当作品の世界にはシナリオ作品を書くための設定があります。 聞いてて「?」となった事についてこのテキストを読めば解決するかもしれません。 イメージが壊れる危険性もありますのでお気をつけてお読み下さい。 境界防衛炉 帝国と魔族領域の境目には境界防衛炉と言われる防衛ラインが張られており、魔族の侵入を防いでいる。 霊力による電磁の網というのが一番親しい表現で、上位の魔族だろうと問答無用で大ダメージを与える能力がある。 境界の侵入に対して作用する魔法の網の為、空を飛んでも無意味。 だが、知恵を持たない攻撃性だけの魔物たちが、自分の命など構わず、 ただ動いているものを壊したいという悪意だけで、ひたすら自殺同然の破壊活動を続けている。 知能を持つ魔物アークエネミー 本来魔物とは魔力を持った動物のこと。生態系を確立している。 ただし、近年言語を使い複雑な知的生産活動を行う(原始的な道具生産等)魔物が発見されるようになった。 彼らは境界の向こう側の魔族の子孫とも思われず、にも関わらず分類するなら「魔族」ではないかと言われている。 人族領域の中に魔族が自然発生するようになれば、人族領域は決して街から街道に出ることの叶わない死の国になる。 神聖結界 人族領域に張り巡らされた精霊力的な結界。 貴方の世界においても首都を建立する際風水や鬼道や神道に従っているはずだが、それと似たようなもの。 ただし、この世界には霊力があり、神聖結界は実際に精霊術的なセキュリティとして作用する。 人族領域の中での戦闘において、人族側の味方をする言わば精霊セキュリティシステム。 しかし、とっくの昔に壊れており、現在の教会にそれを補修する魔法技術はなく、教会の聖女はその事実を隠している。 ストラテジックパーソン(ストラテジックインディビジュアル) 魔族の言葉で、人族も使う。強力で、戦略的価値を持つ個人の事。目安としては、一人で一国を落とせるレベル。 人族大陸では、ナツと貴方の死んだ仲間を除いて四人のストラテジックパーソンが表舞台に立っている。 聖女(時計教)、ウミウシと人間のハーフの海棲人族、王国最強の騎士、自由国のアーティファクト。 ナツは動かない貴方を抱えた状態で王国最強の騎士を正面から撃退している(ただお互い奥の手は見せてない)ので中間くらい。 もちろん、表舞台に立たないながらもストラテジックパーソン級の人族はたくさんいるはずだが、 聖女とウミウシはストラテジックパーソンの中でも上位で、かなり強い。ナツ含み、全ての人族が簡単には歯が立たない。 チート能力 貴方が与えられたチート能力は3つ。 絶対に壊れない無敵の聖剣(非破壊オブジェクト)、レベル制の適用、精霊に対する絶対優位権。 レベル制の適用 通常はコウモリを何万匹倒そうが竜を倒せるようにはならない。 せいぜい修練になって良い剣戟が放てるようになるくらいだ。 しかし、レベル制が適用された肉体はコウモリを一万匹倒せば竜を倒せるようになる。 この世界においてレベル制が適用されている生物は何体か存在し、貴方もそのうちの一つ。 精霊に対する絶対優位権 貴方の体は精霊にとって毒であり、大半の精霊は触れただけで死滅する。 一見毒になるような能力だが、肝心なのは、この世界における大体の魔法は精霊によって行使される事。 精霊によって行使された魔法はすべて、貴方の体に着弾する直前に、精霊のちからと判定され消失する。 ほぼ全ての魔法を否定する最強のチート能力。 マインドイーター 遠い昔にサキュバスから派生した魔物の種族。 インキュバス・サキュバスは生物の精を盗み取るが、彼ら彼女らは生物の想いを力とする。 古い魔族であって、精霊術ではない想いの力の魔法を行使できるため、 充分な想いの力を吸収した・あるいは充分な想いを自分で持つマインドイーターは恐ろしく強い。 大体のマインドイーターは純情で、情に厚く、愛する相手は選ぶものの、一度愛した相手を絶対に裏切らない。 これは彼ら・彼女らが自己の想いを培い、他者の想いをたくさん喰らうための定向進化。 魔族領域序列 魔族領域では全員が強さの序列を持つ。 一桁からは「魔将」と名乗る。 魔界序列五位の魔将は挑んでくるウミウシを五百回くらい打倒し、その度毎にあしらって拷問して帰している。 