「傷……みせて? 分かるのって……分かるに決まってるでしょ! あっちこっち擦り傷だらけだし、足下ふらふらしてるし…… 禄に治療してないんでしょう? ……ばか、私の心配する前に自分の心配しなさいよ」 「脱いで? ……お忘れのようですけど、私の方が先輩なんだからね? ポーションの予備ぐらい、持ってるんだから! ……ほら、塗ってあげるから……ね?」 あなたが言われるままに、ベッドに腰掛け服を脱ぐ。 白猫は、部屋の隅にあった箱をごそごそと漁ると回復のポーションをもって戻ってきてくれた。 「……ほら、肌着も脱いで! 塗れないでしょ、もう! 渋らないの! ふふん、そう簡単に私が貴方に主導権を全部あげる訳ないじゃない! ……うれしかったけど、それとこれは話が別!」 「そうそう、素直に脱いで脱いで……。 あっ……これ、私のせい……? 思ってたより、深い……。 なんでこんなに……あのクズ冒険者達に殴りかかったの!? ばかっ、なんでそんな無茶を!! あれでも、それなりに経験積んでるのよあいつ等!! ……私を、泣かしたからって、…………っ、ばか……!」 白猫は、あなたの話を聞くと青くなり、赤くなりめぐまるしく顔色を変えて、俯く。 「……塗るわよ、背中向けて」 あなたが後ろをむくと俯いたまま、背中にぬるりという感触と微かに肌に染み込む感触が広がる。 傷を一つ、一つ丁寧に……塗り忘れがないように1つ1つさわっていってくれるのが分かる。 「私のために、こんな無茶しなくていいんだからね……。 こんな、無茶して……嫌だったのかって。 嫌じゃない! 嫌じゃないけど……でも、それで貴方に取り返しのつかない事があったら……私」 背中に、こつんっという刺激と共に柔らかな感触が当たる。 さらりと流れるように肌を伝っていくものは、彼女の髪だろうか? 細い毛が、傷跡にそっと触れては離れていく。 それが少し痛いような、くすぐったいような、……暖かいような言葉にしにくい、ひどくムズムズした思いを貴方の中に沸かせる。 「こうして改めてみてみると、本当に最初の頃に比べるとちょっと体出来てきてたのね。 もっと、頼ると折れちゃいそうな……そんなイメージがあったのに今は何だか……寄りかかっても安心出来そうな気がするもの。 ……あはは、意外とチョロかったのかしらね、私って? うれしくなっただけで、こんな……あなたの見方が変わって感じられるなんて」 背中に当たる髪の感覚が、さわりさわりと揺れては離れる。 白猫自身も予想外の結果なのか、恥ずかしそうなその声に何となく彼女の表情が思い浮かんで……くすぐったい。 「傷、まだあるわね……んっ!」 ちゅっと言う音と共にまた湿った感触……、だがこれは指ではない。 柔らかい2つ濡れたものが押し当てられ、その間からより滑らかで水っぽく、もっと柔らかいものが触れてくる。 「ちゅ……んっ、ちゅっ……。 ここも、傷……傷つきすぎよ、ばか……んっ」 ちゅっ……ちゅ……ちゅ……。 小さな傷の上を、濡れた柔らかいものが這う。 ひどくいやらしい心地にさせる水音をたてながら、背中全体にソレを触れていく。 「ちゅぅ……ちゅっ、どう……暖かい? 痛いの……減ってるかしら? ……ポーションも、タダじゃないし……こうやって……ちゅっ、延ばさないとね」 独り言のように呟かれた言葉とともに、あなたの背中がぴちゃりぴちゃりと這うものによって濡れていく。 それは、驚くほど暖かく……彼女の体温そのものであるようだった。 彼女の体温と、いやらしい水音に……むくりっと、あなたのモノが反応する。 それは、他人が見てもそれと分かるほどはっきりと大きくなり……。 「……エッチ、私治療してただけなのに なんで大きくしてるのよ、もう……」 それを見た、少女の声に艶が篭もる。 勝手な期待、もあるのだろうか?。 言葉とは裏腹に、……どう聞いてもあなたのものが大きくなった事を喜ぶ色を、その声に浮かんでいるように思えた。 「仕方ないわね……そこ、大きくしてたら治療の邪魔だもの ……ねぇ、私がすっきりさせてあげましょうか?」 背中から抱きつくようにして、肩に腕が回され少女の顔が横に来る。 彼女が今までしてきた事を思えば、そんな目でみたい訳じゃないと否定しようとして……彼女の瞳が、縋るようにあなたを見つめてるのに気付いた。 「……ごめんなさい、こんな言い方は卑怯よね。 あの、ね……私、あなたが知った通りの生き方してたからすごく、すごくあなたの言葉嬉しかった。 でも、それを受け入れていいのか不安で……。 そう言ってくれたあなたが、明日の朝目を覚ましたら消えていなくなってしまっていそうで……怖い、の」 肩に抱きついている腕に力が込められる。 ……小さく、その手が震えているのにあなたは初めて気がついた。 「お願い、あなたが嫌じゃなければ あなたが、私を……抱けないほど汚い女だと思わないなら。 抱いて、下さい。 あなたが、私と一緒にいてくれるって……実感させて下さい」 僅かな逡巡……不安そうに見つめてくる瞳を暫く見返し、あなたは小さく頷いた。 そして、そっと彼女に顔を寄せるとあなたの背中を暖めていた、暖かく濡れていた彼女の唇と……そっとあなたの唇をそっと重ねた。 「……ぁっ♪」 触れる瞬間、目の前の銀の髪の愛らしい少女から安堵と喜びの声が……確かにあがった。