●1いつもと違う朝 魔王様・・・何処触ってるのですか?うむ・・・そこは・・・ダメ・・・む?む!っぱ ちょっと、魔王様!い、いきなり何を! え?しまった!もうこんな時間!? ちっ、 全裸くらいで騒ぐな! 幸い会議には間に合う まさか私が寝坊だなんて・・・ありえん なにより、なにより・・・ あのろくでなし魔王・様に起こされて助かったなんて、 くぅ、屈辱! なにも言ってません! 全部触手みたいの手足で人の体を好き勝手に引っ付いて来る魔王様が悪いんです! しつこくて斬りかかるところでした。 というか人の心を勝手に読まないでください! それに、なぜついて来るんですか? 金?給料日はまだ先のはず。 いい歳して拗ねないでください! だめったらだめ。 金が欲しいのなら仕事に戻ってください! くれないならスカートをめくる? ふ、ご自由に クーティア・ロアただ今到着 おはようございます・・・クロア様 ああ あの、クロア様・・・後ろの、その、スカートに隠れている弟君は、どういう・・・? 気にする必要はない 会議が始まったら、ひとつ汚い花火でも打ち上げようではないか。入隊してから初めて寝坊した記念にな。 あー、塵ひとつも落ちないように、綺麗に丁寧に燃やすから、汚れなども気にしなくていい。 ふん、諦めたようでなにより、クロアス 持ち場に戻るといい む?なにをニヤニヤしてる?待ちなさい!ま・・・クロアス! クロア様、そろそろ定例会議の時間です。 くぅ、ユグレアはまだ来ていないのでは? ユグレア様はただ今不在にしております。 ルーシに伝え、あいつの後をつけろ! いない? 実は・・・ クロアス君!待って! はぁーはぁ 変なまねをさせないように クロア様から見張り役を命じられたのです。 もうー、ルーシ・・・今日、折角の休みなのに・・・ ほぇ?いまから飯?しかもクロアス君の奢り? 行く行く!ルーシも、実は朝御飯まだなんです あ、でも、 お金は?ルーシ持っていませんよ なるほどです!クロア様に感謝しないと あれ?クロアス? 宿屋はそっちじゃありませんよ 待て その前に知り合いの店に?ですか? クロアス君凄いな ここに来てまだ4日目なのに、もう友達ができたのですね ルーシ、先輩なのに、まだ ほぇ?20年以上の付き合い!? えーと、ひ、ふ、み、よ・・・ クロアス君って何歳・・・ うぎゃ、急に止まらないでくださいね 鼻が赤くなっちゃった ここに店なんてありませんよ? 確かめてみるって、どうやって? こう、真っ直ぐに?歩くだけでいいんですか? うぎゃ、痛い! な、なにかにぶつかりました 見えない壁? むぅ、鼻が痛い うわわ、び、ビックリしました 急に叫びだちゃってて、どうしました? 見るがいい?何を?む・・・目の前?うん?むむむむ・・・うわ、凄い お店だ!うん?ブラックショップ? な、なんだか怪しい感じが・・・します 入っちゃいけないような・・・ ルーシは、ここで待っていますから、クロアス君早くしてくださいね! ●2怪しげな店 危険物発見なの!あぶないなの! もう、また壊れた?今忙しいから黙っとけ!このポンコツセキュリティ お客様ご来店なの!モヤシ来たなの! 客?コホン 今日ご予約されたお客さんは・・・いないようじゃが・・・ コホンコホン、いらっしゃい、バルメのお店にコホンコホン、 って、これはこれは魔王様じゃ! ようこそおいでくださいました。 暑いですか?寒いですか? 喉渇いてるんですか? 肩揉みしましょうか? 今日はお買いになられますか? お靴をぺろぺろしていいですか? ぴかぴかになるまで綺麗にします! だからバルメのことを、用済みのボロ雑巾みたいに捨てないでください! シクシク…肉便器のお願い、聞いてくれます? 何でもいいから買ってくださいな、魔王様! 是非このカタログからお一つを! はい?先日のあれ?あー、その節ありがとうございました! 喜んでなによりじゃ! あんな記憶の保存にしか使えない、出てくる人の顔もなぜか映らない欠陥品で本当によかったんですか? 素材もどっかの閉店セールショップで買ってたものだし、正直壊れやすいかと・・・ え?えーー、もっと欲しい?マジっすか! くー!濡れてきたー! おまけとして、いまちょうどいい具合に仕上げた、バルメのここも~魔王様にあげちゃいますぅ!