「一丁目八番地四号の日向(ひなた)さん。」 作 184 【一丁目八番地四号の従姉】 (春BGM) 春。 新生活の季節。 実家を離れ、親戚の日向家に下宿して高校に通う事を選択したあなた。 某アニメのように、まったりゆるゆるに過ごせれば最高だと、あえて選んだ田舎でのスクールライフにワクワクしっぱなし。 元々、あなたの実家と日向家はお隣同士でした。 あなたの実家が引っ越してしまうまでは、かなり仲良くしていた…らしいです。 というのも、引っ越してからはすっかり疎遠になってしまい、正直、当時の記憶が怪しいからです。 今回の下宿が決まったのは、親同士が定期的に連絡を取り合っていたおかげ。 そして、今日はいよいよ出発の日。 あなたは母親に訊いた住所をスマフォのナビに入力します。 (SEアリ) …県、…町、一丁目、八番地、四号…。 準備完了。 久しぶりに訪れる日向家。 ついに始まる新生活。 興奮が止まらないあなたなのでした。 【従姉の日向さん】 (バスSE) 電車とバスを乗り継いで、数時間。 ようやく日向家まで、目と鼻の先と言える距離にまでやってきました。 (のどかなSE) バスを降りると、空気の匂いが違います。 (のどかなSE) 周囲をゆっくり、見渡します。 バス亭自体、あまり利用した記憶がないのもあって、 褪せた記憶と重なる景色がありません。 強いて言えば、今立っているひび割れた県道に見覚えがある程度。 電波が圏外にならない事を祈りつつ、残りの道のりを歩き始めます。 (歩きSE) 道沿いに、わずかな建物があるものの、のどかを絵に描いたような風景。 歩いていくにつれ、 褪せた記憶と重なる景色が増えていきます。 一面の田んぼと畑。 小さな踏切。 白いトラック。 コイン精米機。 無人販売所。 トタン壁の懐かしい看板。 ぽつぽつ建っている民家。 山の輪郭とその向こうにある山の稜線。 なにもかもが重なっていきます。 懐かしい気持ちが高まっていきます。 そして、右手の先に見えてくるのが、目を引くような赤い屋根。造りのしっかりとしたお屋敷。 思わず顔が上がります。 はっきりと見覚えがあるそれは、間違いなくお隣だった日向の家。 確信した瞬間、一気に記憶の扉が開きます。 お屋敷の記憶。 お屋敷に住んでいた五人の家族。 お屋敷で遊んだ思い出。 四つ年上の従姉との思い出。 怒涛のフラッシュバック。 特に、従姉の姿が鮮やかに蘇ります。 ショートカットの印象そのままの元気の塊だった従姉。 ボーイッシュな彼女に連れられ、遊び回った思い出。 (砂利) 門の前に敷かれた砂利を踏みしめた音で現実に戻ります。 ついに、到着…! お屋敷の門に掲げられた分厚い表札を見つめます。 墨痕淋漓(ぼっこんりんり)な「日向」の二文字。 従姉の名前が口をついて出ます。 日向…さちか。 そうです。 あなたは、さち姉…と、呼んでいました。 「久しぶりっ!」 思考を遮る、明るい声。 「何年ぶりだっけ? うっわぁ…。 こんなにおっきくなっちゃってぇ…。 けど…。 面影あるね~~。 ひと目でわかっちゃった(笑)」 満面の笑みであなたを出迎えてくれたのは、さち姉本人…のようでした。 本人だと断言できないのは、記憶のさち姉とはあまりにかけ離れていたからです。 ショートカットでボーイッシュだった面影は皆無。 今、目の前に立つ美女はポニーテール。 身長はそれほど伸びた印象はありませんが、 春ニットを豊かに盛り上げるスタイルは、女性らしいにも程があります。 そこはかとなく漂ってくるいい匂いも相まって、クラクラ。 ひと目で、釘付け。 見惚れて、立ち尽くしてしまいます。 それ程の美人がそこにいました。 「ん、どうしたの? ボーっとしちゃって。 あぁ、長旅で疲れちゃった? ごめんごめん(笑)。 遠いとこから、お疲れ様。 今日から、自分のお家だと思ってゆっくりしていいからね♪」 ただ見惚れていたと言えるわけもなく、 さち姉に先導されるようにお屋敷の中へ。 (門) 前を歩くさち姉の後ろ姿は、記憶の中のさち姉に近いものがありました。 (砂利/扉) 「お部屋はね、廊下を突き当たって左」 (廊下) 「こ~こ。 おじいちゃんの部屋だったけど、亡くなってからずっと、空いてたんだよね」 (障子) 「もちろん、掃除は毎日してたよ?」 おじいちゃんの顔は正直曖昧ですが、 亡くなった、というのは、以前、母から聞いた覚えがありました。 「…いいよね?」 あなたは一も二もなく頷いて、荷物を畳に下ろします。 年季が入ってるけど、広くて安心できそうな和室です。 「よかった。 でもさ、こっちで高校に通おうなんてね~。顔を見るまで、絶対冗談だと思ってた(笑)」 ポニテを揺らしながら、さち姉は笑顔で語ります。 見覚えがある笑顔。 見ているだけで元気になれそうな笑顔。 成長しても笑顔だけは変わらない。 あなたの知ってるさち姉が目の前にいました。 「冗談じゃなくて、よかったかも♪」 今、ドキッとしたのは内緒です。 「それじゃ、疲れに効く、とびきりのお茶を持ってきてあげる。 待ってて」 手を軽く振って、さち姉は軽やかに部屋を後にします。 (遠ざかる足音) 不意に訪れる静寂。 さち姉の残り香に、新しく始まる生活を実感します。 改めて、長い時間を過ごす事になる部屋をぐるりと一瞥(いちべつ)。 畳の上に横になって、手足をぐっと、伸ばします。 畳のしっかりとした寝心地に身を委ねつつ、天井を見上げます。 見覚えのある…木目模様。 さち姉とおじいちゃんと、この部屋で川の字になったのを思い出します。 いろんなものに見える木目模様に、広がりつづける会話。 そのうち、だんだんと眠たくなって、三人共に寝入ってしまった思い出。 在りし日の再現…。 か、どうかはわかりませんが、 木目模様のまどろみ効果に旅の疲れも相まって、あなたの意識はうとうと…。 眠りに落ちていきます。 【従姉の膝枕】 夢…。 あなたは夢を見ます。 それは、さち姉との夢。 夢の中のあなたも、横になっています。 ただし、 夢の中のあなたは、 ふわふわのふわふわ…。 畳で寝ているのとはまったく違う、対極の感触に包まれています。 「あはっ。 膝枕どぉ? きもちいい??」 さち姉? 膝枕…?! あなたは、思い出します。 膝枕を初めて知った日を思い出します。 父に母がしてあげたのを見て、気持ちよさそうな姿にドキドキ、憧れた。 結果、照れつつも好奇心に負けて、さち姉に膝枕をねだった。 今では考えられない、大胆すぎる行動。 しょうがないなぁ、と言いながら、 笑って応えてくれたさち姉。 四つ上のさち姉が、最高に大人に見えた。 初めての膝枕に、興奮が止まらなかった。 膝枕初体験がさち姉なのでした。 この夢は、その時の再現…? がばっ。 夢の中のあなたは、思わず跳ね起きます。 「ちょっ?!」 目を白黒させるあなたに、目を丸くするさち姉。 「どぉしたの…? ビビっちゃった??(笑)」 膝枕をしていたさち姉は、 さっき久しぶりに会ったばかりのさち姉でした。 声を出して驚くあなたでしたが、 その声が予想以上に高い事にさらに驚きます。 今の声は明らかに、当時のあなたの声。 自分の手足に目をやると、明らかに小さくて、ますます混乱。 整理すると、 体は当時のあなた、意識は今のあなた。 ということのようです。 現実にそんな事はありえませんが、 今のあなたは夢の中にいますので、それも…可能。 興奮した初めての膝枕体験が、ドリームなシチュエーションでリバイバル…! 「自分からねだってきたくせに、 いざとなったら意気地がないんだ~~(笑)。 もぉ~~~。 さちかの気が変わる前に、ホ、ラ、(パンパン)」 可愛い顔で口を尖らせながら、太ももをパンパン。 あなたをいざなう、さち姉。 たまりません…。 実にたまらないのですが、 そこまでされたら、逆に照れてしまうのが、あなた。 それでも…! 膝枕というご褒美を逃すわけにはいきません…。 あなたは、克己心を忘れて、 頭をさち姉のふとももに近づけていきます。 その速度は、まるで亀。 