◆タイトル『二度咲きの頃』 ◆あらすじ いつか心に仕舞い込んだ、勝手気ままな優しい気持ちが、わたしの中で、花開く頃。 ◆登場人物 ・男(二人称:あんた):つつじ の二歳下の男性で、父方の従弟にあたる。男の父は兄。 昔から割とノリが良いが、行き過ぎて叱られることも しばしば。 思春期に つつじに思いを寄せていたが、その頃に今の彼女に告白され、付き合い始める。が、最近振られる。 ・つつじ(ツツジ)(一人称:あたし・姉ちゃん):二十代中盤~三十歳前後の女性。 男の、父方の従姉にあたる。つつじの父は弟。実家暮らし。 昔から男に思いを寄せていながらも、彼女が出来たことで諦めた過去がある。 たまに連絡は取っていて、その彼女の話は、男からたまに聞く。 諦めたつもりだが、心の中では、未だに どこか引っ掛かっている。 外見は、ちょっと背丈があり(160cm台中盤ほど)、バストが豊満。髪は少しだけ茶色(地毛)。目は どちらかと言うとタレ目。瞳の色は つつじ色……を淡ーくした感じ。 家では、割と胸元が緩い感じの、だらしない服を着用。 人に向かって(何かに対して)笑う時は、口を「い」の字にして笑いがち。んひ。んひひ。 よく、口先を尖らせて、ぶーたれる感じで文句を言う。 たぶんMっ気がある。というか、押しに弱い。 ※口調は けっこう雑ですが、ギャル系ではないです。身内だからこそ、というラフな感じ。 ◆あらかじめストーリーで提示されないが、必要そうな部分 男は、(元)彼女に「私は、あなたの相手じゃないと思う」と振られ、だからと言う訳でも無くもないが、つつじ に会いに来た。 元彼女の意図としては、男がどこか つつじという存在を気にかけていることが分かっていたから、別れを切り出した。 しかし男は、当然ながら、その彼女を好きでいることに間違いはなかった。 (元彼女は全然悪い子ではなく、むしろ事実上、身を引いた側) ◆パート分け 1.なに、早くない?  あれ、帰ってたんだ~最近どうなの? 2.そっか、そうなんだ  うそ、別れたの?~そっか、そうなんだ 3.なら、いいでしょ  引き寄せる~からかい合い 4.こんなこと、あったよね  ねえ、覚えてる?~あのとき格好良かったよね 5.ほんと、よく分かんない  寝起き~忘れ物? おまけ.寝息トラック ◆本編 1.なに、早くない? ふーんふーんふ~ん。 ん? うぉぉ、びっくりしたぁ! んぉー、ひさしぶりー。 なに、早くない? 来週じゃなかったっけ? あぁ……そっかぁ。 ……んで、いつまで居られんの? んひ。 明日ぁ? しかもなんで朝……。 なにそれー、落ち着かないなー。 もっと居れば良いのに。 んー、まー、ねー……。 うん、しゃーないかぁ。 まぁいいや、とりあえず お茶でも出すよ。 ほいほい、座ってな。 ほっ。 んーーー……。麦茶で良い? えー、麦茶だめぇ? 良いんだ。 んふ、なんで文句言ってみたの? それは残念でした。麦茶しか出まーせん。 ま でも、そういう手が かからないトコ、嫌いじゃないぞーぉ? んひひ。 {軽い吐息} はいよ、お飲み。 はーい。 クッキー食べる? んふふは……。 んー、ま 確かに、これは あたしもキツイかなぁ。 うん。甘納豆にしよう。 んいしょ。 んー……こっちかな? いや? ん? あ……ぁこれだ。 ……ん? んちょっ、あんま見ないでよ……。 あんたが急に来るからでしょうが。 うるさいなー、んも これが普段着なのっ。 んぅ、もう……。 はい……ほれ、お食べー。 あむ。 うん……おいしい。んもんも。 {麦茶を飲む+小さく吐息。念のため2テイクお願いします。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。} {軽い溜息}……落ち着いた? んふ、お爺ちゃんか。ふふ。 ……結構かかったでしょ、何時間くらいだっけ? おぉぅ、それはそれは……。 こんな片田舎まで、おつかれさまでございます。 んふ、そーかい。 伯父さんと叔母さんは? ふーん……そっか。たまには会いたいねー。 うん。前会ったのって、いつかな……。 あ。 