◆タイトル『しかた姉ちゃんは今日も往く』 ◆あらすじ  こがねちゃんは、弟が大好き。今日も弟の家へ、いざ往かん ◆登場人物 ・弟くん:20歳の男性。今は学生の身。姉の過度なスキンシップには、ほとほと困っている。ほんと、しかも目のやり場とか、世間の目にも色々困るのでやめてほしい。そろそろガツンと言ってやらねば……と思って早幾年。  昔から母親のように面倒を見てくれていたことや、今も大学の学費の一部を姉が負担してくれているのも知っているし、尊敬はしている。もちろん、大切な家族としての愛情は持っている。 ・こがね:20台中盤〜後半の女性。 弟を溺愛している。目に入れてもいたくないし、出来ることならポケットに入れて持ち歩きたい。弟の運動会の父兄参加の二人三脚で一位を取ったし、誰も頼んでないのに大きな橋の上から川に飛び込んだし、クレーンゲームにも万円単位でつぎ込む。  酒にめっぽう弱いくせに飲みたがるので、現在、弟から禁酒令を受けている。弟は非常に心配しているが、色々と勢い余ってそろそろ結婚相手が見つからないかな、とも考えている。 ◆あらかじめストーリーで提示されないが、必要そうな部分 基本的に、弟くんを愛してやまない犬系の女性です。でも、お互い大切な家族なのです。 下ネタや、際どい台詞を吐いたりしますが、弟くんを信頼しているからこそ。 こがね的には、すべてを愛して止まないだけです。 あと、今日はこがねちゃん、弟の好きな髪型に変えてきました。 ? ◆パート分け 0.プロローグ 1.いれて欲しいの 2.こんなの初めて 3.触ってみて 4.寝ているところ 5.やり過ぎかな 6.いつもより早い 7.しかた姉ちゃんは今日も往く ? ◆本編 0.プロローグ うーん、ちょっと遅くなっちゃった。 けど……ふふっ、あの子、今日の私を見たらどんな顔するかな? 行く、って言わずに来ちゃったけど……まあ大丈夫だいじょうぶ。 優しい子だし、よくあることだし! 家に居ることも、ばっちりリサーチ済み! ふふふ、いま会いに行くぞぉ! ? 1.いれて欲しいの やっほー、会いたかったよー、お姉ちゃんが来ました! なんで! なんで閉めるの! お願い! 入れて欲しいの! お願い! 入れて! あっ、入れてくれるの? もう待てない、お願い、入れて! お願い、何でもしますから! わかった、黙る、お姉ちゃん黙るね! 入って良いの? ありがとう! ただいま! もうー、会いたかったよ〜! お姉ちゃんはしばらく会えなくて寂しかったけど……キミはどうだったかな? 別に……。 だって〜、可愛い〜。 もう、素直じゃないなぁ。 ほら、もっと近づいちゃうぞぉ。 じわり、じわり……。 ふっふふふふふふふ……。 はい、捕まえた! んふふふふ、あぁ、抱きしめるこの腕の感触……あぁ! まぁまぁ、減るもんじゃないんだし、もうちょっとだけ。 もうちょっと……あと20分。 えー? かなり譲歩したんだけどなぁ……。 あぁー、ちょっと前までは、お姉ちゃんのほうが身長高かったのになぁ。 成長を感じる……。あー、すりすり……。 まぁまぁ……。ふへ、すりすり。 そんなに恥ずかしがらなくても良いじゃん。 やわらかい? いい匂いする? おっぱい当たって恥ずかしいの? んふふ……成長しちゃった? お姉ちゃんは気にしないよぉ。 お姉ちゃんは何でも知ってるから! どれだけ君のことを見守ってきたと思ってるの? 幼稚園の頃、公園の砂場で仲良しの子に告白して振られたことも、 小学生の頃、好きな子に意地悪して本気で嫌われちゃったことも、 中学生の頃、はじめて友達からエッチな雑誌を借りてきたことも、 高校生の頃、レンタルビデオ屋さんのレジで年齢詐称がバレたことも知ってるよ! うん? これ言ったのって初めてだっけ? お姉ちゃん凄いでしょ? さらに言えば、好きな体つき、顔つき、年齢感、 コスチューム、肌の色、シチュエーション、 更にさらに前なのか後ろなのか、そして前からなのか後ろからなのか、 その他嗜好も完全網羅! あっそうだ! お姉ちゃん髪型かえてみたの! どう? 似合うかな? ほんと? ありがとう!  