//01_先輩、お疲れ様です! お疲れでしょうし、肩揉みは如何でしょうか? 「あっ、先輩、お疲れ様です」 「……鼻歌……聴かれてしまいましたね、少し恥ずかしいです」 「先輩がそろそろお風呂から帰ってくると思ったら、つい嬉しくて……」 「やはり一日の疲れを癒すにはお風呂に限りますよね! シャワーだと少しだけ物足りなさを感じてしまいます」 「『あ゛ー』と言いながら湯に浸かる、それだけで明日も頑張ろうという気になったりもしますよね、先輩」 「あ、い、いえいえ、一番風呂はやはり先輩のものです。先ずは疲れている先輩からお風呂に入って頂かないと!」 「それに……先輩の後のお風呂は……先輩の空気とかそういうのが感じられて好き――」 「…………」 「……こ、こほん。今のは聴かなかったことにしてください、先輩」 「と、いうわけで……先輩、どうぞこちらに腰を」 「…………」 「えーっと……お疲れでしょうし、肩でも揉んであげようかな、という私なりの気遣いです」 「それに……私の楽しみでもありますからね、先輩の肩揉みをするの」 「ですので、遠慮せずにこちらにどうぞ」 「ふふっ、有難う御座います。遠慮しつつもちゃんと私の言うことを聞いてくれて、先輩は本当に優しいです」 「では、先輩の肩、失礼しますね。揉み方が弱過ぎたり強過ぎたりしたら言って下さい」 「先輩の肩……いつも頼り甲斐があって大きく見えるのに……実際に触っているとこんなに細くて柔らかいんですね」 「それに……さらさらでふんわりした髪からふわっと感じられる良い匂いも……」 「……と、この話は毎回してしまっている気がします。すみません、先輩」」 「……んっ……しょっ……と。やっぱり肩、凝っていますね。先輩は少し頑張り過ぎな気がします」 「もう少し肩の力を抜いて――と言っても、それでも先輩は頑張ってしまうのでしょうけれど……」 「それでも私は、もう少し肩の力を抜いて頑張って欲しいなあと思います」 「……肩の力を抜いて頑張って、というのも変な表現ですね」 「ですが敢えて言わせて下さい。もう少し肩の力を抜いて頑張ってください、と」 「……だってほら、先輩の肩、こんなに凝ってるんですから」 「肩こりの原因の1つにストレスもあるといいますし、やっぱり少しは肩の力を抜くべきですよ、先輩は」 「頑張っている先輩の姿を見ているのは大好きですが……あまり無理をして欲しくない、というのも本音ですから」 「ですので、やはり先輩はもっと肩の力を抜いて――」 「…………」 「……このままでは同じお話を延々と続けてしまいそうです」 「……先輩が肩の力を抜いて頑張れるように、私も……もっともっと成長して、先輩の力になれるように頑張らないと! ですね!」 「まだまだ未熟で先輩の足を引っ張ってしまうことも多いですが……出来る事からコツコツと、です」 「というわけで……今は、肩揉み、一生懸命頑張らせて頂きます!」 「……よいしょ……っと……うんしょ……っと……」 「……この辺が少し……凝ってるような……」 「……先輩? 肩の揉み心地は如何でしょうか?」 「痛くはありませんか? 揉まれて苦しくなったりは……」 「……していないのでしたら良かったです。私としても大満足です」 「私の手の力だとちょっと物足りなさを感じてしまうかと思いますが……肩に限らず、マッサージは強すぎずに行うのが良いと見たことがあります」 「なんでも、あまり強くしすぎてしまったり、下手にマッサージをし過ぎてしまうと『揉み返し』というのが起こってしまい余計に辛くなってしまうのだとか」 「……強く、は私の握力ではなかなか厳しいかもしれませんが、下手にですとちょっと自信が……」 「肩揉みなんて、先輩の肩をお借りしたことくらいしかありませんし……一応、あれやこれやと調べてイメージトレーニングはしているのですが……」 「先輩? 私の肩揉みは……大丈夫でしょうか? 後で実は肩が辛くなっていたりなどは……ありませんか?」 「有難う御座います。