あ、先生……。 はい。そうです。これから、プールです。 ……もう、みんな着替えてると思います。 そう、ですよね。 すみません。もう行きます。 えっ? えっと……。 その……嫌なんです、プール。水着に、なるのが。 私の身体。 目立つ。みたいなので……。 でも、出ないと補講になっちゃいますよね。だからやっぱり。 えっ? いいんですか……? でも、 はい……! あっ……。ごめんなさい。なんかホッとしちゃって……。 先生は、優しいんですね……。 私、怒られるんだとばかり思ってました。 『そんな理由でサボるな』『自意識過剰だ』って……。 でも違いました。見つかったのが先生で良かった……。 そうなんですか? ありがとうございます。 私、先生のおっしゃる通りにしようと思います。 確かに、補講なら参加する子も少ないですし。 からかわれる事もない、と思います。 先生。話を聞いて下さってありがとうございました。 私。今、嘘をついて休もうとしてるのに、すごく安心してます。 ふふ。そうでした。先生も一緒に、嘘をついてくれるんですよね。 『共犯』? ふふっ。嬉しいです……。 はい……! 一緒に行きましょう。 そういえば私、保健室に行くのは初めてです。 ふふ。今日は初めての事が、たくさんです……。