えへへ……キミにそう言ってもらえると嬉しいなぁ。 美容院に行った甲斐があるよ! 今までの髪型も楽で良かったんだけど、 やっぱりキミの好みに合わせようかなって。 今日、玄関のドア開けたとき、びっくりしたでしょ? 可愛かった? 理想の女性がそこに居た? ドキドキした? んふー……成長しちゃった? ……もう! ねぇねぇ、黙ってないで教えてよー。 可愛かった? お姉ちゃんのこと好き? お姉ちゃんはキミのこと大好きだよ! えー、そんなこと言わないでよぉ。 ほらほら、もっとギュってしちゃうぞ! いいじゃん、家族なんだし、愛情表現だって! あっ……。 えっ? あれ……えへ、ちょっと、怒っちゃった……? ごめんね、ちょっとお姉ちゃん調子乗っちゃったかなー……? えっ、と……ごめんね、ほんとにごめん。 えっと、あの、あっ……んぅ……。 お姉ちゃん……ちょっと、シャワー、浴びてくるね……。 ? 2.こんなの初めて どうしようどうしようどうしよう……。 やっちゃった、嫌われちゃった……。 こんなの初めて……最悪だ、どうしよう。 終わった……駄目だ。 もう石鹸を踏んで頭から転ぶか、リンスを誤って飲み干すしかない……。 ……あっ、駄目だ、あの子ボディソープ派だ。しかもリンス・イン・シャンプーだ……。 はぁ……かわいい。 そうじゃない、どうしよう。 もう舌を噛み切るか、シャワーで溺れるしかない……。 どぉ、どうすれば今まで通りの、大好きなお姉ちゃんポジションに返り咲くことが……。 {吐息} ううん、違う。 まずはちゃんと謝って、許してもらわないと。 それから、この数値化できない愛を、改めて伝えるの。 よし、じゃあ早く出ないと…… ? ふああぁっ!? あ、あぁ、ううん、大丈夫。どうしたの? あっ……。 ちょっと待って……。 お姉ちゃんから謝らせて欲しいの。 ごめんね、お姉ちゃん、やり過ぎちゃった。 面と向かってあんなこと言われたり、やられたりしたら、誰だって恥ずかしいよね。 お姉ちゃんだって、自分が同じ立場になったら……。 ん? いや、お姉ちゃんなら嬉しいんだけどね? あっ、ううん、でも、今度からは、ちゃんと気持ちを考えて行動するね。 ごめんなさい。 いいの? ……ありがとう。 うふふ、悪いのはお姉ちゃんだったんだから、謝らなくても良いんだよ? もう、ホントに可愛い子……。 でもね、お姉ちゃん寂しいんだ。 こうやって週に一回しか……二回……今週は三回かな? え、四回? ……四回しか会えないのが……辛いし、寂しいの。 うーぅん、それでも足りないの! だから、大好きが溢れちゃって、止まらなくなることがあって……。 でも、これからはお姉ちゃん頑張るからね! 頑張って自分でどうにかするから! 自己処理するから! えっ? ホントに? 今まで通りで良いの? ほんと? やったあ! ありがとう! お姉ちゃんとっても嬉しい! そうだ! お詫びに裸見る!? ドア開けてもいいよ! はっ!? じょ、冗談です、気をつけます! ……ふふっ。 うん、わかった。じゃあ温まってから出るね。ありがとう。 ? よかったぁ……安心しすぎて途中で泣いちゃうかと思ったー……。 ……よく考えたら、お風呂場のドアって向こう見えるよね。 夢中だったから立ち上がっちゃったけど、これ色とかも結構分かっちゃうよね。 うわー、どうしよ、そう考えたら、急にめちゃくちゃ恥ずかしくなってきた……! あっ……なんか、成長しちゃいそう。 はぁ……。 {お湯の中でブクブクする的な音。5秒ほど} {最後の、はぁ……の語尾を伸ばしてブクブクに繋げるテイクも一緒にお願いします} ? 3.触ってみて ふあーっ、お風呂お先に戴きました〜! ん? そんなに遅かった? いつもこれくらい入ってるよ? うん、普通ふつう。 あっ! お酒飲んでる! ずっるい! お姉ちゃんには禁酒令だしてるくせに! ちょうだいちょうだい! ひとくち! えっ……新しいの? 貰っていいの? そっか……って言うか、飲んでいいの? えっ、ホント? あ、じゃあいただきますぅ……。 あっでも、お姉ちゃんがその飲みかけを貰って、キミがこの新しいのを飲んだ方がWin-Winなんじゃないかな。 