じりじりと接近していく姿はあなたらしいといえばあなたらしいかもしれません。 「えいっ!」 痺れを切らしたさち姉は、近づいてくる頭を掴むや、一気に、太ももにライド・オン。 むぎゅ。 強引に、太ももへ寝かせてしまいます。 膝枕の完成です。 「んふふ。 これでよしっ♪」 あなたを受け止める、さち姉のふともも。 緊張しっぱなしのあなたでしたが、ふわふわでふわふわしているのだけはわかりました。 「…ど~お?」 ふわふわでふわふわ。 しかも…。 ふにふにでふにふに。 柔らかい。 「さちかの膝枕…、キモチイイ?」 膝枕の柔らかさに夢中のあなたに、さち姉の問いかけは届きません。 「だ、大丈夫?? もしかして、痛くしちゃった??」 無理矢理な膝枕から、ぴくりとも動かないあなたを心配そうにじっと見つめます。 「なんか、めっちゃ、静かなんだけど…」 心配な表情を浮かべるさち姉をよそに、 あなたは世紀の発見をしていました。 膝枕は、柔らかくて、あたたかい。 つまり、異性の体温をこんなに間近で感じる事のできる神スキンシップ。 心の底から感動が湧き上がります…。 「もしも~し?」 微かに震え始めたあなたに慌てて、 腰を振るようにして、ふとももをうねうね動かせてみせます。 「起きたいなら起きていいから…っ」 突如、あなたを襲う、ふともものうねり。 頭は揉まれるように揺れて、小刻みに擦れていきます。 (擦れる) これは…。 メロメロになる、新感触。 (擦れる) 「ん…っ。 ンン…??」 (擦れる) メロメロ間違い無しの、新感覚。 「膝枕って…、する方もいい…かも??」 太ももで擦られるあなたの頭の感触に、さち姉の心の琴線も触れたようです。 (擦れる) 「あったかいし…」 (擦れる) 「なんか、落ち着く…」 さち姉は、もぞもぞさせたり、 「ぁ………ッ」 もぞもぞさせなかったりして、 「ン…………っ」 じっくり、膝枕の感触を確かめます。 (擦れる) 何度も何度も確かめます。 (擦れる) お陰で、あなたはますますメロメロ。 (擦れる) メロメロが、心地いい。 (擦れる) メロメロで、心地いい。 (擦れる) 心地がいい。 (擦れる) 心地がいいのに、 なにか、ムズムズ。 (擦れる) 心地がいいのに、 次第に、ムズムズ。 (擦れる) おかしな感覚に気づきます。 (擦れる) 心地がいいのに、 なぜか、頭の中がぐるぐる。 (擦れる) 心地がいいのに、 徐々に、頭の中がぐるぐる。 (擦れる) おかしな感覚を自覚します。 (擦れる) ムズムズして、ぐるぐる。 心地がいいのに、落ち着きません。 (擦れる) ムズムズして、ぐるぐる。 心地がいいのに、落ち着きません。 (擦れる) 当時のあなただったら絶対にわからない、ムズムズした感覚。 大人になればわかる、感覚。 (擦れる) それが高じて、 反射的に、もじもじ。 膝枕の上を、右に、左に、寝返り始めます。 無意識に、もじもじ。 膝枕の上を、右に…、左に…、寝返ります。 無自覚に、もじもじ。 膝枕の上を、右に…、左に…、寝返りまくります。 (右に左に) 「そ、そんなっ、動いたら…くすぐ…ったい……ってばぁ」 さち姉の声のトーンに、おかしな感覚が、ますます、アップ。 体の奥からムズムズして、ゾクゾクします。 寝返りが止まるどころか、余計に激しくなる始末。 (右に左に) 今のさち姉の声をもっと聞きたい。 不埒のカケラもない、純粋な気持ちがあなたを突き動かします。 (右に左に) 「…っ?! くすぐったいからぁ…。 ダ、ダメぇっ!」 激しい寝返りアタックに、さすがのさち姉も降参。 ガマンできず、がっと頭を押さえつけます。 (SE) しかも、両手でがっしりホールド。 当然、ほっぺたがふとももにムギュっと密着。 力いっぱい、密着。 密着してわかる、さち姉のドキドキ。 初めて、さち姉もドキドキしてるのがわかりました。 ドキドキ倍増。 密着でドキドキがドキドキ。 ヤバイ。 膝枕、ヤバイ。 さち姉の膝枕、ヤバスギ。 