「暗闇で男友達と禁断のゴムなし×××」ショートストーリー <その後の二人> 作・エヌカナエ ===== 『なあ、今度いつ空いてる?』  そうメッセージを送った俺は、なんだか妙にそわそわしていた。  あいつとセックスしてから二日。  正直なところ、友達としての居心地のよさを感じていたあいつとするなんて考えてもいなかったし、その後すぐにこうして連絡をせずにはいられなかったことにも驚いている。  セックスしてから連絡を頻繁にとるようになるとか、どう考えても体狙いだとか思われそうだということは、自分でもわかっているのに連絡したい気持ちを抑えられなかった。だからこそ、今度あいつと会うことができるなら、二人きりで、健全なデートして……などとずっと考えている。 (そんなんで、信頼回復ってできんのかね……)  それでも、何もアクションを起こさないよりは起こしてから後悔したいタイプだと自分で自覚している俺は、メッセージを送っていた。  返事が来たのは、だいたい三時間後、二三時過ぎだった。 『金曜日の夜なら仕事早めに終わるから時間あるかも~』  平日にわざわざ時間を空けてくれるということには驚いたが、以前までと特に変わらないメッセージの雰囲気に少しだけ落ち込んでいる自分がいた。 (いや、なんか突然可愛いかんじになられても絶対違和感あるんだけどさ……)  変に戦略的に時間を空けて返事をするのも気が引けて、素直にすぐに返事をした。 『じゃあ、夜映画見に行かない?』  そう誘ったらあっさりとOKの返事をもらい、四日後の仕事が終わった後の夜、俺たちは映画館前で待ち合わせをすることになった。 * * * 「なんの映画見たいって聞いたら、ホラーって言うから得意なのかと思ったらけっこうビビってたな」  ホラー映画を見終わった俺たちは繁華街の中を歩いていた。  セックスしたあと初めて会うし、ドキドキするかと思ったら拍子抜けするくらい、お互い今まで通りだった。よく考えたら当たり前かもしれない。こいつとは映画もドライブも買い物もテーマパークも一緒に行ったことがある。  今までは二人きりじゃないことがほとんどだったけど、お互いの波長が合うからか、二人きりにふいになったときなんかも、居心地の悪さや話題を無理に探すようなことは起こらなかった。 「この後どうする? あ、前に話したことある日本酒美味い店行く? 和食も最高なんだよ」  そういった俺に、少し迷ったような表情を見せてから嬉しそうな返事をくれる。 (誘い方不自然だったか……?)  そう思いながらも程近くにある店へ向かっていった。  和食と共に日本酒を三合ほど空けた頃、俺は自分でもすがすがしいと思うほどにスムーズに疑問をぶつけた。 「ぶっちゃけさ、今日俺と会うの気まずいとか思ったりした?」  突然の質問に、こいつは少しだけ動揺したような雰囲気を見せたが、すぐに笑って返事をくれた。  その内容は俺がさっき考えていたことと一緒だった。会うまでは少し緊張していたけど、話しやすい相手だということには変わりなかったようで、話しているうちにいつも通りになっていたと。 「そっか、俺もそんな感じ。でも、ひとつだけ前とは違うなって思ってることがあるんだよね」  返事を促された俺はこう続けた。 「どう伝えたって勘違いされるだろうからハッキリ言うけど、お前としてから、お前のことばっかり考えてるし、正直付き合えたらなって思ってる。お前とは元々波長合ってたし、ずっと友達として楽しくやってたから改めて考える機会もなかったけど、考えたら妙にしっくりきたっていうか……」  結局歯切れの悪いことを言ってしまった俺をこいつは笑った。 「こういう時に素直に笑ってくれるのもなんか嬉しいなとか思うし。……でも、体目的だとは思われたくねぇからしばらくは健全に遊んだり出来ればって思ってる。それでお前も嫌じゃないかもって感じたら、……その時は付き合ってくれ」  真剣に伝えた俺から目をそらして、こいつは何かを迷っているような表情を見せている。  急すぎたかなと自分の判断を少し呪っていると、耳を疑うような声が聞こえた。 「へ??? いや、したくないとかはないけど、いや、つーかしたいけど……え?」  そういうデートも楽しそうだけど、しばらくしてくれないのかと聞かれて、驚いた。 「確かに体の相性って付き合う上で重要だと思うけど……あっけらかんとそんなこと言ってくる女の子初めてだわ」  驚きを通り越して、笑えてきた俺は自然とこいつの頭を撫でていた。  首元や耳元を撫でるとわずかにくすぐったそうにぴくりと反応するのが可愛くて、俺の健全なデートという考えはいとも簡単に崩れ去った。  それから手近なところにあったラブホテルに入った。  彼女に先にシャワーを浴びてもらい、俺が出た頃に寝てしまっていたら今日はこのまま眠りについて健全に解散するのもありかもしれないとわずかな信頼回復ルートを残してはいたが、俺がシャワーから浴びても、しっかりとベッドの上でこいつは待ってくれていた。  