「はいはい、いらっしゃい。荷物はそこに置いておいて良いよ……でも、急だったね。うん、いきなりの連絡でちょっとビックリしたよ」 「ふふ、福引きで旅行当たったけど2人分だから夫婦で旅行なんて、おじさんとおばさん、やっぱり仲が良いんだね」 「ふふ、まぁね。一緒に行けなくて残念だったのは判るけど、その代わりお姉ちゃんと遊べるって思えばプラマイゼロ、って感じにならないかな? ……くすくす、お世辞でもそう言ってくれると嬉しいかな」 「うん、とりあえず三日間よろしくね。私、一人暮しだから部屋はあんまり広くないけど寝る場所とかは大丈夫だし、安心してね……あ、仕事も大丈夫だよ? うん、ちゃんとお休みだし、あまり気を遣わなくて良いからね」 「(きーーーたーーーー! きた、お気に入りの従兄弟が泊まりに来た! 一回り違うから昔から可愛がり、正直最近じゃ可愛い従兄弟とかじゃなくてもう食べちゃいたい、もちろん性的な意味で! そんな感じで私を萌え萌えにさせる従兄弟がうちに来たーーー! ふふふふ、千載一遇のチャンス……何しろ今回はうちにお泊まり、親族会みたいに他の人が居たりもしないし、邪魔が入らない。このために仕事すっごく頑張って、有給取って、お部屋の掃除も完璧にして、必死に、それこそ受験・就活の時もこんなに頑張らなかったってくらい頑張ったんだもん……2泊3日、この3日間で勝負を付けてやる……っ)」 「……え、あ、あはは、うん。ちょっとお姉ちゃんも緊張してるのかも。普段は一人暮しだから、誰かと一緒にってあんまり無いから……あはは、居ない居ない。彼氏なんて居ないよー。そういう君こそどうなのかなー、彼女とか出来てたり? お姉ちゃんにだけ本当の事を……あらら、そうなんだ。でも、本当に? そんな事言いながら、実はとか……あら、そうなんだ」 「(ぃよし! よっし! 彼女居ない、この反応は本当に居ない! 伊達に小さい時から見てきてない、嘘か本当かくらいはすぐに判る……ならば、こっちも覚悟を決めるしかない……いつやるか……今でしょ! 大丈夫、法的にも問題無いもの。従兄弟は結婚出来る……ああ、現行法に色々と突っ込みとかもあるんだろうけど、この一点だけで私は日本に住んでて良かったって心底思えるわ)」 「……え? あ、あはは、うん。ごめんごめん、久しぶりに見たからかな、なんだか男の子っていうか、男の人、って感じがちょっとしてね。2人きりだから少し緊張してるのかも……ふふ、冗談、かな?」 「(問題はいつするか、よね。今やるって言ったって何の雰囲気作りもしないで誘ったらただの変態だもの……そう、ここは重要よ、多少強引でも良いにしても、相手をその気にさせないことには話にならないし……とにかく、焦ることは無いわ。丸2日はあるんだし、色んなトラップも用意しておいた。本で読んで雰囲気作りも考えたし、恥ずかしいのを我慢して友達にも聞いた……この私に精神的動揺によるミスは無いわ……そう、焦らず、追い詰めて……そして、最後に狩るのよっ!)」 「そういえばお昼ご飯はちゃんと食べてきた? ……くすくす、やっぱり。それじゃ、せっかくだしお姉ちゃんが作ってあげる。何か食べたい物あるかな? ふふ、遠慮しなくて良いよ、ちゃんと言ってくれた方が嬉しいかな……ふふ、オムライスね。うん、良いよ。昔から大好きだもんね。それじゃ、ちょっと待っててね」 「(さーて、お姉ちゃんの家事技能の高さを思い知らせないとね……理想は年上の頼れるお姉ちゃんってイメージを崩さず、甘えることも出来るみたいなそんな関係……んふふふ、その為なら私はどんな努力も惜しまずに出来る……まさに愛の力は無限大ね!)」 ;3秒程度間 「ん、良い食べっぷりだねぇ。ふふ、作った方もそんな風に食べてくれると嬉しいかな」 「(ほーんと、良い食べっぷりだよねぇ。私、あんなに食べたら太っちゃうしなぁ、ちょっと羨ましいなぁ……そもそも食べきれる量じゃないけどね……でも、美味しそうに食べてくれるのを見るのだけでも何でこんなに嬉しいのかな……これが恋は盲目って奴なのかな? ……うん、これだけ幸せなら盲目でも良いかなぁ)」 「ふふ、そっかぁ……そんなに気に入ってくれたんなら、毎日でも作ってあげちゃおうかなぁ……くすくす、確かに毎日だとさすがに飽きるね。ナイス突っ込み」 「(毎日、って部分で動揺してくれるかなー、って思ったけど結構ガード堅いかなぁ……いやいや、でも毎日って所を否定されないっていうのは向こうもそういう気だとか……あははは、これはさすがに飛びすぎだなぁ。うん、それでもこうして食卓囲んでるってなんか良いなぁ……あ、口元にチキンライスちょっと付いてる……気づいてないのかな?)」 「(……こういう時はさりげなくティッシュとかで拭いてあげるのが良いんだよね……手で取ってひょいぱく、だとお嫁さんっぽい感じで良いってのも言ってたっけ……口でなめ取るとエロイって言うけど、どうなんだろ。さすがにやり過ぎじゃ……いやいや、小さなチャンスも逃さずに……いやいや、焦っちゃ駄目だって。引かれたらこれから気まずくなるんだし、ここは少しずつ積み重ねよう)」 「ちょっと動かないでね……ふふ、ほっぺに付いちゃってるよ……ん、あむ……ふふ、そんなに慌てて食べなくても大丈夫だから、ね?」 「(おーー、やっぱりこれが正解か! 顔真っ赤にして、恥ずかしそうにしてる……か、かわええ、何これ萌え死ぬんだけど……って、顔に出しちゃ駄目駄目。頼れるお姉さんでいる、この子とイチャラブ出来る関係を持つ……『両方』やらなくっちゃあならないってのが『私』のつらいところだな。覚悟はいいか?私はできてる……って、覚悟決めてもやることないんだけどね)」 「ん、お粗末様でした。それじゃ、後片付けするから何かする? ……ふふ、それじゃ映画でも見る? うん、そこの本棚に入っているから、適当に選んで見てね」 「(……良し、まずは第一のトラップが発動! 棚の映画は色んなジャンルがあるし、名作と名高い物ばかり……だが、それら全てに濃厚なラブシーンが入っている! これを2人で見る事で何とも言えない雰囲気になればそのまま雪崩れて……んふふ、さーて、どうなるかなぁ……楽しみだなぁ……♪)」 ;3秒程度間 ;長いので、ここでいったんファイル区切り