っていうか、今日ウチ、お父さんもお母さんも居ないよ? ほらー、急に来るからー。先に言ってくれたら教えたのに。 {苦笑い}、あたし居て良かったね。 あぁ、でも泊ってくよね? 夜には帰ってくるよ。 ……あれ。んん? あたし家の鍵閉めてたよね? どうやって入ったの? うわ、普通ひとんちの合鍵 勝手に使う? あんた意外と常識ないねー。 そりゃ ご忠告どーも。 じゃあ、今度から鉢植に触ったら……、 んー、タライが落ちるようにすれば良いのかな? おぉん? また使う気だな? ふふ……。 んふ、まぁいいわ。 じゃあ……どうする? なんか用事ある? どっか出かける? なーにそれ、あんたホント何しに来たの……? はっ!? あたっ、あたし!? んっ、な、なに、なになになに!? ちょっ、やめてよホント! んも。 なに、もー。 ふへ……。 んえっ……!? んん~……ん、うるっさい もぅ! そういう冗談やめろ! んもぉぉ……ふぁぁーもぅ、顔あっつい……。 もぉ……。 {軽く呼吸} んぅ、っていうか! あんた彼女いるんだから そういうのやめな。姉ちゃん怒るよ。 {溜息}もぉ、そういうのはホントに駄目。気持ちを考えなさい。 うん、よろしい。 {軽い溜息}。 ぁーあ、でも成長したよね、あのイタズラっ子がさ。 えー? ホントにそう思ってる? 口ばっかり達者なんだから。 ふふ、なにそれ。麦茶でも飲んでな。 はぃーはい。 {一呼吸}で、最近どう? お、珍しく煮え切らないね。 ふふふ……おーおー、心ばっかり煮えてても、仕方ないぞ、少年。 {優しく笑み}……ま、言いたくなったら言いなよ。 うん。 じゃー……ゲームでもする? あたしの部屋で。 おっけー。 あ、その前にさ、コンビニでプリンとか買って来てくんない? 片道十分は かかるけど。 えぇ、いやぁ……。 あたし今、こんなカッコだし……。 あんまりこう、人様にお見せできる感じじゃぁ……。 でしょ? お金 出すからさぁ、お願いおねがーい。 着替えんのめんどくさーい。 お、さすが! 心は広い! えー、んじゃあ、心がひろーい。 はぁ、そんなことに拘るなんて……狭いなー、心が。 っていうか、胸元チラチラ見てんの、バレてるからね。 あれホント分かるから、気ぃ付けなー? まぁ、あたしが言うんだから間違い無いよ。 見なー、この説得力を。 あ、また見たー。 んっへへっ。 ……まってな、なんか羽織ってくる。  2.そっか、そうなんだ ぅあぁー、もー、勝ーてーなーい~! 弱くないですー、誰かさんが強すぎるだけですー。 何あの、画面の端っこで ずっと攻撃するやつ。 あんなんズルでしょ。動けないもん……。 テクニックぅ? んぅー? テクニックに謝れぇ……。 {息を吸う} はぁー、休憩きゅうけい。 んぁぁーあー……んあぁー。 んぁー、もう良い時間だぁ……。 ぅ よい、しょっと。はーぁ。 {一呼吸} ね、そこのマンガ取って。 あー違う、もう一個の方。 もう、いっさつのほお。 すみませんね、日本語が正しくなくて! ありがとうございますー。 はぁ。 んぅ。 んぁあ。 ほぁー。 ふふっ。 ふぅ。 ふぁー。 んー……。 でー、どうしたの? んー? んふふ。 {軽く呼吸} 良いよ、待ってる。 んひ。 {口を閉じて小さく咳払い} {軽く伸び} {あくび} ぁ。 ん。 {一呼吸}……うん。 なに? えっ……。 あぁ{繋がる感じで吐息}……まじ? そっか。そうなんだ……。 けっこう長かったのに、なんで……? ぁいや、まぁ……色々無かったら、振られないと思うけどさ。 なに、なんか、あったの……? ホントに? あっ違うのゴメン。 疑ってないよ。 でも……なのに、いきなり? えぇ、それって酷くない? んぅ。 だって、何もしてないんでしょ? こないだも、デート行ったとか言ってたし、別に放ってた訳じゃないのに。 っていうか、プレゼントは? 貰ったんでしょ? おかしくない? なんで? ……うん? なんて? なにそれ? あんたじゃ釣り合わない、って……こと? ……なんかやだ。 あんたのせい みたいに言われてるけど、 それって、あっちの問題だよね? 