っと言いたいところじゃが、 あの大きさは恐らく・・・ 商品のことです♪うふふ まぁ、在庫の確認して来ますね、少々お待ちを・・・ やはり残りは、このビー玉サイズ2個のようじゃ、 よろしいですか? ありがとうございます!ありがとうございます! 本当、魔王様様々?バルメの王子!生み親じゃ! お代は結構です! 魔王様のお陰で捨てずに済んだのじゃ! これは、バルメからの、いつもご利用してくださる、お得意様への、些細な、気・持・ち!なのじゃ! どうぞお納めくださいまし その代わり、次回のお会計は1.5倍にさせていただきます! うふふ、嫌だな~魔王様、ブラックショップですから、 なんて~冗談です、ほほほほ ●3ハプニング あ、クロアス君、遅いですよ! ルーシ、お腹がそろそろ限界・・・ バイバイ、ルビー! 早く食べに行きましょう! ワイ!ご飯ご飯!高いの注文していいですか? さて、明日のお客さんは?うげ、ウルフファング、はいはい、品は?エレメンタルスフィア1個?かな? そう言えばさっきの警報って、故障?まぁいいや うひょ、儲かる儲かる… ユグレア様の件は以上ですが、もうひとつのご報告が へぇ、今日はやけに多いな。 今朝、ウルフファングと見られる連中がこの村に入ったとの報告を受けました。 さすが犬共、鼻が利く。司令官がお留守になってることでも嗅ぎつけて、寄って来たのではないよな。 クロア様?どちらへ? 下着の穿き替え、べとべどで気持ち悪い。 はい? なに、すぐに戻ってくるさ。 それと、メリーセ はい 最近記憶があやふやになってたことは? いいえ、特に。どうされましたか? そう、気にしないで む?ない、ない・・・ ないない・・・ない! お金が・・・ない! はっ!しまった。 この!泥棒が! 許さない、許さない許さない! 魔族復興のために 取っておいた大切な資金を よくも・・・ ふ、ふふ、ふふふふ こんなこともあろうかと、全部の金貨に防犯マジックを仕込んでおいて正解だったわ。 精々、このクーティア・ロアの金銭を盗んたことに後悔するといい 魔王様、ははははー あの・・・クロア様? はっ!いつからそこに居た! 許さないを連呼したところ 分かった、今の忘れてくれ、全部だ。これはだな・・・ ストレス、ですね そう、ストレス!だから ただいま忘れました。ご安心ください。 あ、助かる。 では戻るぞ。 承知しました。 クロア様、最近お疲れのようですが、よかったら後でマッサージでもいかがでしょうか? ご飯!ご飯!うわ、新しいお店だ! くんくん、美味しそうな~いい匂い! うん?メスの匂い? クロアス君また変なことを言い始めました・・・ この店でいいんですか?もう、聞いてませんし! あとその笑い方・・・なんだか気持ち悪い・・・ですよ・・・ いらっしゃい お1人様ですか? こんにちは! あら、ごめんなさい 2名様ですね、カウンター席へどうぞ ふふ、今日は可愛い妹さんとデートですか? 妹じゃありません! 今日は急いだから私服で出てきたけど、 ルーシはここに駐屯している騎士団の騎士で、 この子の先輩です! 子ども扱いしないでくださいね! これは、失礼しました 立派な騎士様ですね 私、最近来たばかりで いろいろ教えて頂けると、嬉しいです え?あーありがとうございます、ふふ 女将さんよ、気にすんな こんな乳臭ぇ餓鬼どもに守られちゃ、この村もそろそろおしめぇだ な?おめぇら おうよ、うははは 本当だってば! そろそろ手を離しても、いいですか? ふふ なんだかごめんなさいね、 こちらがメニューです お決まりでしたら、お呼びください はい それと、お嬢さん、リンゴ、オレンジ、グレープ どれがお好きですか? リンゴ! はい、グリーンスライムジュース どうぞ、先ほどのお詫び、内緒にしてね ふふ わい!スライムジュース!ここで飲めるなんて、うふふ ん?グロアス君、まさか知らないんですか? スライムで作ったジュースは、とても美味しい! それにツブツブがいっぱい入ってて、凄く人気の高い飲み物ですよ。 え?嫌です!これはルーシのです! 飲みたいのなら自分で頼んでくださいね。ふふ そういえば早く飯を! ふふ、どれがいいですか? 