生足の膝枕のヤバさを、実感しまくり。 肌と肌のぬくもりが合わさって、ドキドキが重なり合って、 究極で無敵のスキンシップ。 ずっと、このままでいたい。 このまま、さち姉に膝枕されたい。 しみじみ、そう思いました…。 「…イイ……」 さち姉の声に、微妙な色が含れます。 押さえつけてた手が、ふっと緩むと、 さっきまでとはハッキリ違うとわかる、優しい感触に変わり…。 (撫でる) 優しく撫でられていました。 「なんだかね、こうしたくなる…」 初めての膝枕にやられまくったあなたに、さち姉の母性が開花したのかもしれません。 「膝枕って…フシギ」 上はナデナデ、下はドキドキ。 図らずも、これ以上ない、幸せのサンドイッチ。 上も下も、幸せでたまりません。 「いい子…、いい子♪」 囁く様な、甘い声。 「いい子…、いい子♪」 さち姉の、囁きストロベリーボイス。 「いい子…、いい子ぉ♪」 それがまた、イイのです。 心に染み入る、さち姉の、囁き。 心地よすぎ…。 心地いい、感触と感触。 加えて心地いいボイス。 癒やされます。 癒やされていきます。 「あは。カワイ…♪」 いつの間にか、満面の笑顔。 すっかり、甘え猫のあなたに、ニッコニコ。 「ずっとこうされたい?」 答えなんて、決まっています。 もっと、こうしていたい。 ずっと、こうされていたい。 声にならない声で、そう、お返事。 「いいよ…♪」 今まで聞いた事のない、さち姉の甘くて優しい声に…ノックアウト。 膝枕を続ける宣言に、興奮。 まだまだ続く事に、安心しました。  【従姉の耳かき】 ドリームなシチュエーションでのリバイバルは、まだ続きます。 さち姉は、どのくらい膝枕をしていたでしょうか。 さち姉は、どのくらいナデナデしていたでしょうか。 さち姉は、ふと、すべき事を思い出しました。 膝枕で絶対したかった事。 それは、耳かき。 おばあちゃんがおじいちゃんに。 ママがパパに。 やってあげてるのをよく側で見ていました。 する方の穏やかな顔。 される方の気持ちよさそうな顔。 なんとも幸せそうな二人に、ほっこり嬉しくなった。 いつかは、したいっ。 膝枕で耳かきをしたい。 白羽の矢が立ったのは、よく遊んでいたあなた。 あなたに膝枕をねだられた時。 チャンスだと思った。 だから、今。 このチャンスを逃さない。 あらかじめ用意しておいた耳かきを取り出します。 さち姉らしい、猫の手を模したカワイイ耳かき。 初めての膝枕に初めての耳かき。 初めてづくしだけど、やる気充分。 膝枕であなたはゴロにゃん化しましたが、 さらに、耳かきをしたら…? さち姉は、内心の興奮を抑えつつ、 耳かきをしやすいよう、あなたの頭を優しく横に向けます。 (SE) 「んふふ。楽しみ♪」 「ええと、まずは…、 中を…っ」 何度も見ていた耳かきの手順を思い出し、耳の中を覗き込みます。 「どれ…どれ…。 …。 ん…。 ンンっ?! ぅわっ…」 覗いてビックリ。 大量の耳垢に思わず…絶句。 「すごい…。 耳垢って、こんなに溜まるんだ…? …。 …ン。 けど…。 これって…、 逆に取り甲斐が…あるって事…!?」 耳垢まみれの汚耳(おみみ)にたじろぐも、一転、やる気をみなぎらせ、頬を上気させます。 ゴロゴロしっぱなしのあなたでしたが、 さち姉のテンションにようやく、何をされようとしてるかに気づきます。 耳かき…。 膝枕に、耳かき…。 膝枕で、耳かき…。 それが、どんなものか想像しようとして…、 できなくて、諦めます。 今が気持ちよすぎて、どうでもよかったというのが正しいかもしれません。 「がんばって、スッキリさせてあげるね…」 さち姉は、そぉ…っと、 耳かきのさじを、耳の中にくぐらせていきます…。 一気に高まる緊張感。 なんとも言えない一瞬。 (耳かきイン) 「溜まりまくった耳垢…。 かいて、 かいて、 かきまくっちゃう…!」 「入れて、かいて。 入れて、かいて」 耳かきが始まると同時に感じる、柔らかい二つの重み。 