勝手すぎない? しかも、あの子 自分から告白したんでしょ? ? どういう意味? ……ごめん、あたしにはー ちょっと、わかんない。 ふぇ? ……あたしに? なんで? ぁんー……寂しかったの? あ、{照れ笑い}違いますか……そうですか。 え? あぁ……うん。 そっか。 {吐息}……そっか。 あぁあ! えーっと、どうする? ぱーっと、嫌いだったところ とか……言う? ほんとにぃー? なんかちょっとくらい有るんじゃない? 我慢してきたこと。 あ……。 そうなんだ……。ごめんね、なんか。 ほんとに、好きだったんだね。 うん、あは、あはは……。 そっか、無いか、そんなとこ。 そうだよね。 あたしちょっと……なんか、やな事 言っちゃったね。 なんか、ちょっと、元気になってくれるかな、とか思って。 あたし、そういうんじゃなかったんだけど。 なんか、なんか。あのね。 ごめんね……ごめんね。 ホントに好きだったんだもんね。 なのに、嫌とか我慢とか、あたし……ごめんね。 うぅっ、んふんぅーー……。 ごめんね、ほんとに辛いんだもんね、ほんとにごめんね。 あたしね、そんなつもりじゃなくてね……。 ヴん……ヴん、泣ぎ止む……。ヴん。んぇ。 {鼻すんすん} ヴん、大丈夫……。 {30秒ほど、徐々に落ち着ける感じでアドリブお願いします} ん……ちょっと来な。 いいからっ。 痛った! もうちょっと受け身とれ ばか。 んもぅ うるさい もう……。 {鼻すんすん} んん……ごめんね。 うん、ありがと。 ? なにが? ん……いいよ。 あたしは、埋め合わせでも嬉しいよ。 っていうか……。 ん? {微笑む} んー……{息を吸う}なんでもない。んひ。 うん。 ……もうちょっと、こっちおいで。 3.なら、いいでしょ {三回、軽く呼吸} ……ごめんね。 うん……。 でも……ごめん。 うん。 あたしには、なんかよく分かんないけどさ。 辛いときに、会いに来てくれたのは、すごい嬉しいんだ。 それがね、もし、誰かの代わりでも、何かを埋めるためでも、 あたしは、それが嬉しい。 いつもは、離れたとこに居るし、そんな簡単な距離じゃないけどさ。 何かあったら、いつでも会いに来て良いし、いつでも会いに来て欲しい。 あたしは……ここにいるから。 こうやってさ、二人で布団に くるまって、 あたしが一緒に居てあげる。 抱きしめてあげる。 そしたら……どんな顔してても、良いからさ。 あんたと あたしの他には、誰もいないから。 ……ここには、二人だけ。 二人しか、居ないから。 ……ねぇ、もっと、こっち来なよ。 {吐息}……抱きしめるだけ。 それとも……だめ? なら、いいでしょ。 ねぇ……。 やっぱり、今でも好き? ……そっか。 {軽い溜息} なんか、もっと……、 素直な気持ちに、なりたかったな。 んー? んふ……思ってたより、あたしって良い人だなー、って はなし。 {一呼吸} だって……あんたが辛そうなの、すごい、嫌なんだ。 お願いだから。 ちょっとずつで良いから。 元気出して。 ……あたし、いつまでも良い人のまま、居たくないもん。 あ……。 いま変なトコ触った。 んふ、わかってる。別に怒ってないよ。 {吐息} ……いいよ? 触っても……。 ……ほら。 ばぁか、ホントに触んな。 えっ? ちょっ、待っ…… んちょっ、ちが、今の そういうんじゃ、ないって……! んっ、ちょっ、ホントだめだって……。 っ……。{吐息}……うん、ごめん。 んぅ……でもびっくりした……。 ……ばか。 4.こんなこと、あったよね {5回ほど、ゆったりと呼吸} ……昔さ。 こんなこと、あったよね。 あったよ。ホントむかし。 ……あたし、覚えてるもん。 あんたもあたしも、小学校の真ん中くらいだったかなぁ……。 {微笑む}、その時から、親戚が集まるときは、よく一緒に遊んでた。 いつかね、あたしが どーでもいいイタズラして、 それが、なんか、変な感じで 大人たちにバレちゃって、 大騒ぎになっちゃって……。 あたしね、その時……ちゃんと、名乗り出ようとしたんだ。 わたしがやりました、ごめんなさい、って。 でも、あんたが横から、俺が やったーって、割って入って……。 