先輩は優しいのでそう言ってくれると信じていました」 「先輩は冗談は言っても嘘は……きっとつかないはずなので『私のマッサージは下手ではない』ということにして自信を持っておきますね」 「といっても、先輩以外の肩を揉む予定は今のところさっぱりありませんけれど」 「そういえば先輩? いつもこうして肩揉みをさせて頂いていますが……こう……先輩から何か他にリクエスト等は、あったりしないでしょうか?」 「先輩はいつも満足と言ってくれますが、やはり毎回肩揉みだけですとこう……マンネリ? 倦怠期?に入ってしまいそうですので」 「なので、何か他に要望があれば遠慮せずにお願いします。善処致しますので!」 「大丈夫ですよ、先輩。ちゃんと肩の他にも各種マッサージ等は予習済みですので、要望には応えられると思います!」 「というわけで先輩? ご要望を何なりとどうぞ!」 「……ふ、ふむふむ…………ふむ?」 「……お耳……ですか? それは耳の周辺をリンパマッサージする、というようなものでしょうか? それだったら私も見たことがありますが――」 「こう……お耳の周囲を指で揉み解したりなぞったり――」 「……あら、そのようなマッサージではなく、ですか? ではどのようなマッサージなのでしょうか」 「……ふむ……ふむふむ……」 「……な、なる……ほど……? さ、さすが先輩です。それは私も知らないマッサージです」 「先輩の仰る耳攻め?マッサージ?というのがどのようなものかイマイチ分からないので、あまり上手く出来るか分からないですが……先輩の疲れを癒すため、労を労う為に一生懸命頑張らせて頂きます!」 「……というわけで……先輩? 肩のほうも大分解れてきましたし……先輩のリクエストの『お耳のマッサージ』に移ろうかと思いますが――」 「あっ、解れてきたというのは私の手の感覚で分かる範囲で、ということなので、もうちょっと肩揉みを、というのでしたら続けても構いませんよ?」 「先輩、どうします? 肩揉み、続けます? それとも……」 「ほっ。耳攻めに移行して良い、ということはちゃんと肩揉みに満足して下さった、ということですね。良かったです」 「では、肩揉みはこれぐらいにして……」 「……えーっと……それでは、先輩? お耳攻め――耳へのマッサージ、させて頂きますね」 「……これをマッサージと言って良いのか、とても疑問の残るところではありますが……」 「先輩がマッサージと言うのであれば、きっとマッサージなんでしょう」 「先輩の仰ることでしたら間違いがありませんからね、先輩♪」 「と言うわけで、先輩? 先ずは……どのようにすれば良いか教えて頂けると助かります」 「少々お時間を頂けるのであれば、動画等で流れを確認させて頂きますが――」 「あっ、有難う御座います! さすが先輩です! 先輩が教えてくれるというのなら、これ以上に勉強になることはありません!」 「それでは先輩? お耳へのマッサージというのがどのようなものか私に教えてください」 「あまり自信はありませんが……私、頑張って覚えます!」 「えーっとまずは……」 「ふむ……ふむふむ……」 「……ふむ? ……ふむぅ……ふ……ふ、ふむ……ふむ……」 「……え、えええっ……そ、そんなことまで……ふ、ふむ……ふむ……ふむ……」 //////////////////////////////////////////////////////////// //02_そ、それでは……お耳に吐息マッサージ?させて頂きます 「……せ、先輩……お耳マッサージについての流れは理解出来たのですが……これは……レベルの高いマッサージですね……」 「い、いえ、無理とか不可能ということではなく、流石は先輩、難易度が高いマッサージをご存知だなあと思っただけです!」 「……ですが! 何事にも負けずに挑戦する先輩の後姿を見ている私です! 果敢に臆せずに先輩へのお耳マッサージ、完遂させてみせます!」 「あ、べ、別にちょっと臆していたというわけではありません……よ?」 「こ、こういう小さなところからコツコツと頑張っていかなければいけませんからね!」 「……こほん。では……」 『先輩? えーっと……これくらいの距離で大丈夫、ですか?』 『近過ぎて五月蝿いとか、そういうのは……ありませんか?』 