;//////// ;Track1:すみの自己紹介と、この音源の楽しみ方 ;//////// ;すみの足元は足袋 ;タイトルコール ;1/前 【すみ】「あやかし郷愁譚。あかしゃぐま すみ 入園準備」 ;環境音 秋の縁側(小鳥の鳴き声) ;3/右 【すみ】「ふぁ……ぁ……ん――(大あくび)」 【すみ】「ううむ、いかんいかん。どうにも気がぬけてしまうの。 なにせここのところといったら――ふぁ――」 【すみ】「……えみがはしゃいではしゃいではしゃいで。 夜中にいきなり起き出したりなども続いてしまっていたからの。 ……学園の少等部への入園式が済んでしまえば、落ち着くことであろうと思うが――(苦笑まじりのためいき)」 【すみ】「それまでは……ふぁ――落ち着かせることなど無理であろうの。 少等部の入園式をみかけたときについつい、 『えみも次の春には新一年生じゃぞ』などと申してしもうたわらわがいかにも軽率であった」 【すみ】「『つぎのはるっていつ!?』『つぎのはるもうきた!!?』と…… 毎日毎日毎晩毎晩、よくもまぁあのはしゃぎっぷりがつづくものかといっそ感心させられるが…… (愛情たっぷりのため息)――えみじゃから、の」 【すみ】「とは申せ……ふふっ、あれだけせっつかれつづけると、わらわとて、入園式が楽しみで楽しみで仕方なくなってきてしまう」 【すみ】「お主とわらわのかわいいかわいい一人娘の晴れの舞台となるのじゃからの。 楽しみと感じぬ方がおかしかろうが―― (呼吸音)(呼吸音)――うふふっ! しかし、それにしても気が早すぎではあろうの。夫婦揃って」 【すみ】「おもしろいものじゃ。あるいは夫婦は、考え方もだんだんと寄り添うてくるものであるのかもしれぬの」 【すみ】「なれば……うむ。今日一日、えみの入園式の準備を、いまのうちからはじめてしまうのがよろしかろうか」 【すみ】「お隣の有島ありすが、桂浜の水族館に、えみと夏葉を連れて遊びにいってくれておる。 せっかくの、ひさかたぶりに夫婦水入らずで過ごせる一日。 いや、やはりそれではあまりに色気を欠くかとも――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【すみ】「それでよいなら、入園式の準備としようか。 いささか気が早くはあるが、この先なにがあるとも知れぬ。 できることはできるうちにが、うむ! やはり一番よろしかろうぞ」 ;SE すみ立ち上がる。 ;3/右→;1/前 【すみ】「そうと決まれば仕度じゃの。 わらわは――そうじゃの、針仕事の準備をはじめておくゆえ、 お主は、もろもろの音を聴き逃さぬよう、 頭かぶり耳はさみ式音増幅器か、 耳穴詰め込み式音増幅器を……(呼吸音)――ああ、うむ」 【すみ】「へどほんか、いやほん。ううむ、横文字はあまり好みはせぬが、そう申したほうが簡潔とのことであれば、いまはそのように扱おう」 【すみ】「へどほんかいやほんを……(呼吸音)――ふふっ、なんじゃ、娘と妹が不在になると、急に甘えたさんになってしまうの」 【すみ】「いやいや、そうしたところも愛おしいゆえ、甘えたいだけ甘えるがよろしかろうぞ。 今日のわらわは、お主の妻であると同時に――ふふっ、えみと夏葉がでかけておる分、すみおかあさんにも、すみおねえちゃんにもなってやれるゆえ、の」 【すみ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ふふっ では、お望み通り、思いっきりに甘やかそうぞ。 まずは、お耳への装着からじゃの。――ん……(呼吸音)」 ;SE 両耳ガサゴソ 【すみ】「……(呼吸音)――うむ。これでよろしかろうか。 確認せねばの」 ;3/右 【すみ】「(息を吸って) み・ぎ・み・み――うふふっ。そうして」 ;7/左 【すみ】「ひだりみみ〜。でもって今度は〜」 ;7/左→;1/前→;3/右 【すみ】「ぐるうううううううううりとゆっくりまわりこんでの〜」 ;3/右 (ふきかけ/囁き) 【すみ】「(ふーーーーーーーーっ)(ふっ) んふふっ、ふきかけと、さ さ や き じゃ! (右ほっぺにリップ音で離れる)」 ;3/右→;1/前 【すみ】「うむ! よーく聞こえておったのならなによりじゃ。」 ;1/前 【すみ】「なればわらわは、ミシンの仕度を…… (呼吸音)(呼吸音)――ああ、ミシンは横文字ではない。 日本語じゃ。 ゆえ、横文字が苦手なわらわにも、なんの抵抗もなく言葉にできる」 【すみ】「英語の……なんじゃ、そっ、そ・お・い・ん・ぐ――んぐ、ま・し・ん――縫い物をする機械――なる意味に言葉が、日本語として馴染んで、“ミシン”となったものなのだそうじゃからの」 【すみ】「その辺のことは夏葉に教えてもろうたのじゃ。ふふっ、あれも英語を習うようになり、すっかりわらわの先生きどりじゃ」 【すみ】「英語の横文字と、英語由来で日本語になったカタカナ語とは全く別のもの……夏葉先生の授業のおかげで、すんなりと喉からでてくるようになった言葉が増えたゆえ、たしかにまことありがたくはあるが──ああいや」 【すみ】「この手の話をしておるといつまでたっても終わらなくなる。 今はともかくミシンの仕度じゃ。 さささ、一緒にまいろうぞ!」 ;SE 畳の足音数歩 :SE ふすま開く→ふすま閉じる ;環境音 F.O. ;//////// ;Track2 仕度の初めは縫い物じゃ (ASMRパート) ;//////// ;ミシンASMR。 https://youtu.be/bIGBkFIvZz0 ;1/前 (マイクに背中向き) 【すみ】「さて、と――入園にあたり必要な縫い物は、手提げ袋、給食袋、上履き袋に体操着袋、給食の机に敷くための敷布、それに雑巾――といったあたりかの」 【すみ】「お主のときには、お主の母を手伝うて。 有島ありすのときには、お隣の菜穂子どのを手伝うて。 夏葉のときには、わらわ一人で仕度した。 こう見えてもの? わらわはこの手の経験が豊富であるから、安心してかまわぬぞ」 【すみ】「(呼吸音)(呼吸音)……袋物がほとんどとなるゆえ、市販のものを購入した方が手っ取り早く質も安定することは確かじゃ。 が──えみじゃからの。 『これがえみのもの』と、ひと目ではっきりわかるようにしてやるほうが安心であろう」 ;$=SE 引き出しをあけて布を取り出す 【すみ】「ゆえに――ふふっ―― & これじゃ!!! くじらさん柄の布地!!! すでに水通しも済ませてある」 ;1/前(マイクに背中向けたまま首だけ振り向いて) 【すみ】「水通しとは、水洗いのことじゃ。 この布は綿。綿は、水に濡れると縮みやすい布地じゃからの。 型紙どおりに裁断をするその前に、一度水洗いして干しておけば、そのあとの大幅な縮みを防げるという寸法じゃ」 【すみ】「袋物などは全て、このクジラさん柄の布地でつくってやれば、えみもよもや取り違えなど起こさぬであろ」 【すみ】「無論、くじらさんを雑巾にするなぞありえぬ。 そこは使い古しの西洋手ぬぐいなどを利用して、じゃの。 まずはミシンの動作確認も兼ね、雑巾から縫ってみよようぞ――む」 【すみ】「そんなところに立っておってもしかたあるまい。 