折角だし、珍しいものにしましょうよ はむ、ご馳走様でした クロアス君、そんなにカレーが好きだなんて知りませんでした・・・ コカトリスの丸焼き、食べたかったけど、クロアス君の奢りだし、カレーでも大満足! 喜んでいるようで、よかったわ あ、会計ですね? はい、こちらになります クロアス君!それ! お金が・・・光ってます! 嫌な予感が! 皆伏せて! ひぃ、逃げろ! コホン、コホン、マスター、お怪我は? ありがとう、お嬢さんのお陰で私は大丈夫です。しかし・・・ クロアス君!返事して!ねぇ、聞こえます? どうしよう、 クロア様を連れてきますから待ってて クロア様、今の爆発音!?もしかしてウルフファングの連中? いいや、あれは私が仕掛けた、爆弾魔法ーボムだ なに、泥棒に少しキツめな罰を与えただけさ はー、泥簿? クロア様、クロア様大変です! 慌てるな、ルーシ クロアスならちゃんと生きている ほえ?どうしてそれを・・・ でも、お店が・・・ なに?店だと? まさか!あの馬鹿!ちぃ、 先に行く、レビテーション! メリーセ、留守を頼んだ 畏まりました これは、少々やりすぎたか 怪我人は、いないようだ 魔王様、うるさいから黙って 生きてるのは分かってる そこの女主人 今回はすまないことをした あとで弁償する 今はこの馬鹿を・・・連れて帰る あ、はい はーはー ルーシか、ちょうどいい は、はい? ここに残って店の片付けとか手伝ってやれ あの、えっと・・・ 生きてるだけでも有難く思いなさい まだ叫ぶ力が残ってるくらいなら、自分で歩いたらどうです? よろしい 行っちゃいました・・・ ルーシ、今日お休みなのに・・・ お目覚めですか? 心配しなくとも、 すでに動けると思いますが? 「どうやって」って? 隊に居る2人の神官に、一人ずつ10回ヒールをかけろと命じたが、魔力切れで両方とも途中で倒れました。 まぁ、代わりにメリーセがやってくれたんだから、予想より回復も早くてよかったですね。 あ、今朝の子がメリーセ、凡人のくせに、そこそこ役立つから使いやすい。 あの子もいま貧血で席を外しています。 お陰で耳元も少し清々しました。 なに!まさか私のこと、鬱陶しいとでも思われています! 魔王様!どちらへ? お待ちください、 何もこんな時間に謝りに行く必要はないでは? いいえ、家臣の私には魔王様を止める権利はありません、 ただ今回は私の不始末で無関係の一般人まで巻き込んでしまったので、 このお金・・・賠償金を代わりに渡して欲しい、 魔王様は自業自得 謝する気持ちは1ミリもありません。 それに、いいのですか? 美人さんのお店、そろそろ閉店時間になりますけど ここで私とごたついているより、そちらといちゃいちゃしたいと、コホン 窺えますが? はぁ、否定はしないんだ・・・魔王様の馬鹿・・・ ●4アマミ・サキ ですからお金はまだ・・・ くぅ、 怒鳴らないで・・・ください!奥には娘が・・・ お願いします、これは・・・お店の売り上げです・・・ 今日は帰ってください! ちぃ、手間かけさせやがって、おい!お前ら行くぞ! へぁ、これで今夜も飲めそうだぜ! あはははは! 怖かった? ふふ、もう大丈夫だから あ、 お客さんが来た。 ごめんね、 ママ、もう直ぐで行くから 先に寝てて。 ふふ、分かった。 明日は今日の分まで読んであげるね。 よしよし。 さぁ、行きなさい 申し訳ありません、お客様、本日は・・・ まあ、昼間の・・・確かクロアス?様? 間違えてましたら御免なさい。 ふふ、お倒れになった時、騎士のお嬢さんが傍でそう呼んでいらっしゃいました・・・ 私はアマミ・サキと言います。 どうぞサキと呼んでください。 え?その、本当によろしいでしょうか? 分かりました。 クロアス? 見ての通り、お店はあの後、営業できない状態になっていまして・・・ 折角のご来店なのに、今日のところ・・・ え?お金に困っているではないかって・・・どうしてそれを? あー、聞こえたのですね、さっきの・・・ あれは・・・その・・・ クロアス!?どうしたんですか? ハッ、汗がこんなに、もしかして!? しっかりして、クロアス! え?なに? ぷ、ふふふ・・・ お腹が空きすぎて力が入らないって、御免なさい、我慢できずに笑い出してしまいました。 