『……眼鏡が当たって煩わしいとか、そういったことは……』 『それなら良かったです。それでは、先輩に教えてもらった通りに……お耳のマッサージを……』 『……本当にこれがマッサージになるのか疑問の残るところですが……』 『……では、先輩? お耳にマッサージ、させて頂きますね』 『……まずは……先輩のお耳に……』 『……す、少し恥ずかしいですが……い……いきます……』 『先輩? 少し擽ったそうにしていますが……大丈夫ですか? あまり心地良くなかったり……しませんか?』 『……不快そう、というわけではなさそうですので……このまま続きを……』 『先輩は……このようなマッサージをされてみたかったんですか?』 『こんな変わったマッサージをご存知だなんて……さすが先輩です』 『先輩は私の知らないことを沢山知っていて……本当に憧れてしまいます』 『先輩は……触れられもせずにお耳に吐息を吹きかけられるだけで……心地良いのでしょうか?』 『……と、思ったりもしたのですが……先輩の反応を見ていると心地良さそうですので、安心しました』 『先輩の肩を揉んでいるときも少しだけ胸がドキドキしているのですが』 『こうして触れもせずにお耳に吐息を吹きかけるのも……とてもドキドキしてしまいます』 『触れているときよりも距離があるはずなのに……どうしてなのでしょうか……』 『先輩のお耳に息をふーっと吹きかけて、そして息を吸い込んだときに感じる先輩の匂い……』 『……やはり、ドキドキしてしまうのはその先輩の良い匂いのせいでしょうか』 『それに……お耳に吐息をふーっとしたときの先輩の反応も……可愛らしくて胸を擽られてしまいます』 『……先輩? 今小さく吐息と一緒に声、漏らしませんでした?』 『……その……私も思わず声を漏らしてしまいそうなほど胸が高鳴ってしまいました』 『先輩?』 『……私、ちゃんと上手に先輩のお耳を心地良く出来ているでしょうか?』 『もっと優しくお耳に吐息を、とか』 『もっと強めに吐息を吹きかけて欲しい、とか』 『それとも』 『こうして右のお耳に吐息を吹きかけてほしいとか』 『先輩のご希望があれば、応えようと思いますが如何でしょうか?』 『ぞくぞくっとしながらもちゃんと答えてくれて有難う御座います』 『それでは……私のお任せで、続けさせて頂きますね』 『……先輩』 『先輩のお耳、何だか少し赤くなってきているように見えますね』 『心地良くて血行が良くなっている、のでしょうか?』 『それとも……もしかして……少しドキドキいるのでしょうか?』 『……私も少しドキドキしていますし、先輩もドキドキしてくれていたら……少し嬉しいかもしれません』 『……逆のお耳だと思ってちょっと驚きました? 先輩』 『……今の先輩の反応、可愛らしくて……私、嬉しくなってしまいます』 『先輩は……どちらのお耳に吐息を吹きかけられるのが心地良いのでしょうか?』 『こちらのお耳でしょうか?』 『それとも』 『こちらのお耳に吐息を吹きかけられるのが心地良いのでしょうか?』 『……先輩の反応、どちらも可愛らしくて私にはまだ判別出来ないのですが……』 『こちらのお耳のほうが若干反応が良い気がします』 『ですが』 『こちらのお耳も……とても反応が良い気もします』 『もしかして先輩は……どちらのお耳も……敏感なのでしょうか?』 『先輩……本当に心地、良さそうなんですから……』 『先輩? それでは……先輩も満足して下さったようですし、お耳へのマッサージはこの辺で終了に……』 //間 『というのは冗談です、先輩』 『先輩が教えてくれたマッサージはまだいろいろありますので……』 『では……次のマッサージに移って大丈夫でしょうか?』 『先輩が……このまま続けて欲しい言うのであれば続けますが……』 『早く次のマッサージを、と、そんな風に見えますし……』 「それでは先輩? お耳に吐息マッサージはこの辺にして……」 「次のマッサージに進もうと思うのですが、どうでしょうか?」 「やはりもうちょっと吐息マッサージを、というのであれば私は全然構いませんが……」 「先輩、どうします? 