あぁぁごめんなさい何でもないです戴きます! {連続五口、飲む声+飲んだ後の的な音声} アルコールだぁ……アルコールが血中に流れていくのが分かる! んふふ、おいしいねっ! あっ、そっかぁ。 もしかして、一緒に飲みたくて待ってくれてたの? そうなんでしょ? はっきり否定しないってことは、やっぱりそうなんだ〜? あ〜! よく見たらさっきの飲みかけ、一番上まで結露してるぞ〜? こ〜れはおかしいですね〜、飲みかけなら途中から結露するはずですよね〜? お姉ちゃんを待ってて、でも待ってたのがバレると恥ずかしいから、 蓋だけ開けて、さも待っていなかった感を演出……? ああああぁ……なにこれ、かわいい……んっ。 おっといけない! だめだめ、今のは無し! {二口飲む音+飲んだ後の吐息。これ以降含め、どちらも自然な感じでOKです} ふー、落ち着こう。 ん? テレビ見る? いいよー。 {二口飲む音+飲んだ後の吐息} おっつまーみ、おっつまーみ、乾きもの〜。 これ開けていい? やったー。 あ、この番組見たことある。 けっこう面白いよね。 あれ? でもウチで見た記憶がない……。 あぁー、そっか、ここで見てたんだ。 あぁー、そっかそっか。 あむ。なるほどねー。あむあむ。 {二口飲む音+飲んだ後の吐息} あはは……ふふっ。 ふふっ、何これ変なの。 あむ。んー。 あーむ。 おっつまーみ、おっつまーみ、乾きもの〜。ふっふふーふふ〜ん。 うっわー、すっご。 ね。すごいね、これ。お金かかってるー……。 あむ。んむ。 {四口飲む音+飲んだ後の吐息} うわ、うわわわわ、痛っそー……。 ゴッ、って言ったよ今、すごい音だったじゃん今。 うわー……こわ。 あー……こわ。 ちょっとチャンネル変えよ……? うん……。 {二口飲む音} ……んー? 無くなっちゃった。 ね……もう一本飲んでいい? やった〜。 よーいしょ。おぉととととっ、とっ、と。 うーん、大丈夫だいじょうぶ〜。 ちょーっと酔ってきたかもね〜。 えっとー冷蔵庫? うん、わかった、二本とってくるねー。 ? どっこだーろな〜。 うーーーーーーーーーんんん? 無いなぁ……。 うん〜? ん〜。 おっ、タコワサはっけ〜ん。 んふふふ、お姉ちゃんに隠し事は出来ないと、そう言ったのがまだ分からないのかね……。 ん〜。無いなぁ。 ねー無いよー? 下のほぉ〜? しったのーほ〜、しっものほ〜、ふっふふーふふ〜ん。 ん〜? 下〜? ないじゃ〜ん……。 ねー、なーいー! なーんだ野菜室かぁ。 もう、最初っからそう言ってくれれば良いのに。 そーんなにお姉ちゃんの後ろ姿とお尻を見たかったのかな〜? 言ってくれればいくらでも見せてあげるのになぁ〜。 触るのは……んー、当てるのは良いけど、触るのはちょっと駄目かな〜、えへへ。 あー、あったあった〜。 よーし。 たっこわーさ、たっこわーさ、ウネる足〜。あっとお箸〜。 ? もどりましたー。ドリンクでーす。 いえいえ。なんのこれしき。 今なにこれ? クイズ? {三口飲む音} んー……これは三番。間違いない。 ん? 知らない。 んー、ほらね、一番って言ったでしょ? いやね、お姉ちゃん調べでは三番だったんだよ? でも、世間が一番って言うんなら、それに合わせるのが世の常と言いますか……。 でもぉ、お姉ちゃんの中では、キミが1番、だ、ぞ! ばきゅん! んふふ。 あむ。んむ。 {三口飲む音+飲んだ後の吐息} あっ、ねぇ聞いてきいて。 んふー……そんなに聞きたい? 教えてほしい? んふふ……お姉ちゃん今ね……。すっごく……{息を吸う}脈が早いの。 触ってみて……ほら。 ね? ね? でしょ? あと、ちょーっとだけ眠い……んふふ。 {三口飲む音} ぷはー。 あーむ。おつまみーんもんもんも〜。 んー……これは二番。 これは知ってる。たぶん……。 あー、CM。んもー、絶対あってるのにー。 なんかのテレビでやってたもん……。 {二口飲む音+吐息} んー。ぜったい二番。 あ、これ持ってる。便利なやつ。 ……んーっと……おいしい。 ? 4.寝ているところ {吸気+呼気} {寝返り声・寝ごと} ? 