わらわとしては、お主が隣に座ってくれて、話し相手になってくれるだけでも、随分と気が休まるが……(呼吸音)(呼吸音)」 ;7/左 【すみ】「ふふっ、なればはじめようぞ。まずはじゃの、使い古した西洋顔拭き手ぬぐい―― (呼吸音)(呼吸音)――ああ、“ふえいすたおる”なぞとも申すの」 【すみ】「これを二つ折りにして、真ん中の部分を裁ちばさみで切ってニ枚にわける」 ;SE ふたつおりのフェイスタオルの真ん中にはさみをいれ、二分割 ;$=SE フェイスタオルの端を裁ち落とす 【すみ】「それの端っこ、分厚く固くなっておる部分を、一枚ずつ、こう―― $ じょきじょき、じょきじょきと――ん…… 裁ちばさみで切り落として――(呼吸音)――うむ」 ;SE フェイスタオルの端を裁ち落とす 【すみ】「もう一枚もまったく同じく……(呼吸音)―― 端っこの分厚い部分を…… (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――っと、ふふっ、切れたの」 【すみ】「そうしたら半分に折って、さきほど切り落とした両端をあわせて ――(呼吸音)――ぴたりあったら、いま合わせた部分をこう…… 縫い代を3分(ぶ)ほどとって、ミシンにしかけ、て――」 ;SE 押さえを下ろす 【すみ】「合わせた部分を、このままミシンで縫い合わせる。 が、慌ててはならぬ。縫い物で一番気をつけるべきは、なにを隠そう、『縫い始め』ゆえ」 ;$=SE ゆっくりと少しだけミシンがけ 【すみ】「まずは調子を見るために、慎重に、ゆっくり、慎重に…… ん…… $ (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 ;SE stop ;$=ゆっくりと返し縫い 【すみ】「少し縫ったら返し縫い。 今縫い進めてきた方向に戻る形で縫い進めていく―― $ (呼吸音)(呼吸音)――うむ!」 ;SE stop ;SE ミシン軽く動かす。手ぬぐいの短辺1片道分→縫い止めの返し縫い 【すみ】「縫い始めをうまくできたら、この短辺だけを縫いすすんで、と―― (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音) $ ――ん」 ;SE stop ;$=SE 抑えをあげて布を手にとる ;\=SE 布のオモテウラを返す 【すみ】「端だけ縫い合わせたら、針をあげて、 $ 袋になった手ぬぐいの裏表を―― \ (呼吸音)――このようにしてひっくり返す」 【すみ】「さすれば、先程の縫い代が内側に入るゆえ、切り落とした部分がほつれなくなる。 ふふっ、縫い物の基本じゃの」 【すみ】「ここまでくれば、あとは全体を縫い止めていくのみじゃ。 雑巾なれば実用性さえあればよい。 ゆえ簡便に、針をあげずに、一筆書きで縫い止めていく」 ;$=SE ミシン 【すみ】「具体的には、こう…… $ いち――(呼吸音)――にい――(呼吸音)―― さん――(呼吸音)――しい――と―― 四辺を連続して縫い、あとは一本だけ対角線を―― (呼吸音)(呼吸音)――うむ!」 ;SE stop ;$=SE 返し縫い 【すみ】「あとは、返し縫いをして―― $ (呼吸音)――縫い留めればこれで完成じゃ!」 ;SE 雑巾を取り、縫い糸を糸切り鋏で切る 【すみ】「雑巾は……ふむ。使い古した手ぬぐいがあと4枚あるゆえ、手すきのときにそれらを全て縫い変えてしまえば、当面はよろしかろ。 ミシンの調子も確認できたし、ここから先は、いよいよくじらさんの時間じゃ!!」 【すみ】「うふふふふっ、最初は何からこしらえようかの。 型紙は全て用意してあるゆえ、 裏返してどれがどれやらわからぬようにして――」 ;SE ペラ音x5回→ガサガサシャッフル音 【すみ】「どれがよいかの、どれがよいかの―― (呼吸音)(呼吸音)――うむ! これにしよう、えい!!」 ;SE めくるペラ音 【すみ】「この型紙は――体操着袋! 体操着袋……体操着袋か。 えみが振り回すことは間違いない。 丁寧に丈夫に作らねばの……と、申すか――」 【すみ】「その……わらわは、の? お主がそばにいてくれるだけで、ほどよく集中でき、孤独を感じることもなく、大変によき塩梅でミシンがけをすすめられる」 【すみ】「ゆえ、ミシンがけの間も、お主に側にいてほしいのじゃ。 (呼吸音)――うふふっ! なればここからは集中して一気にすすめてしまおうぞ。 まずは、全ての型紙にあわせ、必要な布地を切り出してしまうかの。 (深呼吸)――それっ!」 ;SE 何回も裁ちばさみで布を切る(継続) 【すみ】「(裁ちばさみで布をきる呼吸とニュアンス。一分ほど)」 ;SE stop ;$=SE 布を重ねていく 【すみ】「どうじゃ、なかなかに鮮やかな手並みであろ? 切った布は、それぞれの型紙の残りをしおりがわりに挟み込みつつ―― $ ん――しょっ――(呼吸音)(呼吸音)――ん。……うむ」 【すみ】「そうしたら、あとはひたすらミシンがけじゃの。紐通しなどは手伝ってもらうかもしれぬが、いまはただ、そこで見守っててくれれば一番ありがたい」 【すみ】「なれば、まいろう。 (息を吸う)――いざっ!」 ;SE ミシンがけ 継続 【すみ】「(ミシンをかけている呼吸とニュアンスを1分)」 【すみ】「(ミシンをかけている呼吸とニュアンスを1分)」 【すみ】「(ミシンをかけている呼吸とニュアンスを1分)」 ;SE、環境音とあわせF.O ;//////// ;Track3 蒸気火熨斗も書けねばならぬの(スチームアイロンASMRパート) ;//////// ;環境音 和室内 F.I. ;SE 急須からお茶を湯呑に。こぽこぽ ;9/前遠(ちゃぶ台はさんで向かい合わせ) 【すみ】「(ふーーっ)(ふーーーっ)……(こくっ、こくっ、こくっ) ぷはぁ。集中を緩めたあとのお茶と――(あむっ)――♪」 【すみ】「(はむっ、もむっ、もきゅっ)――(ごくりっ)。 ああ、塩大福のあまじょっぱさとの取り合わせの、なんたる至極か! とはいえ、お主のよもぎもちも大変に気になるの」 ;SE 立ち上がり ;9/前遠→;2/右前→;3/右 【すみ】「そうじゃ、はんぶんこして食べようぞ。 (呼吸音)(呼吸音)――ふふっ、まずはわらわの塩大福の半分からじゃ――んしょ」 ;$=SE まんじゅうを半分に 【すみ】「ほおれ、『あーーーーーーーーん』 (呼吸音)(呼吸音)――ふふふっ。あまじょっぱかろ? おいしかろ?」 【すみ】「なれば、今度はよもぎもちじゃの。 (呼吸音)(呼吸音)―― うむ! あーーーーーーーん〜――(はむっ!) (もきゅっ、もきゅ、もきゅっ――こくっ) ふあああ! おいしい。よもぎの香りがぷうんと鼻の奥にひろがって、餡の甘さと奏でる響きの、なんとここちよいことか!」 ;お茶飲む 【すみ】「(こくっ、こくっ、こくっ)――(満足の吐息)。 ああ、このままお昼寝してしまいたいようなこころもちじゃが―― むっ!」 ;SE 立ち上がる 【すみ】「せっかく縫った袋たちを入園前にえみのおもちゃにされては困る。 