次のマッサージに進んで宜しいでしょうか?」 「はい、では……お耳への吐息マッサージはこの辺にして……」 『……次は……少し恥ずかしいですが……直接お耳のマッサージ、させて頂きますね』 ////////////////////////////////////////////////////////////////// //03_つ、次は……甘噛みマッサージ、ですね……!! 頑張ります……!! 『……やっぱりドキドキしてきました……けれど……』 『……すー……はー……』 『……では、先輩? 次は……先輩の教えてくださった通りに……お耳をお口でマッサージさせて頂きますが……』 『初めてで加減が分からないので……もし痛かったり、強過ぎたりしたら……教えてください』 『それでは……行きます、先輩』 『…………』 『……やっぱり少しだけ……恥ずかしいですね、こういうのは』 『……いえ、実はとても恥ずかしいのですが……これも先輩のため……』 『……すー……はー……』 『では……今度こそ……お耳……失礼します、先輩』 『……ふぅ』 『……どうでしょう、先輩? 甘噛み……これぐらいの強さで大丈夫でしょうか?』 『吐息のときも聴きましたが……強すぎたりはしませんか?』 『痛かったりは……しませんか? 先輩』 『……痛くは……無いようですね。それなら良かったです』 『お耳……柔らかい部分と硬い部分があって……とても不思議な感触が口唇に伝わってきます』 『それに……先輩のさらさらの髪の匂いがこんなに近くに感じられて……凄く……落ち着いてしまいます』 『はむっ、はむはむっ、あむあむっ』 『……先輩は……お耳の甘噛みマッサージ……心地、良いでしょうか?』 『はむはむっ、あむっ、はむはむっ、あむぅ』 『先輩にマッサージをしているはずなのに……私は口唇がとても心地良いですし、それに……』 『吐息のときもそうでしたが……やっぱりこのお耳へのマッサージ、ドキドキしてきてしまいます……』 『先輩は……心地良いだけでしょうか? 少しは……ドキドキ、しているでしょうか……?』 『……マッサージはリラックスする為の行為のはずなのに、ドキドキするのはちょっとおかしいかもしれませんが……』 『私は……嫌いではありません……』 『……むしろ……先輩のお耳をマッサージするの……結構好きかな、と思っていたりします』 『……ふふっ、ちょっと悪戯、してしまいました』 『口唇で感じる先輩のお耳の感触……凄く心地良くてドキドキしてしまいます……』 『あむあむっ、はむはむっ、あむぅ』 『……あの……先輩? 少しだけ……先輩のお耳、いっぱい甘噛みさせて頂いて宜しいでしょうか?』 『……先輩なら、了解してくれると思っていましたが……やはり嬉しいです』 『……では……先輩のお耳、たっぷり頂きます』 『……ふう。こちらだけではなく……』 『次は……こちらのお耳を……』 『……ふぅ、先輩のお耳の感触……凄く素敵で頭が少しクラクラしてしまいます……』 『でも……先輩? こんなに長くお耳を甘噛みしてしまったら……痛くなったってしまったりはしませんか?』 『もし、痛ければこの位にしますが……』 『先輩? お耳は……大丈夫でしょうか?』 『それなら……このままお耳への甘噛み、続けますね、先輩』 『……もう止めて欲しいといわれたら……少し残念な気持ちになるところでした……』 『……っと、それでは……先輩……?』 『……やっぱり先輩のお耳を甘噛みするの、ドキドキしますね……』 『先輩も……ドキドキ、して下さっているでしょうか?』 『……ふう。何となくコツが掴めて来ました』 『どう甘く噛んだら、先輩が気持ち良さそうに反応してくれるのか……』 『ちゃんと、お耳を甘噛みしながら観察していますので』 『ほら、先輩は……こんな風に甘噛みされると……心地、良いんですよね』 『……ふぅ』 『今度は……こちらのお耳も……』 『……ふぅ』 『……先輩、如何ですか? お耳、心地良くなって頂けたでしょうか?』 