貴方とナツと仲間もう一人でフクロにして倒したのは魔界序列八位。 魔王ベリルガルツ(リン) マインドイーターと呼ばれる種族出身の、とある魔族。この地上における最強の個体(龍を除く)。 実は、何か特別に魔王の力を受け継いだとかではなく、純粋に強いただのマインドイーター。 力の継承・承認を受けた本来の魔王は別に存在するが、彼女の力があまりに強大なため、魔族領域で「魔王」といったらリン。 (一応本来の魔王も魔族領域内で特別扱いを受けており、尊重を以て序列から隔離されている) 長年の時を経て、単純に研鑽を重ね、惑星や恒星を破壊する魔力を得た。 彼女が使う力は通常の人族が使うような精霊魔法ではなく、遠い昔に廃れた、想念の力を用いて現実を変革させる古い魔法。 故に、貴方も普通に魔法攻撃を食らう。 しかしながら、一応貴方は魔王に対して有利。 というのも、魔王に対してそのまま触れただけで死なせることが可能かといえば無理なのだが、 マインドイーターとは精霊の一種に近く、 他の人族が攻撃するより、圧倒的に、貴方の攻撃は通用する。 形質は「重力」「遠く純粋な憧憬」等。 形質 それぞれの個体にとっての本質。 この世界とは、形質同士が重なり合い、干渉し合い、対立し合って生まれる様々な現象の総体。 世界時計との共振 形質に応じた力によって「世界時計」と一体化し、個体が強大な力を得ること。 一度共振現象を起こした存在は、集中することでいつでも非共振状態から共振状態に移れて、共振状態は徐々に解除される。 特定の感情以外を捨て去り精神的に透化した生物の他に、フェアリー等は精神状態の変容がなくても共振が可能とされる。 たとえば貴方の奴隷が貴方からたくさん精を注がれ、一定以上の修練を重ねると共振可能となる。 世界時計 この世界の世界宗教は太陽ではなく時計を信仰している。 世界の裏側には手のひら大の時計が存在し、その時計が動くことで世界の時が動き、時が動くことによって すべての因果が動いていると信仰される。 世界時計とは、その、世界そのものであると信仰される時計。 固有時間 世界宗教を信仰する人族、及び人族領域で生まれる魔力生命体(龍、エルフ、フェアリー、アーティファクト他)が持つ属性。 特定の時間。 共振を起こしていない人族にとっては占いレベルで縁起のいい時間でしかないが、 共振を起こした人族・生命体にとっては感情的にも能力的にも最も調子がよく最も暴走しやすい時間となる。 中央集権型世界維持システム この世界では数千年程前唯一の神の世代交代が起きた。 人族の世界では誰も知らないが、当時若い神が古い神を殺した。 ただ、この世界は、熟練の者がメンテナンスしなければ自然と実りが減り、黄昏の空となっていく。 その若い神は経験不足で、世界にメンテナンスが必要なことすら知らなかったくらいだから、 数百年もすれば世界は荒れ放題で、滅びる寸前まで行った。 神は唯一しかおらず孤独。絶望し、彼女は自殺を選択した。 ……しかしただ死んだわけではない。その若い神は古い神に不満があって古い神を殺したのだ。無責任に自殺するはずがなかった。 彼女は残りの全ての自分の力と権限を、世界各地の龍にちょっとずつ分散してから死んだ。 分権型世界維持システム 龍とは人々の感情・魔力の集合体である。 神とは成体を越え神体となった龍である。 ゆえに、逆に神が龍に力を与えることも難しくなかった。 唯一の神が外界に降りると力が大きすぎて空間が歪み亀裂が走るが、 世界各地の龍がちょっとずつメンテナンスの力を持てば、人手は増えるし、人族の世界に生じている問題に接近戦を行える。 一人の間違いで即世界が滅びることもない。 大丈夫だろうと自分に言い聞かせてから、「若い神」は皆に謝罪しながら苦しんで死んだ。 当時一番強かった龍が現代で「龍神」と名乗っている。 龍神 最強の龍。超古代兵器「月」の神殿に住む。 形質は「青白色の炎」、「冷静な勇気」。 分権型世界維持システムの問題 ただ、一つ問題がある。 分権型世界維持システムには圧倒的な強者が存在しない。 なので、大きめの問題への対処に時間がかかる上に(現代では龍同士が派閥に分かれ、無数の正義が存在するように)、 中央集権型であれば対処できる規模の問題が、分権型では致命的になる事がある。 