;//////// ;Track0 (ドラマパート) ;「タイトルコールとこの音源の楽しみ方」 ;//////// ;秋。病室内。 ;環境音 パルス(心拍)メーターの音 フェードイン ;環境音 病室内の壁掛け時計 F.I. ;7/左 「(呼吸音)」 ;SE 身じろぎによる毛布衣擦れ ;7/左 ;嬉しさで声大きくなっちゃう 「あ!」 ;病室内なので抑える 「――。気がつきましたか? 大丈夫ですか? めまいや、吐き気とかはないですか?」 「(呼吸音)」 「……大丈夫ならよかったです。 先生の検査でも、異常なし。 ただの過労だろうってことでしたけど―― それでもやっぱり心配で」 ;SE スイッチ 環境音のうちパルスメーターストップ 「あ、動いても平気です。 っていうか、大丈夫そうなら少しだけ動いてみてください。 横になったまま、お顔、ゆっくりこっちに向けられますか?」 ;3/右→;1/前  「ゆっくり、ゆっくり、ゆっくり、ゆっくり」 ;1/前 「どうです? 痛みとかないですか? (息を詰めて見守る)――(安堵の息)なら、よかったです」 「一応、ね? 念の為、なんですけど―― わたしが誰だか、わかりますよね?」 「(呼吸音)――! うふふっ! そうですよー、大正解! あなたの可愛い幼馴染の有島ありす! 有島さんちのありすちゃんです!!」 「って、もうありすちゃん、って年でもないですけどね〜いいかげん。 同年代、名字変わってるひともどんどん増えてきてますし、あはは」 ;独り言 「だけど……きっとあなたの前では―― いくつになっても。おばあちゃんになっても。 有島さんちのありすちゃんに戻っちゃうんですよ、わたし」 ;我に返って 「で! 『ありすちゃん家のお父さん』――有島診療所の尚武(なおたけ)先生からあなたに。伝言、ひとつ預かってます」 「『単なる過労の可能性が高く思われる。今の段階では故障や病気につながっていないようだが、いつその引き金となってもおかしくない。ので、少なくとも丸一日は完全に安静にして、回復に専念したまえ』って」 「パパがそこまで断言してるんですから、休まなきゃだめです。――え? はい……(呼吸音)―― うふふっ、そこも大丈夫ですよ?」 「普通の会社とかでいったら、社長さん――会長さんにあたるのかな? あなたのお仕事の一番いちばんえらぁい人……っていうか、カミ様?」 「『星辰(せいしん)ひめみや』様、で、いいんでしたっけ? あのちっちゃくて可愛い女の子に、わたし、お話してきましたから」 「? そんなにびっくりするようなことですか? (呼吸音)――あー。そりゃ普通の患者さん相手にはそこまでしませんね、確かに。 けど、あなたですから」 「普通の患者さんじゃない、大事な大事な幼馴染で、お隣さんですからねー。そこまでくらいは、もちろんしますよ。当たり前です」」 「それにあの子―― すっごくかわいくて人懐っこくて……初めてあったみたいな気がしなくって」 「向こうも、なんだか親近感覚えてくれたみたいで。 『ご開祖でいいっス。有島ありすちゃんには自分のこと、ご開祖ちゃんって呼んでほしいっス』なぁんていってくれて」 「『ご開祖ちゃんって』だから、呼んだら…… 不思議なんですけど……ずっと前から知り合いだった――ううん、友達だったみたいな気持ちになっちゃって」 「なぁんて、あははっ! カミ様相手に、とっても恐れ多いんですけど」 「でも、ご開祖ちゃん。 本当に優しくて。わたしの話、すごく真剣に聞いてくれて――」 「『それなら休ませてあげなきゃっスね。 自分、彼があんまり頑丈でがんばりだから、 ついつい甘えちゃってたっス』って、言ってくれて」 「それでね? うふふっ、おかしいんですよ? ちゃんとお話したのははじめてなのに、ご開祖ちゃん、独り言みたいに」 「『有島ありすちゃんには、大事なことを気づかせてもらってばっかりっスね』――って」 「いったらすぐに、頭をぶんぶん大きく振って、 『なんでもないっス、勘違いっス』って―― カミ様もするんですね? 勘違いとか」 「あ。それで! ご開祖ちゃんにひとつだけ、お願いされてたことがあったんですよ。 『あなたに伝えといてほしいっス』って。 ええと――」 ;SE メモを取り出す→ペラ音 「『一日たっぷり、有島診療所で有島ありすちゃんに癒やしてもらってほしいッス。その際、癒やしの効果を高めるために、かーなーらーず! イヤホンかヘッドホンをつけるッスよ?』って」 「だから――はい。イヤホンかヘッドホン、ね? 右左ちゃあんと確かめてつけてください。わたし、つけるの待ってますから」 「(呼吸音)」 「……いいですか? それじゃあ、ちょっと試しますね?横になったままで、右のお耳、天井に向けてください」 ;3/右 接近囁き 「(ふ〜〜〜っ)みぎみみ〜」 ;3/右 「そしたら、はい。頭、反対に向けてください。 補助しますから。いきますよ〜?」 ;3/右→;1/前→;7/左 「せーの、ごろーーーーーーん。それでもって」 ;7/左 接近囁き 「ひだりみみー。んふふっ、(ふっ!)」 ;7/左 「どうやらバッチリみたいですね。 そうしたら今日は、おうちでゆっくり――あ〜……」 「まぁ、娘さんや妹さん――えみちゃんや夏葉ちゃんのお世話にもあるでしょうし…… そうそうゆっくりは休めないかもしれませんけど、それでも休んで。そうして、ね?」 ;7/左 接近囁き 「明日は朝から、わたしのところに。 有島診療所に、来てくださいね?」 ;7/左 「うふふっ、お待ちしてまーす。 って、あ!そうだった、いやし効果をさらに高めるためのおまじない、ご開祖ちゃんから教わってたんでした」 「ええと――<ペラ音>あ、これだ。 あの、わたしの方にお顔、向き直ってもらえますか?」 ;1/前 「ありがとうございます。じゃ読みますね〜 (すうっ)」 「『あやかし郷愁譚 〜幼馴染・ありす』!」 ;1/前 (家まで、からさらに距離近く) 「じゃ、また明日! って、あはは。 家までもちろん、わたしが車で送ってあげるんですけどね」 「なんていってもわたしたち、おさななじみで、お隣同士なんですから!」 ;環境音 F.O. ;//////// ;Track1 (ドラマパート) ;「ありすの問診」 ;//////// ;環境音 秋の田舎(町中。アスファルト) ;SE 足音 →止まる ;SE 診療所のドア ノック→開く→ドアベル ;16/左前遠 「あ、いらっしゃい。待ってました」 ;足音ナースシューズ(床はリノリウム);16/左前遠→;6/左前→;1/前 「え? あ、ですよ。休診日。 だからこそです」 「あなただけをケアするためには、他に誰もいないほうがいいに決まってるじゃないですか! だ・か・ら。