;//////// ;Track1 いんがめとアルバイト。&この音源の楽しみ方 ;//////// ;いんがめはスリッポンのズック靴。リスナーはスニーカー。 ;道路はアスファルト、店内はリノリウム ;タイトルコール ;1/前 【ほゆる】「『あやかし郷愁譚 いんがめ ほゆる』!!」 ;環境音(F.I.) 夏、屋外、町なか(過疎の田舎町) :SE ;3/右から足音近づいてきて、;1/前 ;SE 紙ペラ音 ;SE ガラスの両開きスイングドア開ける。カウベル。 ;環境音 アイスクリームショップ店内。空調(強) ;9/前遠 【ほゆる】「いらっしゃーい――って、そんビラ!!! アルバイト募集に応募しにきてくれたと!!?」 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――!! けんけんけんっ! たすかるけんっ! あんね、そこっ。 そこのとこまわりこんでカウンターの中入ってきちゃって! あ! 『いらっしゃいませー!』」 :SE 自分の足音 ;SE カウンターのスイングドアあける ;3/右 ;マイクと同じ視線に顔 【ほゆる】「はぁい、コーンで、ゆずミルクとバニラミントのダブルとね。ほんなら、450円になります!」 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)―― はい、500円のお預かりで〜」 ;SE キャッシャー操作 【ほゆる】「お返しは50円! すぐつくるけん、待っとって!!」 ;3/右 マイクに顔をむけて、囁き 【ほゆる】「おにーさんも待っとってね? こんアイスばお渡ししたら、すぐにお話するけんね」 ;3/右 マイクと同じ視線で、下の方向いて 【ほゆる】「ん……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 ;アイスクリームディッシャーでアイス掬う、コーンに乗せるを、二回 ;3/右 顔あげ 【ほゆる】「はぁいおまたせ! こぼさんように気をつけてね〜」 ;SE 客足音 ;1/前→;9/前遠 ;SE ドア空き、カウベル、ドア締り ;1/前 【ほゆる】「ふう、おまたせ。 うちは、こんアイスクリームショップの雇われ店長の、いんがめ。 犬の神様、犬神っていう文字ば書いて、いんがめっていうあやかし。 仲良ぉしてね? よろしくね!」 【ほゆる】「で、おにーさんはアルバイトしにきてくれたんよね? こんお店のオーナーのゆきさんから、アルバイトのことはうちに一認されとるけん、こいばそのまま面接いうわけになるとね――え?」 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)――そんなん、履歴書なんていらんいらん。 こんものべのは、人もあやかしも半妖も、重なり合って暮らしをつくっとる土地やけん―― 履歴書どころか、戸籍ももっとらんあやかしがよーさんおるし……ってか、うちもぎゃんあやかしやけん」 ;末尾の!!!? は団体客の足音を聞きつけ、ヤバい! ;なニュアンス 【ほゆる】「書類より、いままで何してきたかより、 これから何をどーできるかが大事って。 ここば、そぎゃん土地柄やけん――っ!!!?」 ;SE カウベル→ドア開き ;団体の足音、どかどか入店 ;3/右 顔マイクと同じ視線むき 【ほゆる】「いらっしゃいませー! 『ゆきのアイスクリームショップ』へようこそ!」 ;そのままヒソヒソごえ 【ほゆる】「もしね? いきなり働いてもろーても大丈夫なら、 カウンターの下にエプロンあるけん、つけてもらえる?」 ;SE リスナーしゃがみ、エプロン装着、立ち上がり ;3/右 顔マイク向き 【ほゆる】「わふふっ! うれしい! ありがとー!!! あうっ!?」 ;3/右 顔マイクと同視線 【ほゆる】「おまたせしました、順番にご注文をお伺いいたします!」 ;SE アイスクリームディッシャーでコーンのアイスつくる ;SE カップのダブル ;SE コーンのトリプル ;SE コーンのシングル ;SE カップのトリプル 【ほゆる】「…………おまたせしました! はい、どうぞ」 ;SE 団体客どやどやでていく ;SE カウベル→ドア閉め ;同じ位置でしゃがみこみながら 【ほゆる】「ふあ〜〜 こぎゃんタイミングで団体客さんくるとは思うとらんかったけん。 助かったとー。まっこと、ありがとぉねぇ」 ;SE 冷蔵庫開ける、缶あける 【ほゆる】「(んぐっ、んぐっ、んぐっ――)ぷはああっ! 冷たかー! おいしかー! って――あ」 ;SE 立ち上がる ;1/前 【ほゆる】「おにーさんも飲むと? こいば、こんアイスクリームショップの名物のゆずアイスに使われとるんとおーんなじゆずばつかっとる、ゆずジュース」 【ほゆる】「飲むんなら、はい。 (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)―― んふふっ! よか飲みっぷりとねー! ってか、そうだ! アルバイトの話せんといけんね!」 【ほゆる】「時給、張り紙にかいてあるのでよか? よかなら――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)―― うふふ! ほんなら採用決定ばい!!」 【ほゆる】「じゃ、お仕事にあたっての注意事項。 こんお店ば、結構ガヤガヤにぎわうけん。 オーダーば聞き逃さんよー、 ヘッドホンかイヤホン、必ずつけておーせ?」 ;2/右前(耳もと覗き込むイメージ) →;1/前 【ほゆる】「おにーさん、ヘッドホンかイヤホン、もっとっと? ――(呼吸音)(呼吸音)―― んふふっ、もっとるんなら、ちょこっと試しにつけてみて?」 【ほゆる】「いんがめ、つけるのまっとくけん! ん〜(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)―― あ! もうよかと?」 【ほゆる】「えへへ、ほんなら試すけんね〜」 ;3/右 接近囁き →;1/前 【ほゆる】「(ふ〜〜〜〜〜)右耳〜〜 ――うふふっ!」 ;1/前→;7/左 【ほゆる】「ひだりみみ!」 ;1/前 【ほゆる】「あははっ! ばっちり聞こえるとるみたいね。 そしたら――ね? いつからからこれると?」 【ほゆる】「……(呼吸音)――うんうん、ありがと! 助かるとー!!」 【ほゆる】「ん? (呼吸音)(呼吸音)―― あー今日は、ねぇ、こんあとのことっていうても……」 ;SE ディッシャーのお尻でアイス容器叩く 【ほゆる】「――名物のゆずアイスがさっきの団体さんで売り切れたけん。店じまい」 【ほゆる】「おにーさんもお疲れさん……ん? (くんくん、くんくん)」 ;1/前→;3/右→;1/前→;7/左→;1/前 【ほゆる】「ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん? (くんくん、くんくん)――(くんくん)――あっ!!」 【ほゆる】「やっぱり、ジュースこぼしちゃったとね! シャツ、これ、ほっといたらシミになっちゃうけん、 ものべの川いこっ!」 【ほゆる】「こんくらいのしみやったら、お紺さんにお洗濯頼むまでもなかとよ。 今の季節、シャツくらいなら洗ってすぐに乾くけん! ね?」 【ほゆる】「(呼吸音)うんっ! きーまりっ! ほんなら〜、わふふっ! ものべの川にむかって、しゅっぱーーつ!!」 ;SE 環境音 F.O ;//////// ;Track2 ものべの川でお洗濯(ASMRパート) ;//////// ;環境音 夏の川べり ;足元は川砂利 ;1/前 (マイクに背中向き) 【ほゆる】「ついたとーーーーーーっ! えへへっ!」 ;SE ズック靴脱ぎ捨てる。ぽいぽい ;SE 足音 ;1/前→;9/前遠 (川の浅瀬に踏み込んでく) ;9/前遠(振り返って) 【ほゆる】「おにーさんも来るとよかとよー! 立ちっぱなしで疲れた足に、川の流れはよー効くけんね」 【ほゆる】「ほらほら――んしょ。 <;SE 岩にこしかける> こん岩、すわりごこちもよかとよ? いんがめのお隣、あいとるけん!」 ;SE リスナー足音(川砂利→水面) ;SE リスナー岩に座る ;7/左 【ほゆる】「わふふっ! いらっしゃーい! 足、ね? 思い切ってふくらはぎまで、川にひたしてみておーせ?」 ;SE 足川にひたす ;環境音 Vol↑ ;7/左 (顔はマイクと同じ視線) 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 ;7/左 顔をマイクにむけて 【ほゆる】「(様子を伺う呼吸音)わふふっ、気持ちよかとね? (満足そうな呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【ほゆる】「……ここ、いんがめのお気に入りの場所なんよ。 お仕事あがりにぼーっとしとると、 面倒なことぜぇんぶ、川の流れに洗い流してもらえるような気になれるけん」 【ほゆる】「もっとも――あははっ! いんがめはいんがめやけん、きっと大事なこととかも、モヤモヤと一緒にも一緒に川に流しちゃって――って!」 ;SE 川に足つけて立ち上がる ;1/前 【ほゆる】「あっぶない! 何しにここにきよったか忘れるとこやったと!! シャツ、脱いで脱いで! いまいんがめがあらったげるけん。 すぐ乾くけん! シミにならんうち、早ぉ、早ぉに!」 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ああ、もう焦れったい! なんやったらいんがめが脱がせたげるけん――え? ああ、自分で脱ぐんやったらそれでもちろんよかとよ」 ;SE リスナーシャツ脱ぐ 【ほゆる】「(焦りの気持ちでまってる呼吸)(呼吸音)(呼吸音)――っ!!」 ;SE リスナーシャツ渡す 【ほゆる】「ん。ほんなら預かって〜――っと」 ;SE ;3/右→;11/右遠方向、川をバチャバチャすすむ足音 ;SE 川から上がる ;11/右遠(なるたけ遠く) 【ほゆる】「え? あー、こん舟は、こん村のもちもんで、 洪水のときとかに使うゆー話なんよ」 【ほゆる】「ほんで、いんがめがお手入ればする代わりに ――よっと―― <;SE ブルーシートめくる> こぎゃんして、物置がわりに使わせてもらっとると―― っと!」 ;SE ブルーシート戻す ;SE 足音もどってくる ;1/前 【ほゆる】「おまたせっ、へへっ。 そいじゃ、洗濯しちゃうけん――わふっ?」 【ほゆる】「(呼吸音)……(呼吸音)―― ああ、こいば洗濯板。 ちっちゃいでしょお。いんがめが人間だったころには、もーっとおっきかったばってん、いまどきはほんっと、なんでも便利よね〜 っと」 ;SE いんがめしゃがむ 【ほゆる】「……興味ばあるなら、またいんがめのお隣で見ると?」 ;SE リスナー足音 ;1/前→;3/右 ;SE リスナーしゃがみ ;/// 以降参考動画 ;/// https://youtu.be/R-0YL15VrYk ;3/右 【ほゆる】「へへー。そいじゃまず、川の水を、 こん木の桶に掬うけん〜――よっと」 ;SE 川の水を木桶に 【ほゆる】「(呼吸音)……んっ」 【ほゆる】「ほいたら、これ。シャツを―― <;SE シャツを水に浸す> ざぶざぶざぶっと水に浸して」 【ほゆる】「浸せたら――ぎゅーっ <;SE 洗濯板にシャツおしつける> 洗濯板にシャツおしつけて――(呼吸音)―― 水気ば、きって――(呼吸音)――っと」 ;SE シャツをバッバとやって伸ばす 【ほゆる】「ほんでよーふって、シャツ伸ばしたら、 ジュースこぼしちゃったとこば中心に洗濯板の上に乗せて〜 ――じゃじゃん!!」 【ほゆる】「わふふっ! こいばね、棒せっけん。 シャラク石鹸ゆーて、お洗濯屋のお紺さんがすすめてくれたんよ」 【ほゆる】「いんがめ、あちこち動き回るし穴掘るしで泥汚れけっこうつけちゃうばってん、こん石鹸なら泥汚れも綺麗におちるんよ。やけん――んっ!」 ;SE 棒石鹸をシャツにごりごり塗りつけていく 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――うん!」 【ほゆる】「そしたら、水ばかけて―― <;SE 手でシャツに水を掛ける> あとはざぶざぶ、ごしごしと――っ!!」 ;洗濯板でこすり洗い(継続洗い) 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【ほゆる】「いまどきの洗濯板は――ん……(呼吸音)―― ぽりえちれん? とかいう、かるぅて曲がる素材でできとるけん――(呼吸音)」 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)――いんがめ、みたく――(呼吸音) ――こぎゃん、してると――(呼吸音)――どんどん、ちからば、はいっちゃう――(呼吸音)――タイプ――でも――(呼吸音)」 【ほゆる】「んっ――(呼吸音)(呼吸音)――痛めたり――んっ――(呼吸音)――せん、で――(呼吸音)すむっ――けんっ――」 【ほゆる】「ん? ……ああ――(呼吸音)(呼吸音)―― そぎゃん、と――(呼吸音)(呼吸音)―― 見てのとおり――(呼吸音)――んっ――」 【ほゆる】「洗濯板に、シャツば――(呼吸音)――こすり、つけるんじゃ――(呼吸音)(呼吸音)――なし、に――っ――(呼吸音)」 【ほゆる】「こぎゃん、して――(呼吸音)(呼吸音)洗濯板ば――下敷き、に――(呼吸音)(呼吸音)――シャツの布地と――布地、だけ――(呼吸音)(呼吸音)――」 【ほゆる】「お紺さんに、おそわったとおり――(呼吸音)(呼吸音)――このやり方で、十分、よごれは――おちる、ばってん――(呼吸音)」 【ほゆる】「いんがめ、それでも――(呼吸音)――力、入りすぎちゃうけん――(呼吸音)(呼吸音)――」 【ほゆる】「昔みたいな――(呼吸音)(呼吸音)――木の、洗濯、板、だと――(呼吸音)(呼吸音)――布地の方――(呼吸音)――平気、でもっ――(呼吸音)」 【ほゆる】「んっ……っと――(呼吸音)―― 力、ば、ついつい――(呼吸音)(呼吸音)―― いれすぎ、ちゃって――(呼吸音)(呼吸音)―― 板の、方――(呼吸音)――パキって、割っちゃってた、けん――(呼吸音)――うんっ!!」 ;SE stop 【ほゆる】「(呼吸音) こげなもんかな? (くんくん)―― うん! もーせっけんの匂いだけ。ゆずの匂いば消えとるけん、こげなもんでしょ!」 【ほゆる】「せっかくやけん、シャツ全体も洗っちゃわん? (呼吸音)(呼吸音)――ん――わふふっ! そんならいんがめ洗ったげるけん!!」 【ほゆる】「ふふふ〜! 全体をあらうときには〜! 粉石鹸!!!」 <;SE 粉石鹸をぱらぱら振りかける> 【ほゆる】「で、またお水ば足して〜 <;SE 手でをすくって足す> (呼吸音)――(呼吸音)――んふふ、よかとね!」 ;SE ごしごし洗い(継続) 【ほゆる】「したら――また――ごしごし――(呼吸音) ざぶざぶ――(呼吸音)―― ごしごし――(呼吸音)――さぶざぶ――(呼吸音)――」 【ほゆる】「布地と――布地ば――(呼吸音)――(呼吸音)―― こしゅこしゅ――こす、って――(呼吸音)(呼吸音)――」 【ほゆる】「シャツ、全体に――(呼吸音)(呼吸音)―― 残す、とこ、なく――(呼吸音)(呼吸音)―― んっ――」 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)――っ―― 泡、ば――なじませ――(呼吸音)――たてる――みたい、に――(呼吸音)――」 【ほゆる】「っ……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)―― うんっ! よかとねっ!!」 ;SE stop 【ほゆる】「したら〜 ざぶざぶ―― <;SE 汲んでた水でシャツゆすぐ> ――ゆすいで、ゆすいで――(呼吸音)(呼吸音)」 【ほゆる】「汚れた水は――んっ――」 ;3/右のまま 右斜め後ろ方向に身体を捻って 【ほゆる】「川砂利に捨ててしみこませて〜――ばしゃーん!」 <;SE 水をぶちまけ系で捨てる> 【ほゆる】「で、また水ば組み直して―― <;SE 水くみ>―― 汲めたら、ゆすいで、ゆすいで、ゆすいで――(呼吸音)(呼吸音)」 ;SE 水捨て ;SE 水くみ ;SE ゆすぎ 【ほゆる】「泡が、完全に消えるまで――(呼吸音)(呼吸音)―― ゆすいで――ゆすいで――(呼吸音)(呼吸音)―― うらっかえして――ん――(呼吸音)(呼吸音)―― ゆすいで――ゆすいで――(呼吸音)(呼吸音)」 ;SE 水捨て ;SE 水くみ ;SE ゆすぎ(スロー) 【ほゆる】「もう一回だけ、念の為――(呼吸音)(呼吸音)―― ゆっくり――ゆるゆる――(呼吸音)(呼吸音)―― およがす――みたいに――(呼吸音)(呼吸音)―― ゆすいで――(呼吸音)――ゆすい、で――(呼吸音)――んっ! よかねっ!!」 ;SE 水捨て 【ほゆる】「(くんくん――くんくん)――ん〜!! もうゆずの匂いも汗の匂いもさっぱりせんね! え? ……(呼吸音)(呼吸音)――そりゃするでしょ、汗の匂い。おにいさん生きとるやけん」 【ほゆる】「いまも――(くんくん)――しよるよ――って!? わ、わ!?」 ;SE 立ちあがり、足音川にざぶざぶ ;5/後 密着 【ほゆる】「ちょ、ちょっ!? 何川にはいろうとしとるん!? (呼吸音)(呼吸音)――って! 違う違う! いんがめば、犬神(いぬがみ)――いんがめゆー犬の憑きもんに憑かれてなじんだ成れの果てのあやかしやけん! ふつうの人間よりずーーーーーっと鼻が効くだけいう話ばい! やけん、おにーさんが体臭キツいとかそんなんじゃなかとよー!」 【ほゆる】「……(呼吸音)――えへへっ、わかってくれたんならよかと。 それに、ね? おにーさん、ちょっと、いんがめの方に向き直って?」 ;1/前 (身体のあちこち嗅ぐイメージで、マイク前で動き回って下さい) 【ほゆる】「(くんくん――くんくん――くんくん――くんくん――くんっ!)――うん!」 【ほゆる】「いんがめ、おにーさんに匂い好きやけん。 もし体臭がきつかったとしても、むしろご褒美になっとったって思うけん!――って!」 【ほゆる】「お洗濯物もの―― <;SE パンッ! と勢いよく振り伸ばす> 乾かさんとね!!!」 ;SE いんがめ足音 ;1/前(川の中)→;9/前遠(川砂利)→;10/右前遠 【ほゆる】「ここに干すけーん!! こん天気ならすぐ乾くけん! ひなたぼこでもしながら、ちくとまってねー!!!」 ;環境音 (F.O) ;//////// ;Track3 お礼のもふもふブラッシング(ASMRパート) ;//////// ;参考動画 https://youtu.be/NHxXOu-yRRI ;SE リスナーシャツを着る ;1/前 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――っ!!」 【ほゆる】「わふふっ! ぴかぴか綺麗になったとね!! よかね! すっかりしゃっきり乾いとるし、 匂いも――(くんくん)――っ!!」 ;1/前→;7/左→;1/前→;3/右 とあちこち嗅ぐ 【ほゆる】「(くんくん――くんくん――くんくん――くんくん――くんくん――くんくん――くんくんくん――くんっ) ――ふぁああああ〜」 【ほゆる】「ゆずの匂いが綺麗〜に消えて、おにいさんの匂いとおひさまの匂いと石鹸の匂いが、最っ高のまじりぐあいになっとーと!」 ;3/右 密着 →ぶはーで普通の;3/右 【ほゆる】「もちょっと嗅ぐばい。吸い込むばい! (くんくん、くんくん、くんくん――すううううううっ) ………………。 ぶはーーーーっ! ふあぁ〜〜〜っ」 ;1/前 【ほゆる】「満足したとー! ほんじゃおにーさん、いんがめねぐらに帰るけん、次のバイトのときにも――って?」 【ほゆる】「どぎゃんしたと? (呼吸音)(呼吸音)―― いや、お礼って、おにーさんのシャツば汚したのいんがめやけん――けん?」 【ほゆる】「(数秒間無言で考え込む)」 【ほゆる】「あーーーーー! 違かとね!? 今回珍しくいんがめわるくなかとよね!? なかとよねえ? ねぇ!」 【ほゆる】「(呼吸音)――よねよね! いんがめ、おにーさんの頭っからゆずジュースひっかけたり、トレーひっくり返しておにーさんにゆずジュースぶちまけたり、急いで飲みすぎて咳き込んじゃっておにーさんにゆずジュース吹き出したりしとらんもんねぇ」 【ほゆる】「いっつもいんがめそんなやけん、今回もそぎゃん気になっとったばってん…… うん。今回は、おにーさんが自分でジュースこぼしよったんやもんねぇ」 【ほゆる】「ほんなら――わふふっ! いんがめ、お礼してもらいたかとよ! あんね、お礼はね――ちょこっと待ってな?」 ;SE いんがめ足音;1/前;→;3/右→;11/右遠方向 ;11/右遠 【ほゆる】「んしょっ! <;SE ブルーシートめくってガサゴソ> 硬いブラシと……やわこいブラシと……トゲトゲブラシ!」 <;SE ブルーシート戻す> ;SE いんがめ足音 ;11/右遠→;3/右→;1/前 ;舟、ブルーシート、ブラシとってきてもどる ;1/前 【ほゆる】「お待たせー! えへへ。 お礼いうなら、いんがめ、思いっきりブラッシングしてほしかとよ!!」 【ほゆる】「よかと? ――よかっ? (呼吸音)――やったぁ!! ほんなら、ね? いんがめのねぐらいこ! このすぐ近くの、川沿いやけん」 ;SE いんがめ足音 ;1/前→;9/前遠→なるたけ遠く) ;9/前遠 (なるたけ遠く) 【ほゆる】「ほーら! お兄さん!! なにしとるのー! いんがめのあとについてきてーーー!!」 :環境音F.O. ;SE ガラリ戸ガラガラ ;9/前遠 【ほゆる】「狭いとこやけど、あがってあがって! えへへ、お掃除はきっちりしてあるけんね!!」 ;SE リスナー足音 川砂利→たたき ;SE (リスナーの後ろで)ガラリ戸閉める ;SE いんがめリスナーの横を抜け→靴脱いで→畳にあがる ;9/前遠 【ほゆる】「いま、扇風機つけるけん!」 ;SE 扇風機スイッチオン ;環境音 川近くの小屋の中。わずかに川音+首振り扇風機 【ほゆる】「ん、しょ――へへっ。 お座布団ゆきちゃんからもらっといてよかったー」 ;SE ざぶとん敷く、二枚 ;SE ざぶとん叩く ;9/前遠 【ほゆる】「ほんなら、おにーさんここ来て、ここ。 この座布団に座ってすわって」 ;リスナー足音 たたみ→着座 ;1/前→低いとこ(腹ばい状態) 【ほゆる】「で、いんがめは―― ごろーーーーんっ!」 【ほゆる】「んふふっ、そしたらおにいさん。 いんがめの髪とか肩とか背中とか、 それがおわったらまたごろんしてお腹の方とか、 たくさんたぁくさんブラッシングしてくれれよかとよー」 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)――ん? どぎゃんしたと? おにいさん」 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)―― んんん? ブラッシングの仕方もなにも、 そんなんぎゃんやってぎゃんしてぎゃんすればよかけん! 気軽にさくさくって、おにーさんの好きにやってみておーせ」 ;SE 髪ブラッシング(軽、おそるおそる) 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)……ん。 (呼吸音)(呼吸音)――ん――もーちょっと強くしてもらった方がうれしかと」 ;SE 髪ブラッシング(力いれる→毛がひっかかってブチブチ) 【ほゆる】「(呼吸音)――って、痛っ!!? 痛っ!? ちょっ、待っ! ふあっ!!」 ;SE いんがめ、起き上がる ;1/前 【ほゆる】「(はぁはぁ荒い呼吸音。しばらく)→(ごくっ)」 【ほゆる】「おにいさん、正直ちょっと――不器用すぎばい! いんがめ――犬神憑き(いぬがみつき)の毛ブラッシングするの、はじめてと?」 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)――あー。はじめてならしかたなかとねー。 ほんならいんがめ、お手本見せてあげるけん―― 選手交代! いれかわりばい」 ;SE いんがめ、座布団に座り直す 【ほゆる】「ほらほら、ほーたら今度はおにーさんが、背中上にしてねぞべって? (呼吸音)(呼吸音)」 ;5/後 【ほゆる】「うんうん。したら、寝そべったおにーさんの背中の上に――」 ;5/後(密着) 【ほゆる】「いんがめがのっかって――ふふっ」 ;4/後右 接近囁き 【ほゆる】「こぎゃんしたら、一番ブラッシングしやすいでしょお」 ;5/後 【ほゆる】「おにーさんがよければ、始めるけんね―― (呼吸音)(呼吸音)――うん! したら、頭からやっていくけん」 【ほゆる】「一番最初、ブラッシングに入る前の下準備。 おにーさん知らんかったみたいばってん、 したほうが絶対よかとよ? じゃじゃーん」 ;SE 右耳の横で霧吹きシュッシュ ;4/後右 【ほゆる】「うん。そ。霧吹き。 お金持ちば、オイルミスト? とかするみたいばってん、 いんがめはいっつも、湯沸かしのお湯ばつかっとーと。 それで十分、しっとりするけん」 ;5/後 ;SE 霧吹き 右耳後ろ→後頭部全体→左耳後ろ 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)―― どぎゃん? 