でもよかったです。 綺麗?私・・・ですか? ふふ、ありがとうございます。 見た目より随分大人ですね。 それより、 何か食べたいものは? 何でもいいって、こんなときに遠慮なんてして・・・ は、分かりました。 もう少し待っていてください、いま作ります。 あ、気にせず、好きなところに座っていいですから。 残っている食材は・・・ (こんな夜中に、空腹で店まで走って来たなんて。 傷もまだ治っていないのに、どうしてそんな無茶を・・・この子ったら・・・) お待たせ、鶏の唐揚げと、秋刀魚の蒲焼・・・ ごめんね、バジリスクとピラニアの肉さえ残っていれば、もっと美味しくできたのに・・・ こんな家庭料理しか用意できなくて・・・ ちょっと、クロアス?そんなに我慢してました? え?美味しいって、ふふ。 いいのですよ、お世辞は。 空腹ですから、口に入れたものを美味しく食べられるのも・・・当たり前のこと、ですよね。 ふふ、それでも・・・嬉しい。 ほら、ゆっくりでいいから、誰もとったりはしませんよ。 ふふ、お口に付いていますよ。ここ。 本当、ふふ、子供みたい。 (そんな食べ方を見ていると、なんだかあの人のこと・・・思い出す) え?いいえ、考えごとなどしていません。 ただ、昔のことをちょっと・・・ もう、クロアスったら、もしかして私をからかっています? あら、意地悪な子ですね。 ふふ、ごめんなさい。 でも、こんなおばさんの身の上話なんて、きっと、つまらないと思いますよ。 どうしても、聞きたい? (ここまで食いついて来るとは思わなかったわ。 しかしまただ・・・あんなにキラキラしていたのに、急に言葉を失わせそうな、曇ったその瞳・・・ こんなの見せられたら・・・どうしても応えちゃうのよね・・・ちょっとずるい・・・) 困りました・・・ 本当は今日、初めて会ったお客様に話すことではありませんが。 もうこんな歳だし、 「恥ずかしいから嫌だ」なんて言えませんよね。 それに、クロアスが食べているところを隣でじっと見詰めるのもあれですから。 ふふ、君さえよければ。 あ、でも換わりに、ひとつお約束してください。 もうそんな顔をしないこと♪ 私、6年前に小さい頃からずっと仲のいい幼馴染の男性と結婚しました。 その後、二人で、王都から遠く離れた、小さな田舎町での暮らしが始まりました。 夫はとても勤労で、毎日欠かさずに畑仕事。 見てろよサキ、もう直ぐで俺達の子供がここで生まれてくる! あなた、本当に畑が好きなんですね。私、嫉妬しちゃうかもしれませんよ。 いや、悪い、そういう意味で言ったわけじゃないんだ。 ふふ、はいはい、もうご飯ですよ。 先に中で待っています。早くしてくださいね。 その優しさが報われたように、豊作のお陰で、食べ切れなくなった野菜や果物がどんどん増えて、 それで換金して暮らすほどの生活が、 続けるようになりました。 裕福とは言えませんが、特にこれといった不自由もありませんでした。 朝から晩まで、ずっと二人で居られる、それだけで満足。 翌年の春、娘が生まれました、名前はカリン。 ふふ、でしょう? 果物みたい。 可愛くて、あの人らしい名前付け・・・ あっ、しぃーー娘、カリンは今奥で寝ています、大きい声は・・・ ふふ 男性とこんなに楽しく話ができたのは、あの日以来かもしれない・・・ なんだかこの子、クロアスを見ていると思わず重ねちゃう・・・ あなた・・・ 後をつけて来たら、魔王様何をしているのだ?あんな大人しい柄でもないくせに。 さっさとお金を渡せばよいものを・・・ よし、ちょうどクロアスも食べ終わったところだし、今日はこの辺にしましょうか? 本当にこんなものしか用意できなくて・・・あっ!お代はいいんです。頂けません。 さぁ、外までお送りしましょうか?もう遅い時間ですし。そろそろ店を閉めないと・・・ クロアス? お願い、手を・・・ え? 何も言わないで、帰ってください・・・ 一杯付き合う?酒を飲まないクロアスに?ですか? ふふふ、ごめんなさい、つい・・・ 断るのよ、サキ! いい・・・ですよ。 しかし、料理のお詫びとしてね。 あのオンナ、嫌がってるじゃない?なぜっ!?・・・ ヒック、飲み足りねぇな。 