気にせずあがってください」 ;SE ドア締める ;外の環境音ストップ ;病院内環境音 (待合室の時計、冷水機のモーター音) ;SE 紐靴脱ぐ→下足箱にしまう→スリッパはく ;ナースシュース足音を追いかけてスリッパ足音。 ;スリッパ足音がとまった後もナースシューズはひだりに遠ざかり、受付を回り込んで;9/前遠に戻る ;9/前遠(受付のあっちとこっち) 「うふふっ。ちゃあんと来てくれましたね。 わたし、とっても嬉しいです」 「ようこそ! 有島診療所へ!」 「じゃあ、まずは問診表ですね。 はい、これどうぞ」」 ;SE クリップボードとペンを手渡す 「書けるとこ、書いちゃってください。 悩むところとかは聞いてくれてもいいですし、なんなら空欄でも構いませんから」 「あ、ソファに座って書いてください。 どうでガラガラなんですし。っていうか」 ;SE ナースシューズの足音 ;9/前遠→;15/左遠→;7/左 「はい、ここ、どうぞ」 ;SE ソファ座る→ありすも隣に座る 「ゆっくりでいいですよ? 時間はたくさんありますし――」 ;7/左 接近囁き →「うふふっ」で顔はなす」 「もしもわからないところがあったら、わたしが書き方教えますから――うふふっ!」 ;7/左 「あなたのことは結構深くわかってますけど――書類ですから。 まずは、名前からお願いしますね?」 ;SE 問診票記入(クリップボードにペン走らせる)継続 「(呼吸音)」 「(呼吸音)」 「……静か、ですよね。休診日の診療所って、とっても」 「普段からもそんなにうるさいところじゃないですけど…… ここまで静かだと、普段は結構、それでもにぎやかなんだなぁって思っちゃいます」 「(呼吸音)……ですね。茂伸村(ものべのむら)唯一の医療機関ですから。 お年寄りからおちびちゃん、赤ちゃん――どころか、最近はあやかしたちも来ますし」 ;SE ペン音ストップ ;1/前(リスナーの方の顔が、問診票からありすに向く) 「はい――(呼吸音)――あ、ですです! その形部狸(ぎょうぶだぬき)さん」 「大狸形部腹突(おおたぬぎょうぶはらつく)さんとこの、 四国八百八狸(はっぴゃくやだぬき)さんの一人……ひとたぬ?」 「『刀圭狸(とうけいだぬき)』っていうあやかしのお医者の先生が、月水金と、隔週で土曜診療にも来てくださってるんです」 「いい先生ですよ? 刀圭狸先生。漢方ベースの医療されるんで、パパともよく医療談義してます――え? (呼吸音)」 「あ、やだ。違います。闘う鶏じゃなくって、日本刀の刀に、圭――んと……あ! テニスの! カタコリ圭選手の圭ってかいて『とう・けい』です」 「薬を盛る匙のことを、昔のことばで『刀圭』っていったそうなんですよ。だから、それを扱うお医者様が、刀圭家(――か)」 「狸たちの刀圭家の刀圭狸先生も、だからですかね? 基本的な治療方針は、『お薬で様子見』みたいです。 完璧に内科医的アプローチ」 「いざとなったら外科治療もするっていうお話ですけど―― わたしはまだ、オペに立会ったことないです。あやかしのは」 「今後も無いといいなって思うんですけど…… でも、あやかしも結構怪我とか体調不良あるみたいですし、 なかなか大変ですよ?」 「しばてんとかなら平気なんですけど…… フルソマさんとか、見た目が怖いあやかしが来ちゃうと、 おちびちゃんたちも泣いちゃいますしね〜」 「ん? (呼吸音)――あ、フルソマさんは、冷え性だそうです。 手足が冷えて仕方ないから、なんとかしてもらえないかって」 「……問診は、あやかしさんたちのも基本わたしが担当するんですけど――傾向みたいなのは、なんか感じますね」 「ものべののあちこちで話題になってるあやかしさん―― いまだったら、お洗濯屋さんのお紺さんとか、ものべの保育園のひよ先生とかは、もうね、みるからに元気いっぱい、診療所とは無縁な感じなんですよ」 「逆にね? 診療所にくるあやかしはこう……影が薄いっていうか、来てくれて顔みたときに 『あ、こんなあやかしもいたっけ、そういえば』みたいな――って、ちょっとびっくりしちゃいました。そんなに全力で頷いてもらえるなんて……あ」 「手、とまってますよ? 問診表」 ;SE ペン音再開 ;7/左 「それで……何の話でしたっけ? あ、そうでした。フルソマさんが来たときの話ですね。 あのときはもう、おちびちゃんたち怖がって一斉にギャン泣きしちゃって――」 「普段の……普通に泣くだけのときとかは、おかあさんたちが絵本の読み聞かせなんかしてあやしてくれるんですけど――」 「見た目が怖いあやかしさんのときとかは、おかあさんたちまで泣きそうになったりとかもあって……あはは、本当になかなか大変です」 「え? (呼吸音)――あ、そうですよ? 受付にあめがおいてあるのは、がんばって受診したおちびちゃんたちへのご褒美用です」 「もちろん、病状とか、お母さんの教育方針とかによってはあげられないこともありますけど。 そういうときには――うふふっ、こっちをプレゼントです」 ;SE ナースシューズパタパタ 7/左→;9/前遠 (ここで紙を取るペラ音)→;7/左 ;SE ペン音ストップ ;ありす座る ;SE 折り紙おる ;1/前 「ん……(呼吸音)」 「よい、しょ――(呼吸音)――で、羽を広げて、首を――うん!」 「えへへっ、綺麗にできました! はい、どうぞ。折り鶴です」 「ミニ折り紙で作ると、結構かわいらしいでしょう? って、邪魔になっちゃいますね、あははっ」 「え?(呼吸音)――あ、うれしいです。 もらってもらえるの――とっても嬉しい」 「ですね、折り鶴はたたんじゃえますから。 うふふ! そうしてしまっておいて、ね?」 「もしもどこかで苦しかったり辛かったりなときがあったら。 わたしの応援が届かなくって、それでも必要なときがあったら」 「折り鶴の羽をひろげてくれたら―― きっとこのこがあなたのとこまで、わたしの応援、届けてくれるって、思います」 「だから、持っていてもらえたら……(呼吸音)……」 「――って、あ! やだ、問診票、書き終わってるじゃないですか。戻してもらっていいですか?」 「……はい。ありがとうございます。 ええと? ん…… ふむふむ――ほうほう――なるほどなるほど〜」 「さすがすみちゃん。栄養バランス、日常生活習慣に悪いところは見当たりません。 うふふっ、本当にいい奥さんもらいましたね?」 「けど! それでこの過労状態っていうのは、 やっぱりただただどこまでもひたすらに働きすぎです。 ご家族の了承もいただいてますし、今日はゆっくり、ケアをうけて、休んでいってくださいね?」 「って、いうことで――えいっ!」 ;SE ソファから立ち上がる。 「1番の診察室にどうぞ、いらしてください。 まずは身体測定から、はじめましょう」 ;環境音F.O. ;//////// ;Track2 (ASMRパート) ;「ありすの健康診断」 ;//////// ;SE ナースシューズとスリッパの足音 ;SE 目隠しのカーテンあける :環境音 森の中(少し大きめ) ;6/左前 「じゃ、この椅子にどうぞ」 ;SE 椅子に座る ;1/前 「まずは、体温を測定しますね? こちらの電子体温計を、脇の下に挟んでください」 ;↓の一分後にピピピなります。呼吸音ちょっと余分目にくださると助かります。 「はい、どうぞ。一分間、動かさないようにしっかり挟んでてくださいね?」 「(呼吸音)」 ;SE ピピピ。 「はい、じゃ、体温計出してください。 ん……(呼吸音)――うん。平熱ですね。 そうしたら、お洋服を直して立ち上がってもらえますか?」 ;SE 立ち上がる 「え? あ、この森の音ですか? 環境音です。 ヒーリング効果を高めるためと―― あとは、声漏れの防止のためですね」 「診察室内の声が待合室に漏れたりすると、 受診している患者さんにも、待っている患者さんにもご迷惑をかけちゃいますから」 「けど――今日はまぁ、いらないっていったらいらないですですよね? ふたりっきりで、誰に声なんて聞かれないし……」 「それに、うふふっ! ヒーリング効果でしたら? 森の音よりずっとずーっと! わたしの声の方が高い……と、いいなぁって思うんですけどぉ」 「えと――どうします? 切ります? ボリューム下げたりもできますけど」 「ふふっ! そうですね。その方があなたの声がよく聞こえて、わたしもうれしいです。――よいしょ」 ;環境音ボリューム抑えめに 「このくらいでどうですか? ……なら、よかったです。 じゃ、次は身長と体重を測りましょうね。 こっちです」 ;SE 足音(スリッパ+ナースシューズ) ;1/前 「はい。スリッパをぬいで、靴下のままで身長計にのってください」 ;SE 身長計に乗る 「はい? (呼吸音)――あ、ちゃんと意味ありますよ。 大人になってからの身長測定も」 「身長が伸びる人ももちろん居ますし…… 逆に急に身長が縮んでたらその原因――例えば、骨粗鬆症とかを疑えますから」 「だから、はい。両かかとをくっつけて、足を30度くらいに開いてください――もうちょっと、うん。そんな感じです」 ;SE 足音(ナースシューズ) ;1/前→;3/右→;5/後 「ちょっとだけ失礼しますね? ……うん。踵とお尻と背中、全部柱にくっついてますね」 ;3/右 「お顔、正面を向いて少しだけ顎をひいてください。 ――ん、そのまま動かないで――じゃ、測りますね?」 「息をかるぅく吐き続けてください。 吸って――はーーーーーーーーー」」 ;SE 測定部を滑らせ動かす。こつんと軽く頭に当たる。 「……」 「――うん。伸びてもないし、縮んでもいませんね。 いい感じです」 ;SE 測定部を滑らせてあげる 「じゃ、次に測るのは体重ですね。 スリッパを履いて、こっちです」 ;SE 足音(ナースシューズ+スリッパ) 「あ! 服。うっかりしてました。 院内着に着替えてもらったほうがいいですよね。 その方が楽ですし、体重も着たまま計れちゃいますし」 「すぐにもってきます。ちょっとだけ待っててくださいね」 ;SE ナースシューズ足音ぱたぱた(F.O.) :SE 遠く。ロッカーをあける。衣擦れ、ロッカーを閉じる ;SE ナースシューズ(F.I) ;1/前 「はい、どうぞ。っと――」 ;SE 足元にかご置く 「脱いだものはこのかごにどうぞです。 貴重品とかは、一応ロッカーもありますけど、使います?」 「……はい、わかりました。 それじゃあわたしは、待合室の方で待ってますから。 着替え終わったら、大きな声で呼んでくださいね?」 ;SE ナースシューズ、退出 ;(SE衣擦れいれる?) ;15/左遠 (遠い声) 「! ――はーい! じゃ、戻りまーす」 ;SE ナースシューズ、接近 ;1/前 「ふふっ、ずいぶん楽な格好になりましたね。 うん。着替えてもらって大正解」 ;1/前 「そうしたら! スリッパだけ脱いで、体重計に乗ってください」 ;SE 針式体重計乗る ;3/右 「(呼吸音)」 「……あ……(タメイキ)……ちょっとだけ、無理が体重にも出ちゃってるのかもですね」 ;1/前 「でも! だからこそのわたしのケアなわけですからね! ゆったり回復してもらっちゃいますから、そこはもう、 どーんと大船に乗ったつもりで安心してください」 「またスリッパ履いて、今度は診察台に移動しましょう。 最初は横にならないで――診察台に腰掛けてるだけで大丈夫です」 ;SE ナースシューズ+スリッパ 「はい。こちらにどうぞ。 わたしの方を向いて腰掛けてくださいね?」 ;SE 診察台腰掛ける 「そうしたら、前、あけてもらいますか。 聴診器あててます――って、いけない」 「あ、聴診器です。今日全然つかってないから、あたためないと冷たくてびっくりさせちゃうって思って」 「少しだけ待っててくださいね? こうして、手で温めて――」 「(呼吸音)」 「……うん。いい感じにぬくもりました。 じゃ、聴診器あてますから、前、おねがいします」 :SE 衣擦れ 「……(呼吸音)――じゃ、聴診します。 ん――」 ;SE 聴診器あてる ;真面目→いいイタズラを思いついた、の「あ」 ;1 密着距離 「……(呼吸音)――少しだけ、脈、早いですね。 あ」 ;3/右 接近囁き 「距離が近くて、ちょっとだけドキドキさせちゃいましたか? (ふーーーーっ)」 ;1/前 「あはは、ドキって、本当にしてくれたんですね。 なんだかちょっとうれしいです」 「え? あ、わかりますよ。それはもうクッキリと。 興味あるなら、自分で聞いてみます?」 「うん。いいですよ? これわたしの―― ナース用の聴診器ですから、ちょっとあなたには窮屈かもしれないですけど」 「待っててください。イヤーチップふいちゃいますから」 ;SE ティッシュ抜く→ふきふき ;3/右 接近囁き 「はい。どうぞ。まずはこっちのお耳から入れますね? そーっと、そーーーっと……(呼吸音)」 ;SE 右耳にイヤーチップ入れ(イヤホン入れるのと同じ音で平気かと) 「どうですか? フィットしてます? うふふっ、よかった」 ;3/右→;1/前→;7/左 「そーしたら〜〜 よいしょ」 ;7/左 接近囁き 「はい。左耳いきますよ〜 (ふーーーっ)」 ;SE 左耳に入れ ;以降、指示あるまで声は耳栓してる状態で聞いてる感じの効果加えでお願いします(お芝居は通常通り) ;1/前 「じゃ、心音聞いてみましょうね? 