気持ちよかと? んふふっ」 ;6/後左 (密着) 【ほゆる】「んっ―― <;SE 左耳の後ろこすこす> うん。いい感じにしっとりしとるとねー。 そしたら、今度はトゲトゲブラシ」 >;ピンブラシ参考 >;https://idea-onlineshop.jp/item/06440105.html ;SE 左耳の横で、手のひらにブラッシング 【ほゆる】「わふふっ! よか感じでしょお。 こんブラシはね? 首のあたりをざざあってやるためのブラシなんよ」 ;5/後 【ほゆる】「こんトゲトゲはね、竹製。 静電気も起きづらいし、隙間も大きいしで、 最初にざーっざってやるのに向いとるブラシ」 【ほゆる】「おにーさんさっき、つむじのとこからいきなりブラッシングしたでしょお。 そおじゃなくって、ブラッシングは端っこの方はじめるのが基本なんよ。 やけん、頭のブラッシングなら――」 <;SE シリコンブラシで頭ブラッシング (継続)> 【ほゆる】「首の後ろから――あらーくあらーく、 ざっざ、ざっざと――(呼吸音)(呼吸音)) だんだんずれて、右の方〜(呼吸音)(呼吸音)」 ;4/後右 【ほゆる】「んっ――(呼吸音)(呼吸音)―― ほぐすみたいに、あらーくあらーく――(呼吸音)(呼吸音)―― 耳までいったら、逆にもどって――(呼吸音)(呼吸音)」 ;5/後 【ほゆる】「首の後ろを――(呼吸音)(呼吸音)―― ゆっくりゆっくり通過して――(呼吸音)(呼吸音)―― じわじわ――じわじわ――左の方に――(呼吸音)(呼吸音)」 ;6/後左 【ほゆる】「左も焦らず〜(呼吸音)(呼吸音)―― あらーくあらーく、力ばいれんと〜〜――(呼吸音)(呼吸音)――っ――(呼吸音)(呼吸音)――うんっ!」 ;SE stop ;5/後 【ほゆる】「首周り……ね? <;SE 左耳下から後頭部つたって右耳下に指を滑らす> ずいぶんさっぱりほぐれたんじゃなかと? (呼吸音)(呼吸音)―― わふふっ! それならよかったとー! いんがめ、ブラッシングだけは自信あるけんね?」 ;硬いブラシ参考 ;https://www.dhc.co.jp/goods/526/image.png 【ほゆる】「そしたら今度は―― <;SE 右耳元。手のひらで硬いブラシこする> 硬かブラシね〜。 こいば、イノシシの毛のブラシ」 【ほゆる】「コシがあって、適度な刺激があるけん。 いんがめみたいなくせっ毛とかにはぴったりだし、 頭皮マッサージにもとっても良かブラシばい」 【ほゆる】「こいば使って、ね? このくらいの線―― <;SE 右耳後ろ上端から左耳後ろ上端までの後頭部を一直線に指でなぞる> 左右の、耳の上の端っこどうしを結ぶ線から下へ下へと、さっきよりは細かめにブラッシングしていくと」 【ほゆる】「よかと? それじゃあ、まずは右耳の上の端から――」 ;SE 硬いブラシブラッシング(継続) ;4/後右 【ほゆる】「こんブラシでは、ふつうに、ふつうに――(呼吸音)(呼吸音)―― こぎゃん具合に――(呼吸音)(呼吸音)―― “梳かす”感じでブラッシングしていくのが――(呼吸音)(呼吸音)―― 一番、よかとよ――(呼吸音)(呼吸音)」 【ほゆる】「根本の方、つむじの方はまだほっといて――(呼吸音)(呼吸音)―― 耳と耳との上の線から下にだけ線(呼吸音)(呼吸音)―― とかして、とかして――(呼吸音)(呼吸音)―― だんだん、左へ――ずれてって――」 ;5/後 【ほゆる】「後頭部……ん……(呼吸音)(呼吸音)―― ね? 少しもつかっかったりしないでしょお――(呼吸音)(呼吸音)―― こいば、さっき――(呼吸音)(呼吸音)―― 首の方――トゲトゲブラシで――(呼吸音)(呼吸音)――」 【ほゆる】「ブラッシング――すませといた、けん――(呼吸音)(呼吸音)―― ああ、うん。そぎゃん! 正解!――(呼吸音)(呼吸音)―― はしっこの方からすませてくのは――(呼吸音)(呼吸音)―― いきなり根本からだといろいろ――(呼吸音)―― つっかかる、けん――(呼吸音)(呼吸音)」 ;6/後左 【ほゆる】「やけん――こぎゃんに――(呼吸音)(呼吸音)―― ちょっとずつ、ちょっとずつ――(呼吸音)(呼吸音)―― ずれなが、ら――(呼吸音)(呼吸音)―― 左の、お耳の、方まで――(呼吸音)――きっちり――(呼吸音)」 【ほゆる】「とかして、とかして――(呼吸音)(呼吸音)―― ゆっくり、ゆっくり――(呼吸音)(呼吸音)―― 頭皮、しっかり――(呼吸音)(呼吸音)―― 刺激、して――(呼吸音)(呼吸音)――うん!!」 ;SE stop ;柔らかいブラシ参考 ;https://image.rakuten.co.jp/lifestyleweb/cabinet/5320-700100_2.jpg ;5/後 【ほゆる】「わふふ〜! 綺麗にとかせとるとね〜! ここまで来たら、あとは最後のしあげやけん!! いんがめのおとっときの〜、この <;SE 柔らかブラシ、手のひらで> んふ〜 見るからにやわこいでしょお。 こんブラシはねー、山羊の毛!」 【ほゆる】「こいば、ゆきちゃんにプレゼントしてもろたんよ。 『いんがめちゃんが引っ張ってきてくれたから、ゆき、幸せになれたけん』って――へへっ」 【ほゆる】「ゆきちゃん、何でも好きなものプレゼントしてくくれるいうたけん、憧れとった山羊毛のブラシ、買ぉてもろーて……え?」 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)……ん……(呼吸音)……(呼吸音)」 【ほゆる】「ブラッシングのこと詳しいもなにも…… だって、いんがめ、いんがめやけん―― 犬神に憑かれて馴染んだもんやけん…… ブラッシングが大好きなんは当たり前――――――あ」 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――うん。 いわれたらまっことそぎゃん……。 犬は自分で自分をブラッシングせんもんね―― やけん……ん……ブラッシングにくわしか訳ば――(呼吸音)(呼吸音)……くわしか、訳、ば――」 【ほゆる】「……なんか、この――(呼吸音)(呼吸音)――んん――(呼吸音)―― 手、動かした方が思い出せそう――かも……(呼吸音)。」 ;4/後右 接近囁き 【ほゆる】「ね? おにいさん――いんがめ、ブラッシング―― 続けて、よかと?」 ;4/後右 ”んしょ”で →;5/後 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)――うん。そんなら――んしょ」 ;SE 柔らかブラシでブラッシング(継続) 【ほゆる】「ここまで来たら、お待ちかね――(呼吸音)(呼吸音)―― つむじから、根本からブラッシングして――(呼吸音)(呼吸音)―― もう大丈夫にしあがっとるけん――(呼吸音)(呼吸音)―― やわこお、やわこお――だけ、考えて――(呼吸音)(呼吸音)」 【ほゆる】「山羊毛の――ブラシの――(呼吸音)(呼吸音)―― やわこさ……ば……(呼吸音)(呼吸音)――」 ;考え込んで、ただ手だけを丁寧に動かしつづける 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音) ――ん……」 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音) (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――あっ」 ;SE stop 【ほゆる】「いんがめ……(呼吸音)――うち……どぎゃんして、忘れとったと――」 【ほゆる】「こぎゃん、大事な……(呼吸音)―― 絶対、絶対……忘れちゃ、ダメな……(呼吸音)(呼吸音)」 【ほゆる】「……とと、さま……(呼吸音)―― かか、さま――(呼吸音)」 【ほゆる】「(少し粗い呼吸音を、4呼吸で意識して落ち着いていく)」 【ほゆる】「っ――(ごくり)――(呼吸音)(呼吸音)。 ――むかし、……いんがめ――(呼吸音)――ううん……うち――(呼吸音)―― ととさまの背中――こうして、乗って――」 【ほゆる】「あぁ…………うん――。 