5.やり過ぎかな ん……んー? ん〜っんあぁ……。 何時だろ……んぅ。 うぅっ。ちょっと寒い……エアコンのリモコン……。 んー……ないー……。 うーん。 うんしょ、うんしょ、うんしょ……ほわっ。 キミの背中を借りますねー。 ふっ、ふへへ……あったかい。 はぁ、大きくなったなぁ……ふふ。 よくもまぁ、こんなに育っちゃって。 小さい頃からずーっと一緒に居たのに……知らない間に、こんなに成長したんだなぁ。 ずっと見てたはずなんだけど、見てたつもりだったのかなぁ。 これからも、お姉ちゃんの知らないところで、もっともっと、成長していくんだよね。 お姉ちゃんは、今のままでも大好きだけど、もっともーっと、キミは素敵な人になれるよ。 きっとそのうち、優しい人と巡り合って、恋人になって……。 ……そしたら、お姉ちゃん、邪魔ものになっちゃうかな。 今みたいに、キミが呆れちゃうくらい、会いに来れなくなっちゃうのかな。 さびしいなぁ、つらいなぁ。 ……でも、祝福するよ。 キミの幸せが、お姉ちゃんの幸せだから。 キミが笑ってくれれば、お姉ちゃんも笑っていられる。 さびしいし、つらいけど……キミにはいつも笑っていて欲しい。 そしたら、最後には、お姉ちゃんも笑顔になれるはずだから。 ううん……きっと、笑顔になるからね。 ほんとはいつも、やり過ぎかな、って思うこともあるんだ。 でも、ちょっと暴走しちゃって、好きすきーってなっちゃう。 仕方のないお姉ちゃんで、ごめんね。 いつも、頼りになるお姉ちゃんでいるために、いろいろ頑張ってるけど、 お姉ちゃんは……私は、ホントは不器用だから。 あはは……今なら、こんなに普通に話せるのにね。 ……こんな私でも、キミは好きでいてくれるかなぁ。 ……ふぅ、まだ酔ってるのかな。 お姉ちゃん、眠くなっちゃった。 今日はおやすみなさい。 目が覚めてもキミに会えるなんて……嬉しいなぁ。 ? 6.いつもより早い おはよーう。 うん、おはよ。 あれ? もしかして、朝ご飯作ってるの? えっ、どうしよう、今日はいつもより早い時間だった!? あぁなんだ、よかった〜……ビックリしちゃった。 ……んー、でも、言ってくれれば、朝ごはんくらいお姉ちゃんが作るよ? そっかー。じゃあ、何かわからなかったら言ってね。何でも手伝うから。 んー、お姉ちゃんは何食べようかな〜。 ……えっ、お姉ちゃんの分もあるの? 本当!? えーっ、お姉ちゃん嬉しい! ありがとう! うへへ〜、朝から幸せだなぁ。んふふふ〜。 えぇ〜、そんな事ないよぉ、とっても幸せな事だよ〜? そうだ、お姉ちゃんコーヒー淹れるね! ふーふふーん♪ ふふふふーん♪ ふふっふふーん、ふーんふーん♪ はい、コーヒーどうぞ。お待たせしました。 あっ、そうだ、今日は夜、おウチにいる? じゃあ、今日も来て……良いかなー……なんて。 だめ? やった! 早めに帰れるようにするから、今日は晩御飯も一緒に食べようね! えっ? ……いま、ちょーっと聞こえなかったんだけど、もしかして、楽しみにしてるって言った? そうだよね? えっ、やだ、嬉しくてちょっと泣きそう……。 ……よし! じゃあ今日は、キミの愛でお腹も心も一杯にして、一日頑張らなくっちゃね! えへへ! いただきます! あっ、そういえばさ、こんなにキミのおウチに来てるんだから、 もういっそ、お姉ちゃんもここに住みたいなぁと思ってるんだけど。 えぇー、そんなこと言わずに〜! お姉ちゃん何でもしてあげるよ? 色んなお世話だってしてあげるよ? ? 7.しかた姉ちゃんは今日も往く じゃあ行ってきます! 夜は楽しみにしてるね! ふふふ、今日も泊まりに来る約束しちゃったもんね〜。 ふむ、これは実質、同居していると言って過言ではない……? うんうん……。 ほっ、よいしょ……。 よし、ゴミ捨てオッケー。 ん? 何だろ、携帯? あの子からメッセージだ〜…… んー、昨日起きてた、全部聞いてた、よ……? ぉぉぉぉぉあわわわわわわわわわ、ん? 今日も頑張って……はっ! 頑張ってだって! んふふふふ、頑張ってだって! よーし! お姉ちゃん、今日も君を想って頑張るからねっ!