こんにちは、はじめましての人は、はじめまして。 ようこそ、わたしは案内人のミオ。 まず最初に、この音声の目的を説明するね。 もう説明書を読んで知ってるかもしれないけど、 この音声は、催眠術の技法を使って貴方を癒やすもの。 催眠を使った音声に慣れてる人も多いかもしれないけど、 慣れてない人のために言うと、 催眠って言うのは、"私"が喋って、"貴方"が反応する、ただ、それだけの現象、なんです。 テレビや漫画や……あるいは、えっちな本で見たことあるかもしれないけど、 あんな風に、操るような技術ではないんだ。 あなたが、私の喋る言葉を聴いて、それに合わせて、 心と身体が、ちょっとだけ動く……かもしれない。 もしかしたら、凄く動くかもしれないし、あるいは、あまり動かないかもしれない。 でも、少しだけでも動くなら、いつかは全部に伝わって、変わることできる。 わかるかな? 忘れたはずの言葉をふと思い出す時、そんなありがちな一瞬みたいに、 私の言葉が、貴方の心のどこかで、溶けずに残っていて、癒せたら、とても嬉しい、みたいな。 だから、あんまり肩に力を入れずに聴いてください。 途中で眠くなったり、よくわからなくなったりしたら、 いつでも聴くのを辞めて構いません。 ただし……あ、そうだ。 この辺りで、この音声が他の催眠音声とどう違うのか、教えるね。 この音声は、日常の隙間で聴くことを想定している音声なんです。 そう、好きなお菓子とか、コンビニの美味しいスイーツや、食後のコーヒーみたいに、 ぱっと聴いてぱっと気分を変える、そのための音声。 でもこの音声トラックはとても長いじゃないか……って思った人もいるかもしれません。 このトラックがある理由、ですけども、さすがの私も、初めての人を一瞬で催眠状態にするのは難しいんですよね。 世の中には、"一瞬で"催眠状態に入れちゃう人や、 "一瞬で"催眠状態に入っちゃう人もいるらしいのですけども、 それはそれ。こうして私が語りかける形式だと、 "色んな"人が催眠に入ることができるよう、 どうしても多少は回りくどく語らねばなりません。 というわけで、まずはこの音声を最後まで聴いてください。 この音声を最後まで聴くことで、貴方の意識の"深い"ところに、 私、ミオの事がインストールされます。 そうして、"いつでも"私の声で催眠状態を呼び出せるようになった上で、 それぞれシチュエーションに分かれた音声を聴くことで、 すぐに気持ちを切り替える……。それが、この音声の目的です。 だから、まずはこの音声を最後まで聞いて、その上で他の音声を聴いてください。 そうでないと、突然謎のお姉さんが謎の指示を出してくる音声を聞かされる事になっちゃいますからね。 ミオとの約束ですよ。 それと、もし、催眠にちゃんと入れないな?って感覚があったら、このトラックを何回か聴き直して、もう一度挑戦してみてください。 そーれーではー、長いながーい前置きが終わったところで、 そろそろ、催眠、始めちゃいましょうか。 じゃあ、まず、ゆったりできる場所に移動してください。 もう、すでにゆったりできる場所にいる人は、 そのままそこでゆったりして待ってください。 なるべく邪魔が入らない、 私の言葉を素直に聴くことができる、 そんな場所で聴いてもらうのがいいでしょうね。 もし、時間が掛かりそうなら、一旦音声を止めてから移動してもらっても構いません。 ちゃんと、しっかりと心の余裕が持てるような、そんな場所で聴いてください。 では、ちょっとだけ聞こえやすい場所に失礼します。 それじゃあまずは、ゆっくり、大きく深呼吸をしましょう。 深呼吸はー、肺の中の空気をぜーんぶ吐き出してしまうのがコツなんですよ。 そうすると、空っぽになった肺の中に綺麗な空気が入ってきてすごーく気持ちよくなりますよ。 では、行きます。 大きく吐いて……吸って…… 大きく吐いて……吸って…… そのまま、ゆっくりと深呼吸を続けてください。 あまり、普段の生活で大きく深呼吸をすることってないですよね? こうして深呼吸をしているだけで、だんだん、身体が軽くなってくることも、 知らなかったでしょう? 吐き出す空気と一緒に、身体の中に残っているものも、 どんどん身体の外に出していきましょう。 大きく吐いて……吸って…… 大きく吐いて……吸って…… 身体の余分な力がどんどん抜けていきます。 それに合わせて心もいつの間にか、 ふわふわと軽くなっていることに、気付いていませんか?。 さあ、どんどん進んでいきましょう。 では、また身体を楽にして……一旦閉じてるなら目を開いて…… 開いたら、目の前にある景色を、 ぼんやりと眺めて……そして、 真っ先に目に入ったものをじっと眺めて。 ただ、それだけを集中して見続けてください。 