櫛ば……こぎゃんつかうって―― かかさまに……うち――おそわって……(呼吸音)(呼吸音)」 ;SE 柔らかブラシでブラッシング、再開(継続) ;5/後(密着) 【ほゆる】「(優しい呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【ほゆる】「……あん、ね? おにいさん――(呼吸音)(呼吸音) お兄さんがうちに尋ねてくれたけん――(呼吸音)(呼吸音)―― そいでね? うち、ね? ――(呼吸音)(呼吸音) 思い出したと――(呼吸音)(呼吸音)」 ;4/後右 (密着) 【ほゆる】「いんがめ……うちは――(呼吸音)(呼吸音)―― むかしは、普通の人間で――(呼吸音)(呼吸音)―― 庄屋の、娘で――(呼吸音)(呼吸音)」 【ほゆる】「……名前、あったと――(呼吸音)(呼吸音)―― ほゆる、って――(呼吸音)(呼吸音)―― 人間だったときのお名前――(呼吸音)(呼吸音)――」 ;4/後右 ”ふふっ”から →;5/後 【ほゆる】「うちにも、お名前――(呼吸音)(呼吸音)―― ちゃあんとあったと――(呼吸音)(呼吸音) ふふっ――うち、も、昔は――(呼吸音)(呼吸音) ほゆるってお名前の――(呼吸音)人間、だったと」 ;SE stop ;5/後 【ほゆる】「ああ――」 【ほゆる】「………………ね、おにーさん。 あんね? いんがめ――ううん、ほゆる、ね? ブラッシングはもうよかけん。 おにーさんに、ひとつだけ、お願いあると」 ;4/後右 (接近囁き) 【ほゆる】「……うちのお名前――人間だったころのお名前。 おにーさんに、うち――『ほゆる』って、呼んでほしかと。 呼んでくれると? ……甘えても、よか?」 【ほゆる】「……(呼吸音)――あ」 ;5/後 【ほゆる】「わふっ――んふふふっ――ありがとう。 ありがとう、おにいさん。 うち――うれしかと――うれしかぁ」 【ほゆる】「そしたら、ね? 耳もと――耳元で囁いてもろてもよかと? そしたらもっと、こころに、記憶に、しみてきそうな気がするけん」 ;SE リスナー起き上がる ;5/後→;7/左→;1/前 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)……(ごくっ)」 ;1/前 『ほゆる』から →;3/右(接近囁き) 【ほゆる】「それじゃあ、ね? 『ほゆる』って―― うちの耳元で、お名前、呼んで?」 ;1/前(密着) 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)―― あああ、しあわせ。お名前よばれて、ほゆるって呼んでもらえて、記憶がじわーって、こころの奥からにじみ出てきて」 ;1/前 【ほゆる】「(吐息)――それだけじゃなく――わふふっ。 お耳の奥もぞわぞわぞわーって揺らしてもろーて、ここちよくって――あ、よかこと考えた!」 ;SE ほゆる、自分の膝をたたく。ぽんぽん 【ほゆる】「ほゆるね。お耳掃除が得意だったと。 ととさまもかかさまも大好きだったけん―― 上手かとねーって、ここちよかーって、たぁくさんほめてくれとったけん」 【ほゆる】「思い出したらなんだか、ね? おにーさんにも、耳かきばしてあげたくなって―― (呼吸音)(呼吸音)――あ、よかと? うれしかー、うふふふふっ!」 ;3/右 (接近囁き) 【ほゆる】「ほんなら、ね? (ふーーーーーっ)。 ほゆるのお膝に、ごろん、して?」 ;環境音 F.O. ;//////// ;Track3:ほゆるの耳かき(右のお耳) ;//////// ;このトラックから徐々に安眠誘導強める意識で ;メリハリ強弱等、声を張らない方向でつけて ;いただけますと幸いです。 ;環境音 川沿い室内+首振り扇風機 (継続) ;3/右 【ほゆる】「えへへ……ひざまくら。 なつかしかとねぇ、こん重み。 ――ほゆる、こん重み……うん。覚えとると。 ばってん――ふふっ」 ;3/右 接近囁き 【ほゆる】「(ふーーーーーーーっ)(ふっ!)」 ;3/右 【ほゆる】「おにいさんの方が、重か気がする。 重ぉてあったかなような気がする。 ……(呼吸音)――そこまでちゃんとは覚えてなかけど。 なかけど――ばってん。ね? なんとなく」 【ほゆる】「……それじゃ……ふふっ。ほゆる、おにいさんの耳かきするけん。 あんね? うちも耳かき、ちゃあんと自分の持っとるんよ」 【ほゆる】「ゆきちゃんのおともだちの、縄のうれんの結はんがな? 『ゆきちゃんのお友達なら、これ、どうぞ』って―― な? 見るからに上等な品物でしょお」 ;SE 耳かきを指でかるくはじく 【ほゆる】「こいば、えへへ――いんがめがいんがめやけん、イヌの名前の――イヌマキっていう木材でわざわざ作ってくれたって」 【ほゆる】「やけん、ね? こんイヌマキの耳かきつかって―― いんがめの――犬神憑きのほゆるが、ふふっ、 おにいさんの耳かきしてあげるけんね?」 ;3/右 接近囁き 【ほゆる】「まずは――(ふっ)―― ブラッシングと同じで、端の方。 お耳の浅かところから――」 ;SE 耳かき音・浅(継続) ;3/右 【ほゆる】「ん……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【ほゆる】「んう? (呼吸音)(呼吸音)―― あー、よか塩梅と? んふふっ――それなら――(呼吸音)(呼吸音)――ほゆる、も――うれしか――(呼吸音)――ん……」 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)――イヌマキの耳かき、ええでしょお。――ほゆるも、全然――(呼吸音)(呼吸音)―― こんみみかきば、もらうまで――(呼吸音)(呼吸音)―― イヌマキのこと、知らんかったばってん――(呼吸音)――んっ……」 【ほゆる】「(吐息)……イヌマキ、は――(呼吸音)―― シロアリに、強く、て――(呼吸音)―― 水にも、つよく、て――(呼吸音)――」 【ほゆる】「かたぁい、木やけん――ん……(呼吸音)―― おうちの、材料とか――(呼吸音)――桶、とかに―― (呼吸音)―― よぉおつかわれる――木――って――話、で――」 【ほゆる】「ぁ……っと――(集中した呼吸音)――(呼吸音)――(呼吸音)――うん」 :Se stop ;SE ティッシュで耳かきふき ;SE 耳かき(浅)継続 【ほゆる】「っと――(呼吸音)(呼吸音)――なんの話ば―― しとったっけ?……(呼吸音)(呼吸音)――ああ、うん――イヌマキは――そぎゃん、木、やけん――(呼吸音)(呼吸音)――」 【ほゆる】「耳かきにも……なかなか――(呼吸音)――むいとる、し――(呼吸音)――それに――ふふっ――(呼吸音)――シロアリ、避けの――(呼吸音)――木、やけん――ねっ! ――うん」 ;SE stop ;3/右 接近囁き 【ほゆる】「(ふーーーーーーーーーーっ)」 ;3/右 接近 ふふっ、で →;3/右 【ほゆる】「おにいさんにつく悪い虫、ぜぇんぶ避けてくれそうやけん――ふふっ!」 ;3/右 【ほゆる】「で。んーんと。……(呼吸音)――んーーーー……。ん〜〜?――うん! よかね。浅いところば、結構綺麗にとれたばい」 ;SE ティッシュ抜いて耳かき拭き 【ほゆる】「そしたら今度は深かとこ〜」 ;SE 耳かき音(深)・継続 ;3/右 (接近囁き) 【ほゆる】「(ふーーーーーーっ)」 【ほゆる】「んっ……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――」 【ほゆる】「あぁ……深かとこは――(呼吸音)(呼吸音)―― 結構――わふふっ、ん……(呼吸音)(呼吸音)――」 【ほゆる】「ほじくり、がいが――ありそう……で――ん―― (呼吸音)(呼吸音)―― ほゆるに、なじんだ――いんがめ、が――(呼吸音)(呼吸音)――」 【ほゆる】「憑きもん――(呼吸音)(呼吸音)――犬神の――たましい、が――(呼吸音)(呼吸音)――っと! (安堵のため息)」 ;SE stop 【ほゆる】「わふふっ、おっきいのいっことーれた」 ;SE ティッシュで耳かきふき ;3/右 ふふっ、から→;3/右接近囁き っと、で戻って →;3/右 【ほゆる】「ほゆるにの中にとけこんだ……いんがめ、犬神の魂が。 どこまでだって掘り進みたいってさわぐけん――ふふっ。 ほじりすぎんよう、気をつけんとね――っと――(呼吸音)」 ;SE 耳かき(深) 継続 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ん? ――ああぁ――」 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)――いんがめ――ほゆる、は――(呼吸音)(呼吸音)――もともとは、ただの人間―― 庄屋の娘、だったんよ――(呼吸音)」 【ほゆる】「ばってん――どぎゃん理由でか――(呼吸音)(呼吸音)―― ととさまか、かかさまか……ほゆる自身か――(呼吸音)(呼吸音)――」 【ほゆる】「誰かの、恨みを――(呼吸音)(呼吸音)―― きっと、な? 