不在のうちに蒸気火熨斗(じょうきひのし)をかけて、綺麗にしまっておかねばの」 【すみ】「(呼吸音)(呼吸音)――蒸気火熨斗とは、熱した平たい板から蒸気を吹き出させ、洗濯物などのシワを伸ばす――(呼吸音)(呼吸音)――ヨコモジで申すところの……なんといったか――(呼吸音)――ああ! “すちいむあいろん”じゃ」 【すみ】「しかし、“すちいむあいろん”は、言いづらい。 蒸気火熨斗の方がよほどここちよく舌に乗る。 『赤蒸気火熨斗 青蒸気火熨斗 黄蒸気火熨斗』――これならすらすら口にできるが……」 【すみ】「『赤すちいみゅ』――はうっ。もうダメじゃ。 まことヨコモジはわらわの口になじまぬの。 っと! 雑談は、火熨斗をかけながらでもできる。 休憩もしたし――うむ、やってしまうかの」 ;SE 畳の上の足音→遠ざかる→戻ってくる→座る ;1/前 【すみ】「さて、と。また話しながら、ゆるゆるすすめてまいろうか」 ;3/右 ;$=SE 水注ぎ 【すみ】「なればまずは、蒸気火熨斗の注ぎ口をあけ、用意しておいた水を注いで―― $ (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――」 【すみ】「うむ。こちらはこれで通電させて温度をあげて、吹き出し口から蒸気がでてくるのを待てば良い」 ;$=SE 霧吹きシュッシュ。まんべんなく 【すみ】「で、その間に、火熨斗をかける袋の方にも、霧吹きで―― $ (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――うむ! 全体がしっとりしたの。それに――」 ;環境音にスチームを F.Iでプラス 【すみ】「蒸気火熨斗からも良い感じに蒸気が立ち上ってきた。 これで――(呼吸音)(呼吸音)――ふふっ」 【すみ】「蒸気火熨斗から蒸気が立ち上っているのに、霧吹きでわざわざ布を湿らす。二度手間に思えてしまうかもしれぬが、これにはきちんと理由がある」 ;環境音のスチーム vol UP 【すみ】「この袋のクジラさんの布地は、綿。蒸気火熨斗から吹き出る蒸気は霧吹きの霧よりさらに細かいために、綿の間をすり抜けてしまう。 ゆえ――霧吹きをしてないほうの袋に――ああ」 【すみ】「火熨斗をするときには、これこのように、あて布をする習慣をつけてしまったほうがよい。 生地によっては、テカってしまうこともあるゆえ、その予防じゃ」 【すみ】「っと、試しがけをするのであったな。 では改めて。 湿らせてない方の袋に、試しにこうしてかけてみても――」 ;SE スチームアイロンがけ 【すみ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ん……む―― (呼吸音)(呼吸音)――むぅ――」 【すみ】「このように、丁寧に力を入れたところでどうにも、今ひとつしあがりがスッキリしないことになる。じゃが――こう、して――」 ;SE 霧吹きシュッシュ、丹念に 【すみ】「(呼吸音)(呼吸音)――丹念に、 (呼吸音)(呼吸音)――布地全部を、余すところなく―― (呼吸音)(呼吸音)――霧吹きの霧で―― (呼吸音)(呼吸音)――しっとり、させ、て――」 【すみ】「そこに火熨斗を、あて布をしてかけてやると――んっ――」 ;SE スチームアイロンがけ 【すみ】「(呼吸音)(呼吸音)――の? (呼吸音)(呼吸音)――このように、みるみる、と―― (呼吸音)(呼吸音)――綿の、布地が―― (呼吸音)(呼吸音)――綺麗に、伸び、て――」 ;$=SE 指で布をなぜる 【すみ】「――っと。ふぅ。 ん……――うむ! 心地よい仕上がりじゃ。 の? $ このように指で撫ぜても、まったくシワを感じられぬ。 火熨斗を使う以上は、こう仕上がらなくては気持ちが悪い」 【すみ】「……ふふっ、この程度のこと、家守のあやかしたるわらわにはできぬ方がおかしい話。 家の外ではほとんど役に立てる場面とてないわらわじゃからの。 その分も、家の中ではしかと働かねばじゃ!」 ;$=SE 洗濯バサミで挟む *2 【すみ】「さてさて、綺麗に火熨斗をかけた袋はこうして――(呼吸音)―― 端と端とを伸ばすようにして、挟んで―――― $ しわにならぬように伸ばして吊り下げておく。 吊り下げるのは、火熨斗で伝わった熱を冷ますためじゃ」 【すみ】「冷めたらくるくると丁寧に丸めて箱に詰め、 その箱をえみの手の届かぬところにしまう予定ではあるのじゃが、 熱があるうちに丸めてしまえば、妙なしわができてしまいやすくなるからの」 【すみ】「ゆえ、火熨斗をかけたものは、つりさげて冷ましてからたたむ。 これもまた、火熨斗かけを綺麗にしあげるための、要点じゃ」 【すみ】「ふふっ。なれば、残りの袋たちも綺麗に整えていってしまそうぞ。 まずは霧吹き」 ;SE 霧吹き 【すみ】「(呼吸音)(呼吸音)――丹念に、丹念に―― (呼吸音)(呼吸音)――四隅もきちんと、湿らせ、て―― (呼吸音)(呼吸音)――全体にしっとり感が出るくらい―― (呼吸音)(呼吸音)――濡らして、濡らして――(呼吸音)―― うむ!」 【すみ】「濡らし終えたら乾かぬうちに、火熨斗がけじゃ。 あて布は常に忘れずに、で――」 【すみ】「(呼吸音)(呼吸音)――袋の、紐のところから―― (呼吸音)(呼吸音)――一直線に、まっすぐに―― (呼吸音)(呼吸音)――左手で、布を、引きつつ―― (呼吸音)(呼吸音)――火熨斗の先を、少し浮かせて―― (呼吸音)――うむっ!」 ;$=SE 洗濯バサミで挟む *2 【すみ】「これでよし。この袋も $ こうして――つるして――。 さてさて、どんどんまいろうぞ」 【すみ】「お主がよければ、霧吹きはお主にまかせたい。 分業できれば、その分余計に早く終わるからの。、 準備を全て終わらせたなら……そのあとは――」 ;3/右 (耳打ち/囁き) 【すみ】「夫婦ふたりの時間になるゆえ……(色っぽい微笑)」 ;1/前 【すみ】「そうと決まれば、もうひとがんばり! ちゃきちゃき、なれど丁寧に、しっかりすませてしまおうぞ!! ――っ!!」 ;SE スチームアイロン濡れた布にあてる、じゅわっ! ;環境音 F.O. ;//////// ;Track4 運動靴も洗おうの(ズック靴洗いASMRパート)> ;//////// ;1/前 ;すみ、のび 【すみ】「ん……。 ん〜〜っ。よー働いたの」 【すみ】「今日のところは、このくらいで十分であろ。 あとは洗濯物を取り込んでたたんでしまえば、夕餉の仕度を始めるまでのんびりとすごせそうじゃ」 【すみ】「さて、もうひと頑張り。さっさと洗濯物を取り込んでしまうか」 ;SE すみ足音(畳)→ふすまあけ→縁側→ガラリ戸あけ ;9/前遠 【すみ】「ややっ――これは――」 ;9/前遠(しゃがみ) 【すみ】「これは……ううむ――どこにいったかと思うておったが…… そうか、えみめ、縁側で脱ぎ捨ててそのままあがって――む」 ;7/左 【すみ】「ああ、これじゃ、これ。ズック靴。えみの運動靴じゃ。 縁側から、足だけふいて中にあがって、そのまま脱ぎ捨てて忘れてしもうたのであろうの」 【すみ】「うーむ……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)──うむ。 