『……肩揉みをして先輩に触れるのも好きですが……お耳のマッサージも……私、好きかもしれません』 『…………』 『……本当は……『好きかも』ではなく、『好き』ですよ、先輩』 『……本当はもっとこうして先輩のお耳を甘噛みしていたいのですが……』 『次のマッサージもありますし……甘噛みはこのへんで……』 「……あらら……先輩、すみません。私としたことが……うっかりしていました……。先輩のお耳……ちょっと私の唾液で濡れてしまいましたね……」 「次のマッサージに移行する前に拭いた方が良いでしょうか? さすがに唾液でお耳が濡れている状態というのは不快かと思いますので――」 「……せ、先輩? どうせまた濡れるからこのままで良いだなんて……先輩の心の大きさが伝わってきます!」 「先輩は……やはり先輩ですね!! 凄く流石です!」 「それでは……次のお耳のマッサージは……」 「…………」 「……これは……お耳を甘噛みするよりも少し……いいえ、大分緊張――というか、恥ずかしくなってしまいますね……」 「……ですが、先輩に心地良くなって頂くためにも私、頑張ります!」 ///////////////////////////////////////////////////////////////// //04_そして最後は……舌で先輩のお耳を…… 「……では、先輩? 続けて、で良いでしょうか? 少し休憩を挟みましょうか?」 「さすがの先輩でもこう……マッサージ疲れがあるかと思いますし――」 「やはり一旦休憩を――」 「な、なるほど……お耳のマッサージは続けての方が心地良い、のですね」 「……わかりました、続けての方が心地良いのでしたら、そうさせて頂きます」 「……全く……先輩はどこでこんなマッサージを覚えてくるのやら……」 「あっ、いえ! なんでもありません! ただの独り言です!」 『それでは先輩? 仕上げのマッサージをさせて頂きます』 『……あの……初めてで上手く出来るか分からないので……もし至らぬ所があれば言って頂けると嬉しいです』 『では……先輩のお耳……失礼致しますね』 『……ふぅ、まさか先輩のお耳を舐める日が来るなんて……』 『でも……舌で感じる先輩のお耳の感触も……私……』 『……甘噛みもですが……お耳を舐めるのもあまり上手ではないと思います。ごめんなさい』 『ですが……そんな私のお耳舐めでも先輩は心地良さそうにして下さって……嬉しいです』 『先輩、心地良くなって下さって……有難う御座います』 『……先輩』 『……ふぅ。先輩のお耳の形を舌の先で感じると……やはりとても胸が高鳴ってしまいます……』 『……いつも近くで見ている先輩のお耳、舌でなぞるとこんな気持ちになるんですね……』 『……先輩は……お耳で舌の感触、感じてくれていますか?』 『……肩揉みのときのように心地良さそうにしてくれているので……心地良くなって下さっていると思うのですが……』 『出来れば……先輩のお口から直接……心地良いかどうか聴きたいな、と……』 『……先輩?』 『私のお耳舐め……心地、良いでしょうか?』 『……先輩があまりにも可愛らしくてつい……またちょっと意地悪、してしまいました……ごめんなさい』 『……先輩? 私のお耳舐めは……如何でしょうか?』 『……ちゃんと、心地良くなって下さっていますか?』 『……なかなか……答えにくい質問をしている自覚はあるのですが……』 『……ちょっと……いいえ、凄く気になってしまったので……』 『……先輩? 私のお耳舐めは……如何でしょうか……?』 『……有難う御座います。先輩にそう言って頂けると……とても嬉しくなってしまいます』 『こう、ピョンと跳ねてしまいたくなるぐらい』 『……い、今のは喩えで……本当にピョンと跳ねたりは……』 『……ちょっとだけ、してしまいましたが……』 『…………』 『……先輩? 今度は……外側だけじゃなく、お耳の中まで……』 『……先輩? お耳の中まで舌でマッサージをしてしまいましたが……違和感等は……ありませんか?』 『お耳の中に舌を入れられて不快だ、とか、そういうことは……ありま……せんか……?』 『……ほっ。