「常夏の楽園 ~出会い・屋外連続生プレイ~」ショートストーリー <溺れてこのまま> 作・エヌカナエ ===== 「『着いたよ』っと。」  彼女の宿泊しているホテルの下に車を停めて外に出てから、メッセージを送った。  するとすぐに、モグラが『了解です』と言っているスタンプが返ってきた。 (このモグラのキャラクター、前にも使ってたけど好きなのか……? なんかモグラって珍しいけど、最近日本で流行ってたりするのかな……)  この国にきて約1年。こっちの言葉にも慣れてきて、バラエティ番組も普通に楽しめるようになった。するとどんどん日本の現状から離れていって、友人のSNSの投稿で日本の流行を知ることも多くなった。  いつ以来なのかわからない、人を待つだけで浮つく気持ちを抑えながらそんなことを考えていると、視界の隅に彼女の姿が映った。 (最初に会った時よりも少しだけ顔色が明るくなったような気がする……。仕事が落ち着いてきたのか……? それとも……俺に会うから化粧頑張ってくれたのか……いや、それは都合のいい考えだな) 「久しぶり。ほら、暑いだろうから、乗って」  そう言って助手席のドアを開いて乗車するよう促すと、彼女は少しだけぎこちなさそうに座った。  俺も運転席に座ってドアを閉めると、彼女は男性にエスコートされ慣れていないからちょっとドキドキすると言ってはにかんで笑った。 「別に俺も慣れてないよ。ちょっと頑張ってるだけ。……それより、なんかこの間より顔色良くなった?」  最初に感じたことを素直に質問すると、また彼女は少しだけぎこちなさそうに、仕事が片付いてきたからと話した。 「そっか、よかったな」  それだけ言うと彼女は安心したような顔を見せたので、意地悪したい気持ちが芽生え、こう付け足した。 「今日、可愛いな」  耳元でそう伝えた途端、彼女は頬だけではなく耳も真っ赤にして、褒められるのも慣れてないから揶揄わないでと抗議を口にした。 「あはは。いや、冗談じゃないし、本気でそう思っただけだし。……まぁ、ちょっと揶揄おうかなとは思ったけど」  ほら!と責められながらも、久しぶりに会ったことによる変な緊張感は、笑いと共にお互いの間から少しずつ薄れていった。 「どっか行きたいとことかある?」  一応いくつかパターンは決めておいたけど、行きたいところがあるなら優先したいと思い、彼女に聞いてみる。  すると、有名な観光地の名前がいくつかあがる。元々メッセージのやりとりでも、まだ観光地も行けていないと話していたから、それは考えていたプランのうちのひとつだった。 「オッケー。行きたいとこ考えてくれてありがとな。じゃあ、そこ行くか」  そう言ってシートベルトを締めてエンジンを付けると、車を走らせた。 *  *  * 「どう? カクテルソフト、おいしい?」  いくつか観光スポットを回った後、最後にちょっとした緑地がある公園に来た。  一通り公園を見た後、名物のカクテルソフトを食べられるカフェバーで休憩している。  カクテルソフトは、そのカフェバーで扱うオリジナルカクテルの味をそのままにソフトクリームにしたといううたい文句の白物。  今日は車だったので、カクテルではなく、カクテルソフトを食べることになったのだ。 「ってあれ、まだ食べてなかったのか。SNS用の写真?」  頷いた彼女は、おしゃれに見えるような角度で写真を撮るべく四苦八苦している。  するとそこに、一人のスタッフが声をかけてくる。 『よろしければ、カップルでのお写真お撮りしましょうか?』  突然話しかけられて聞き取れなかったらしい彼女にスタッフの言葉を伝えると、カップルだと思われたことに対して微妙な表情で笑っている。 (まぁでも確かに、男と過ごしてるんだってSNSにあげてくれれば、日本で彼女の周りにいる男への牽制になるかもな……) 「もう溶けてきちゃってるしさ、せっかくだし食べてるところ、撮ってもらおう?」  少しだけ強引に彼女のスマホをスタッフに渡すと、俺は彼女の肩にそっと腕を回して、顔を近づけた。 (今どんな表情してるんだろうな。あとで写真を見るのが楽しみだ)  写真を撮ってもらい、スマホを返してもらう時に先に画面を見た。 「ふふっ、めちゃくちゃ可愛い顔してんじゃん」  スマホを返しながらそう言うと、すぐにスマホを確認して、彼女は恥ずかしがった。 「あ、ほら、ソフトクリーム垂れそうになってる」  急いで彼女が垂れそうになっているソフトクリームを舐めとる。  ごく自然な光景のはずのその行動が、先ほどの可愛らしい言動とのギャップなのか、物凄く色っぽく感じる。 「おいしい?」  舌をのぞかせながら満足気な笑顔を向ける彼女を見ていると、堪らない気分になってきた。 「そっか。よかった。……ところでさ、この後、俺んち連れて行ってもいい?」  いきなりのことに驚いて、彼女は目を丸くする。 「だってさ、この間言ったじゃん。……またしようって」  彼女は恥ずかしそうに目線をそらす。 「え? もしかして、俺が言ったこと忘れてた?」  俺がそう言うと、忘れていないと、ゆっくりと恥じらいながらも彼女が返答した。 「よかった」 (覚えてて、俺と遊びに行くの了承してくれたんだ……)  益々たまらない気持ちになるのを抑えつつ、ばつが悪くなったのか黙々とソフトクリームを食べる彼女を俺は見つめた。  そして、彼女が食べ終わったのを確認して、声を掛ける。 「じゃあ、行こうか」 *  *  *  車に乗り込んでから、必要以上の会話をしなかった。  俺はもうスイッチが入ってしまっていて、今すぐにでも彼女を抱きたくて、公園から距離のある自分の家ではなく、人気のない森の方へと車を走らせた。  適当な場所で車を停めて、俺がシートベルトを外すと彼女が不思議そうに、ここから俺んちが近いのかと声をあげた。  しかし、その声は本当にそう思っている声色ではなく、おそらくこの後俺がしようとしていることに勘付いている様子だった。 「いや、違うよ。ごめん。勝手に行先変更した」  そう返事をしながら、彼女のシートベルトを外して、すぐに口付けた。 「ちゅっ……、んっ……、んん……っ、ちゅ……ん……」  シートに彼女を押し付けて、口内を貪るように味わうと、ほんのりとカクテルソフトの味がした。 「ここでするから、嫌だったら今言って」  前回、外でした時は彼女が酔っていたので、場所という意味での抵抗は案外少なかったように感じた。  しかし、今日は酔っていないためか、いつ誰が来るかわからない野外に停車した車中でというのに抵抗があるようだ。  そもそも彼女と俺は正式に付き合ってはいない。彼女があまり早急に決めるのに抵抗があるようで、答えは急かさないでいるためなのだが……。  そんな考えを巡らせていると、彼女は首を横に振り、嫌じゃないと小さな声で口にした。 「わかった。じゃあ、今日はもう、嫌って言ってもやめないから。覚悟して」  彼女に声をかけてからゆっくりとシートを倒すと、彼女の上に俺は覆いかぶさり、再びキスをした。 「んん……ちゅっ……、ん……、んん……」  服越しに胸を柔らかく揉むと、キスをしている最中の彼女の息が少しだけ荒くなる。  唇を離すと、耳たぶを舐める。 「ぺろ……っ、ちゅ……」  可愛らしくあがった彼女の声をもっと聴きたくて、服の下から手を入れてブラジャーをたくし上げ、直に胸を揉みながら舌で耳をさらに愛撫する。 「じゅる……っ、ちゅ……っ、ちゅうっ……、ぺろ……っ、じゅる……ちゅっ……。乳首……たってるな……ちゅ……っ、じゅるる……、ちゅう……。すごいこりこりしてる……ちゅう……じゅるう……ちゅっ、ちゅ……」  ゆっくりと胸を責めながら舐め上げていると、彼女がぴくぴくと反応しながら、足をもじもじとさせていることに気付く。 「……下も触って欲しい?」  恥ずかしそうに、しかし、しっかりと彼女は頷いた。 「そっか。じゃあ、下着、脱がせるぞ……」  スカートの中に手を入れて下着を脱がせると、既に下着は染みを作っていた。 「まだあんまりしてないのにこんなに下着濡れてたんだな……。