泥が完全に乾いておることは幸いであるの。 なれば──これはこのまま……(少し悩む呼吸)──ん」 【すみ】「明日まわしにしては余計に面倒じゃ。夕餉の前にこれも洗ってしまおう。 仕度をするゆえ、そのまま少し待っていてくれるかの」 ;SE すみ、すりっぱ履いて縁側に降りる→数歩→庭の水道ひねってバケツに水を入れる ;9/前遠→;8/左前→;1/前 ;$=SE 歩きながらバケツ運ぶ。水ちゃぷちゃぷ 【すみ】「バケツと水と柄付きブラシはよし。と。 ん…… $ っと――(呼吸音)(呼吸音)――おお、すまぬの。んしょ」 ;SE バケツ置く ;1/前→;7/左 【すみ】「ふうっ。あとは泥落としのブラシと固形石鹸を――うむ? なんじゃ、洗濯機のところに置いてあるはずのものが、なにゆえにこんなところに……」 【すみ】「うたれ……は、えみについていってくれておろうから、ちまの気まぐれかの。 あるいは……(呼吸音)(呼吸音)―― ふふっ、いずれにしても感謝ばかりじゃ。ありがとうの」 ;SE 耳元、泥落としブラシで手のひらをこする 【すみ】「なれば初めようぞ。 まずは、この $ 泥落としブラシで──うへぇ」 ;SE えみの靴をつまみあげる 【すみ】「乾いていてもばっちいのう。 靴全体がドロまみれじゃ。 いったいどこでどう遊んだら、ここまで汚せるものであるのか」 【すみ】「(愛情のこもったため息)──幼きころには、夏葉もかなりのハチキンであったが……えみは、夏葉以上の元気ものじゃの。 まこと幸いなことではあるが…………大変じゃあ」 【すみ】「しかしまぁ、この大変さもあるいは──ふふっ、幾年か過ぎたのちに振り返ったなら、大きな幸いに思えるのかもしれぬ。 いまはかくあることを信じて、ただただ泥を落とすのみ」 ;“ん” から SE 泥落とし(継続) 【すみ】「では、まいろうぞ。 ん……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【すみ】「泥落としは、の──(呼吸音)(呼吸音)── 全体を、ざっと──(呼吸音)(呼吸音)── 荒く、荒くで──(呼吸音)(呼吸音)── すくい上げ、掻き出すように──(呼吸音)(呼吸音)──」 【すみ】「ブラシで、落ちぬ泥を──(呼吸音)(呼吸音)── 無理に、落とそうと──(呼吸音)(呼吸音)── がんばり、すぎるのは──(呼吸音)(呼吸音)── 禁物、じゃ──(呼吸音)(呼吸音)──うむ」 ;SE stop 【すみ】「このくらいで右の靴はよかろう。 同じように、左の靴も──」 ;SE ブラシで泥落とし 【すみ】「ざっざ、ざっざと──(呼吸音)(呼吸音)── 泥を、荒く──(呼吸音)(呼吸音)── 荒く、落として……(呼吸音)(呼吸音)── ん、っと──(呼吸音)(呼吸音)──」 【すみ】「ここでの、ブラシは、むしろ──(呼吸音)(呼吸音)── 落とせない、泥が──(呼吸音)(呼吸音)── どこにあるかを、確かめる──(呼吸音)(呼吸音)── だけの、気持ち、で──(呼吸音)(呼吸音)──うむっ!」 ;SE stop 【すみ】「ざらりと泥を落とせば──(呼吸音)(呼吸音)──の? このように、ブラシで落とせぬ汚れがはっきり見えてくる。 ここまできたら、落ち切らなかった泥汚れへと、 手ですくって水をかけ──」 ;SE 手ですくって靴に水をかける x4回 【すみ】「(呼吸音)x4」 ;$=SE 棒石鹸をごしごし擦り付ける(4箇所) 【すみ】「湿った部分に、棒石鹸を、このようにして── $ ごし、ごし──ぐり、ぐり──こすりつけて──なじませて、いき……(呼吸音)──ん」 【すみ】「馴染んだら、今度は全体を水につけ、柄付きブラシで洗ってゆけばよい。 では、参るぞ」 ;SE 靴をざぶんとバケツにいれる ;SE 靴を柄付きブラシで洗う(継続) 【すみ】「ん──。っむ──(呼吸音)(呼吸音) まずは、さきほど──(呼吸音)(呼吸音) 石鹸を、なじませた部分、から──(呼吸音)(呼吸音) その点だけを、掻き出すように──(呼吸音)(呼吸音)」 【すみ】「洗って、洗って──(呼吸音)(呼吸音)── こすって、こすって──(呼吸音)(呼吸音)── 重曹で、つけ置き洗いを――(呼吸音)――せぬ分も――(呼吸音)―― 丹念に、掻き出すことが――(呼吸音)――肝要じゃ――」 【すみ】「重曹で、溶かせる汚れは──(呼吸音)(呼吸音)── 油汚れ、で、あるのじゃが──(呼吸音)(呼吸音)── 泥は、水でも油でも――(呼吸音)(呼吸音)── 溶かせはしない――(呼吸音)――もの、なのじゃ──(呼吸音)」 【すみ】「ん……(呼吸音)(呼吸音)── ゆえ、泥汚れはまず──(呼吸音)(呼吸音)── さきほど、やってみせたように──(呼吸音)(呼吸音)── 乾燥させて、落とす他、ない──(呼吸音)(呼吸音)」 【すみ】「落としきれぬ──(呼吸音)──泥汚れは──(呼吸音)── つまり、布──(呼吸音)(呼吸音)── 繊維の、間に──(呼吸音)(呼吸音)── 染み込んで、しまった──(呼吸音)──泥、ゆえ」 ;sestop ;SE 靴を水にざぶり→あげて→棒石鹸ぬりぬり 【すみ】「このように──しみた泥の部分に石鹸を塗る──(呼吸音) と、石鹸の働きで、布地に水が染みやすくなる──(呼吸音) 染みた水は泥を浮かして――(呼吸音) くれるがゆえに──」 ;SE ブラシでごしごしごしっ! →ざぶん→あげる ;7/左→;7/左(密着)→“ふふっ”で戻って;7/左 【すみ】「ほれ、もっと近くでみるがよい。 ……(呼吸音)(呼吸音)──の? 綺麗に落ちているであろ? ふふっ」 ;7/左 【すみ】「が、の? これを泥を乾かし、ブラシで落とす前にやってしまうと、かえって泥を広げて布地に染み込ませてしまうこととなる。 ゆえ、このように──」 ;SE ブラシ洗い(継続) 【すみ】「染み込んだ──(呼吸音)──泥汚れ、だけ──(呼吸音)── がしがし、ごしごし──(呼吸音)(呼吸音)── こすって、すくって──(呼吸音)(呼吸音)── 短期集中で──(呼吸音)──広げぬように──(呼吸音)──」 【すみ】「全部の──(呼吸音)──染みた──(呼吸音)── 泥汚れ、を──(呼吸音)(呼吸音)── 浮かして──(呼吸音)──洗い──(呼吸音)── 終わった──ら──っ!」 ;SE 水ドボン→すすぎ→あげる 【すみ】「ん〜(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)──ふむ! よろしかろ。 泥汚れはこれで落ちたの。 あとは他の汚れを落とすため、ズック全体にあらためて、棒石鹸を塗りたくり──」 ;SE 石鹸塗り 【すみ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)──っと」 ;SE ブラシ(継続) 【すみ】「あとは全体を──(呼吸音)(呼吸音)── こうしてブラシで──(呼吸音)(呼吸音)── くまなく洗って──(呼吸音)(呼吸音)── 洗って、洗って──(呼吸音)(呼吸音)──」 【すみ】「前か、後ろか──(呼吸音)(呼吸音)── 一方向に──(呼吸音)(呼吸音)── ひたすら、汚れを──(呼吸音)(呼吸音)── 押し出す、ように──(呼吸音)(呼吸音)──うむ!」 ;SE ドボン→すすぎ→ざばぁ 【すみ】「ん……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)──うむうむうむ! 綺麗になったの、上出来じゃ!!!」 ;$=SE 靴を振って水気を飛ばす 【すみ】「あとは──ん……よーく水気を── $(呼吸音)──切って、切って── (呼吸音)(呼吸音)──切って、──で」 ;7/左→;6/後左(マイクに背中向き/手を伸ばして新聞紙を取る ;$=SE 新聞紙たぐりよせる 【すみ】「読み終わった新聞紙を──ん── 一枚、とって── $ (呼吸音)──っと」 ;7/左 ;$ SEセリフ対応で 【すみ】「(安堵の息)──これを適当な大きさに、 $ ちぎって──(呼吸音)── $ くしゃくしゃ、まるめて──(呼吸音)(呼吸音)── $ ズックにつめれば──(呼吸音)──うむ! 仕上がりじゃ」 【すみ】「あとは風通しのいい場所に干してやって、乾くのを待つのみじゃ。 (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――まぁ、このようにしたところで、 えみの新入園のときには、上履きや運動物も、新しいものを買い揃えることになるやもしれぬが」 【すみ】「しかし、上履きや運動靴は、履き慣れて足の形に馴染んだ方がよいものとも聞く。 ゆえ、綺麗に整えておいてやりたい。 えみが望んだときにはいつでも、履き古しに戻せるようにの」 【すみ】「(呼吸音)(呼吸音)。 さて、なればもう片方もやってしまおう。 水は一度捨てて変えたほうが──(呼吸音)(呼吸音)── うむ!」 【すみ】「これが終われば、今度こそ本当に一段落じゃ! ゆるまず、とくとまいろうぞ!!!」 【すみ】「(下記のF.Oあわせの素材用に、30秒ほど靴ブラシの息とニュアンスいただけますと幸いです。F.O.は編集でやりますので、普通にで)」 ;SE 靴ブラシの音→F.O. ;SE 環境音 F.O. ;//////// ;Track5 すみの耳もみと耳かきと(右耳耳かきパート) ;//////// ;1/前 【すみ】「ふあーーーーーーー! よー働いたの!!」 ;環境音 和室室内 F.I. 【すみ】「夕餉は……ううむ、今日は簡単なものですませよう。 いささか張り切りすぎてしもうた」 【すみ】「お主の話にときおり出てくる『出前』なるもの、わらわも一度は頼んでみたいの。 料理人さんがつくってくださったお料理を、電話ひとつで家まで運んできてもらえるとは──なんたる至極の楽しみであろうか!」 【すみ】「ものべのの山奥の家守妖怪たるわらわには……ふふっ、永遠に叶わぬことであるゆえ、余計に憧れてしまうのかもしれぬが」 【すみ】「……それはもちろん承知しておる。わらわの料理が、どんな料理人さんのお料理よりも、お主の口にあうことなれば。 が、それはわらわがお主の専門家であるというだけのこと」 【すみ】「世間いっぱん、百人、千人にもし食べ比べをしてもらうのなら、 やはり専門家──料理人さんのお料理の方が、わららのものよりずうっと多くの人に好まれるものであるに決まっておろう」 【すみ】「専門家とは、左様なものじゃ。 例えばさっきのズック洗い。 わらわでは落としきれぬような汚れも、洗濯狐のお紺殿ならば、綺麗に落とすことが叶う」 【すみ】「わらわがどれほどにこころをこめて牛乳と卵と氷と塩でアイスクリン手作りしたとて、えみが歓声をあげて選ぶのは、雪御嬢のゆき殿のゆずアイスクリンの方じゃ」 【すみ】「無論、医療のことにかけては有島診療所の尚武殿に任せる他は……あ──(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【すみ】「と、申すかの? ほれ、今日はわらわが話し続けてしもうたがゆえ、お主も耳がつかれたであろ? ゆえ──さささ、わらわの膝にごろんとするがよい」 【すみ】「いや、急な話でもなんでもない。わらわはお主をいつでも全力でねぎらいたいと思うておるゆえ、不自然なことも、特別な理由なぞも、 まったくもってありはせぬ」 【すみ】「『有島ありすに診療所で施された耳もみがいかに心地よかったかをお主から聞かされ、対抗心と嫉妬心からわらわも耳もみの勉強をしたゆえその成果を披露したい!』などとは、わらわはほんの少しも思うておらぬからの! ──おっ」 ;3/右 (膝枕) 【すみ】「うふふ、頭を膝にあずけてくれて、うれしいぞ」 ;3/右 (耳打ち・囁き) 【すみ】「ありがとう、の──(頬にキス)」 ;3/右 【すみ】「なれば耳かきとまいろうか。 ちょうどたまたま偶然にも、わらわは耳もみの勉強を重ねたところであったゆえ── まずはその成果を試させてもらいたい」 【すみ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)──うむ。 ではまいろうぞ。まずゆるゆる、耳たぶから──」 ;SE 耳マッサージ(継続) 【すみ】「親指と──(呼吸音)──人差し指とで──(呼吸音)── かるぅく挟んで──(呼吸音)(呼吸音)── もみもみ、もみもみ──(呼吸音)(呼吸音)── やわやわ、もみもみ──(呼吸音)(呼吸音)──」 【すみ】「ここちよかろう? (呼吸音)(呼吸音)──ふふ、 有島ありすに練習台になってもろうて──(呼吸音)(呼吸音) たくさん、練習──(呼吸音)(呼吸音)── したから、の──(呼吸音)(呼吸音)──」 【すみ】「ゆえ、このように──(呼吸音)(呼吸音)── 耳の、ふちも──(呼吸音)(呼吸音)── 上側、も──(呼吸音)(呼吸音)── ん……耳の、中の──(呼吸音)──ひらたい、部分も──(呼吸音)──」 【すみ】「ツボを、抑えて──(呼吸音)(呼吸音)── もみこみ、ことが──(呼吸音)(呼吸音)── できて、おろうかと──(呼吸音)(呼吸音)── 思うの、じゃが──(呼吸音)(呼吸音)──ん」 ;SE stop ;3/右 (耳打ち/囁き) 【すみ】「わらわはお主を、ここちよくほぐせておるのかの」 ;3/右 【すみ】「(しあわせしうな吐息)――ここちよいなら何よりじゃ 左様であらば、有島ありす直伝の―― しかしながら、わらわよりずっと手も指も大きく育ったありすや夏葉にはできぬ耳ほぐしをしてしんぜよう」 【すみ】「わらわのこの小さき手の、ひときわ細い小指ならではの。じゃ──」 ;SE 耳穴直接マッサージ(継続) ;耳栓状態になるので、ボイスにエフェクトお願いします 【すみ】「ほうれ、このように──(呼吸音)(呼吸音)── の、お耳の穴にやわらかぁな指をいれて──(呼吸音)(呼吸音)── 内から直接──(呼吸音)(呼吸音)── お主を、ほぐしてやれるのじゃ──」 【すみ】「(呼吸音)(呼吸音)──とは、もうせ── (呼吸音)(呼吸音)──お耳の、穴の── (呼吸音)(呼吸音)──内側、は── (呼吸音)(呼吸音)──ひどく、繊細なところゆえ──」 【すみ】「ん……長い、時間は──(呼吸音)(呼吸音)── 危ない、ゆえに──(呼吸音)(呼吸音)── ぐるりと、うちを──(呼吸音)(呼吸音)── 一周、ほぐして──(呼吸音)(呼吸音)──うむ」 ;SE stop 【すみ】「これでしまいじゃ。 