春ニットの胸を盛り上げる魅惑の曲線が、あなたの顔にずっしり。 それは、幸せなハプニング。 顔の上が、ぽよんぽよん。 顔の下が、ふにふに。 二倍の幸せ。 さち姉の太ももよりも柔らかい正体に、ドキドキが有頂天。 さち姉の背があと数センチ高くて、胸のカップもワンサイズ小さかったら、 こんな幸せは訪れなかったかもしれません。 あなたが興奮に震えているのも知らず、 そもそも、胸が当たっている事にすら気付かず、耳かきを続けます。 「抜いて、入れて。 抜いて、入れる」 初めてとは思えない手際。 「かいて、抜いて。 かいて、抜く」 筋がいい、というよりも才能。 「そして、 また、入れる」 耳かきの才能に満ちあふれています。 右に、くりん。 耳かきが踊る度に、かき出される耳垢。 左に、くりん。 耳かきが踊る度に、かき出されまくる耳垢。 くるくる、くるりん。 踊る度に、耳の中がキレイになっていきます。 同じところを踊り続けず、満遍なく踊ります。 「耳垢がいっぱいすぎて、キレイにするのは大変かなって思ったけど…」 あなたは、すっかり、いい気分。 「意外に…カンタンで夢中…♪」 膝枕とはまた別の、いい気分にひたります。 たまりません。 夢の中で、夢心地。 あなたの体は、無意識にピクピク。 悦びの、反応。 「あは。なんか、面白い♪」 耳かきが踊る度に、ピクピクします。 「耳かきで、そんな風になっちゃうんだ?(笑)」 さち姉の耳かきが、嬉しそうにひと跳ね。 「もっとしたら、もっとピクピク?」 さち姉の言うとおり、ピクピクしてピクピク。 ノンストップで、踊りまくりです。 「楽しぃ~♪ キレイになっていくのも…楽しかったけど、 ピクピクするのも、もっと楽しいかもっ(笑)」 「あ…っ。 夢中になりすぎて、 耳垢、なくなってた…(笑)。 ごめん。 キレイになったので、オシマイね…(笑)」 ハッキリと感じる、耳の中のスッキリ感。 圧倒的清涼感に、改めてノックアウトされるあなたなのでした。 【従姉の耳かき2】 「あっ。反対の耳もあるから、まだオシマイじゃなかったっ。 (嬉しそうに)こっちの耳も…やらないとねっ」 耳かきが片方だけで終わるわけがありません。 興奮冷めやらぬさち姉はその事にようやく気づきます。 「ぐるりんってして」 その言葉に、あなたはマッハで反応。 世界で一番柔らかい胸と膝枕のサンドウィッチの間を…くるっと反転します。 (SE) さち姉のぬくもり。 さち姉の弾力。 さち姉の、甘い香り。 男子の夢が一度に全部味わえる、至福のぐるりん。 何回だって味わいたくなる。 あなたは無意識のうちに、本能のままに、反転。 至福のぐるりんをもう一回。 (SE) もう一回が、さらに、もう一回。 (SE) 反転が反転を呼び、反転しまくり。 (SE) 柔らかサンドウィッチの狭間で止まりません。 「こ、こらぁ…! いいかげんに、とま、止まって……! 耳かき…、 するんだからぁ、 じっとしてて…。 しないとぉ…、 ダ…メっ。 ダメなんだからね…っ?!」 反転しまくるあなたに、必死の懇願。 「お、大人しくっ…、 しないと…。 できない。 耳かき、できない、 よ?」 耳かきができない。 どれだけの一大事なのか。 それに気づいたあなたは、光の速さで理性を取り戻します。 効き目ありまくりの一言に、さち姉も苦笑。 「わ、わかったなら…よかった…」 魅惑のふにぽよサンドイッチはそのままに、 ようやく、耳かきをリスタート。 「それじゃ、こっちの耳も始めるね…」 耳たぶをふにっとつまんで、忘れずに耳の穴をチェックします。 「ん…。 どれ、どれ」 澄んだ瞳をキラリと光らせ、耳の中をくまなく覗きます。 「あ…っ。 こっちの耳も…、いっぱい。 耳垢でいっぱいだぁ♪」 満面、こぼれるような笑み。 「ふふ。 こっちの耳も掃除のしがいがありそ。 ワクワク♪」 嬉しそうに猫の手の耳かきをペン回しさせてから、 耳の穴へ、イン。 (耳かきイン) 「耳垢の取りすぎはダメって聞いた事があるけど、 コレは、取らないとヤバイと思う…」 (耳かき始) さっきまでの踊るような耳かきとは打って変わって、 味わうような、耳かきの動き。 「片耳やり終えたからかな? さじがいい感じに動く…♪」 偶然にも、その動きこそ、f分の1ゆらぎ。 ヒーリングや快適感を与えると言われるリズムなのでした。 さち姉が耳かきをするだけで、癒される。 耳垢をすくう度に、癒やされていくのです。 一度の耳かきでここまで覚醒。 さち姉の隠された才能は、完全に開花。 耳かきの才能は本物なのでした。 耳の中から湧き続ける、癒やし。 それは、まるで絶える事のない湧き水のようです。 耳かきをされまくって、 今度は、ふわふわしてきます。 ふわふわ。 それ以外に例えようがありません。 そんな、いい気分。 い~い、気分。 癒やされて、ふわふわ。 ふわふわ。 あなたの意識が、ふわふわ。 ふわふわ。 眠りかけのまどろみにも似た、感覚。 ふわふわ。 癒やされて、まどろみます。 ふわふわ。 あなたの意識が、まどろみます。 ふわふわ。 これ以上ない、い~気分。 ふわふわ。 癒やされて、い~気分。 ふわふわ。 あなたの意識が…い~気分。 さらに、 さち姉の甘い匂いが、それを後押し。 興奮して体温があがったからでしょう。 膝枕の時は意識しなかった匂いを、強く、感じます。 香水以上の、甘い匂い。 さち姉の匂いで、い~心地が、倍。 こんな状態が続いたら、 今度は文字通り、ノックアウト。 眠りの世界へ、イッチャウ。 膝枕で耳かきをされながら、 ふにぽよのサンドウィッチをされながら、 さち姉の匂いに導かれるように、キモチイイ眠りの世界へと旅立ってしまいます。 夢の中の夢へ。 天国の芝生で日向ぼっこをするよりもあったかい、ぬくもり。あまやかな、心地よさ。 耳かきが癒やしの王様と言われるのも、納得。 納得すぎる、気持ちよさ。 さしずめ、今のさち姉は癒やしの女王。 そういえば…、 さち姉がいつからか、「いやしの日向」と呼ばれるようになっていたのを思い出しました。 癒やしと住所を掛けて、「いやしの日向」。 改めて、納得です…。 「♪~~♪ 絶好調ぉ。 自分でも驚いたんだけど、 耳垢を取るとね、 こんなに嬉しい気持ちになるんだね…♪」 耳かきは絶好調。:耳かき音抑えめ 弾んだ口調で、 耳輪の上部を揉み始めます。 無自覚癒やしプレイが、一気に爆発。 くにくに。 くに…くに…。 耳たぶを親指と人差し指で挟むようにして、くにくに擦ります。 くにくに。 くに…くに…。 耳かきの気持ちよさに、 新しいキモチイが掛け合わさって、ますます幸せ。 さらに、髪に手ぐしを通して、 後頭部あたりを指の腹で、くにくに揉み揉み。 くにくに。 くに…くに…。 くにくに。 くに…くに…。 耳かきの気持ちよさに、 別のキモチイイが重なって、どんどん幸せ。 いくつも積み重なった幸せも、いよいよ終盤。 甘やかすぎて、病み付きになる幸せの時間でしたが、 さすがに、永遠…とはいきません。 始まりがあれば終わり、あり。 「ん…。 ん~~?? あぁ…。 終わり…かな? あんなにあったのに、 全部、取りきっちゃっ…、 てない。 取りきって…なかったぁ。 奥の…、 奥の奥? 微かに、残ってる…。 これは、 確かに…、耳垢。 ラスト・ピース! よし…。 最後のコレを、 キレイにして、 ゴールしちゃうね。 ン。 落とさないように、 慎重に…、 さじをくぐらせて…、 あとは、 このまま…ゆっくり、 そぉ…っと、 すくえば…。 ゴール。 よ…、 ……っと! ゴーーーーーール♪」 これ以上ない喜びの声。 ほとばしる達成感。 「我ながら…うまくいった♪ いっちゃった♪」 思わず、耳かきを掲げて可愛くガッツポ。 からの…、 「ふ~~~~っ!」 歓喜のさち姉から繰り出される、まさかのひと吹き。 耳の中に勢い良く吹き込まれて、あなたは、ビクンビクン。 体を跳ねるようにして、夢の中の夢から戻ってきます。 最高の癒やし世界から、一瞬で帰還。 「うふふ♪ おはよ~。 