いつも……あんた、叱られてばっかりだったし、 あたしはあの頃、もっと大人しくて、真面目ちゃんだったし。 日頃の行い、って言うか、 なんか……そんな時だけ、皆 あんたの言うこと信じちゃって……。 あたしの代わりに、あんたが全部、叱られてくれた。 すぐに、わたしだって、言えば良かったのに、 あんたが叱られてるのを見て、怖くなっちゃって。 ずっと……自分より背の低い、男の子の後ろに、隠れてた。 で、最後のさいごに、 女の子に庇われるなんて みっともない……って、 あんた、伯父さんから拳骨もらってた。 うん……。 そのあと、あたし、さっきみたいに泣いちゃって、 こんな風に布団にくるまって、 ずっと、ごめんねって、あんたに謝ってた。 ほんとは、そんなところで謝っても、ダメなのにね。 でも、あんたは……いいよ、って、言ってくれた。 それでも、あたしは泣き続けて、 ずっと ごめんねって、謝って…… 知らないうちに、泣き疲れて、寝ちゃってた。 それから、起きた後に、また……ごめんねって言ったら、 もう気にすんな、って言って、おでこ 叩かれちゃった。 んふふ……。そんな、かっこいい男の子の話。 ……忘れちゃった? んー……{微笑む}。 でも、あの後、伯父さんが あたしのところに来て、 ちゃんと、はなし……聞いてくれたんだ。 さいしょっから、あんたがやったんじゃない、って、分かってたみたい。 んふ、なんだ、やっぱり覚えてたんだ。 んひひ。 で、その時に…… あんたのことを、ちゃんと考えてあげろって、言われた。 {微笑む} なんか、思い出しちゃった。 ん? んふ。 あたし、なんでかなーって、あの時、いっぱい考えたんだ。 ……そういえば、その時だったな、って思って。 ……ふふ。なにかが ね……んひ。 {溜息に近い吐息} あー……なんか。……すごい、あったかい。 えぇ? んふ、そうじゃないよ。 思い出したんだ。こんなに素敵な気持ちだったんだ、って……。 ホントは、押し込めておけるようなものじゃなくて、 無くなったフリ……、出来るようなものでもなくて。 でも、押し付けるのも、ちがってて……。 いつか、この あったかさが……伝われば良いかな、って。 んひ。 いまは……、あたしのことは いいよ。 ほんとに、いまは どうでも良い。 うん。んひひ……。 ん、うぅん。……{吐息}。 寝苦しくない? {微笑む}よかった。 {寝息のイメージで、5回ほど呼吸。吸気、呼気、それぞれ、ゆったりと} あたしは……。 ここに、居るからね。 うん。 おやすみ。   5.ほんと、よく分かんない ん……。んぅ……。んぁー……。ん。 あ。ん……? ……あれ、いない。あれー……。 んー……携帯ぃ。んー。ないぞー……。どこー。 ん……。ん? ぁあった。 ん、よいしょ……。 {吐息}。あー。 んー……んぁ? んえーっとぉ、何ぃ? あー……ほん。 はぁー、あいつ また合鍵使ったぁ……? んーぅ。 あー、そっかぁ……今日の朝までって{語尾伸ばす感じの吐息}……言ってたもんなぁー。 う、ぅーぅん……んあぁー。 はぁ……。 ん……。 {吐息} ……すきだぞ。んひ。 {一呼吸}。よし、起きよっ。 うんしょっ。 はぁー、シャワーしゃわ~。 ふーんふーんふ~ん。……ん? うぉぉ、びっくりしたぁ! あんった、ホントその登場やめな! っていうか また合鍵使った? タライ落とすぞー。 いゃ、流さなくて良いから……あたしシャワー派だし。 ふえ? ……あぁ、そっか。お母さん居るんだった。 ぁぁー、んで、なに、どうしたの? あぁ、うん。 何忘れたの? 持ってきてあげよっか。 ? ……あんたのウチ? ぁぁ、うん。 じゃあ、そのうち観光にでも行こっかな。……んひ。 ぁんじゃなくて、忘れ物は? は? ぇそれだけ? ぇ、あ、ちょぇ、帰んの!? えっ。 えっ、ちょっ、えぇー? ぁ、ぁん、靴……っぅ、いっか。 ほ、っんしょ。 {鼻から抜く感じの溜息} もう居ないか……。はや。 っていうか、ほんとに あれで帰った……。 {苦笑い}ほんと、よく分かんないわ。 {軽く溜息}、まぁいいや。 んっ……ぁあ~。ほぇ。 ……じゃあ、いつ行ってやろうかなー。んひひ。