もしかして、今日一日中、今夜俺に抱かれるかもって思いながら過ごしてたから……?」  彼女は否定も肯定もできずに、恥ずかしがって脚を閉じてしまう。 「ごめんごめん。でもやっぱ、あんためちゃくちゃエロいな……」  謝りながら、彼女の脚を広げ、中心にそっと触れた。 「ああ……やっぱり濡れてる……」  ぬるぬるとした感触に興奮しながら、彼女のクリトリスの周りを優しく愛撫する。 「ほら……すごいぐちゅぐちゅいってる……はぁ……どんどん奥から溢れてくるな……」  周りだけを触っていた指を、クリトリスの中心へ移動させる。 「ああ……クリもかたくなってるな……ツンってしてる……」  彼女が声を抑えられずに次々と漏らしていくのを聴き、追い打ちをかけるように再度耳への愛撫をする。 「ちゅっ……じゅるる……ちゅう……っ、ここ……二本の指で擦られるとどう……? ちゅっ……ちゅう……、じゅる……ちゅ……」  切なげな声をあげながら、彼女の脚が時々痙攣しているように震え出す。  俺は両手を使って、クリトリスを愛撫しながら、中に指を挿入して、擦り上げた。 「ちゅう……ちゅっ、……イきそう? ……いいよ……イけよ……じゅるる……っ、ちゅう……、ちゅっ、ちゅっ……」  擦る指のスピードを速め、舌での愛撫も激しくすると、彼女は一際大きな声をあげて、達した。 「ちゅっ、ちゅっ……気持ちよかった……?」  そう聞くともう余裕を失っている彼女は、息を切らしながら素直に頷いてくれた。  そんな彼女の乱れた姿を見ていたら、もう我慢の限界だった。 「ごめん、イったばっかでキツいかもしれないけど、挿れてもいい? 今すぐ挿れたい……」  少し力なく彼女が頷くのを確認して、ベルトを外して下着とズボンを下へずらすと、彼女の膣口に性器を宛がった。 「ん……っ」  ぬるぬるとしていて温かく、また当時に、絶妙に締め付けてくる彼女の中を充分に味わいたかったが、限界まで来ていた俺は、挿入してすぐに奥を突き始めた。 「はぁ……っ、ん……っ、んん……っ、はぁ……、中……気持ちいい……」  達したばかりの彼女の中は時折痙攣しているのがわかり、その感触がさらに俺を興奮させた。 「んっ、んっ……く……、はぁ……、ここ、イイ……?」  奥が気持ちいいという彼女の脚を抱えお尻をあげて、さらに奥まで入る体勢で奥まで突いた。 「こうすると、もっと……イイ? そっか。俺も、すげー……気持ちいい……。んっ、……んんっ、はぁ、ん……はぁ……、んんっ……」  無我夢中で奥を突いていると再び彼女の中が大きくうねり出すのを感じた。 「イきそう……? はぁ、はぁ……俺も……イきそう……。中に……いっぱい出したい……。……んっ……はぁ……、はぁ……いいか……?」  彼女が頷いたのを確認して、さらに中を擦るスピードを加速させる。 「あっ……んっ……、もう……出る……イく……、っっ」  俺が射精する寸前彼女が達し、その締め付けによって俺も彼女の中で射精した。 「ああ……、はぁ……、っ……、すげー……、止まんない……、今日量多いかも……」  射精が収まると、抱え上げていた彼女の脚を下ろして、乱れた彼女の髪を整えるようにして撫でてから、抱きしめた。 「ごめんな、こんなとこでいきなりして……。今日会った時から本当に可愛いなって思ってたんだけど、一緒に過ごしてたら、すぐにしたくなって……」  自分でもカッコ悪いと思いながら、言い訳じみたことを口にした。  呆れられただろうかと少し後悔していたが、少し恥ずかしそうに黙っていた彼女が口を開くと、自分も同じ気持ちだったと言った。 「え? 本当?」  俺が質問すると、今度は俺の目を見て頷いてくれた。 (付き合うかどうかは急がせないつもりだけど……これは少しは自惚れてもいいのか……?)  恋愛に対する価値観は人それぞれだ。  彼女のペースでじっくり考えている間も、もし許されるのであれば、このまま溺れていたい。  そう思いながら、彼女を抱きしめる腕に力を込めた。 END