;後日 「はぁ……えーと、進路と言われてもまだ決めてないんですけど……」 【恵】 「練習試合からしばらくして、進路調査……正直、進路なんて具体的には考えて無い。教師に怒られるような成績ではないが、トップクラスでもない……かと言って、就職するというのもあまり考えられないし……」 「すいません、部活の方に夢中になってたので……え、そうなんですか?」 【恵】 「言い訳をしようと部活を引き合いにだしたら、意外な事を言われた。どうにも、私は周りから弱小の部活で健気に頑張るマネージャー的な認識らしい。また、この前の練習試合で僅差で負けたりと今までよりも成績が良くなってそれも私が頑張ったからじゃないかとかなんとか……それもあり、ある程度の成績を維持出来れば推薦での進学も有りだと言われた」 「……そうですね、ある程度っていうと……あ、それくらいなんですか……」 【恵】 「言われた成績は……今よりは良いけど、ちょっと勉強の時間を増やせば簡単に達成できそうだった。正直、ただセックスが出来る便利な女よりは憧れのマネージャー的な立場の方がちやほやされるだろうと思って頑張ってきただけで部の成績なんて気にしたことがなかったけど……これは渡りに船だった」 「そうですね、じゃあそれで頑張って……え……」 【恵】 「恐らく、思いつきだったんだろう。教師とか向いてるかもしれないから、そういう資格を取るのも良いんじゃないかと担任が言ってくる……そして考えてみれば、それは私にとって色々と望む物が手に入る職業だった」 【恵】 「女の教師となれば、相手は学生……人目を引くほどの美人ではないが、見た目で嫌がられた事も無い。なら、また今のマネージャーをしているようにしていれば……今よりももっと色んな人間が自分をちやほやしてくれる……しかも相手は年上から年下まで選り取り見取り……なんて素敵な状況だろうか」 「……ふふ、そうですね。教師を目指してみようと思います……ええ、せっかく先生がそう言ってくれたんですから、なら自分にあった所に行こうかなって……ふふ、そうですね。もうちょっと考えてみますけど、もし他に良い案がなければそうしようと思います」 【恵】 「全部が全部思い通りになる、なんて甘い妄想はしていない。ただ、それでも……これから先も今のように『特別扱い』をしてもらえるのであれば……一度覚えた蜜の味。それを忘れる事なんて私は出来ない……だから、これからも……私は自分が思うがまま、自分の望む未来を手に入れる為に……頑張ろうと思う」 ;3秒程度間