◇夢の続き◇ 走っても走っても、 抜けることができないトンネル。 光が射す方へ、あなたは一所懸命走り続ける。 でも、どんどんと光は遠ざかり、 決して逃げることができない完全な闇に追いつかれてしまう。 周りは完全に闇に覆われ、 目指した光は消えてしまう。 闇の中に、堕ちていくあなた。 そこで、あなたは再び別の夢をみる。 でも、もしかしたらこれは夢ではないのかもしれない。 そう、すでにあなたは夢から目覚めているのかもしれない。 いえ、もしかしたらこれは夢の続きかもしれない。 だとしたら、それは、きっと悪夢というなの終わらない物語。 あなたがいるのは渋谷の繁華街にあるマンション。 古いエレベーターで9階まであがる。 途中で、シャンプーのにおいをさせる女性や、 おどおどしたサラリーマンとすれ違う。 チャットアプリを、あなたは確認する。 目的の場所についたようです。 908号室。 それがタカシから来るように指示があった場所。 ここにくれば、このまえの画像をを消去してくれるというのです。 あなたに拒否権はありません。 こなければ画像をネットでばらまくというのです。 部屋の前でチャイムを鳴らすために伸ばした腕が震える。 あなたの目の前に、チャイムをイメージしてみましょう。 さあ、そのチャイムを押してみましょう。 すると、あなたはもう二度と戻ることはできない。 ※SE チャイム音 ピンポーン ずいぶん緊張して押したチャイムに反して、その音はやけに空々しく響く。 ゆっくりと、ドアが開くと、 知らない男性が、けだるそうにたっている。 タカシより若く髪の毛を金髪に染めている青年です。 首にはネックレスをしていて、軽い感じがします。 あなたは、予想外のことにとまどってしまう。 青年は、あなたの全身を舐めるように品定めする。 そして、ふーん、画像よりももっと可愛いじゃん、と笑いながら近づいてくる。 青年の言葉に、あなたは恐怖を感じて逃げ出そうとする。 でも、もう、それは無理。 チャイムを押した瞬間に、あなたはこの物語から逃げることができなくなったから。 青年はあなたの手首をつかむと、強引にひっぱりあなたの体を抱き寄せる。 そして、始まる夢の続きという物語。 ※タイトル 夢の終わり 次回予告 終わらない夢 予告シナリオ 椎名 りく 協力・原案  秋川 緑