それなら良かったです』 『では、安心してお耳舐めの続きを……』 『……先輩』 『……ふぅ』 『……ふぅ』 『……先輩? こんなことを言うのは変かもしれませんが……先輩のお耳……』 『……あの……その……』 『……とても……おいしいです……よ……?』 『…………』 『……今……とても恥ずかしいことを言ってしまいました……恥ずかしいです……』 『……先輩?』 『ふはぁっ……。つい私まで心地良くて……夢中になってしまいます』 『先輩のお耳の中に舌を入れてしまうと……』 『先輩の体内に私の身体が侵入しているような、イケナイ気分になってしまって……つい……夢中に……』 『……先輩も……同じようなことを、考えていてくれるのでしょうか……?』 『先輩の中に……私が入って……』 『……なんて、なんてことを言っているんでしょうね、私は……』 『……先輩』 『……ふぅ。やはり……先輩のお耳の中に舌を入れるのは……特別な気持ちになってしまいます……』 『……でも、あまり長くし過ぎると……先輩も疲れてしまうと思うので……』 『……先輩、仕上げに……最後は、ちょっとだけ長く……そして、もっと奥のほうまで……』 『……ふぅ。次は……』 『こちらのお耳も……』 『……先輩』 『もう少しだけ……お耳舐めを……』 『ふぅーっ』 『先輩のお耳を舐めるの……凄く……心地、良いです……』 「えーっと、それでは……先輩? お耳のマッサージはここまでにしようと思います」 「あまり長時間、それに連続でのマッサージはお身体に障ると言いますので」 「あ、ダメですよ、先輩? まだ少し物足りなさそうなお顔をしていますが、マッサージは少し物足りないくらいが良いらしいので……今日はここまでです」 「次回からは肩揉みに加えて、お耳へのマッサージも選択肢のひとつとして用意させて頂きますね」 「では……本日のマッサージはここまでにしますが……」 『……先輩?』 『…………』 『……ちゅ』 「ふふっ、それでは――お休みの準備、しましょうか」 ////////////////////////////////////////////////////////////////////// //05_お耳にキス……させて頂きますね、先輩 「さて、お耳へのマッサージも終えたことですし、先輩も随分とすっきりしたお顔を――」 「……と、先輩? それではお休みの準備をしようと思うのですが……」 「えーっと……どうしました? ちょっとこう……浮かない?顔をしているように見えますが……」 「……あっ、もしかして先輩? まだ、あまり眠くなかったりするのでしょうか?」 「私もそういう日があるので分かりますが……ダメですよ? 睡眠は戦う現代人の基本です!!」 「ですので、もし宜しければホットミルクでもお持ちしましょうか? ホットミルクには安息効果と入眠効果があると言いますので……」 「……あら、寝付けないわけではないので、ホットミルクは要らない、と?」 「……では……先輩は……なぜそのようなお顔を……」 「あ、いえ、先輩のお顔の造詣のお話ではなく、表情のお話ですが……何か……思うところでもあるのでしょうか?」 「無理にとは言いませんが、宜しければ理由を聞かせて頂けると……」 「……えっ? せ、先輩? そ、それは……ちょっと私も予想外です……」 「最後にした『お耳へのキス』が心地良過ぎて、もう少ししてほしい、と……」 「……えーっと……あまり長時間のマッサージは身体に悪影響をと思うのですが……」 「それに……最後のお耳へのキスは……その……勢いというか何というか、でですね……」 「…………」 「……最後にキスをしてしまった私にも責任はあります」 「それに……キスであれば……マッサージに含まれないかもしれませんし……」 「わかりました。ほんのちょっとだけ……先輩のご要望にお応えさせて頂きますね」 「……本当に、ちょっとだけですよ? 先輩」 「ちゃんと……『ちょっとだけ』、お耳にキスをしたら……お休みの準備をするんですからね?」 