失礼します――って? え!? わたしの? わたしの、心音……(呼吸音)――」 「……うん。いいですよ。あなたが聞きたいって思ってくれるなら――大丈夫です。聞いてください」 「聴診器は、もちろんわたしがあてますからね? ええと、服の下から……ん――<衣擦れ>」 ;1/前(密着距離) 「て、照れくさいから、目、閉じててください。 その方が、心音も聞きやすいって思いますし」 「ん……<ブラずらし>――っと」 ;SE 心音(早い、明瞭)継続 ;1/前 (密着距離) 「聞こえてますか? わたしの心音。 あはは――かなり、わたしも、ドキドキしちゃってますけど」 ;可能なら心音どんどん早くなっていく ;↓の呼吸音も照れと緊張でだんだん早くなっていってください。 「(呼吸音 一分程度?)――(ごくり) ――っ!!!」 ;SE 心音ストップ(聴診器を胸から外す) ;1/前 「お、おしまいです。おしまい。――おしまい (吐息)」 「心音、あはは――わたしがドキドキしちゃって。 うるさくなかったですか? ……(呼吸音)―― あ、なら、よかったです。――よかった」 「もうちょっとだけ、目、閉じててください。 ブr――あぅっ――服、なおしますから」 ;SE ブラ戻す→シャツの中を通して聴診器抜くの衣擦れ 「はい、もう目をあけてもらって大丈夫です。 ええと……イヤーチップ、はずしますね?」 ;SE イヤーチップ外す。左→右 ;声の耳栓効果、オフ 「あ、あなたの心音ももちろんクリアでした。 異音雑音全然なかったから、安心してくださいね?」 「で――次は。採血ですね。これはちゃんと、 後日パパに検査してもらうやつで <待合室で電話鳴る> あ!」 「ごめんなさい。ちょっとだけ待っててくださいね」 ;SE ナースシューズ→待合室 ;10/右前遠 (できるだけ遠く) ;よそゆきの声(二人で話してるときの親密感を引き立てたいので、『親切で丁寧だけど、事務的』が理想です) 「<受話器取る> はい。有島診療所です。 ……はい――――はい。本日は休診日ですが―― はい。明日で大丈夫でしたら、ご予約を―― 明日でしたら、13時で――――ええ、はい。 はい」 「はい――かしこまりました。それでは明日の13時に。 ご来院お待ちしております。 お大事になさってください――失礼いたします」 :SE 受話器奥 ;SE ナースシューズ 戻ってくる 「おまたせしちゃってすみません。 なんか、腰痛がひどくなったから見てほしいっていうお電話でした」 「腰は、どうしても疲れ出やすいですもんね。 あなたももしキツかったらいってくださいね? わたし、マッサージもちゃんと勉強してますから」 「けど、まずはとにかく検査を終わらせなくっちゃですね。ええと、採血の続きでしたね。 じゃ、腕を――わ」 「(呼吸音)」 ;無意識に匂いを嗅いでしまう 「あ……男の子……っていうか、もう完全に―― いつの間に、男の人の腕ですね――(くんくん)」 「あっ!? いえ、体臭とか臭いとかそういうのじゃないです。全然。 ただ――えと……その、男の人だなって思って、なんか――」 「と! とにかく採血ですけど―― 腕、あの……ちょっとだけ、剃毛してもいいですか? 今のままでも、もちろん全然採血できるんですけど――」 「あなたのお肌……綺麗ってわたし、知ってますから。 そういうところも、ケアしてあげたいかなぁ、なんて」 「え!? わ、いいんですね? オッケー! やった! じゃあじゃあ、気が変わらないうちに剃っちゃいますね〜」 ;ナースシューズ→戸棚開く→戸棚締める→戻ってくる 「これですか? 医療用のジェルですよ? パパ、普段のひげ剃りにも使ってますけど ――ん……」 :SE ジェルをチューブから出す 「これもちょっとひんやりしますから、 少し、わたしの手であっためますね……ん、しょ」 ;SE ジェルコネ。ねちゃねちゃ 「(呼吸音)――え? いい音。ですか? あー言われてみると……(呼吸音)―― 確かに、かもですね――あ、なら、うふふっ」 ;7/左 「ちょっと、耳元で鳴らしてみますね? ヒーリング効果あるかもですし」 ;7/左 接近囁き 「うるさかったらすぐやめますから、いってくださいね? ん……」 ;SE ジェルコネ、一分ほど ;6/左前 「(呼吸音、一分ほど)」 「――ん。……っと、どうでした? 少しはヒーリング効果、ありました?」 「じゃ、このまま左腕に塗っていきますね〜 ん――<ジェル伸ばし>(呼吸音)」 ;SE ジェル伸ばし 5〜6撫でほど 「(呼吸音)」 「……こんなもんかな? そうしたら剃毛しますから、んしょ―― <椅子に座って、椅子のキャスターで動く>―― 手のひらは開いたままで、わたしの膝に載せちゃって下さい――あ、そうです。いい感じ」 「そのまま動かないで……力、入れないでくださいね?」 「ん……<SE カミソリ>(呼吸音)」 <SE 安全カミソリ10滑りほど→小休止→10滑りほど> 「((呼吸音)―― ん……っと――(呼吸音)―― (ふうっ)。うん、綺麗にそれました」 「じゃ、採血ですね〜。 まずは、駆血帯(くけつたい)巻きます」 <SE 椅子から腰浮かす> <SE 腕に布の帯を巻く(強め)> ;7/左 「ん……(呼吸音)」 ;SE 椅子に座り直す ;1/前 「じゃ、親指を中にしまう形で握ってください。 うん……上手。じゃ、血管決めちゃいますね?」 ;SE 血管を探して肌を触る 「(呼吸音)」 ;6/左前(密着距離) 「ここにしましょう。いいですか? はい――じゃ、アルコール綿で拭きます。 ちょっとひんやりしますよ〜」 ;SE アルコール綿で腕を丁寧に拭っていく 「(呼吸音)――よし、っと」 ;SE 注射器を持ち上げ、採血針のキャップを外す 「じゃ、ちょっとだけチクってします。 我慢してくださいね〜――(呼吸音)」 ;SE 肌を引っ張って血管を浮かせる→肌に針をさす→血の流入(無音) 「――採血できました。針、抜きます」 ;消毒用アルコール綿を針刺した部分にあてる→注射器引き抜く 「ここ、このアル綿(あるめん)を指先で押さえててもらえますか? ――ありがとうございます」 ;針と採血ホルダーを捨てる→採血缶をストッカーに立てる 「保護テープ貼りますね。ん……(呼吸音)」 ;絆創膏貼る ;1/前 「五分位は、そのまま抑えて止血しといてくださいね? お疲れ様でした。採血、無事に終わりました」 「どうですか? 気分悪くなったり、喉かわいたりしてないですか?」 「(呼吸音)――うふふ。ですよね。 昔からですよね。採血終わると、喉乾いちゃうの」 ;あ」シリアスに 「え?