登場人物表 ●レナ  「ミミアリ」の少女。  遺伝子操作された高級娼婦の子孫でウサギの耳を持つ女の子。年中発情期で知能が低いとされる。ウサギの遺伝子の影響でおこったりストレスがたまって感情が高ぶると地面を蹴ってしまう。   ●あなた  エリートなコームイン。  観光事務局に勤めるコトブキ市の上級市民。  選民思想に囚われている。   舞台設定・用語集 ●/ダウンタウン/R・I・Pストリート   「ミミアリ」の人間たちが追いやられている地域。  コトブキ市政による区画整理の計画が持ち上がったが、頓挫。ジャンクヤードの中に病院があったり、娼館の隣に保育所があったりと混迷を極めている。   ●コトブキ市  ヒノモト国、中部地方にある政令指定都市のひとつ。  中部経済の中枢を担う。  かつての主な産業は乗り物の製造でそれに関わる市民も多かったが、製造業におけるシンギュラリティを迎えてからは、多数の市民が仕事にあぶれ、地盤として元から栄えていた性風俗を強みとして売り出した。  結果、中部の一大歓楽街となる実績を築き上げ、GDPを向上させた。そうした流れから国からの支援によって、現在は再び製造業に多くの市民が就くことができた。  が、その実態はセクサロイドや性玩具といった人間がテストすることでしか商品開発できないアダルトグッズが中心だった。性に関する仕事を強要されるのを苦にして自殺するものや性におぼれて自滅するものが後を絶たない。  しかし、そういった仕事内容の一方で国の事業とも連携しているため給与は高く、上級国民と呼ばれる高所得者は人口の約3分の1を占める。  また、市の裏の顔としてはR・I・Pストリートをはじめとした「ミミアリ」の被差別地域問題を抱えてる。 ●ミミアリ    頭から獣様の耳が生えていたり、尻尾をもつ人間の総称。  かつて歓楽街化計画の際にコトブキ市が富豪向けに秘密裏に開発した人間と動物の遺伝子を掛け合わせたデザイナーズベイビーこそが「ミミアリ」であり、その優れた容姿と動物並の強い性欲に高額がつけられて取り引きされた経緯がある。しかしその強い性欲故に管理が難しく、棄てられる「ミミアリ」が後を絶たなかった。  本来は繁殖能力が機能しないように遺伝子を改造されていたが、動物由来の生命力の強さ故か、いつの間にか「ミミアリ」たちは市の一角で繁殖活動を繰り返し、その数を増やしていった。数が増えてしまった以上、市もうかつに「ミミアリ」全員を処分するわけにもいかず、彼らへ基本的な人権を与えるに至った。  しかし、コトブキ市は性風俗を市の収入源にしていることもあり、既存住人との兼ね合いから性行為のエキスパートとして産まれてきたバランスブレイカーな彼らを市民として完全に受け入れることはできなかった。ゆるやかな隔離政策をとり、彼らをR・I・Pストリートへ押し込めた。  R・I・Pストリートには学校や病院、交番さえも存在せず、簡素な住居(バラック小屋)ばかりがひしめく。国からの支援はゼロ。  結果、現在では「ミミアリ」の不満が高まり、定期的に参政権や支援を求めるデモが市庁舎前で行われている。 ●触手おちんちん  正式名称は「男性用性感再建器具」で「触手おちんちん」というのは俗称。人工的に産みだされた生体換装パーツで元は医療用。病や事故で男性器を失い、性的に感じることが難しくなった人の性感覚リハビリ用器具だった。イソギンチャクの触手のように細かく長い無数のおちんちんが集まった外観をしており、その見た目から着用者を選ぶ。密集した無数のおちんちんは束ねられることで一つの太いおちんちんとしての形状、ばらけることで触手状へと自在に変化することができる。またばらけても一つ一つが通常のおちんちん一本分と同等の性感覚を有しており、操作は難しいが、コントロールできるようになればばらけた分だけ快楽を多く得ることが可能。健常者にとっては得られる快楽があまりにも大きすぎ、人格が破壊される可能性があるため不用意な着用は厳禁とされる。