、良いわ。あんまりしつこく言っても仕方ないしね。で、あなたはさっきから何で私の事をチラチラ見てるのよ?」 「……手を繋ぎたい、ね。ふふ……いえ、別に嫌じゃないわ。ただ、そういう普通の恋人のような事、私達はあまりしてこなかったから、順序を考えると変な話だと思っただけよ」 「そうね……少し通りを外れましょうか。今日は時間に余裕があるし、人通りの少ない場所なら構わないわ。さすがにうちの学生が良く居る場所だとね、噂されると面倒でしょう?」 「ええ、それなら問題無いわ。それじゃ、こっちに行きましょうか」 ;少し間 「……はい、ここなら良いわよ。手、繋ぎましょうか……何よ、今更照れるなんて。そんな反応しないでくれる? 正直、こっちも反応に困るわ」 「ん……あなたと手を繋いで歩くなんて、本当に数えるくらいしかしてないわよね……考えてみると、普通の恋人がする事ってあんまりしてないわよね」 「そうね、少しは残念よ? 私だって女だし、少しくらいは普通の恋人という物に憧れもするわ……そんな意外そうな顔をされると、正直腹が立つわね。あなたは私の事をどういう風に思ってるのかしら」 「普通の恋人らしいことは何かって? そうね……こういう風に手を繋いで登下校をしたり、デートをしたりとかかしらね」 「登下校は……まぁ、仕方ないわね。私達は姉弟だから、どうしても周りに気をつけないといけないし、そういう意味じゃデートも似たような物ね。一緒に出かけることはあるけど、近場だと知り合いに見つかった時に言い訳が出来るような場所にしか行かない物」 「……ええ、そうね。きっと私は周りとか、実の姉弟とかそういうのを気にしない場所に行ってみたいのね。ふふ、時々鋭いことを言うのね、あなたは……でも、そうね……それはきっと私の偽り無い本心だと思うわ」 「……ふふ、ええ。デートね、そうね、しましょうか。いつする? ……って、待ちなさい。今日の学校が終わったらって……だから、どうしてそう、思い立ったらすぐに……いえ、良いわ。別に嫌じゃないしね」 「なんでもかんでも怒る訳ないでしょう? 私が怒るのはあなたが無茶をしたり、悪い事をした時だけよ。まるで私が短気みたいな言い方をされるのは心外だわ」 「そうね、帰りは食事をして帰りましょうか。お父さんと母さんが食べに行った食事、少し気になるし……何を食べに行ったのかは知ってるわよね?」 「そう、ちゃんと把握してるのね。それじゃあ、放課後に行きましょうか。ふふ、楽しみにしてるわよ?」 ;4〜5秒間を開けて