ほぐれたか──(呼吸音)──と、聞くまでもないの。 お顔がとろんと、ゆるく、眠たそうになっておるぞ」 ;3/右 (耳打ち、囁き) →;3/右 【すみ】「眠たくなったら、いつでも寝てしもうてよいからの── ふふっ」 【すみ】「細かなチリは (ふっ!) いまの耳もみでくっついてきたゆえ、 あとは大きなものを耳かきで、じゃの」 【すみ】「なれば、参るぞ。浅いところにも、少しだけ……」 ;SE 耳かき(浅・継続) 【すみ】「ん……と──(呼吸音)(呼吸音)── これは──(呼吸音)(呼吸音)── ちょこちょこ、やれば──(呼吸音)(呼吸音)―― それだけで――(呼吸音)(呼吸音)」 【すみ】「いけそう、なのじゃが――(呼吸音)(呼吸音)―― ああ、もろいの――(呼吸音)(呼吸音)―― 慎重に、せねば――(呼吸音)(呼吸音)―― くずし、そう――(呼吸音)――じゃ――が――(呼吸音)――」 【すみ】「わらわ、とて――(呼吸音)(呼吸音)―― お主の、耳の――(呼吸音)(呼吸音)―― お主の、体の――(呼吸音)(呼吸音)―― 専門家、ゆえ――(呼吸音)(呼吸音)――うむ!」 ;SE stop ;SE ティッシュで耳かき拭き ;3/右 (ふきかけ) 【すみ】「(ふーーーーーっ、ふっ! ふっ!!)」 ;3/右 【すみ】「よしよし。うまく運べたの。なれば今度は、深いところじゃ」 ;SE 耳かき(深・継続) 【すみ】「深い、ところは――(呼吸音)(呼吸音)―― 大物、が――(呼吸音)(呼吸音)―― 少し、たまって――(呼吸音)(呼吸音)―― お掃除、しがい――(呼吸音)――結構、あるの――(呼吸音)――」 【すみ】「じゃが、これとても――(呼吸音)(呼吸音)―― わらわに、かかれば――(呼吸音)(呼吸音)―― ああ、うむ……(呼吸音)……耳もみは(呼吸音)―― 耳そうじの、しやすさにも(呼吸音)……つながる、の――(呼吸音)」 【すみ】「有島、ありすは――(呼吸音)(呼吸音)―― こころ、よく――(呼吸音)(呼吸音)―― 耳もみの、仕方を――(呼吸音)(呼吸音)―― わらわと、夏葉に――(呼吸音)――教えてくれて(呼吸音)――」 ;SE stop ;SE ティッシュで耳かき拭き ;SE 耳かき(深・継続) 【すみ】「教わり、ながら――(呼吸音)(呼吸音)―― 交代、しながら――(呼吸音)(呼吸音)―― 実地で、の――(呼吸音)(呼吸音)―― たのしかった、ぞ――(呼吸音)(呼吸音)」 【すみ】「夏葉、なぞ――ふふっ――(呼吸音)―― 『くせになっちゃいそう〜』――なぞと――(呼吸音)―― もむ方、よりも――(呼吸音)――もまれる、方が――(呼吸音)―― いたく、気に入った――(呼吸音)――様子で、あった――(呼吸音)」 ;SE stop ;SE ティッシュで耳かき拭き ;SE 耳かき(深・継続) 【すみ】「無論――(呼吸音)(呼吸音) 教わる、ばかりでは――(呼吸音)――ん―― 有島、ありすに――(呼吸音)(呼吸音)―― 借りを、つくって、しまう――(呼吸音)――ゆえ――」 【すみ】「わらわは――(呼吸音)――和裁を――(呼吸音)―― 有島、ありすに――っと――(呼吸音)(呼吸音)―― む……(呼吸音)(呼吸音)―― これは、ねばって――(呼吸音)(呼吸音)」 【すみ】「一度、離して――(呼吸音)(呼吸音)―― あて方を、こう――(呼吸音)(呼吸音)―― 根本に、いくよう――(呼吸音)(呼吸音)―― ん……(呼吸音)(呼吸音)――っと、ふぅ」 ;SE stop ;SE ティッシュで耳かき拭き ;3/右 ふきかけ 【すみ】「(ふーーーーーーーーーーーっ)(ふーーーーーー)」 【すみ】「ん……む――……(呼吸音)(呼吸音)――うむ。よし!」 【すみ】「右耳はこれで整うたの。 左耳もほぐしてのちにお掃除するゆえ、体を入れ替えてもらえるか」 【すみ】「(呼吸音)(呼吸音)――うむ。左様じゃ。 わらわの『ぐるーん』の声にあわせて、今度は左耳を上にむけてくれれば、それでよい」 ;3/右 →;1/前→;7/左 【すみ】「なれば、まいるぞ? せーので、 『ぐるううううううん』」 ;環境音 F.O. ;//////// ;Track6 すみの耳もみと耳かきと(左耳耳かきパート) ;//////// ;環境音 F.I. ;7/左(膝枕) 【すみ】「さてさて、左も耳もみからじゃの。 ん……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)―― ふぅむ。今度は少しだけ強めるか」 【すみ】「もし痛かったら、すぐにわらわに言うのじゃぞ? さすればゆるゆるやわやわと――ふふっ」 ;7/左 (耳打ち・ささやき) 【すみ】「お耳もたっぷり、赤子のごとくに甘やかしてやるゆえ、の」 ;7/左 【すみ】「では、耳たぶから。 引っ張るように、少ぉし強めに―― ん……」 ;SE 耳もみ (継続) 【すみ】「もみもみ、ぎゅうぎゅう――(呼吸音)(呼吸音)―― ひっぱって――(呼吸音)――もんで――(呼吸音)―― ああ――和裁……(呼吸音)(呼吸音)―― 和裁、は――(呼吸音)――あれじゃ――(呼吸音)」 【すみ】「洋服を縫う――(呼吸音)――針仕事が――(呼吸音)―― 洋裁、で――(呼吸音)(呼吸音)―― 和服を縫う――針仕事が――(呼吸音)―― 和裁、じゃの――(呼吸音)(呼吸音)」 【すみ】「有島、ありすは――(呼吸音)(呼吸音)―― 見よう、見まねで――(呼吸音)(呼吸音)―― 自分の、浴衣を――(呼吸音)(呼吸音)―― こしらえてしまう――(呼吸音)――くらいで、あるが――(呼吸音)――っと――」 ;SE stop 【すみ】「耳の外側はこれでほぐせたかの。 (呼吸音)(呼吸音)――なれば、耳の内側に指を入れてもむゆえ、 しばし、おしゃべりはお休みじゃ」 【すみ】「ゆるゆるまいるぞ? そっと、そーっと」 ;SE 耳穴直接マッサージ(継続) ;耳栓状態になるので、ボイスにエフェクトお願いします 【すみ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――」 ;ひとりごと。小声 【すみ】「有島、ありすは――(呼吸音)(呼吸音)―― 和裁を、わらわに――(呼吸音)――教わりたい、と――(呼吸音)―― あれは、あるいは……(呼吸音)(呼吸音)―― わらわの、考えすぎかもしれぬが……(呼吸音)(呼吸音)」 【すみ】「わらわが、借りを――(呼吸音)(呼吸音)―― つくった、などと――(呼吸音)(呼吸音)―― 考えぬでも、よいように――(呼吸音)(呼吸音)―― いや……(呼吸音)――うむ――(呼吸音)――っと!」 ;SE stop ;一人ごと解除 【すみ】「どうじゃ、耳穴もほぐれたかの。 (呼吸音)(呼吸音)……もしもなにかが漏れ聞こえていたとして、 気にするほどのこともない」 【すみ】「あれは――なんじゃ。ただぶつぶつと…… こころに浮かぶよしなしごとが、口からこぼれてしもうただけじゃ」 【すみ】「それより、耳かきを仕上げてしまおう。 お主も随分ねむたそうじゃし――ふふっ」 ;7/左 (耳打ち・囁き) 【すみ】「わらわも、の? 実をもうせば、眠気に誘われはじめておる」 ;7/左 【すみ】「ゆえ、耳かきがおわったら、ひとまずは寝て…… (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)。うむ、じゃの。 そのまま朝まで眠るようならそれでよし。 空腹で起きるのであれば、そのときなにかをこしらえようぞ」 【すみ】「そうときまれば、耳かきの続きじゃ。 全てをまかせ、ただただお主はくつろぐがよい」 ;SE 耳かき(浅・継続) 【すみ】「(呼吸音)(呼吸音)――(呼吸音)(呼吸音)――」 【すみ】「で、の――(呼吸音)(呼吸音)―― 有島ありすの――(呼吸音)(呼吸音)―― 和裁の、話の――(呼吸音)――続きじゃが――(呼吸音)―― さっきも、少し――(呼吸音)――話したように――(呼吸音)」 【すみ】「有島、ありすは――(呼吸音)(呼吸音)―― 浴衣程度、なら――(呼吸音)(呼吸音)―― 洋裁の技法で――(呼吸音)(呼吸音)―― こしらえる、ゆえ――(呼吸音)(呼吸音)」 【すみ】「わざわざ、わらわに――(呼吸音)(呼吸音)―― 和裁を、習う――(呼吸音)(呼吸音)―― 理由が、とんと――(呼吸音)(呼吸音)―― わらわには――(呼吸音)――思い当たらぬ――(呼吸音)」 ;SE stop ;SE ティッシュで耳かき拭き 【すみ】「あるいは夏葉あたりの方が、思い当たるものかもしれんが……っと」 ;7/左 (ふきかけ) 【すみ】「(ふーーーーーーーーーーーっ。ふーー。ふっ!)」 【すみ】「……(呼吸音)(呼吸音)――うむ。 浅いところはこれでよしじゃの。 なれば、深いところへまいろう」 ;SE 耳かき(深・継続) 【すみ】「こちらも、やはり――(呼吸音)(呼吸音)―― ぽつり、ぽつりと――(呼吸音)(呼吸音)―― 大物、が――(呼吸音)(呼吸音)―― 見え隠れ、して――(呼吸音)(呼吸音)――」 【すみ】「ん……(呼吸音)(呼吸音)―― と――(呼吸音)(呼吸音)―― ああ――夏葉が――(呼吸音)(呼吸音)―― 確かに以前――(呼吸音)――そのような――(呼吸音)」 【すみ】「……わらわとお主の――(呼吸音)――結婚、式は――(呼吸音) 和装も、和装――(呼吸音)(呼吸音)―― 紋付き羽織袴に――(呼吸音)(呼吸音)―― 白無垢――(呼吸音)――文金、高島田の――(呼吸音)――」 ;SE stop ;SE ティッシュで耳かき拭き ;SE 耳かき(深・継続) 【すみ】「絵に描いた、ような――(呼吸音)(呼吸音)―― 和式の、結婚式じゃった――(呼吸音)(呼吸音)―― 夏葉が、それに憧れたと――(呼吸音)(呼吸音)―― なるほど、たしかに――(呼吸音)――申しておった――(呼吸音)」 【すみ】「もしも、有島ありすもそれを――(呼吸音)(呼吸音)―― 夏葉に、聞いていたのなら――(呼吸音)(呼吸音)―― 白無垢を――(呼吸音)――手縫い、するため――(呼吸音)―― 和裁を、習う……(呼吸音)――のも――(呼吸音)」 【すみ】「理屈と、しては――(呼吸音)(呼吸音)―― ありえぬ、話と――(呼吸音)(呼吸音)―― 一笑に伏せぬ――(呼吸音)(呼吸音)―― 気も、するが――(呼吸音)(呼吸音)――」 ;SE stop ;SE ティッシュで耳かき拭き 【すみ】「しかし……ああ、いや」 【すみ】「『お隣さん』なぞではないの。有島ありすも、有島家も。 わらわにとってはかの人々も、もはや家族と等しく思える。 有島ありすにもしもいつしか、 どこかに嫁ぐ日が来るとして――」 【すみ】「(穏やかな吐息)――うむ。 わらわとて、どのようなものでも縫うてやるの。 わらわが縫った花嫁衣装を有島ありすが望むなら、 洋裁でもなんでも習い、夏葉とふたりで、きっと鮮やかに縫い上げようぞ」 ;SE 耳かき(深・継続) 【すみ】「そう考えると――(呼吸音)(呼吸音)―― いつの間に、じゃな――(呼吸音)(呼吸音)―― この家も――ものべのも――(呼吸音)(呼吸音)―― ずいぶんにぎやかに――(呼吸音)――なったものじゃ――(呼吸音)」 【すみ】「お主の父が、母が逝き――(呼吸音)(呼吸音)―― お主と夏葉が――(呼吸音)――茂伸を去り――(呼吸音)―― あのボロ傘と取り残されて――(呼吸音)(呼吸音)―― 消えてしまうかともおもうたが――(呼吸音)(呼吸音)――」 【すみ】「お主が戻り――(呼吸音)(呼吸音)―― 夏葉が戻り――(呼吸音)(呼吸音)―― えみを授かり――(呼吸音)(呼吸音)―― とおこまでもが――(呼吸音)――家族となって――(呼吸音)」 ;SE stop ;SE ティッシュで耳かき拭き ;SE 耳かき(深・継続) 【すみ】「いまが、一番――(呼吸音)(呼吸音)―― にぎやかなのか――(呼吸音)(呼吸音)―― それともこの先――(呼吸音)(呼吸音)―― もっと、にぎやかな――(呼吸音)――ことと、なるのか――」 【すみ】「わらわには――想像さえも――(呼吸音)(呼吸音)―― つかぬ、ことじゃが――(呼吸音)(呼吸音)―― どのような、未来に、この先――(呼吸音)(呼吸音)―― なろうとも――(呼吸音)――の」 ;7/左 (ふきかけ) 【すみ】「(ふーーーーーーーーーーーーーーーっ)」 ;7/左 (耳打ち・ささやき) 【すみ】「わらわは常に、変わらずお主とともにある」 ;7/左 【すみ】「ゆえ、なにがあろうと――と――ぉ――おお―― (あくびを見守る息)」 【すみ】「なんじゃ、わらわが真面目な話をしようとしたとたんに大あくび。 ふふっ、それほどまでにここちよかったのじゃの。なによりじゃ」 【すみ】「と、申すか――ふぁ――ぁ――(あくび) んむ……わらわにもどっと、疲れがまわってきてしもうた」 【すみ】「布団をしいて、横に……(呼吸音)(呼吸音)――うむ、じゃの」 【すみ】「なればふたりで、一つのとこを、仲良く手早くしつらえようぞ」 ;環境音 F.O. ;//////// ;Track7 すみとおねんね(安眠パート) ;//////// ;以降、全てウィスパーでお願いします ;7/左 【すみ】「ん……」 ;SE 布団にもぐる ;環境音 F.I. 【すみ】「ああ、布団にもぐると――うう…… 今日一日はりきりすぎてしまっておったことを、なにより体が伝えてくれるの」 【すみ】「……なんたる疲労、なんたる眠さじゃ――ぅ――(小あくび)…… これは……明日の朝までぐっすりいってしまうやもしれぬ」 【すみ】「えみと夏葉はおでかけのまま有島家にお泊りするゆえ…… 夫婦水入らずの夜を、朝までじっくり――とも内心思うておったのじゃが」 【すみ】「(呼吸音)(呼吸音)――ふふっ。 