;波の音 ;フェードアウト 「んーーーー、やっぱ良いねぇ、こういうの! 青い空に白い雲、馬鹿みたいに暑くて海には最高、って時期だよね、ホント」 「……で、なんで上着なんか着てるの? ……はぁ……ほとんど残ってないのに、小心者っていうか、なんていうか……ま、おにぃが水着だけになっても浮いてるし? ……そりゃ、浮いてるでしょ。そんな身体真っ白じゃねぇ……ふふ、それともちょっと焼いてみる? ま、一回だけじゃたかがしれてるだろうけどね」 「……てか、さっきからジロジロ見てきて、何? あたし、どうかした? ……そりゃ、水着だし、ビキニくらい着るけど……肌の露出が多いって……あのね、水着着れば肌の露出が多くなるなんて当たり前でしょうが、何言ってんの?」 「……あーーのーーねーーー……はぁ、もう……そもそもさ、海に行くって時点で他の人も居て、んであたしがこういう格好するのだって判ってたでしょ? なのに、今更何言ってるの? ……ワンピタイプだと思ってたって……やだよ、あたしに似合わないもん」 「はいはい、他の男に見られたくないとか、そういう童貞らしい考えは忘れなって。あたし以外にも水着の女の人は居るんだし、別にあたしだけジロジロ見られてる訳じゃ無いんだからさ。ハッキリ言って意識しすぎだっての」 「それよりもほら、とっとと海入るよ。上着も脱いだ脱いだ! あったりまえでしょうが、少しは焼いて、らしくしなっての。ちょっとくらいは小麦色になった方が健康的だしね」 ;波の音フェードイン、フェードアウト ;3〜5秒程度間