「……先輩もちゃんとお約束してくれましたし、それでは――」 『先輩? お耳にキス……させて頂きますね』 『……キスは……本当に何となく勢いでしてしまっただけなのに……先輩にこんなに気に入って頂けるなんて……』 『……本当は……私も(お耳へのキス、心地良いな)と思ってしまいましたが……』 『…………』 『……先輩』 『チュ』 『……ううっ、先程よりもドキドキが強くなってしまいました』 『……改めて……先輩に求められて、ですと……やはり少し――凄く恥ずかしくなってしまいます……』 『……ですが……こちらのお耳にも……』 『チュ』 『……先輩? これで満足して頂けた――感じでは無いですね』 『「もうちょっとしてほしい」というのが言葉にしなくても伝わってきます』 『……ですが、先輩?』 『実を言うと……私、キスという言葉を出すことさえ恥ずかしかったりするんですよ……?』 『……自分で言ってしまった言葉ではありますが……』 『……では……もう少しだけ……長めに先輩のお耳に…………き、キスを……』 『……本当に……勝手に、ですが、恥ずかしくなってるんですからね……先輩……』 『……ふぅ。恥ずかしさも相まって……ちょっとだけ……息が上がってしまった気がします……』 『……ですが……まだ先輩は物足りなさそうですので……』 『こちらのお耳も……』 『……ふう』 『……先ほどまではお耳に舌を入れて嘗め回していたのに……』 『……何故か……今、こうしてお耳にキスをしているときのほうが……恥ずかしくなってしまっている気がします……』 『……そして……凄く……ドキドキもしていたりします……』 『……先輩』 『……ふぅ』 『……先輩』 『……ふぅ』 『……ずっとずっとこうしていたいのですが……最初に『ちょっとだけ』とお約束をしたので……次のお耳にキスで本日は終了にしますね、先輩』 『……残念そうにしてもダメですよ、先輩?』 『ちゃんと約束を守るところも、先輩の良いところなんですから♪』 『……それでは……先輩』 『……ふう』 『……せーんぱい』 『……ふぅ』 『…………』 『ちゅっ』 「……先輩、お耳へのマッサージ、本日のところはここまで終了です」 「先輩も満足そうにしてくれて、私もとても嬉しいですよ」 「……それに……どことなく先輩のお顔、赤くなっているような……」 「お耳へのマッサージの効果で血流が良くなっているのでしょうか?」 「それとも……ふふっ、お耳にキスをされて照れてしまいました、先輩?」 「……え? わ、私の顔も赤くなってます!?」 「そ、それは……き、きっと……お耳のマッサージで息が乱れたからですよ、先輩!! 「も、もしくは!! 元々こういう顔色なのかもしれません!! きっとそうです!!」 「さ、ささ!! 私の顔の色はさておき、お約束通り、お休みの準備をしますよ!!」 「こんなにたくさんマッサージしたんですから、きっと今夜はすぐに、そしてぐっすり眠られるはずです!!」 「そしてまた、明日の朝から元気に頑張りましょう!! 私も頑張りますので!!」 「……というわけで、先輩。お布団の準備をしておきますので、お着替えをどうぞ!!」 「……な、なんとなく、なんとなーくなのですが……わ、私の目の届かないところでお着替えしてくださいね、先輩!」 /////////////////////////////////////////////////////////////////// //06_それでは、本日もお疲れ様でした、先輩!! 「それでは先輩、本日もお疲れ様でした」 「お疲れかと思いますが……明日もちゃんと寝坊せずに起きてくださいね」 「マッサージの効果でほんの少しでも疲れが和らいでくれたら、私も嬉しいです」 「先輩のお陰でマッサージの幅も広がりましたし……明日からは昼も夜も更に頑張り甲斐があります!」 「……っとと、さて、あまり長居をしてしまうと先輩もお休みになられないと思いますので、私はこの辺で失礼しますね」 「…………」 「……もし、寝付けないようなことがあれば、呼んで頂いても大丈夫ですので」 「マッサージはしませんが……子守唄ならほんの少しだけ唄える……かもしれませんので」 「では、今度こそ……」 「…………」 『先輩?』 『ちゅっ』 『おやすみなさい、先輩♪』 『明日も……一緒に頑張りましょうね』