いい感じに…寝ちゃってみたいなんで、 思わず、ね(笑)」 ほっぺをつっつきながら、 顔を赤らめてそう言うさち姉でした。 とはいえ、 幸せな目覚めである事は、疑いようもありません。 あなたにとって、これ以上ない人生最良の目覚めなのでした。 【従姉とお散歩】 さち姉との時間はまだまだ続きます。 ドリームなシチュエーションでのリバイバルは、終わりません。 (夕暮れジングル) 黄昏色の空。 お隣同士だったので、 遊んだ思い出は数あれど、 それとは、全く別。 黄昏時(どき)の思い出。 名付けるなら、思い出リバイバル。 さち姉と二人で歩いた思い出。 ある時は、学校の帰り道。 ある時は、気の向くまま、気が向くまま。 それに、いつも付き合ってくれたさち姉。 もちろん、付き合わされた日もありました。 嬉しい時は、喜びながら歩きました。 「あれっ。 すっごい嬉しそうな顔してる。 何かいい事あった? あったんでしょ?? めっちゃ、ニコニコしてる! いいね。 イイねぇ。 キミの笑顔って、なんか、イイっ(笑)。 人を笑顔にできる…笑顔? さちかまで嬉しくなっちゃう。 これからも、そのニコニコをよろしく(笑)」 楽しい時は、笑いながら歩きました。 「うふ。 あははっ。 あっはっはっは。 ん? 別にあなたの顔みて笑ったわけじゃないよ。 今日はね、なんだか、め…っちゃ楽しいの♪ …理由? ないっ(笑)。 そんなの、ナイないっ。 ただ、笑いたい気分。 めっちゃ、笑いたいっ♪ ふふ。 女の子って不っ思議~(笑)。 一緒に、笑お。 声出して笑うと、い~~気分だよ(笑)」 落ち込んだ時は、励ましてくれながら歩きました。 「もぉ…。 一度失敗したくらいで、そんなに落ち込んじゃってぇ。 さちかなら、最低三回? そのくらい失敗して初めて落ち込むけどな~(笑)。 だ~か~ら~、 (パン) 一回くらいで、めげないっ、負けないっ。 ほら、さちかだってついているからっ、元気だす~、出せぇっ★」 雨の日には、なぜか、隠れて泣きながら歩きました。 「さちかはね、男のコだから泣いちゃダメとか、ガマンしろとか、オカシイと思うの。 泣きたいときは、泣けばいいじゃん。 ね? 泣けばすっきりするモン。 だから、泣け泣け。 いっぱい泣けっ。 ちょうど雨降ってるし、バレないバレないっ」 さち姉と喜怒哀楽をわかちあった数々の思い出。 今だけは、一段と鮮明に思い出せます。 (風SE) さち姉のいい匂い。 鼻腔をくすぐる甘い匂い。 その匂いは、 当時も今も変わらない…。 一緒だという事に、気づきました。 【従姉と添い寝】 終わりの見えなかったドリームなシチュエーションでのリバイバルも、いよいよ…、最後です。 最後は「添い寝」の思い出。 添い寝体験をリバイバル。 膝枕や耳かきで寝落ちするのとは、また違う、寝物語。 さち姉に、いつ、どこで、添い寝をされたのかは、思い出せません。 思い出せませんが、添い寝をされた事だけは、こんなにも、鮮明…。 なんでもありの「夢」とはいえ、この鮮明っぷりは異常。 (寝返りSE) 脚が、さち姉に触れています。 腕が、さち姉の肌に触れています。 服の上からではなく、直接、触れています。 夢だけど、柔らかい。 リアルな、感触。 夢なのに、柔らかい。 リアルすぎる、感触?!    しかも、 鼻腔をくすぐる、甘い匂い。 これは、間違いなく…さち姉の匂い。 感触だけじゃなく、匂いも感じます。 ありえないくらいの、リアル。 さすがにこれは、夢とは思えません。 夢とはいえ、そんな事はありえない。 あなたは、おそるおそる、目を開けます。 夢の夢から、目覚めます。 …。 ……っ。 確かに感じる人の気配。 「(鼻息) すぅ…すぅ。 すぅ…すぅ。 すぅ…すぅ」 可愛い寝息を立てているのは、紛れもなく、さち姉でした。 「添い寝」の思い出は、まさかのリアルタイムで進行中。 無防備な可愛すぎる寝顔をゼロ距離で見放題。 そうなのです。 さち姉が飲み物を持って部屋に戻った時、あなたは既に寝落ち。 