ちぃ、インビジブル! おっ、こんな時間まで開いてるなんて、ラッキー!一杯でも・・・ あーん? ひぃ!な、なんかいる、怖ぇー! ふん!にしても解せんな、魔眼の痕跡もないのに、どうしてあの馬鹿に付き合う必要があるのだ? あー、分からん!見てるこっちがイライラする! はい、今度は普通のジュースです。 本当に珍しいわね、スライムジュースが苦手な人って ・・・ ゴクゴク・・・ この感覚は知っている あのとき…初めての夜を迎えようとする 少女の頃・・・ いいえ、もっと単純な・・・ 男を求める、女としての本能・・・ え?顔が、赤い? ごめんなさい、私、そんな顔をしてました? ちょっと酔っているかも・・・ 言い訳するまで、若い男を欲しがっている・・・ この体が・・・疼く 母親になれたのに、あの人の・・・妻なのに・・・情けない ねぇ、クロアス。 さっきの続き・・・まだ、聞きたい? ふふ、心配してくれて、ありがとう。 でも大丈夫よ。 そう、これで少しは楽になれるはず。 ゴクゴク、その後は・・・ 何もかも順風満帆で、 私にとっては幸せすぎるほど、夢のような日々。 「本当、サキとそっくりだ、将来もきっと美人だな」 「もう、あなたったら・・・」 「ほらカリン、パパだよ~よしよし」 「ふふ、気をつけてくださいね」 「これからは3人で、頑張りましょう、パパ」 秋に入ったある日 「珍しいですね、誰でしょう?パパ、お願いしていい?」 「む?村長?どうした?」 「自警団からの召集命令が来たんじゃ。村の周りになにやら魔物が集まっておるらしい。 その退治にこの村の若者も一緒に参加してほしいでのう」 「え?魔物?」 「危険ですか?その・・・魔物」 「詳しい話はまだ聞いておらんじゃが、自警団からの情報だと大した魔物ではなさそうじゃ」 「あなた、行くのですか?」 「うむ、行く。心配しなくても、魔物はそんなに強くないでしょう?しかも自警団の人も居るって、直ぐに戻るよ。なぁ、村長?」 「ええ、2,3日で帰ってくるはずじゃ」 「そう、ですか・・・」 「じゃ、サキ、行ってくる」 「行ってらっしゃ、パパ」 「カリンと一緒に、ここで待っています」 しかしその後、一週間経っても、夫は帰って来ません。 「よしよし、カリン、もう直ぐでパパが帰ってくるから」 「あっ!ほらカリン、きっとパパだよ!」 「おかえっ・・・村長?どうしたんですか?」 「ハ、ハ・・・ハヤっ、早く逃げるんじゃ!」 「逃げるって、どうして?」 「魔物が直ぐそこに来ているのじゃ!早く逃げないと・・・」 「なに、今の音?」 「ひぃー!ま、魔物じゃ!わしは他の者と一緒に逃げるから、奥さんも子供を連れて早く避難するんじゃ!」 「待ってください!村長!夫は?村の男達は?」 「死んだんじゃ!全員!」 「そん・・・な」 「はっ、カリン!」 「ハァ、ハァ、あなた・・・」 あれからカリンを連れて、あっちこっちで、転々とした生活を繰返す毎日。 そして前の村で、ウルフファング・・・さっきの人達から借金をしました。 借りたお金でお店まで作って、ようやく返したら・・・同額の利子を支払えと・・・ それを断ったところ、店を壊されたのです。 遠く離れたこの村に逃げ込んでも、結局・・・見付けられてしまいました。 以上が、アマミ・サキという女のダメダメ話でした。 ●5二人きりの甘い夜 ゴクゴク あー、あなたにこんな姿を知られたくはなかった・・・ あら、守ってくれるのですか?ふふ、頼もしいですね。 どうしました?顔、真っ赤よ。ふふ、可愛い。 ねぇ、 私のこと、好き? やはり今日は外そうか。 ごめんなさい、あなた。 今夜は、君の妻ではなく、1人の、普通の女として、過ごしても・・・いいん、ですか? 君がくれた大事な大事な宝物、絶対に汚したりはしません。 今夜だけは少し休ませてください。 ふふ、チュ、大好き、あなた。 ふふ、そう・・・ありがとう、 じゃ・・・キスして・・・くれますか? うふ、上手、 初めてじゃ、ないようですね。 ふふ、気にする必要はありませんわ。 年頃だし、それに、ルーシ様やクロア様みたいな素敵な女性、周りに居るんでしょう? むしろ・・・こんなおばさんで、申し訳・・・む! 嘘?ちょっと!近すぎるんじゃない?!