◆おまけ・その1 「とある深夜での優衣・その1」  ………… 【優衣】 「ん……、っ……んん……はふ……」 【優衣】 「兄さん……? ……にぃさーん……」 【優衣】 「…………ノンレム睡眠中の呼吸運動は、胸部優勢。  呼吸は規則的で、呼吸数もレム睡眠中より約十五パーセント減少  する」 【優衣】 「ん……いまなら、外部刺激に対して散漫になってるはず」 【優衣】 「くす……にいさん……。……ちう」 【優衣】 「…………」 【優衣】 「妙な習慣になっちゃったわね……」 【優衣】 「眠った兄さんのほっぺに、キス……。  ふふっ……兄さんが知ったら、どう思うかしら?」 【優衣】 「…………くちびる……」 【優衣】 「…………」 【優衣】 「……はぁ」 【優衣】 「私の前から……絶対に、勝手にいなくならない。  だから、子供じみた習慣を改善する必要はない」 【優衣】 「冷静に考えてみれば可笑しなことなのに。  ……頭ではわかっていても、結局のところ、体を支配しているのは  身体であって心ではない」 【優衣】 「イシキは後付け、か」 【優衣】 「……未熟。経験が足りないってこと?  ははは……、そういった意味では、兄さんのほうが先達ね。  馬鹿にできないわ」 【優衣】 「……兄さん……?  お願いだから……勝手に、私の前からいなくならないでね……?」  …………