疲れを察し、起こさないようにタオルケットを掛けてあげるさち姉でしたが、 ふと目に入ったのが、あなたの寝顔。 成長を感じる、顔。 思わず見入ってしまい、いつの間にかうたたね…。 その結果が、この添い寝なのでした。 驚きの展開に、ドキドキが急加速。 意識してしまう分、甘い匂いも、さっきより濃密に感じます…。 鼻の奥から、頭のてっぺんまで、ジワジワ痺れるような感覚。 アイスにお湯をかけたように、理性がぐにゃぐにゃに溶けていきます。 ふにゃふにゃの馬鹿になってしまいます。 気絶してもおかしくない、酩酊感。 触りたい。 触れたい。 ギュってしたい。 ギュってされたい。 危険な思考がデンジャラス。 蕩けるあなたの頭の中は、デンジャラスでいっぱい。 理性と欲望のバトル。 息をするのを忘れてしまうほどの、ガチンコの戦い。 天使と悪魔のマジバトル。 一瞬の意識の空白。 無意識に、伸びる手。 やってしまったと、気づいた瞬間。 あなたの頭は、引っ張られるように、さち姉のふくよかな胸の谷間に挟まっていました。 「ん…♪」 頭は、まったく動かせません。 これ以上無い絶妙のタイミングで発動した、さち姉の寝ぼけハグ。 「ん~~……♪」 世界でイチバン柔らかな感触に、頭がパニック。 なんでこうなった? どうしてこうなった…?? もっともな疑問がものすごい速度で頭の中をグルグル回ります。 添い寝からのいい匂いでたまらなくなってハグされて柔らかくて幸せで幸せであったかくて柔らかすぎて幸せ。 グルグルした結果…幸せ。 さち姉のいい匂いで、あったかくて、柔らかい胸の中が幸せじゃないわけありません。 幸せすぎです。 「………んン…っ」 さち姉は寝ぼけたまま、あなたの背に腕を回します。 「引っ越しても…遊びに来るって…いってたのに」 囁く様な、寝言。 心臓が飛び出そうな現実。 「ち…っとも…こないし…」 あなたをハグする力が、地味に強い。 「このぉ…」 苦しいけど、嬉しい。 「………」 もはや、あなたは抱き枕。 「さびしか…っ………むにゃむにゃ」 寝ぼけたさち姉のハグが、どんどん強くなります。 「離さない………絶対…」 ヤバいがドンドン加速する、一方的な抱擁。 「絶対…の、絶対…なんだから……」 ぐいぐい抱きしめられる程、逆にあなたの力は抜けていきます。 「………」 力を脱力させる、甘すぎる抱擁。 「ンふ………♪」 力を解(ほど)く、甘々すぎる抱擁。 「ん……♪」 さち姉の満足そうな吐息は、次第に寝息へと変わっていきます。 「(鼻息:BGM) すぅ……すぅ。 すぅ……すぅ。 すぅ……すぅ」 ゆったりとした、寝息。 満足そうな、寝息。 いぃ、寝息。 心地い~ぃ、寝息。 甘~い現実に、心地い~寝息が重なって、スイートすぎる現実。 心地いいとか、 気持ちいいとか、 そんな簡単な言葉では言い表せません。 そんな単純な言葉では言い表せません。 甘くて。 甘くて。 甘くて。 甘い。 さち姉の胸の中で、 体が溶けていきます。 心が溶けていきます。 甘くて。 甘くて。 甘くて。 甘い。 さち姉の胸の中で、 体が蕩けていきます。 心が蕩けていきます。 甘くて。 甘くて。 甘くて。 甘い。 夢としか思えない、現実。 甘くて。 甘くて。 甘くて。 甘い。 さち姉という、天使の抱擁。 天使は存在した。 こんな身近に存在したのです。 さち姉に抱かれながら、 ふたたび、夢の中へ。 安らかな、夢の中へ。 新生活の一日目は、さち姉との添い寝で終わりそうです。 起きた時、さち姉が顔を真赤にして、何か言ってくるかもしれません。 ですが、あなたは何一つ、悪くありません。 完璧なる無実なので、安心してお休み下さい。 このまま、「いやしの日向さん」との添い寝を思う存分堪能しましょう。 そして…。 また、添い寝をして欲しいと思ったら、 その時は、素直におねだりしてみて下さい。 さち姉なら、きっと。 いえ、必ず、叶えてくれるはずです♪ あなたの新生活に幸多からんことを…!