「抑止力」 この世界の文明は人族・魔族ともに数千年単位で停滞している。 その文明レベルは、あなたの生まれた世界で言えば、人族世界が中世〜近代(+α)、魔族世界が1900年代(+α)。 なぜその文明レベルで停滞したか。それは、数千年前にとある人族の魔法学者がそういった魔法を開発したから。 なぜこんな魔法を開発したかといえば、魔族世界と人族世界の文明レベルに差がつきつづけ、 このままでは未来永劫魔族世界に勝てなくなると判断したから。 この世界において、魔族、人族問わず、科学で文明レベルを上げようとする科学者の前には、「抑止力の蛇」が到来する。 「抑止力の蛇」 世界文明史を書き換える程に偉大な理論の発見・発明・革新的行動の、発表を行おうとした人間の眼前に現れる、 強大な蛇状の魔力体。 魔法の開発者および世界中の生命体の、「世界がこのままであってほしい」という想いに答える準神。 準神としての圧倒的な力で、その人間と進歩を抹殺する。 トリガーはあくまで発表なので、パーソナルコンピュータや核爆弾を開発しても、一人で満足していれば死なない。 この存在のお陰で、世界の文明は数千年間完全に凍結されている。 また、この存在がいるために、革新的な人間は放っておいてもいつか死に、保守的な人間は生き続ける。 それは一種の適者生存・自然淘汰として機能しており、 数千年革新的な人間が死にやすかったことで、保守的な人間が増え続け、 抑止力の蛇は数千年前とは桁違いの化け物になっている。 (貴方の国では、数十年前はお見合い結婚が当然だった。数百年前は混浴が当然だった。  たった数百年で、世界の価値観はがらりと変わる。  この世界では、それが数千年続いている) 数千年前の抑止力の蛇は魔王なら倒せたが、現代の抑止力の蛇は人王、魔王、龍神が束になって戦っても敵わない。 しかしながら、抑止力の蛇を倒すまで、世界文明の凍結は終わらない。 この世界において、科学が問題を解決する希望はなくなってしまっている。 古い神がまだ生きていたら、彼女が筆でなぞるように蛇を殺し、この問題は三秒で解決している。 けれど古い神はもう死んで、現代の世界管理者のトップの龍神は人王・魔王の数倍程度の力しか持たない。 人族世界の世界宗教の主神が技術者をモチーフとしていて、崇拝物が時計なのは、 「この数千年間たくさんの技術者たちが、様々な想いを抱えながらも、蛇に食われて死んだから」という歴史学者の指摘がある。 ちなみに数千年間の文化の進歩は微妙。文化と科学・魔法学は両輪。片輪が機能不全を起こしている。 保存媒体が紙、一度居住大陸を放棄した際魔族にほぼすべてを焼かれた等厳しい。一応記録にないだけで色々生まれてはいる。 魔法技術の進歩も微妙。魔法の想像力の補助翼を果たす科学の進歩が止まっている。 その上、百年ほど前から新しい魔法を開発する人族がいよいよごく僅かになってきた。 古い神の花束 慣用句。世界各地でたまに発生する、龍でないと対処できないはずの世界のバグや問題が勝手に直る現象の事。 「若い神」に殺されたはずの「古い神」が実はまだ生きていて、世界をナイショで直しているのだ、という笑い話。 ただの偶然では済まないはずの『花束』も結構あるが、それぞれの龍が勝手に自分の手柄にしている事が多く総数は掴めない。 使用例:「なんか私が直そうと思ってた土地の魔脈、独りでに直ってた」「それってさぁ、例の『花束』じゃね?」等 ナツ 「さあよってらっしゃい、未踏の雪山からやってきた雪フェアリー! 殴るとふわっと雪が舞って面白いよ!」 という触れ込みで奴隷の競りにかけられていたのを、この世界に来たばかりだった頃の貴方が買った。 深い雪山の中に存在する雪フェアリーに、人族と接触する機会は皆無。 それでも人と接触したり恋を紡いだ個体はいて、多くの雪フェアリーは人族との恋物語に恋い焦がれる。 彼女は厳しい冬の中、餌に困る動物を助けて、いつか来る出会いに思いを馳せていた。 形質は「雪(この世界の「雪」という単語は融ける事まで含む)」と「自己犠牲も伴う献身」。 固有時間は朝の三時(この世界の時間制度で)。夜が明けて、これから雪解けが始まる時間帯。 ハル ヒロイン選択アンケートの結果に従い今回この作品には登場しなかった、もう一人のヒロイン。 