ま、まさか、キス?いったい何が起きている? えいい!何言ってるかも、聞こえない・・・ さぁ、横になってください。 もしかして、こっち・・・乳首のほう、初めて? その、ごめんなさい。 やはり、これは・・・若い子に・・・ 初めてなんでしょう?こんな・・・ え?もうー、お口が旨いですから。 そんなに煽てても、別に何も出ませんよ。 優しいのね、本当に・・・ 分かりました。もうおばさんなんて言いません。 では、続き・・・いいですか? あら、私ったら、ごめんなさい、はしたない音を出してしまいまして・・・ 少し刺激が強すきたかしら? ふふ、強がりしちゃって。 その、辛かったら、遠慮せずに、言ってくださいね。 体に悪いんですから。 あら、こっちが気持ちいいですか? ふふ、あの人、主人も同じ、こっちのほうが感じやすいです。 嫌、でしょうか? その、こういうときに主人の話なんて・・・ 変わった子ですね、ふふ 普通は怒りますよ、きっと。 あら、心が広いですね。 ふふ、はい、畏まりました。 もう子ども扱いはしません。 ふふ、しかし、何時まで我慢して居られますでしょうか? 大人を、甘く見てはいけません。 チュッパ でしょう? ん? あら、本当ですね。 分かりました。 ところで、シックスナイン・・・嫌い? なら、大丈夫ですね。 うむ・・・ あ、外してくれるのですか?ブラジャー・・・ ふふ、助かります。 では、ズボンのほう、失礼しますね。 きゃ! い、いいえ。 何でもありません。 その、君のアレが、急に顔に当たっただけ・・・ アレって? あら、意地悪ですね。 ふふ、しょうがないですね。チンポのこと。 これでいいかしら? しかし、驚きましたわ。 本当に元気ですね、こんなに膨らんでて、ふふ、ピクピクしています。 ごめんなさい、こんなにさせてしまって・・・ ひゃ、もうー、顔にまでカウパー汁がついちゃいました。 オチンチンで遊ばないの♪ ほら、オッパイで捕まえました。 これで大人しくしてくださいね ハム・・・ やはりこれはちょっとキツイ・・・ 人間の男にしては、大きすぎる。 そういえば、この子の肌色・・・一体何処の種族? っぱぁ・・・ その、私のも、よかったら・・・舐めてくれると・・・ あっ、下着が邪魔かしら? くぅ、 はい、これで大丈夫でしょうか? どうしました? 驚いた顔をして・・・ あ、もしかして・・・ ご、ごめんなさい。 歳を取ったし、それに主人と何回もセックスしてきましたから、こんな萎れた形になっていて・・・ 昔はもっと綺麗なピンクで、臭わなかったのに・・・ その、嫌でしたら・・・ きゃ・・・ は、鼻息が、アソコに当たっています・・・ え?アソコって・・・ オ、オマンコ、です・・・ きゃっ! ですから、からかわないでください・・・ ひゃ・・・ そ、それは、愛液・・・です・・・ 生理現象・・・ですから・・・ え?し、知りません・・・ それくらいの量は・・・普通だと・・・ きゃ、 私より、 若い子にしてもらったほうがよっぽど楽しいのに。 こういうの・・・ もっと大人になってから・・・ きゃ・・・ 分かりました、言います! 白状しますから、焦らさないでください! 鼻を・・・オマンコから・・・離れてください! は、は・・・ 君がいきなり倒れたとき、から、 もう濡れ始めていて・・・ そうです、最初からです! もうー、 ニヤニヤしないの、これで満足ですか? あら、その余裕は本物かしら? ふふ、 あー、なんて逞しい・・・ 胸が火傷しそう。 ずっと欲しがってたもの・・・ この感触。 段々体が馴染んできた。 むぅ・・・ それに、この子ったら 全然休ませてくれない まるで私の弱い所を知ってて、攻めてるような・・・ くぅ、さっきから舌付きが急に・・・ むぅ なんて上手なの・・・ ダメ、このままじゃ、先にいかさせてしまう! っぱ、え?私が下に?君が上?ですか? はい、構いませんが・・・ これで少しは楽になれる・・・ えっええ、ごめんね、気を遣わせちゃって。 