バスローブ姿で俺と同じソープの香りを漂わせる肌に触れるとしっとりとした手触りだった。そのままどちらからともなく唇を貪った。前と同じほろ酔い気分でありながらも、しっかりと声が出せる状況。とにかく声を聴きたいと思って、キスの最中に胸の突起を探り当てると、柔らかい手つきで撫で上げた。  その瞬間キスをしながら甘い声をあげる反応に気を良くした俺は肩にひっかかったバスローブを両方下ろし、両手で両乳首を焦らすように優しく触った。最初はわずかにしか反応していなかった乳首がどんどん尖っていく。しっかりと固くなったころ唇を離すと同時に強めに摘まんだ。  すると彼女から激しく甘い声があがる。完全にスイッチが入っていることを感じて、左乳首を口に咥えた。舌で乳首を転がしたり、優しく吸ったりを繰り返すうちに、彼女の声は一層甘いものになっていく。  反対の乳首も同じように口で愛撫していると、彼女の腰や足がもぞもぞと動き出す。それを感じた俺は、彼女の足をM字に開かせてしっかりと固定し、内ももを右手で撫で上げた。  股の中心に行きかけては大事なところには触れずに反対側の足を愛撫する、焦らすような手つきと胸への愛撫に堪らず声をあげ続ける乱れっぷりに興奮して、俺も彼女の足に腰を押し付けてしまっている。  胸から口を離すと、彼女のバスローブの腰ひもを外して前を全て露わにする。するとM字に開いた足に気付いたのか、彼女は閉じようとするが、両手でそれを制す。 「つーかさ、今日俺に抱かれると思いながら来たの?」  彼女は何も答えない。 「そっか、だからかー。ここ、こんなにびしょびしょなの。まだ直接触ってもいないのに、すごいことになってる」  俺は、彼女の秘部の襞を広げて、見つめる。 「すごい……めちゃくちゃヒクついてる……エロ……。あ、言ってる間にも奥から溢れてきた……」  彼女は腰をくねらせながら恥ずかしそうに興奮しながら、もう触ってと言ってきた。 「うん、この間ちゃんとできなかった分、たっぷりしてやる」  そう言って、俺はクリトリスをゆっくりと舐め上げた。すると、彼女は腰を震わせながら、大きな甘い声を出した。そして、もっとしてと懇願され、俺も堪らず勢いよく舐め続けた。 「お前ってほんとエロい……こんなの知ったら……大事にしたいのに……我慢できねぇよ……」  クリトリスを舐めながら膣に指を入れて中をほぐす。 「あの後、誰かとした?」  そんな俺の独占欲丸出しの質問に、乱れながらも首を振る。 「そっか……」  嬉しいと思いながらも、そっけない返事になってしまったが、余裕がない。指を二本に増やして中をほぐしながら、クリトリスへの愛撫を続けると、反応が変わる。 「ん? もうイきそうか……?」  首を縦るこいつを見ながら、イくときの声をちゃんと聞きたいと思う。 「いいよ、イケよ……」  反応のよさそうなところを外側と内側から激しく責めると、そのまま身体を震わせた。  気持ちよさそうな声、今まで一緒に過ごしてきた中で色んな声を聞いてきたと思うけど、どの声よりも色っぽい。  口を離して、息を乱すこいつを見ていると、益々余裕がなくなってくる。 「なぁ、もう挿れてもいいか……?」  頷くのを確認してから、大きくなった性器を彼女に宛がった。  はぁ、と息をつきながら、ぐちょぐちょに濡れたそこに挿入していくと、彼女はまた声をあげた。 「え? なにそれ、この間より大っきいって、褒められてんのかけなされてんのか……ははっ」  そう言いながら中で俺は中で動き出した。 「まぁ、この間はほとんど声聞けなかったし、暗くてあんまり見えなかったし、今日のほうが興奮してるかも……はぁ……っ。それに。お前もこの間より興奮してない? なんか、中の動き、前よりすげぇんだけど……」  だんだんとスピードをあげて中を擦りながら感触を味わいつつ、再び胸の突起へ手を伸ばした。 「お前ってちょっとMッ気あるよな……ヤバい状況とか、恥ずかしい言葉とか、好きだろ……?」  否定しながらも、また俺の性器を締め付けてくるこいつの体は本当に中毒性がある。 「また締め付けてきた。すげぇ気持ちいい……ちょっともうキツいかも……」  何も考えられなくなりながら、とにかく奥を突きながら中を擦り上げて、こいつの反応を求めた。お互いほぼ同じタイミングで絶頂を迎えて、俺はこいつの締め付けを感じるままに中出した。 「はぁ……すげぇ出てるのに……まだ止まんねぇ……」  荒くなった息を整えつつ、彼女の乱れた髪を整える。 「なぁ、もう一回してもいいか……?」 * * *  ホテルでの朝、彼女より早く目覚めた俺は水を飲みながら、物思いに耽る。 (なんか一筋縄ではいかないタイプだよな……俺のこと好意的に見てくれてる気もするんだけど……ただの友達だった頃からそれは同じだったし……。でも、そういうところも含めて、今まで出会った女の子たちよりも、やっぱり魅力的だし、一緒にいたら楽しい人生になりそうだなって、気付いちゃったんだろうな……)  まとまらない考えと、素直な気持ちを混ぜながら、電子タバコを咥えて、紫煙をはいた。 END