買ぉてしもおて、ほんで――(呼吸音)(呼吸音)――」 【ほゆる】「ほんで――あ……(呼吸音)――ん……(呼吸音)―― ちょこっと待ってな? っ――(呼吸音)(呼吸音)―― この、耳の縁にくっついとるの――(呼吸音)(呼吸音)――」 【ほゆる】「カリカリ――やれば――(呼吸音)(呼吸音)―― 取れそう、で――(呼吸音)(呼吸音)――」 【ほゆる】「(集中した呼吸音)(呼吸音)――っ……このっ―― (呼吸音)(呼吸音)――あっ――わふふ〜っ」 ;SE stop ;SE ティッシュで耳かきふき 【ほゆる】「とれたー。よかった。っていうかこいで、深かところも――」 ;3/右 接近囁き 【ほゆる】「(ふーーーーーーーーーっ!)(ふっ!)(ふっ!)」 ;3/右 【ほゆる】「ん〜〜〜〜っ――ん。もちょっと顎ひいて――あ、うん。 見やすい――もちょっとそのまま――(呼吸音)(呼吸音)――うん!」 【ほゆる】「深いところも浅いところも、わふふっ! おにいさんの耳の中、かーなーりー綺麗になってきとーと!」 【ほゆる】「そしたら仕上げに、綿棒つこぉて、細かなチリを〜」 ;SE 右耳元で綿棒に霧吹き 【ほゆる】「あ? こいばさっきとおんなじ、お水。 霧吹きで綿棒ちょこーっと湿らせた方が、細かなチリを集めやすいけん」 【ほゆる】「もーちょっとやけん。あ、顎、もうひいとかんでも平気よ? うふふっ」 ;SE しあげの綿棒・継続 【ほゆる】「ん……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――っと」 【ほゆる】「浅かところも――(呼吸音)――全体、に――(呼吸音)(呼吸音)――」 【ほゆる】「ほんで……お耳の――(呼吸音)―― フチのところの――(呼吸音)(呼吸音)―― うらっかわも――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――」 ;SE stop ;3/右 【ほゆる】「んーーーー? んん〜……(呼吸音)――うん! よーしっ、綺麗!! おにーさんのお耳、ピカピカばい」 ;3/右 【ほゆる】「そしたら今度は左お耳お掃除するけん。 ほゆるが、な? 『ごろーん』っていうたら、 ほゆるのお膝で、お耳反対が上になるよう、 ごろーんてして、な?」 【ほゆる】「(呼吸音)――わふふ! ほんなら、な? せーので」 ;3/右 →;1/前→;7/左 【ほゆる】「ごろーーーーーーーーん」 ;環境音 F.O. ;//////// ;Track4:ほゆるの耳かき(左のお耳) ;//////// ;7/左 んーー〜で左方向に身体伸ばしつつ 【ほゆる】「あー……いつの間に、随分と涼しくなってきたとね。 扇風機……(呼吸音)(呼吸音)――うんうん。 ほんならとめるけん――ん〜〜」 ;SE 扇風機オフ ;環境音。川沿いの室内。扇風機オフのまま 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)……扇風機止めると、ふふっ――川の音がよーきこえるなー」 ;7/左 接近囁き 【ほゆる】「(ふーーーーーーーーーーーっ)」 ;SE 耳かき音(浅・継続) 【ほゆる】「ここ、な? ん……(呼吸音)(呼吸音)―― こん小屋……(呼吸音)(呼吸音)―― もともとは、もう使われとらん……(呼吸音)(呼吸音) ――船小屋……お船の倉庫やったんやって」 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)―― いんがめ、ゆきちゃんのこと――(呼吸音)(呼吸音) ――あのまま球磨におったらいけん、とろけて消えてしまう、思うて……(呼吸音)(呼吸音)」 【ほゆる】「思うたけん……ん――(呼吸音)(呼吸音) ――っと……(呼吸音)(呼吸音)―― これ、薄か膜みたいになってくっついとって――(呼吸音)(呼吸音)―― ん……くっ――(呼吸音)(呼吸音)もちょっと――(呼吸音)――あ」 ;SE stop ;SE 耳かきティッシュ拭き ;SE 耳かき音(浅・継続) 【ほゆる】「ああ……ほん、で――ん――(呼吸音)(呼吸音)―― ゆきちゃんが――ものべのの、土地神――(呼吸音)(呼吸音)―― ご開祖ちゃんに、招かれた、きいて――(呼吸音)(呼吸音)―― 相談、うけて――(呼吸音)(呼吸音)――」 【ほゆる】「ゆきちゃんが消えてしもうたら、いややけん――(呼吸音)(呼吸音) 尻込みしとるゆきちゃんば――(呼吸音)(呼吸音) ――無理やり……ひっぱる……みたい、して――(呼吸音)―― こん、ものべのに――(呼吸音)――つれて、きたんよ――(呼吸音)(呼吸音)」 【ほゆる】「そしたら、土地神――(呼吸音)(呼吸音)―― ご開祖ちゃん――(呼吸音)(呼吸音)―― いんがめに、お礼――(呼吸音)(呼吸音)―― いうてくれて――(呼吸音)(呼吸音)――ん」 【ほゆる】「『いんがめちゃんもものべのに定住したいなら、住むとこくらいは手配するっス!』――って――(呼吸音)(呼吸音)―― いうて――くれ、て――(呼吸音)(呼吸音)―― ん……(呼吸音)(呼吸音)――」 ;SE stop 【ほゆる】「(ひといきつく息)――(ふーーーーーーーーーっ)」 【ほゆる】「ん……もーちょっとかな」 ;SE 耳かきティッシュで拭く ;SE 耳かき(浅・継続) 【ほゆる】「で……(呼吸音)(呼吸音)―― こん船小屋ば、改装させて――(呼吸音)(呼吸音)―― 電気も、水も……(呼吸音)――ひいて、くれて――(呼吸音)(呼吸音) 居間も、だいどこも、おふろまで――(呼吸音)(呼吸音)――しつらえて、くれ、て――(呼吸音)(呼吸音)」 【ほゆる】「っ……(呼吸音)(呼吸音)――ん――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――」 【ほゆる】「こん小屋……あつくて――寒い、ばってん――(呼吸音)(呼吸音)―― 音と、匂いは、すごく、よくって――(呼吸音)(呼吸音)―― いんがめ――ほゆるの――仕事場、に――(呼吸音)(呼吸音)―― ゆきちゃんの――アイスやさんとも――近い、けん――(呼吸音)(呼吸音)」 【ほゆる】「なかなか――わりと――暮らしよかけん――(呼吸音)(呼吸音)―― いんがめ、的には――(呼吸音)(呼吸音)―― 気に、いっとー……っと……(呼吸音)(呼吸音)―― っと――うん」 ;SE stop ;7/左 接近囁き 【ほゆる】「(ふっ!)(ふっ!)(ふーーーーーっ!!)」 【ほゆる】「……うん。よかと――あとは深かとこほじって――ん?」 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――あー……いや、そいば――(呼吸音)(呼吸音)」 【ほゆる】「いんがめ、いんがめのことずーっといんがめって呼んどったけん……ほゆるって、さっき思い出したばかりのお名前やけん」 【ほゆる】「つかいわけっていうか……ただ、ほゆるってお名前にまだ慣れとらんだけ…………ああ……いや……」 ;SE 耳かき音 (深・継続) 【ほゆる】「……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【ほゆる】「ん…………(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)……もしか、して――」 【ほゆる】「もしかして、ほゆる、自分でも……(呼吸音)(呼吸音)―― 自分でもきづいとらんかったところで――(呼吸音)(呼吸音)―― 使い分け、しとったのかも――(呼吸音)(呼吸音)―― 『いんがめ』っていう呼び方と――『ほゆる』っていう――(呼吸音)(呼吸音)お名前、ば」 【ほゆる】「いんがめ――ほゆるは――(呼吸音)(呼吸音)―― さっきもちょこっと話したばってん――(呼吸音)(呼吸音)――」 【ほゆる】「犬神……管狐……お外道……(呼吸音)(呼吸音)―― いろんな名前でよばれとる……(呼吸音)(呼吸音)―― 憑きもん……(呼吸音)(呼吸音)―― 呪いば、負わされた……(呼吸音)(呼吸音)――」 【ほゆる】「球磨(くま)の近くの、小さか村の――庄屋のひとりむすめ――(呼吸音)(呼吸音)―― もともとは……ただの人間――(呼吸音)(呼吸音)―― だったんよ……(呼吸音)(呼吸音)――」 