■プロローグ 冤罪?冤罪じゃないですよ! だって、あの人、連行してる時も彼女の事ずーっとイヤラシイ目で追ってましたから 触られるのだって、時間の問題だったと思いますよ? それを早期発見、未然に事件を防いであげたんですから―――社会の為――ですよね? ふふ、あの人が「お姉さま方」に捕まってどんな目にあったか―― 想像するだけでゾクゾクしてきちゃいます――ふふ 私――その――いつもみたいに――学校に行かなくちゃいけなくて いつもの時間の――いつもと同じドアから――電車に乗ったんです いつもと同じ――満員電車で――ああ――またかって思ったんです そしたら――その――急に――その―― おしっ――お尻を、あの――触られているみたいな―― 最初は勘違いだと思ったんです―― でも――不自然にくっ付いてくるから―― 声に出して――言えばよかったんですけど―― でも、騒ぎになったらどうしようって―― 身動きも取れないから――誰かわからないし―― うう――怖くて――声も出なくて―― そしたら――その人が―― 「止(と)めないってことは、こういうの、好きなの?」って―― 違うって、私首を横に振ったんです―― でも聞いてくれなくて――それで――手が――手が―― その――胸元に―― もうやだ――なんで私がこんな目に――