……ねえ。あの子のことが好き?  ……そう。そうよね。  まあ、そんなの、聞かなくてもわかっていたことだけれど。  じゃあ、質問を変える。  貴方、私に利用される気はある?  その希少性を私達に捧げる代わりに、この星で生きていく気はある?  ……選択肢?  あるでしょう。別に弱いふりなんてしなくていいのよ。  この誘いを断って、一人で何とかやって行こうとするのも貴方の自由だわ。  ……私、貴方みたいなの、見慣れてるの。  貴方だって薄々理解していたんじゃない?  この街には『そういうの』が集まりやすいのよ。  そしてあの子は……こんなところに生まれてしまった、何も知らない、ただの親切な一般人なの。  ……そう。賢明ね。  いいわ。貴方を助けてあげる。  対価として、一人で生きていけるくらいの知恵と身分は授けてあげるわ。  しばらく時間はかかるでしょうけど……。  きっと、貴方がここへ戻ってこられる頃には。  私の手を借りなくても、あの子にもう一度会えるわ。  あら。積極的ね。  ……よっぽどあの子が好きなのね。  じゃあ、どう利用されるのか教えてあげる。  私の実験に付き合ってほしいの。  私はそうしたくても……絶対にできないから。