【ほゆる】「犬神ば―(呼吸音)(呼吸音)―― けしかけられた――(呼吸音)(呼吸音)―― 人間は――(呼吸音)(呼吸音)―― 普通は、すぐに、狂い死にして――(呼吸音)(呼吸音)」 【ほゆる】「そうでなくても――(呼吸音)(呼吸音)―― 村を追われて、野垂れ死んだり――(呼吸音)(呼吸音)―― 『憑き物落とし』やらいう名前で――(呼吸音)(呼吸音)―― いじめころされて――しもうたり――(呼吸音)(呼吸音)――」 【ほゆる】「生きのこるなんてことば、普通、できんし――(呼吸音)(呼吸音)―― 憑き主が死ねば――(呼吸音)(呼吸音)―― 犬神――呪術も解け消えるけん――(呼吸音)(呼吸音)―― そいで、話ば――すっかり、おしまい――(呼吸音)(呼吸音)―― のはず、ばってん――(呼吸音)(呼吸音)――」 ;SE stop  ;SE 耳かきティッシュで拭く ;SE 耳かき音(継続・深) 【ほゆる】「ほゆる、は――(呼吸音)(呼吸音)――庄屋の……(呼吸音)―― ととさまと――かかさまの――(呼吸音)(呼吸音)―― っ……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【ほゆる】「ととさまと、かかさまに――(呼吸音)(呼吸音)―― 大事に、まもって、そだてて――もらえた――(呼吸音)(呼吸音)―― ひとり、娘、やった、けん――(呼吸音)(呼吸音)……」 【ほゆる】「犬神に、憑かれて――(呼吸音)(呼吸音)―― 頭ばぼんって、弾けてとんでみたいになって――(呼吸音)(呼吸音)―― ぜぇんぶ、なぁんもわからんごとになってしもうて――(呼吸音)(呼吸音)」 【ほゆる】「……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――それでも、な」 【ほゆる】「(呼吸音)――それでも、いんがめ―― きっと――まもって――もらえてたんよ――(呼吸音)(呼吸音)」 【ほゆる】「きっと……たぶん――(呼吸音)(呼吸音)―― ううん……絶対――(呼吸音)(呼吸音)…… (呼吸音)(呼吸音)――」 :SE stop 【ほゆる】「(長い吐息) …………守って、もらえとったけん――…………」 ;Se ゆっくり丁寧にティッシュで耳かきふき 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 ;SE 左耳耳元で霧吹き 【ほゆる】「しあげ、綿棒いれるけん。もーちょこっとだけ―― お耳よごしば……辛抱してな?」 ;SE 綿棒でしあげ (継続) 【ほゆる】「ん……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――」 【ほゆる】「普通に暮らしば暮らしとって――(呼吸音)(呼吸音)―― ととさまかかさまと……笑ってて――(呼吸音)(呼吸音)―― ある日いきなり頭が熱うてぼーんてはじけて――(呼吸音)(呼吸音)―― なぁんもわからんよーなって……(呼吸音)(呼吸音)」 【ほゆる】「覚えとるんは、本当に少しで――(呼吸音)(呼吸音)―― おいしかなにか――お米の匂い――(呼吸音)(呼吸音)―― そいば、ずうっと――(呼吸音)(呼吸音)―― おなかすくたび、必ずあったっていうことと――(呼吸音)(呼吸音)」 【ほゆる】「イヌの鳴き声――悲しいとおぼえ――キャンキャンキャンキャン、苦しか悲鳴――(呼吸音)(呼吸音)―― いつからかずっと――頭の中に響き続けて――(呼吸音)(呼吸音)――」 【ほゆる】「いつから、か……(呼吸音)(呼吸音) そいば、犬神の――(呼吸音)(呼吸音) ほゆるに、憑いた……いんがめの――(呼吸音)(呼吸音) ものって……わかって――(呼吸音)(呼吸音)」 【ほゆる】「いんがめも、無理やりひとに取り憑かされた……(呼吸音)(呼吸音)―― したくなかったことされられて……(呼吸音)(呼吸音)―― だけって、わかって――(呼吸音)(呼吸音)―― そぎゃんことせんと、前の暮らしを――楽しい野良犬ぐらし、を――(呼吸音)(呼吸音)」 【ほゆる】「ただただ、続けたかっただけってわかって――(呼吸音)(呼吸音)―― やけん、ほゆる――おんなじだぁって――思うように、なって――(呼吸音)(呼吸音)―― 遠吠えも、きゃんきゃんも――(呼吸音)(呼吸音)―― 少しも怖くも、うるさくも――感じんように……(呼吸音)(呼吸音)――なって、きて――」 【ほゆる】「悲しかとねぇ――わたしもばいって……(呼吸音)(呼吸音) ずっと、ずうっと――思とって(呼吸音)(呼吸音) いんがめも、ほゆるの悲しか気持ちのことば――(呼吸音)(呼吸音)―― わかってくれて――寄り添いおうて……長い、こと――(呼吸音)(呼吸音)」 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――」 ;SE stop 【ほゆる】「おなかが、ね? あんまりぺこぺこにすくもんやけん――『なにか食べたい』って―― 人間の言葉がつるって、ね? いきなり口から飛び出してきて、びっくりして―― ほんで、いんがめ、いまの――ううん、ほゆるって、思い出す前のいんがめになっとるってことに、気がついて」 ;SE 綿棒でしあげ、継続(軽) 【ほゆる】「で……あたりば見回したら、いんがめ、昔の村にいて――(呼吸音)(呼吸音)―― 村はすっかり荒れ果てていて――(呼吸音)(呼吸音)―― 暮らしとったおうちもすっかり――(呼吸音)(呼吸音)―― 朽ち果てて、いて――誰も、おらんで――(呼吸音)(呼吸音)――」 【ほゆる】「ととさまも、かかさまも、もう居らなんで――(呼吸音)(呼吸音)―― ばってん、着物――普段の着物も、晴れ着も――花嫁衣装も――(呼吸音)(呼吸音) 綺麗にすっかり残ってた――(呼吸音)(呼吸音)―― 桐の箪笥に、収められてて……(呼吸音)(呼吸音)」 【ほゆる】「それで、いんがめ――(呼吸音)(呼吸音) きっと守ってもらってたんだって――それだけは、わかって――(呼吸音)(呼吸音)」 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音) <;SE stop>――(大きく大きく息を吸う)」 【ほゆる】「――はい、おしまい。 お耳ば少しは、スッキリしたと?」 ;7/左 接近囁き 【ほゆる】「(ふーーーーーーーーーーーーーーーっ)」 ;7/左 【ほゆる】「……(呼吸音)(呼吸音)――ああ、うん。 スッキリしてくれたみたいで、よかったと――あ」 ;SE プレイヤー起き上がり、ほゆるを優しくだきよせる ;7/左 密着 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【ほゆる】「……ありがとう。こころば、ほゆるに寄せてくれて。 いんがめのむかしがたりだなんてけったいなもんを、 ちゃあんと聞いて、ほゆるのことば、気にしてくれて」 【ほゆる】「……おにいさんに、やさしくぎゅーってしてもらえて、 頭ばやさしくなでてもらえて―― くっついとって、ぽかぽかで―― おにいさんから優しい匂いがたくさんたくさん漂ってきて……」 【ほゆる】「ほゆる、すっごくうれしくて…… おにいさんと、いっしょにもっと、いたくって……」 ;7/左 接近囁き 【ほゆる】「やけん――やけん、ね? おにいさん。 (しっとりした呼吸)―― このままほゆると――一緒におねんね。 してくれたなら……嬉しかと」 ;環境音 F.O ;//////// ;Track6:ほゆるとおねんね ;//////// ;布団に潜って以降はずっとウィスパー、安眠誘導最優先でお願いいたします ;3/右 【ほゆる】「ん…………」 ;SE もぞもぞと布団にもぐる 【ほゆる】「(くんくん、くんくん。すぅううーーー。はーーーーー)」 ;環境音。川沿いの室内。扇風機オフのまま F.I. 【ほゆる】「……わふふっ、よかにおい。 おひさまにほしたお布団と、おにいさんの香りがまじった匂い」 【ほゆる】「あぁ……(穏やかな呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【ほゆる】「とおい昔も、ほゆる、こぎゃんしとったと。 あったかに、ととさまとかかさまに挟まれて…… 家族三人……川の字で……」 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【ほゆる】「ほゆる……庄屋の……お金持ちのおうちのこやったけんね? 