……『他にも、そういうひと』ですか?。 あ……」 ;2/右前(密着)ひそひそ 「患者さんのプライバシーに関わることですけど…… あなたですから、特別に。他言無用でお願いしますね? お耳、貸してください」 ;3/右 接近囁き 「実は――なっちゃんもそうなんです!」 ;1/前 「うふふきょうだいそろっておんなじ体質、 わたし、一人っこだからうらやましいです! 遺伝、なんですかね? そういうのも」 「って! お水すぐに持ってきますね。 あ、あと、ビタミンCも飲んでおきます? 粉末の」 「はい、じゃあ、持ってきますね」 ;SE ナースシューズ→棚あける。ワゴンの上の金属トレーにあれこれのせる→棚閉める→冷水機から水をコップに注ぐ→ワゴン押して戻ってくる 「はい、コップどうぞ。 ビタミンCは、今オブラートに包んじゃいますから」 ;SE オブラートかさかさ→ビタミンCの粉薬の包みひらく →粉薬をオブラートにさーっ→オブラート包み込む ;2/右前(接近) 「はい、包めました。どうぞ」 ;SE コップの水持ち上がる→水音(嚥下音は不要) ;1/前 「(呼吸音)……飲み終わったら、そのまま――ね? 診察台に、横になってください」 ;SE 診察台、軋み(横になる) 「……(呼吸音)」 ;6/左前 「毛布もかけておきますね? 暑くなったらすぐどけますから、言ってください」 ;SE 毛布かける ;7/左 囁き 「そしたら、ね? 目を閉じてみてください。 毛布につつまれてる自分を感じて、 体全部のちからを抜いて、らくに、らくに、らくーーに」 ;7/左 「(呼吸音)……どうですか? 重い感じがするとか、 鈍い感じがするとか――そういうところ、ありますか?」 「(呼吸音)……あー、そうなんですね……辛いですよね。 あなたの疲労が軽くなるように、抜けてくように―― これからもう少し、踏み込んだケア、していきますね?」 ;1/前 「ちょっと、お耳触りますね? 力抜いててください―― んっ――<両耳の中の上の方を、同時に左右の人さし指で押す>(呼吸音)――どうですか? 効きますか?」 「……そうですか。 なら、次のケアは決まりですね」 ;3/右 接近囁き 「耳つぼ押し――うふふっ、気持ちいいですよ?」 ;環境音 F.O. ;//////// ;Track3 (ASMRパート) ;「ありすの耳かき&耳つぼ推し(右耳)」 ;//////// ;このトラック以降ずっと睡眠導入で進めていくので、 ;(囁き)指定あるとこ以外でも大きな声は出さないでの ;お芝居いただけますと嬉しいです ;SE 金属音カチャカチャ(容器入れから金属製の耳かきを取り出す) ;環境音F.I. ;3/右 接近囁き  ;(なが〜く、耳のすみずみにまで息を当てるイメージで) 「(ふーーーーーーーーーっ)」 「ライトつけます。光源をみないでくださいね」 ;SE ライトスイッチON 「ん……(呼吸音) ん――」 ;SE 耳かきで耳の縁めくる ;3/右 「……影になってる部分も――うん、綺麗ですね。 清潔にしてる、大事にされてるいいお耳です」 「ですから予定通り、耳ツボメインで押していきますね? 見つけた汚れはもちろん、一緒にとっちゃいますけど」 「あ……『耳つぼ』ですか? うふふっ、それはですねぇ、言葉で説明するよりも」 ;3/右 接近囁き 「実際、体感してみてください。ん……(呼吸音)」 ;SE 耳ツボ押し(特記ない限り以降も全て、ぎゅーって押し込み→押し込んだ状態でグリグリのムーブをゆったり何度か繰り返す) 「どう、です? (呼吸音)」 ;ストップ ;3/右 「……うふふ、体がぽかぽかしてきた感じがするなら、効果大ですね。今押したのは、ここのツボ、です」 ;SE 指で耳の付け根をたてになぞる→戻って付け根の中央を抑える 「耳の付け根の表側、ポコってしてる軟骨から少し耳の中側にいったところにあるくぼみ、『聴宮(ちょうきゅう)』」 「ここは、血流の改善に効果があるってされてるツボなんです。 効果実際あったみたいですから、さっきよりもうちょっと長く、強く、押し込んでぐりぐりってしていきますね?」 ;3/右 接近囁き 「もし痛かったら、すぐに教えてくださいね?」 ;3/右 「ん……(呼吸音)」 ;SE 一分程度、耳ツボ押し 「(呼吸音)」 ;SE 一分程度、耳ツボ押し 「もう一セット、いってみましょう――(呼吸音)」 ;SE トントンってして、耳かき離す 「――はい。おしまいです。 暑かったら毛布、はがしちゃっていいですからね?」 「そうしたら、次のツボにいきますか。 次の気持ちいいところは……ん、と――ん――」 :SE 指先でツボ探す 耳の縁からたどって耳の穴の方いって、その手前にある大きなくぼみに戻る 「(呼吸音)――っと――あ、ここです。ここ。 耳の穴の手前の大きなくぼみの、ちょうど真ん中にある凹み」 「心(しん)っていう名前のツボです。 まずは、かるぅく押し込んでみますよ? ん――(呼吸音)<耳ツボ押し>――どうですか?」 「…………ですです。効果てきめんですね〜。 ここも血行促進と、それからストレス緩和の効果もあるそうなんですよ」 「だから、心もじーっくりほぐして、 あなたの体と心をさらに、リラックスさせていきましょうね〜」 ;3/右 接近囁き 「じゃあ、二分間。一気にいきますよ? 力を抜いて――耳に意識を集中させて……ね?」 ;3/右 ;SE 耳つぼ押し 2分間。 「っ……(呼吸音)」 「……なんか、ちょっと――押してるだけのわたしまで、 ポカポカ暖かくなってきたかも……ん――((呼吸音)」 「(吐息)――っ。はぁい。おしまいです。<;SE ストップ> どうですか? 効果、出てますか?」 「あ、聞かなくてもわかっちゃいました。 おでこ、少し汗かいてきますよ? 血行促進、即効性があるのかもですね」 「タオルで吹いちゃいますから、ちょっと待っててくださいね? ん……(呼吸音)<タオルでおでこの汗拭く>」 ;SE タオルで顔の汗拭く。右頬〜右顎→左頬〜左顎→鼻筋→首 ゆっくり大事に、30秒ほど? 「……((呼吸音))」 「はい。拭けました。 見た感じ、だいぶリラックス出来てきてる雰囲気ですね。 よかったです」 「そうしたら、右のお耳は、あと一箇所だけツボ押ししましょうね。押すツボは――」 ;SE 下記指定のツボを、指先でなぜなぜしながらさぐり、見つけたらとんとん、って合図してから軽く押す 「耳の上側の一番浅い凹みの――(呼吸音)―― 顔に近いところにあるくぼみ――(呼吸音)――ここ。 うふふっ、神門(じんもん)のツボです」 「リラックスしててくださいね? 押しますよ〜 ん……(呼吸音)」 ;SE 一分程度、耳ツボ押し 「(呼吸音)」 ;3/右 接近囁き 「どうですか?」 ;3/右 「ふふっ、うとうとってして来ちゃったなら、 本当にツボ、効きやすい体質なんですね。 神門は、自律神経を整え、安眠の効果があるっていわれてるツボなんです」 「気に入ったなら、もう少し長く押してみますか? あ――」 「ちょっとだけ待っててください。 お耳の中、取られたがってるこ、みつけちゃいました」 「ん……(呼吸音)<耳かき>」 ;SE 耳かき40秒程度? 何度か試して→掬い取る 「(呼吸音)――ん――あ。うふふっ、とれました」 「そうしたら、いった耳かきを綺麗に拭いて――」 ;SE ティッシュ取る→耳かき拭く→ティッシュ捨てる 「それじゃあ、神門をもう一度。 今度は長めにおしこみますね?」 「ん……(呼吸音)」 ;耳ツボ押し、2分程度 「(呼吸音)」 「……大丈夫ですか? 痛かったり、暑かったりあったらいってくださいね? ――(呼吸音)」 ;とんとんってして、SEストップ :「あ」は、いいもの見つけた〜って感じの「あ」 「はぁい。おしまいです。 これで、こっちのお耳はおしまいに――あ」 ;3/右 接近囁き 「うふふっ、おめめがとろんーてしてきてますよ?」 「このまま寝ちゃってもいいですからね? けど、その前に、もうちょっとだけ、がんばってもらえたらうれしいです」 「わたしが、ごろーーんって言いますから。 声にあわせて、お耳、今度は左を上に向けてください」 ;3/右 接近囁き 「左のお耳も、とろっとろにほぐしてあげちゃいますから」 ;3/右 「うふふっ。それじゃあ行きますよ? せーの」 ;3/右→;5/後→;7/左 「『ごろーーーーーーーーーーーーん』」 ;7/左 接近囁き 「うふふっ、とっても上手です」 ;//////// ;Track4 (ASMRパート) ;「ありすの耳かき&耳つぼ押し(左耳)」 ;//////// ;7/左 「じゃ、お耳を拝見」 ;SE ライトオン 「ん……(呼吸音)――こっちも綺麗―― <SE 耳めくり>――え? あれ?」 「右耳と比べるとずいぶん…… あ、ちょっと耳かき入れますね?」 ;SE 耳かきであちこちめくる 「あー……(呼吸音)――これ―― でも、なんで……? ん……(呼吸音)あ、わかったかも」 ;SE 耳かき抜く」 「えみちゃん……は、まだ耳かき無理だろうから―― なっちゃんじゃないですか? 前に耳かきしたの」 「うふふっ、正解ですか? いや、ただの勘なんですけどね? 右耳はきっとおっかなびっくり丁寧に耳かきして―― それで、上手ってほめてもらってうれしくなって」 「左耳はちょっと油断しちゃったとか、お話に夢中になっちゃったとかで――細かなとこまで、綺麗にしきれなかったのかなぁ、なぁんて」 「うふふっ、すごくなんてないですよ? 全然。 わたし、産まれたときからずっとずうっとあなたのおとなりさんで――」 ;切なくはあるんだけど、伝えないように明るく 「……ずっとずうっと、見つめ続けてきたんですから。 そのくらい、わかりますよ。ふつーに」 ;切り替えて 「っていうか、こっちは最初にお耳掃除の方がいいですね? このまましちゃいますから――」 ;7/左 接近囁き 「(ふーーーーっ)リラックスして、ゆったり呼吸してくださいね?」 ;7/左 ;SE 耳かき音一分 「ん……(呼吸音)」 ;SE 耳かき音30秒 「あ……取り忘れ、おっきいのも――(呼吸音)」 ;SE 耳かき音 二分 「よしっ――と。あとは――こまかなところを―― ん――(呼吸音)」 :耳かき抜く ;7/左 (ふー)だけ密着 「(ふーーーーっ)――うん。はぁい、綺麗になりました」 ;SE ティッシュ抜く→耳かき拭く→ティッシュ捨て ;7/左 「さてと。じゃあ、改めて耳つぼ押していきますね? まずは――<耳に触れる>」 ;SE 耳の内側の上から下へとゆっくりと指でなぞって、耳たぶで止める 「(呼吸音)――ここからいきますね? 耳たぶの真ん中の少し下。眼球の眼ってかいて、そのままおんなじ、ガンっていう名前のツボです」 「このツボは、親指と人差指で挟み込んで―― こういう風に――<SE 揉み込み>――揉み込んでいくと効果大って聞いてます。じゃ、いきますね?」 ;SE 揉み込み30秒 「ん……(呼吸音)――三十秒で1セットを、三回」 ;SE 揉み込み30秒 「(呼吸音)――29、30。ラスト1回は、少しだけ強めますね?」 ;SE 揉み込み強め。30秒 「んっ……ふ――(呼吸音)――ん――はい。おしまいです <耳たぶ軽くとんとん>」 「これはそんなに即効性はないと思うんですけど―― え? うふふっ、目が楽になった気がするって…… サービストーク、上手なんだから。でも、嬉しいです。やっぱり」 「それじゃあわたしも――うふふっ」 ;7/左 接近囁き (なぁんては離れる。嬉しくて軽口叩いちゃったけどすぐに我に返る) 「もーっとサービス、しちゃおうかなぁ――なぁんて」 ;7/左 「冗談はさておき。ツボ押し、続けていきましょうね。 今度のツボは――」 ;SE 耳たぶから耳の内側に沿って一旦一番上までいって、戻ってきて真ん中で止まる 「(呼吸音)――ここ。です。 耳の外側のくぼみのラインのちょうどまん中あたり。 耳の穴からこう――外側に向かって指を滑らす感じで―― <効果音、声と同じ動き>」 「耳の縁とあたるとこ、って探すのも探しやすいかもです。 「ここも効果が出てくる場所とおんなじ名前で、肩(かた)っていうツボなんですよ?」 「ここは、こしゅこしゅ、小刻みにこする感じでツボを刺激していきますね?」 :SE 耳擦り 一分 「ん……(呼吸音)」 ;SE 耳擦り 一分 「一分やったら――もう一セット――ん……(呼吸音)」 ;SE とんとん、と終わりの合図して指離す 「どうですか? 肩、少しは軽くなりましたか? ……うふふっ。良かった」 「じゃあ、もう一箇所だけ刺激して、耳ツボ押しはおしまいにしましょうね。 今日の最後に押す耳つぼは――」 ;SE 耳の上から、耳の縁のラインをずっとたどって下へ。 ;耳たぶのやわらかいとこに触れたら、そこからクッって感じに下に行き、親指と人差し指で強めに挟む 「……(呼吸音)――ここ、で。 耳たぶのやわらかいとこの、耳の縁側の上の端のとこですね」 「ここは、寝るときに頭にしく枕って書いて、ちんっていうツボです」 「名前のとおり、安眠の手助けに役立つツボなんだそうです。 だから、ここは――」 ;7/左 接近囁き 「裏側、親指を支えにして、ゆるーくゆるーく、 人差し指で円を描くみたいな感じにこすって刺激していきますね?」 ;7/左 「最初は、少し短めの時間から」 ;SE 円を描く 45秒 「ゆるーくゆるーく ゆるーくゆるーく……(呼吸音)」 ;SE 円 90秒 「そうしたら、もうちょっと長くいきますね…… ゆるーく、ゆるーく、しずかに、しずかに――(呼吸音)」 ;SE円 180秒 「最後のセットは、静かにながーく、ゆるゆる、ゆるゆる……目を閉じて、水に沈んでいくイメージをしてみてください」 「ゆるゆる、ゆらゆら――(呼吸音)」 「ゆらゆら、沈んで――(呼吸音)」 :*以降、耳元に顔寄せないときもずーっとウィスパー 「おわりましたよー。……って、ああ、もうねむねむですね〜。 診察台で熟睡しちゃうと、背中、痛くなるかもですから。 ね? もうちょっとだけがんばりましょう?」 ;SE 診察台から体を起こさせる ;1/前 低いとこ 「スリッパ、ね? はい。右のあんよ――左のあんよ」 ;1/前→;3/右 「ん……(吐息)――肩貸しますから、歩けますか? ほんの少しだけ、仮眠室まで――(呼吸音)」 ;SE ナースシューズ+スリッパ 「ゆっくり、ゆっくり、ゆっくり、ゆっくり―― (呼吸音)――ん……よいしょ」 ;SE ドア開け→後手にドア〆 ;環境音切り替え ;環境音仮眠室(ごく抑えめな空調の音のみ) 「このお布団でなら、熟睡しても大丈夫です。 スリッパと――あと靴下だけ、ぬいじゃいましょうね」 「よい、っしょ――<靴下脱がし> んっ……っと――<靴下脱がし>」 「わたしも、ナースシューズ抜いで……ん―― はぁい、あともうちょっとですよー」 :足音、畳、ふたり 「はい。このお布団なら――って、きゃっ!?」 ;SE ふたり、布団に倒れ込む ;3/右 「って、あの――あのっ――(呼吸音)――」 ;ドキドキ→なぁんだ 「……………………? …………(呼吸音)」 ;失望と安堵入り混じり→安堵オンリー 「あ……寝息……。 うふふっ、たんなる電池切れでしたか」 ;3/右 接近囁き 「赤ちゃんみたいでちゅねー」 ;3/右 「なのに――(くんくんっ)……あなたの匂いは―― 全然、赤ちゃんじゃありませんよね」 「大人の……男の人の……匂い……」 「って――これ、ちょっとまずいよね……けど―― ん――<身じろぎ>――手、どかしたら起こしちゃうかもしれないし……」 「……(呼吸音)――しょうがいない、か。 不可抗力――不可抗力。うん」 「……(呼吸音)」 「……(呼吸音)」 ;;3/右 接近囁き 「なら……うん。 このままわたしも、寝ちゃいます、ね?」 ;環境音F.O. ;//////// ;Track5 (囁きパート) ;「ありすの添い寝」 ;//////// ;環境音F.I. ;ずっと囁き ;3/右 「(呼吸音)」 「(呼吸音)」 「(呼吸音)……ふふ、寝息、かわいい」 「何年ぶりですかね。一緒に寝るの―― ふたりきりで寝るのは……これが最初で、多分、最後だと思うけど」 「怖がるなっちゃんに添い寝してあげて―― 目が覚めたらあなたも寝てて……あれが、何年前だったかなぁ」 「……すごく、昔な気がします。 こうして思い出したら、ね? 昨日のことみたいに、鮮やかに思い出せるのに」 「(長い息を吐く)」 「……ドキドキ、します。今でもやっぱり。 とっくに諦めた恋なのに。失くしてしまった――がんばってがんばってがんばってがんばって、潰して消した、恋なのに」 「あなたの匂い。あなたの体温。 ずうっとずっと、独り占めしたかった大好きが―― こんなに近くにあるんですから。ドキドキ、それは、しちゃいますよ」 「……好きだったんですよ? ほんとうに。 あなたも知ってたでしょうけど―― あなたが知っててくれる強さの、きっと何十倍も、何百倍も」 「『もう知らない』って思うことも、 『これでおしまい』って思ったことも。 きっと、両手の指じゃたりないくらい、あったかなって思いますもん」 「それでも……あきらめきれませんでしたからね。 最後の、最後の、最後まで」 「……。あなたにもらった宝物…… ほんと、ちょっとしたものなんですけどね? 蛇が脱皮した綺麗な皮とか、窓越しに投げ込んでくれたくしゃくしゃのメモとか、『ありすっぽいって思ったから』って、あなたがくれた雑誌のおまけのポストカードだとか」 「あの日……わたし、ぜぇんぶ燃やしちゃいました。 あの日――あなたとすみちゃんの距離感が、あきらかにめちゃくちゃおかしくなった――不自然に遠くなって、すごくギクシャクしはじめた、あの日」 「『ああ、そうなんだ』ってわかって……わかっちゃって。 可能性じゃなく、確信、わたし、できちゃって。 地面、全部崩れたみたいな気持ちになって……」 「ぜぇんぶ燃やして、綺麗さっぱりあきらめようって思って――だけどやっぱり、それでもあきらめきれなくて」 「(呼吸音)…… ふふっ……どうしようもないですよね。ほんとに」 「そのあとも結局、宝物コレクション再開しちゃって―― あなたとすみちゃんの結婚式の次の次の日、 またぜぇんぶ、これでおしまいって思って、燃やして」 「そこからは……コレクション自体もうやめて。 できるだけ距離を取ろうって思って…… 東京とかね? もう、いっそ行っちゃおうかなって思った時期もあったんですよ」 「でも、なっちゃんがすごく大変だったから。 わたしにもできること――あなたを支えるために、頑張れることあったから、やっぱり茂伸を離れられなくて……ううん、離れたくなくて」 「それにやっぱり――そこまでいっても、 希望はどこかに持っちゃってたんです、わたし。 すみちゃんの願いは、いつでも『あなたの幸い』だから」 「あなたがわたしを一番だって選んでくれて―― 『有島ありすとおることが、お主の最高の幸いなのじゃな』って、いつかすみちゃんが認めてくれる―― そんな、希望を」 「だけれどそれは叶わなくって。 えみちゃんが産まれて。なっちゃんが助かって――」 「(呼吸音)」 「…………。 飛車角さんとのお別れは、わたしにとっては突然すぎて――実感、なかなかわかなくて」 「3日くらい経ってから、だったかな。 夢に、出てきてくれたんですよ。飛車角さん」 「……『透ボンのこと、夏葉お嬢のこと、すみのこと。 おまけにワシなんぞのことまで――長いこと助け続けてくれて、まっこと、ありがとうのぉ』って」 「『がんばった分、誰より幸せになれますけぇ。 ありすお嬢の空には必ず、鮮やかな虹がかかりますけぇの』って」 ;感情が高ぶりそう過ぎそうになったのを抑える 「(呼吸音)」 「……目が覚めて。ああ、夢かって思って―― そしたらね? お隣から、あなたの家から、 えみちゃんのおっきなおっきな声が聞こえて」 「『おはよおとおたん! おはよおかあたん! おはよおなつはおねーちゃん!』って」 「その瞬間、ね? もう、だーーーーって。 