妖精ハルと貴方が冒険をしている平行世界もある。 「さあよってらっしゃい、世にも珍しい雷フェアリー! 殴るとぱちぱち音を立てて面白いよ!」 という触れ込みで奴隷の競りにかけられていたのを、この世界に来たばかりだった頃の貴方が買った。 雲の中に存在する雷フェアリーは、通常人族と接触することはない。 延々と雲の動きや流れを演算したり、あられを投げつけあって過ごす。 純粋な脳回路に愛を与えれば、深層から、愛に応えて自己の回路を作り変えるだろう。 形質は「雷」と「合理性のある愛」。 固有時間は夜の三時。日が暮れ始め、これから想いを育む時間帯。 フェアリー フェアリーとは様々な場所に存在する魔力の結晶体のような存在。例:森フェアリー、花フェアリー、雪フェアリー等々。 森フェアリーは森に住み、水フェアリーは水源に住む。 精霊・霊力をかびや胞子とすると、彼女たちはきのこ。 きのこに本来自我はない。思考回路は単純で、自己の生存や快という感情を追い求める機械的なもの。 多くの種類のフェアリーは、それでも人族と触れ合って、人族に触れ合ったフェアリーと触れ合って、人間らしさを獲得する。 雷フェアリーたちは、圧倒的にその経験がない。 貴方の愛をたっぷり注がれれば、だいぶ人間らしさを獲得できるだろうが、 根っこの部分では極めて機械的で、善悪の判断に乏しく、感情移入する能力が低いため主語が小さい。 根本的には、ただ貴方のことが好きという感情以外、何も持たないに等しい。 雪フェアリーも雷フェアリー程ではないが経験不足。 ナツも含み、恋に恋して、一度誰かを愛すると(雷フェアリーに比べると「恋に恋する乙女」止まりだが)暴走しやすい。 だからこそただ一人、貴方を拉致して王都から逃亡した。 英雄ナツ 貴方の奴隷ナツが雪フェアリーとして世界時計との共振を起こした姿の仮称。 魔法の強力な無力化能力「スノージャミング」、物理攻撃の完全な無力化能力「ハルナレティオ」、 物質を必ず崩壊させる魔法「夏日の一振り」を使用する。 彼女が戦う際はその場に存在する雲から雪を降らせ、相手の魔力を強力にジャミングすることができる。 雪の中では魔王であろうと自由に魔法を使用できない。 また、彼女に危害を加える物体は、彼女の雪属性魔法によって、必ず自ら崩壊する為、決して彼女に物理攻撃が届くことはない。 十全の状態の彼女に攻撃を与える手段は皆無。これは彼女が英雄たる証である。 そして雪属性魔力が持つ崩壊性を全力でぶつけるのが「夏日の一振り」であり、これは彼女が持つ剣で斬りつけることで発動する。 ありとあらゆる物体・魔法を夏の日の雪がごとく溶かす共振の剣。 他にも、膂力の強化、雪属性魔法+光属性魔法の核分裂砲や、雪による敵味方の援助・妨害能力も持つ万能の妖精。 ただ、ここまで彼女が強くなっても、将来の貴方のほうが強い。将来の貴方はいずれスノージャミングの中から攻撃を通せる。 魔王にも勝てない(善戦はできる)。魔王は貴方ほど容易ではないが時間をかけてスノージャミングを攻略できる。 (そもそも魔王の魔法は精霊魔法ではないので) そして、彼女の切り札は剣の技術に依存したものだが、肝心の彼女の剣技は微妙。ずっと貴方の後衛だったししょうがない。 共振の影響で、自己犠牲を厭わず「冬を終わらせる」「人の望みに応える」精神性に純化している。 雷神ハル 貴方の奴隷ハルが雷フェアリーとして世界時計との共振を起こした姿の仮称。 魔法の完全な無力化能力「オーバーロード」、特性「偏在」、電磁力による空間歪曲「神の槍」を使用する。 彼女はその場に存在する雲の中の静電気を脳神経のように使い、演算し、相手の精霊魔法を最小限の力で解体することができる。 どんなに強力な精霊魔法も、彼女が無意識のうちに、一帯の雲が微小な静電気の落雷によって解体する。 また、彼女は雷の集合体であり、倒すには一瞬だけでいいのでこの世界のこの惑星の全土から雲を消し飛ばす必要がある。 そして、強大な魔力を潤沢に使用し、電磁力経由で重力に干渉して空間歪曲を引き起こし、 相手がこの世界の(この宇宙の)どこかの座標にいれば絶対に命中させる魔法が神の槍。 まるで、神話の中の雷神が使用する神の槍のように、超強力な電磁砲が敵に必中する。 ただ、ここまで彼女が強くなっても、将来の貴方のほうが普通に強い。 