私は小学校低学年の頃から『吃音症(きつおんしょう)』という言語障害に近いものを抱えながら生きてきました。発症の原因は今だに不明です。 学生時代はそれこそ、それが原因でイジメられたりもしました。何度も白い目で見られました。 今でこそ症状はだいぶ緩和してますが、小学生の頃は症状が特に酷く、まともに喋ることも困難でした。 それでも不思議と、少ないですが友人はできました。 彼らは私の吃音を気にすることなく、"普通に"接してくれました。 彼らにとって私の吃音は病気や障害ではなく、『個性』だったのです。 ただ人と少し違うだけ。そういう認識だったのかもしれません。 今では接客・販売業に長年従事し、人と話すことに対して昔よりは自信が持てるようにもなりました。電話にも普通に出られるようにもなりました(昔はコール音を聞くだけで怖くなり、電話に出られませんでした) 今でもどもってしまったり、異様に早口になってしまうことは多々ありますが……。 ミーちゃんも最初は自分に自信が持てず、それ故に自分から話しかけたり、積極的に友人を作ることができない子でした。 でも、そんな彼女も『クロ』に出会ったことにより自分を変える1つの『きっかけ』を掴み、変われました。 彼女にとって彼と出会ったことは幸運だったといえるでしょう。 1人で生きていくには人生はあまりに長すぎます。 転んだ時に手を差し伸べてくれるような人がいれば、長い人生も幾分か生きやすくなります。 その存在が友人であり、家族であり、愛する人なんだと思います。 そういった人たちが変わるきっかけを与えてくれる場合もあります。 もし、これを今読んでくださっているあなたが何かに悩み、自分に自信が持てないでいたら ミーちゃんにとってのクロのように 本作が、あなたが変わる1つのきっかけになれれば一番嬉しく思います。 また、そうでなくても背中をほんの少しでも押すことができたのなら幸いです。 人は変われます。 最初の一歩は怖く感じるかもしれません。 けど、その一歩さえ踏み出せれば、あなたは変われます。 ミーちゃんが変われたように。 人が変わるのに遅すぎるということは決してありません。 生意気言って申し訳ございません。 最後に、皆様の幸せを祈らせていただきます。 最後まで読んでくださり、ありがとうございました。 また次回作でお会いできることを楽しみにしております。 幸あれ。 著者:赤鈴