大事に大事に、甘やかされて、真綿でくるまれて育ったこやったけん――」 【ほゆる】「いんがめと重なりおうて、気がついて。 だぁれもおらんで…… 村も、生まれた家も荒れ果てていて―― 桐の箪笥と着物たちだけ残されて―― どぎゃんすればよかとか……ちょっともね、わからんかったと」 【ほゆる】「途方にくれて立ちすくんで―― 涙の一滴もでてこんで。……日が暮れて、寒ぅなって―― 風が吹いて―― そしたらね? 風の中。やさしい匂いがまぎれとるような気がして、ね?」 【ほゆる】「夢中になって、歩きだしたの。 市房山(いちふさやま)の高くへ、どんどん。 登れば登るほど寒くなって、けど優しい匂いは濃くなって――」 【ほゆる】「……そうして、ほゆる――いんがめ、ね? ゆきちゃんに――市房山の雪御嬢――やさしかゆきちゃんに、出おーたと」 【ほゆる】「ゆきちゃん、まっことやさしゅうて。 記憶もみよりもなぁんもかんもをなくしてしもうたいんがめにもとってもやさしゅうて。 しゃくしゃくに凍った川魚とか、 しゃりしゃりの凍った木の実とか、たくさんたくさん食べさせてくれて」 【ほゆる】「凍ってるのにあったかくって、おいしくって、うれしくって。 だけど身体はどんどん冷えて、ぶるぶる震えて―― いんがめ、ね? わけのわからん具合になって―― そんときはじめて――涙ばぽろぽろ、こぼれてきたとよ」 【ほゆる】「したらゆきちゃん、いんがめがこぼした涙を凍らせて、溶けない氷みたいな粒にしてくれて――」 【ほゆる】「『ふもとの村の村長に、こん氷粒ばもってって、 “市房山の雪御嬢のやしない子”やいうたら、 しばらくは面倒みてもらえるけん』って……」 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【ほゆる】「……ゆきちゃんと、ホントはずうっといたかったばってん、いんがめ身体が弱りまくって、ゆきちゃんのすみかの寒さに耐えきれんくて―― ゆきちゃんの教えてくれたとおりに、ふもとの山ば、下りてって――」 【ほゆる】「……ゆきちゃん、ふもとの村でえらいこと信心されとってな? いんがめそこで、人間にまぎれてくらしていけるようになったとよ―― いろんなことを覚えるたびに、ゆきちゃんのとこ訪ねていって、覚えたことを教えてあげて――」 【ほゆる】「あんころは……ふふっ――まっこと毎日たのしゅうて。 嫌なことなんてたったひとつも――あ……ううん。 たったひとつだけ、いやいうか、残念なことはあったなぁ」 【ほゆる】「いんがめ……目覚めた、いうか気がついたときには心細くてなぁんもできんで――そこにふわっと――ゆきちゃんのやさしか匂いが漂ってきて――必死になって」 【ほゆる】「……(呼吸音)――他のことぜぇんぶ、頭からすっとんでしまっとったけん…… ととさまとかかさまが遺してくれた桐の箪笥と着物たち。 『あっ』て思って取りにもどったそんときにはもう―― あとかたもなく、どこかに消え失せてしもとって……」 【ほゆる】「……けど、あんとき着物にこだわって…… ゆきちゃんの匂いを見つけそびれてしもうとったら…………(呼吸音)――」 【ほゆる】「生き残れておらんかったか…… 生き残れてても、もっといんがめに寄ったところに―― ほゆるってお名前のこと、きっと二度と思い出せんくらいなところに――ころげおちとった気ばするけん……うん」 【ほゆる】「あんときはあれで、一番よかったって思うし―― 桐のたんすと着物たちに、ととさまとかかさまがこめてくれた願いはだから…… 叶ったんと違うんかなぁって――今になったら、そぎゃん、思えて……」 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【ほゆる】「……いんがめは、おおもとにあるのが人間やけん、人の思いとか恐れとか、最初からエサにしとらんけん――時代が過ぎて、ふもとの村ものーなっちゃっても、ほとんど影響ばなかったばってん……」 【ほゆる】「ゆきちゃんは、純粋な、ほんもののあやかしやけん。 人の恐れとか敬意とか――そういうものがのーなっちゃったら、溶けてきえちゃうあやかしやけん……」 【ほゆる】「ゆきちゃんのこと、無理やりものべのに引っ張ってきて――ふふっ。 ゆきちゃん素敵なつれあいみつけて、アイスクリーム屋さんまでひらいて」 【ほゆる】「たくさん、たくさんの人間に―― 人間だけでのーて、あやかしやら、半妖やらにも、 アイスクリーム屋のおねえさん、いうて、慕われて」 【ほゆる】「あぎゃんたくさんの笑顔があったら、 ゆきちゃん、もう消えることもなかろーもんって思えるし……そこはいんがめ、よかことしたなぁって思ーとるんよ? え?」 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ああ……。 半妖いうんは、人とあやかしの間にできた――人とあやかし、両方の性(しょう)を受け継いだ、そういう……人間でもあやかしでもある、でなきゃ、人間でもあやかしでもない、存在のこと」 【ほゆる】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)―― ああ、まっことやねぇ。おにーさん、考えることおもしろかとねぇ」 【ほゆる】「もともとが人間で、犬神をけしかけられて、犬神に憑かれて。けれどどうしたはずみでか、犬神が馴染んでくれて、生き残ることができた、うち――ほゆる」 【ほゆる】「もう完全に重なり合うて、まじりおーて。 ほゆるはいんがめで、いんがめはほゆるやけん……うん」 【ほゆる】「おにーさんのいうとおり、ほゆるは、半妖―― まっことおかしなかたちの半妖……になりはてよったんやねぇ、たぶん」 ;ぼそっとひとりごと →え? 以降対話に復帰 【ほゆる】「……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音) だから、なんかなぁ。ご開祖ちゃんに、いんがめは招いてもらえんかったの。 定住も、『したいんなら』て――え? ああ……ううん。 なんでもなかとよ。なぁんでも――ゆーか……」 ;この辺からセリフに眠気をまぜていただけますと幸いです 【ほゆる】「……だとしても――ふふっ。 ほゆる、ものべのに来てよかったけんね。 ゆきちゃんがしあわせになるの、 一番近くで見守り続けることができたし、それだけじゃなく――」 ;3/右 接近囁き 【ほゆる】「おにーさんに…… ほゆるにお名前思い出させてくれて、 ほゆるをぽかぽかにしてくれる―― あったかでおっきな匂いに、出会えたけんね―― ふふっ――ふっ――ぁ――(大あくび)」 【ほゆる】「……ぽかぽかすぎて、しあわせすぎて……もう眠たかと……おにーさんは? (呼吸音)(呼吸音)―― ふふふっ。おーんなじ。ほんならこのまま、眠っちゃおう……ぁ」 【ほゆる】「(照れてためらう呼吸)(呼吸音)(呼吸音)――(ごくっ)」 【ほゆる】「あん、ね? おにーさん。いまね? ほゆる、ほゆるやのーて、いんがめやけん」 ;3/右 っ! で;1/前密着 【ほゆる】「こいば、たんなる――いんがめの、イヌの―― おやすみなさいの、あいさつやけん――っ!」 ;1/前密着 【ほゆる】「(ダミーヘッドの鼻の頭あたりで『ぺろっ』と可愛い舐め音)」 ;3/右 【ほゆる】「ふぁぁ……おいし―― やのーて、えと……その……」 【ほゆる】「(ふんわりやさしい微笑)―― おやすみなさい、おおきなにおいの、やさしいにおいのおにいさん」 【ほゆる】「おにいさんのねむりは、いんがめが必ず守るけん。 おにいさんの夢には、ほゆるがきっとよりそうけん」 【ほゆる】「やけん……安心……して――ふぁ…… 安心……ば、して……ぐっすり……ゆっくり――」 【ほゆる】「ほんで……明日の……ふ、ぁ…… あさ……にも……きっ、と…………(小さなあくび)」 【ほゆる】「ん……(寝入りばなの寝息)*4」 【ほゆる】「(浅い寝息)*4」 【ほゆる】「(浅い寝息)*4」 【ほゆる】「(穏やかな寝息)*4」 【ほゆる】「(穏やかな寝息)*4」 【ほゆる】「(静かな寝息)*4」 【ほゆる】「(静かな寝息)*4」 ;環境音 F.O ;//////// ;Track7:ほゆるの寝息(ループトラック) ;//////// ;1セット1分ほどでお願いします ;完全なループトラックとなりますので、ループ感出ないよう、目立つニュアンスはいれないようにでお願いします 【ほゆる】「(熟睡寝息)」 【ほゆる】「(熟睡寝息)」 【ほゆる】「(熟睡寝息)」 ;おしまい