あとは口と舌をもっと早く動かせば・・・ ハム、 どうですか? むっ! こ、これは! さっきに増した勢い・・・ これじゃすぐにいってしまう ガラスに映っているのは・・・私? なんていやらしい・・・まるで獣に襲われているようじゃない・・・ ダメだ、声すら出させてくれない・・・ あー、このまま、年下の子に、こんな恥ずかしい体勢でいかされてしまう・・・ あ、くぅ、 ハ、ハ、 えっええ、御免なさい・・・ 結局君より、先に絶頂してしまいました・・・ あら、疲れたと言ったら、大人しく帰ってもらえるのかしら? ふふ、馬鹿な子ね。 もしかして最近、彼女に相手にされていないのですか? ふふ、また心にもないことを口にして・・・ え?私はどうって? ふふ、感じていますか?私の、胸のこの、ドキドキ・・・ このまま帰したら、大人が失格ですね。 さっきはごめんなさい、私だけ気持よくなって。 今度は・・・ ふふ、どうぞ横になってください、私がしてあげます。 緊張、しています? ふふ、お世辞はいいのですよ。 そろそろ、入れていいですか? くぅ、 準備はしていましたが、大きい・・・ あっ!ありがとう、ございます。 くぅ、 その、締め付けは・・・大丈夫ですか? あぅ、もう少し、こういうの・・・どうでしょう? あら、可愛い声、ありがとう♪ これがいいですね? 動きます。 ええ。 昔、主人の・・・いいえ、夫婦生活のために、一応練習はしてました・・・ まさか、主人以外の男を喜ばせるために役立つなんて・・・ せっかちはよくありません。 気持ちよくなるには、 こういう摺り合わせも大切ですよ。 優しい君なら、きっと分かってくれます。 ふふ、手・・・出して貰えますか? はい、こう・・・掌を重ねて、指を絡めあわせば、 ふふ、分かりますか? あっ、 もういきそうですか? 中出し、いい、ですよ・・・君なら・・・ くぅ、もっと私を感じてください・・・ そう、もっと強く・・・ さぁ、熱いの、私の中に・・・マン○に注いで! えっ!しまっ・・・ ママ、声大きい、眠れないよ、むくぅ・・・ カリン!ご、ごめんね!起こしちゃった? うん、仕事まだ? くぅ、え、ええ。 ちょっと! もう少しだけ・・・先にぃ!むっー そこは! ママ?どうしたの?具合悪い? だ、大丈夫。カリンは、いい子なんだから、きっと、待ててくれる、よね? うん!待ってるから・・・あっ、ママ。 ん?どうした? お兄ちゃんととっても仲良しだね。 ふふ。 ハァ、ちょっと!今のはさすがに怒りました! 娘の前なんだから、困らせないでください。 本当に・・・どうしようかと・・・焦りました。 きゃ!ですから今は・・・ くぅ、それに、そこは、違う・・・ そんな・・・主人とも、お尻でした事がなかったのに・・・ ええ、初めてだから・・・もっとゆっくりで、お願い・・・ くぅ、娘を、カリンのことを、言い訳にしないでください・・・ わ、分かりました。 私の体を好きに使って。 むぅ、 我慢しないで、出していいよ。 今度こそ、受け止めであげます。 ハァ、ハァ、失望しました?実はこんなに淫らな女だったこと・・・ あら、女なら誰でもいい、ですか?ふふ。 最後まで出来て、満足ですか? 私も気持ちよかったですよ。君が悪魔へと成り代わったまでは。 ん?そう・・・ですね、次はクロアスを恥ずかしい目に遭わせてあげないと・・・ そう、また機会があればの話ね・・・ 疲れてません?よかったらこれ、飲んでください。 糖分の補給も重要ですから。 どうですか?美味しい? ふふ、スライムジュース♪ あら、気付きました?これは、さっき、私が飲んでいたの・・・ さぁ、なんの話でしょう? そのお金は? いいんです、もう必要ありません。 それは、言えませんが・・・ え?クロアスや、クロア様が居る騎士団に?私?ですか? いきなり困ります・・・ ふ、まぁ、今回の騒ぎに関しては、私にも責任が・・・なくもないが。 炊事係か、考えてあげなくも無い。 さて、そろそろ門限か、 テレポーテーション! 折角のお誘いですが・・・私・・・クロアス?もう、帰るのですか? いいえ、なんてもありません。 お休みなさい・・・ ●6帰り道 そこの者!止まれ! うん?新入りじゃないか 門限のこと、初日に伝えておいたはずだ 忘れたなんて言わせんぞ いいぞ、貴様ら、ここはビシッと言ってやれ ここは何処だと思ってる! 