じっと集中して眺めていると……だんだんと瞼が下がっていきます。 いつもと何か違うような感覚がすることに気付いているでしょう。 見つめているだけで、どんどん、どんどん、"自分"の意識とは関係なく下がっていきます。 "あなた"はもう、気付かない内に、 私の催眠を受け入れる準備が整い初めているのです。 どうですか? もう光が届かなくなって、 真っ暗な眠りの世界に入っていこうとしているのではないでしょうか? いいんですよ。私の言葉に身を委ねて……。 ぐっすり、眠ってしまいましょう。 ここから先は、"あなた"と"私"だけの夢の世界。 ほうら、だんだん意識もぼんやりしてきたでしょう? 深い呼吸も、いつの間にか止められなくなっているのではないですか? さあ、ほら、次に進んでいきますよ。 ゆっくりと想像してみてください。"あなた"と"私"だけの、秘密の部屋。 あなたの心の一番"奥"、意識の海の深い"底"。そこに、ある。 小さくて、だけど、"大事"な部屋。 好きな色の壁。 お気に入りの家具。 部屋の温度は、ちょうどいいくらい。 暖かくも寒くもない、ちょうどいい、居心地の良い場所。 自分だけのふかふかのベッド。 柔らかくて、いつまでも寝ていられる場所。 あなたは、今そこに寝ている。 そして、その隣に、私、ミオの椅子を置いてください。 そうですね……なるべく、座りやすくて可愛らしい椅子をお願いします……。 イメージして……。ぼんやりしていても構いません。 とにかく、力を抜いて、"私"に座って欲しい場所をイメージしてください。 ……なるほど、良い椅子ですね。 よいしょっと……。 それでは、今からは"ここ"から貴方に話しかけますね。 よーく聞いてください。 今から"この"場所をあなたと私だけの部屋として、 ちゃぁんと覚えておきましょう。 そして、"いつでも"戻ってこれるように、 意識のふかぁいところに、ちゃんとしまっておきたいですね。 ですから、今の"ここ"を、しっかりと覚えて置けるように、 今から、さらに深いところに意識を沈めていきましょう。 20から順番に、数字を数え下げていきます。 数字が一つ減るにつれて、あなたの意識は、どんどん、深く、深く沈んでいく。 階段を一歩一歩降りるように、どんどん、暗くて……けれども、暖かい。 まどろむような、たゆたうような場所へと、どんどん、降りていきます。 安心してね。私がいるから、迷うことはありません。 それでは、 20、19、18、17、16、15、14、13、12、11。 もう、随分遠くまで、来て、しまいましたね。 でも、まだ半分。あなたは、さらに深く降りていく。 10、9、8、7、6、5、4。 ……。 ふかーい、ところ。あなたの、心の柔らかい部分にとーっても近い場所。 残り3つで、もーっと深くに、いけるところまで、降りてみよっか。 ぜろになったら、一旦潜るの、やめちゃおうね。 さーん…… にー…… いーち……。 ぜろ。 ……。 ふふふ、とっても、くらいところまで来ちゃったね。 まるで夢見ごこち。私も、とっても、いい気持ち。 なるほど、ここがあなたの心の奥なのね。 随分リラックスしているみたい。 どうかな……。ここで、いいかな? ここが深すぎるなら、音量を調整するみたいに、深さのつまみをゆーっくりと回して、 あなたの望む場所まで戻れるよ。……どうかな? ここでいいなら……、ここを、あなたと私の秘密の部屋にするね。 …………。 目を閉じたまま、よーく見て、 部屋の中、どんなだったか、覚えておいてね。 そして、私が座る椅子も、ちゃんと、あなたの心のなかに置いておいてね。 あなたが望んだら、いつでも、私はここに座りにくるから。 この……可愛らしい椅子のこと、絶対、大事にしてね。 しっかり戻ってこれるように、セーブしておきましょう。 思い出すためのキーワードは……「「ミオとあなたの秘密の扉」」。 "鍵"を持って"扉"を開けてくれれば、私はいつだって会いに来れる。 そうしたら、あなたはこの素敵な場所にすぐに帰ってこれる。 誰にも邪魔されない、この優しい場所に、 あなたはいつだって、戻ってくることができます。 ……。 楽しい時間には、いつか終わりが来るものです。 そろそろ、目を覚まして、現実に戻りましょう。 でも、何回でも言うけど安心してね。 私は、あなたにいつだって着いてるから。 あなたが頑張ってるの、"ここ"でずっと応援してるからね。 それじゃ……今度は、さっきと逆に、数字を1から数え上げていきます。 10まで数えて手を叩いたら、あなたはスッキリと目が覚めて、 いつもどおりのあなたに戻ります。 じゃあ……また、ね。 10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、ゼロ!