目が壊れたのかともうくらいに、だーって―― 涙、すごくあふれて」 「声、泣き声とか出ないんですね。ああいうときって。 ただ、喉だけが震えて、震えて。息をするのも苦しくて――」 「(呼吸音)」 「……(吐息)――いつの間にか、泣き止んで。 なんにもする気がおきなくて、ぼーっとしてて。 多分、あの瞬間なんですよ」 「わたしがちゃんと、わたしの恋を押しつぶせたのは。 『諦めたい』じゃなくって、 『諦めなくっちゃダメなんだ』って――」 「こころがちゃんと理解したのは ……多分、あの瞬間なんですよ」 「(呼吸音)」 「……看護学校。それでも高知市内を選んじゃったの、なんででしょうね? もっと遠くにいくのもアリって、すごく思ってたはずなのに」 「何度も何度も思ったんです。きっと、環境のせいだって。 こんな田舎に生まれ育って、身近な同年代の異性はあなたしかいなくって――だからきっと、それで恋しちゃってただけなんだって」 「高知でね? わたし、モテたんですよ? びっくりするくらいイケメンの、実習先の研修医の先生に告白されたし……他にも、いろいろ――」 「声かけられたとか、デート誘われたとか、10人じゃきかなかったんです。 だけど……ね。誰にも恋はできなくて――ときめくことさえ、できなくて」 「『この人を好きになれたら、きっと幸せになれるだろうな』って、そういう風に思うたび――思い込もうとするたびに、あなたの顔が、必ず浮かんできちゃって……」 「あなたへの恋を潰せても、思い出全部は消せないんです。 あなたと一緒にすごした時間が、あなたの声が、あなたの仕草が、あなたの匂いが、あなたの熱が」 「――初恋のあなたに捧げた、少女だった日のはじめてのキスが」 「全部がね? どうしようもなく、甘くて苦しくて大事なんです。 鮮やかすぎて、濃すぎるんです。 思い出したらその瞬間に、他の全部が色あせちゃうほど」 「……それに、ね。わたし。なっちゃんのこともえみちゃんのことも――すみちゃんのことだって、やっぱり、大好きなんですよ」 「一緒にいると楽しくて、危ないことから守りたくって、わたしの知ってる大事なことなら、なんでも教えてあげたくて……」 「恋は、むりやり押しつぶせても。 愛は、きっと、何をやっても、形を変えておくことですらできないんです。 どうがんばってもすぐさまに、もとの形を取り戻しちゃって……」 「男女間の愛がなにかを、わたしは未だに知らないですけど。 知りそこねちゃったのかもしれませんけど―― そうしてこれは、家族愛ともきっと違った、いびつなものって思いますけど」 「それでもね? わたしの胸のこの感情に、ひとつ名前をつけるなら――」 「…………(呼吸音)(長い溜息)」 「多分、愛って。 他に名前があるはずないって……そうとしか思えないんです」 「って、なに話してるんですかね、わたし。 一人で、勝手に、こそこそと」 「だけど……うん。 今この瞬間が、きっと、絶対―― あなたとふたりきりで一緒に眠る、最初で…… 多分、最後の夜が」 「大きな区切りになるんだろうなって、思います。 その区切りから、どんな未来につながっていくのか、それは全然、想像すらもできないですけど」 ;考えをまとめようとする 「(呼吸音)」 「……どんな未来にしたいのかもまだ、 今は全然、わかんないです。 けど――」 「だけど――やっぱり。 あなたのことは、願っちゃいます。 わたしの未来はわからなくても、あなたの未来は」 「あなたが泣くことがないように。 あなたが笑顔でいられるように。 あなたが健康であるように。 あなたが悩まずすごせるように」 「……あはは――ほんっと、この期に及んでって感じですけど。 キモくてウザくてクサくって、しっつこくって、重すぎるのかもしれないですけど」 「――それでも、やっぱり」 「今この瞬間のわたしの願いは。 一番強くこころに浮かんでくることは、たったひとつの言葉なんです」 ;3/右 接近囁き 「ずっとずうっと。どうか幸せでいてください」 ;3/右 「ん……(呼吸音)…… ふぁ――あ――(あくび)」 「ぁ……ふふっ、気持ち、整理できたんですかね? わたし、今ので。 なんだか安心できたみたいで、少し、眠たくなっちゃいました」 「あ――ひょっとして、はじめてじゃないかもですね。 あなたとわたしが、ふたりっきりで一緒に寝るの」 「わたしがまだ本当にちいちゃかったとき―― あなたの匂いに安心しながらすやすや寝てた…… お隣のおにいちゃんに一緒にお昼寝してもらった―― そんな時間があったのかもって、わたし、なんとなく思います」 「……わたしも、守ってもらってるんですよね。支えてもらってるんですよね。 ずっと、ずうっと。あなたに、なっちゃんに、えみちゃんに――そうしてもちろん、すみちゃんにも、とおこさんにだって」 「あ――そうだ」 ;位置そのまま、顔をダミーヘッドが向いているのと同じ向きにして 「ちまちゃん、いま、屋根の上いる? わたしの話、聞いてたりする?」 「もしもそうなら、忘れてね? それから、お願い。ここから先は、聞かないで?」 ;SE 遠くかすかに(天井を越えた屋根の上で)、軽い足音がしゅたっと天井の上から飛び去る 「ふふっ」 ;3/右(顔、マイク向きに戻して) 「これで、昔とおんなじですね。 きっと――いつかあったかもな、 あなたにわたしが守られて、ふたりっきりでお昼寝してた、そのときと」 「いまはわたしが、あなたのことを癒やしてますけど、 守ってますけど。 恩返しして――立場だけは、反対になってますけど」 「それでもきっと、一番根っこにある感情はおんなじだから。 一緒になって、安心しきって眠りたいって…… いまはもう、ただそれだけを思ってますから」 「だから、これは。恋心でも、愛情でもない―― ただの挨拶。おとなりさんの、ご挨拶です」 ;SE そうっとあなたの前髪をかきあげる 「(おでこにキス)」 「おやすみなさい。わたしのお隣のおにいちゃん。 初恋の人で、失恋相手で。だれよりも優しくてがんばりやさんな――大切な幼馴染さん」 「今夜はこのまま――あなたの腕の中で眠らせてください。 明日になればいつもどおりの、あなたとわたしに戻るしかないに決まってますから」 「(短い吐息)」 ;3/右 接近囁き ;大好きなあなたは、声にしない、息だけのウィスパーで 「おやすみなさい。大好きなあなた」 「……(満足そうな、笑みの混じった吐息)(呼吸音)」 ;//////// ;Track6 (ボーナスパート) ;「ありすの寝息(ループ)」 ;//////// ;1セット一分程度でお願いできると幸いです 「(寝息)」 「(寝息)」 「(寝息)」 ;おしまい