少人数の部隊とは言え、軍隊であることは変わらん そうそう、もっとだ! まぁ、クロア様の弟分に免じて、今日のことは見逃してやる 次はただじゃ済まさんことを覚えておけ! いいな! よくぞ言った!このクーティア・ロアが魔王様のお傍に居ることの有難みを、身をもって知りなさい! なんて、以上はクロア様からのご命令に従い、言わされた内容だから、気にしないで、兄貴! な!あ・・・兄・貴?!馬鹿な!たったの数日で、ここまで手懐けるものなのか?カリスマ?ありえん! クロアス、今日は随分遅かったじゃないか、なんかあった? 用事? ライムは本当、鈍いんだな。こんな夜中に用事と言ったら女だろう、普通 ところで兄貴、前回のアレ、続きまだっすか? おー!これが?前のより大分ちっちゃいじゃねぇか? 水晶玉?今時あんな玩具を見て喜ぶ馬鹿は何処に居るんだ! すっげぇ!このサイズでも見えるぞ!うひょ!この前のレイヤーさんじゃねぇ? あのクロア様に凄く似てる女優? そうそう、いやこれほど似てるとはな、エロすぎるぞ! 私?ダメだ、話が見えん。ハクション、寒い夜中にこんな茶番に付き合ってる私もどうかしてる やはり捕まえて、無理やりでも聞き出したほうが手っ取り早い こっちは?な!に、似てる!おいシュウジ、ルーシだぞ なんだと!ルーシって、同期のあの子? ああ 嘘?ちょっと見せて マジかよ!ライムどれがいい?俺はルーシに似てるこっち うむ・・・じゃ、僕はクロア様 おまえ、確か、小さい女の子に興味ないんだっけ。なんでそんなに悩むんだ? うふふ?もしかして、他に好きな女の子とか居るの? い、いるわけないでしょう!クロア様のくれ、頼むから! なに顔赤くなってんだ、冗談よ冗談 しかし、兄貴すげぇな、何処で入手したんだ? そこまでだ! ひぃ!やべぇ、クロア様だ! 隠さなくていいぞ、ガラス玉みたいなアレ、是非私にも見せてほしい どうすりゃいいんだ、ライム! くぅ・・・ おい、何とか言いえ!頼むから! ・・・ やばい、俺のINTより3倍も高いライムが! だって!見せたら殺される!出さなくても殺される!無理だよ! 何時まで私を待たせる気だ? それとも、見せない?と? ひぃぃ! ク、クロアス! いまのうち逃げるって、お前! くぅ、ライム!何してるんだ!逃げるぞ!早く! ははは、逃げる?困った部下達だな。 これで逃げられたら、メイガスの名が泣くではないか! 魔王様、そこを退いてください どういうおつもりですか? なっ!らしくない・・・私が? 確かに、最近何だか情緒が不安定な気が・・・ お言葉の通り、少し熱くなりすぎました 反省します。 え?それに? あのガラス玉・・・私のお金、大切な資金で・・・買った、と? 魔王様! ●7王都グラズヘイムにて (何度申し上げれば分かってくださるのです?) ん?騒がしいな (あの方とは昔からの知り合い、友達ですことよ) ですからわたくしですって あ!お姉さま! え? あら、シリアン? はい、わたしくです!ロザリナ姉さま! ふふ、ここはもう大丈夫、祭典まであともう少し、皆さんも今日は早めに帰って休んでください。 驚いたわ、シリアン、人違いではないかと、危うく思うところだった お姉さま! ふふ、暫く見ないうちに、また綺麗になったわね。確か明日到着の予定では? 早くお姉さまにお会いになりたいですもの、つい・・・ 本隊より一足先に、1人で抜け駆けして参りましたわ 汗臭い低能な男達に籠まれながらの入城なんて御免ですわ。わたくしの美学に反しますの シリアンったら、じきに当主にもなる身分だから・・・ だからですわ!今はまだお姉さまに甘えられる、自由の身ですの まったく、シリアンには体に負けないくらい、もっと成長して欲しかったな お姉さま!今日は硬いことナシでお願いしますわ 折角あのきゃんきゃんうるさいのがいないと存じまして、 久々にお姉さまを独り占めできる夜ですから、入念に支度して参りましたの はぁ、よかった お姉さま?どうかなさいました? いいえ、シリアンは鎧より、こっちのほうが似合ってるわよ。綺麗なお洋服 シクシク、この日のためにわざわざ用意した甲斐がありましたわ よしよし、分かったわ。それじゃ、屋台でも回ろうか?昔みたいに 喜んで、参りましょう。さあさあ、お姉さま まったく、はいはい、押さないの