そもそも貴方は魔法を使わないし、神の槍は精霊魔法なので無傷。 そして、雷神ハルは(というかフェアリーは)精霊に近い存在で、特に対策無しにぽこっと殴っただけで殺せる。 また、魔王は星の全土の雲を消し飛ばすことなど簡単であり、それ自体はなんの防御にもならず、 魔王にも勝てない(善戦はできる。ついでに、ナツも同じだが、不意打ちで奥義を当てればちゃんと即死させられる) 共振の影響で、完全にではないが、幼い頃の精神性に戻っている。 雷神ハルと英雄ナツはどっちが強い? 立ち位置としては二人とも準王〜王級といったところで互角。どちらもどちらにも攻撃が通る。 二人とも、魔界序列第二位よりは圧倒的に強い。 時計教 この世界の世界宗教の通称。 数千年前に存在した旧世界宗教は魔族との厳しい戦いの中考えられたものの為、戒律が厳しく非常に過激。 一方時計教は文明が進歩した中生まれたもので、旧世界宗教よりは穏やかな思想(依然として戦争推奨だが)。 一神教(ただし「世界時計を操る老人の説話」等、実質多神教で、それを皆容認している)、平等主義等が特徴。 ただし一番特筆すべきは、「戦えば時計は時を刻み続ける。戦えなくなれば休め、いつか回復する」というような 純粋で疑いのない進歩主義。 誰もが進歩を望まなくなったこの世界において、進歩主義の世界宗教が、存在し続ける現象は本来ありえない。 ただし現実に、この宗教のトップの皆は千年前からずっと一人残らず時計の針の音を信じている。 千年にわたり存在し続ける強固な意思、それこそが時計教。 なぜ冬が来たこの世界で、なぜ彼ら達だけは春を見据えて動けるのか。 いやそこまでは普通のことで、他にも春を見据えて動いている集団はたくさんあるが、 なぜ彼ら達のような異端が、世界宗教になれたのか? それは、世界全ての人工物が、まだ冬が来る前の過去の技術者達の設計図=想いによって作られた、 微弱なアーティファクトであるから。 世界に存在する水道も、建物も、船も、くだらない安い金属の子供の玩具でさえ、 過去、誰かを幸せにしようとして作られたアーティファクト。 「自由国のアーティファクト」のように意思(魔力)を持つ物体として実際に動いているアーティファクトとは 桁違いに魔力が弱くても、 世界に存在する全ての人工物は実は実際に創造者の意思を継ぐアーティファクトである。 「彼ら」が微弱な意思によって、時計教の信仰に、そしてギリギリのところで全人族の理性に介入している。 精霊 魔族との戦いのため、凍結させてしまった世界文明史を、再始動させるための試みはいくつもなされた。 共振もその中の一つ。共振というお伽話を作り、この星の人々に信じさせ、現実とするよう働きかけた存在がいる。 時計教もその中の一つ。無限の被造物たちは理不尽に殺された技術者達の想いを受け取り、決して折れることはない。 山岳地帯の少数民族の中にも、大学組織の中にも、深海の一拠点にも、月の裏側にも、試み続ける者たちがいる。 そして、現在世界に満ちる精霊・精霊力も誰かが望んだ試みの中の一つであり、 抑止力の蛇の抜け道を探し(≒魔族との戦いの傷口を癒やし)、世界が前に進むための手段の一つである。 ハル、ナツというのは妖精たちがいずれ来るべき解放を求めてハルとナツにつけた名前。 彼女達の名前は、この世界の言葉でも春、夏。(アメリカ人の名前でいうと「Spring」ちゃん「Summer」ちゃんみたいな感じ) 彼女たちは生まれつき、その名前をつけられた瞬間から、世界を救う英雄と出会う事を祈られていた。 祈りは力に、力は祈りに、いつの日か世界を救えるように。 蛇の倒し方 この世界の数千年にわたる主題は、抑止力との戦いに他ならない。 龍神は「この世界に問題が生じている、助けてくれ」と貴方を呼んだ。 魔王を倒すことではなく、蛇を倒すことこそが貴方が呼ばれた理由であり、貴方の使命である。 ・歳月が過ぎれば蛇は強力になる。 ・世界人口に比例して蛇は強力になる。 ・現時点で、意思疎通可能な惑星上の総力(リン+貴方+龍神を想定)を以てしても、蛇を倒せない。  ※魔界序列二位以下(つまり準王級以下)の生命体は弱すぎて戦力として数えられない 方法が見つかったら、貴方は救世主です。 ぜひ、教えて下さいね。