朝までぐっすり、お互いの鼓動を、寝息をただ楽しんで熟睡するのも、とても上等な『夫婦水入らずの夜』の過ごし方には違いない」 【すみ】「なれば、の? それをより深く堪能するため――」 ;SE 身じろぎ ;7/左(密着・囁き) 【すみ】「手をつないでもかまわぬか。 もしもお主の眠りを邪魔せぬのであれば」 ;7/左(密着まま) 【すみ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ああ。なればそういたそう。 ……あたたかじゃの。あたたかなれど、節くれだって、少し硬い。大人の男の、頼もしい手じゃ」 【すみ】「…………結ばれるまえ、結ばれてのち。夫婦となるまえ。夫婦となって。いったいいくつの夜をこうして、お主とすごしているのであろうの」 【すみ】「わらわは、家守。お主の家を――お主自身をさいわいにするそのためだけに在るあやかし。 例え結ばれず、例え夫婦になれずとも、ずっとお主を見守っておったでことには間違いないが――」 【すみ】「……結ばれて、夫婦になれて。 わらわ自身が、これほどのさいわいにつつんでもらえた。 夫婦になって、家族が増える……そのさいわいが彼程に大きなものであるとは、わらわは、夢にもおもうてなかった」 【すみ】「……全て、お主のおかげじゃ。 いまさらであるし、照れくさくもある。じゃが、の――」 ;7/左(耳打ち・囁き) 【すみ】「わらわを妻としてくれて。わらわと家庭を築いてくれて。 本当に――本当にありがとう、の」 ;7/左(密着まま) 【すみ】「(呼吸音)(呼吸音)――うふふっ、お互いさまなら幸いなことじゃ。 お主にとっても、わらわにとっても、夏葉にとっても、えみにとっても」 【すみ】「………………。 ……………………」 【すみ】「……えみは――次の春に学園の少等部に入園する。 えみを授かり、それだけの時間が過ぎたということになるが―― 振り返れば、ほんの一瞬のこととも思える」 【すみ】「なればこの先、えみが中等部に進み、高等部に進み―― そうしていつか――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ああ、いや。 先走りすぎか」 【すみ】「未来のことなぞ誰にもわからぬ。 と、申すか……いつであったか、七面頬(ななつらお)――なながぽつりと申しておったが」 【すみ】「あのひめみやの申すとおりに、運命(さだめ)とは、定まったおらぬものらしい。 自ら望み、望んだ未来に命を運ぶ―― そうした運命(さだめ)を、人のみならず、あやかしも送ることが叶うらしい」 【すみ】「ななは、実際、左様に望み叶えたと……。 あの無口なカミが、なにゆえであろうの。 ぽつりとわらわに聞かせてくれた」 【すみ】「で、あるのなら……(呼吸音)――運んでほしいの。 お主とわらわに、縁(えにし)をくれた全ての者が――」 【すみ】「えみも、夏葉も、有島ありすも、菜穂子殿も、尚武殿も。 とおこも、ちまも、めっかいも。 滝女郎も左右女郎も、七面頬もひめみやも――ご開祖ちゃんなるひめみやも、村長も、厳じぃも、他の博師も――みんな、みんなが」 【すみ】「それぞれの望む未来へと、それぞれの命をきっと、運んでいってほしいものじゃ」 【すみ】「無論、お主の望む未来を、わらわも望む。 それがどのような未来であろうと、手をはなさずに……ぉ――(微笑混じりにあくびを見まもる)」 【すみ】「ふふっ、野暮な繰り言を申してしもうたの。 いまのお主が望む未来は、ただただ穏やかな眠りであると決まっておるのに」 【すみ】「なれば、落ちよう。ともに眠りの奥底へ。 そしてきっと、夢の中でも――ん……ぁ――(大あくび)」 【すみ】「んむ……おしゃべりが、すぎた、ようじゃの…… わらわも、急に……眠気が……つよく…………ん――」 【すみ】「ゆえに、の――わらわの、だんなさま―― 眠りに、ふたり、おちてしまう、まえ―― おやすみの、ための、くちづけを――――ぁ」 【すみ】「(短いけれど、深く甘いキス)」 【すみ】「……ん……。これで今宵のわらわの唇は、仕事おさめじゃ」 【すみ】「なれば、眠ろう。『おやすみなさい』」 【すみ】「話の、つづきは――ふぁ――夢の、中でも―― あるいは――めざめた――あとに……でも…………」 【すみ】「ん……ふ――ふぁ――ん……」 【すみ】「んむ……(浅い寝息x4)」 【すみ】「(浅い寝息x4)」 【すみ】「(寝入りつつある寝息x4)」 【すみ】「(寝入りつつある寝息x4)」 【すみ】「(穏やかな寝息x4)」 【すみ】「(穏やかな寝息x4)」 【すみ】「(熟睡寝息x4)」 【すみ】「(熟睡寝息x4)」 ;//////// ;Track8 すみの寝息ループ(ループパート) ;//////// ;ループ音声といたしますので、なるべくメリハリニュアンス抑揚のすくない、おだやかで深い寝息を一分x3セットお願いいたします 【すみ】「(熟睡寝息)x1分間」 【すみ】「(熟睡寝息)x1分間」 【すみ】「(熟睡寝息)x1分間」 ;//////// ;Track9 おまけコーナー、Q&A ;//////// ;以下はあくまで進行の一案で、しゃべりそのものはQとAとが抜けなければ、ご自由に、演者さんのことばでいただけました方がうれしいです。ご参照ください。よろしくお願いいたします。 【佐倉】「あやかし郷愁譚 〜あかしゃぐま すみ・入園準備〜 おまけコーナー! Q&A!!」 【佐倉】「おひさしぶりです、かな? はじめましての方もいるのかな? あやかし郷愁譚、あかしゃぐまの すみちゃん役の、佐倉江美です」 【佐倉】「すみちゃんのあやかし郷愁譚第二弾、演じることができてとっても嬉しいです! ご応援くださってるみなさんのおかげですね、本当にありがとうございます」 【佐倉】「さて。このおまけコーナでは、Q&A形式で、わたし、佐倉江美が、みなさんからいただきましたご質問にお返事させていただきます」 【佐倉】「じゃ、早速質問にお答えしてきましょう! 最初のご質問は、こちら!」 【佐倉】「Q:佐倉さんこんばんわ。佐倉さんはたくさんバイノーラルボイスドラマにご出演なさってますよね。そこで、これからバイノーラルボイスドラマに初挑戦する声優さんへのアドバイスがあったらおしえてほしいです」 【佐倉】「(自由に回答をお願いします)」 【佐倉】「――です! 面白いご質問をありがとうございました! 誰かが役立ててくれたらうれしいな。 というわけで次のご質問にいきますね〜。じゃん!」 【佐倉】「Q:すみちゃん以外に、ものべのやあやかし郷愁譚で『このキャラクターを演じてみたい』ってキャラクターの一番は誰ですか? えみちゃんは外してで教えてください!」 【佐倉】「(自由に回答をお願いします)」 【佐倉】「――です! 他にも演じてみたいこはたくさんなんですけど、一番となると〜って感じですね。っと……あー、そろそろ終わりのお時間みたいです、残念」 【佐倉】「っていうことで、これが最後のご質問になっちゃいますね。 ご質問くださったのは、ハンドルネーム、『フェス=ブルーバード』さんです。 フェスさん、おたちりありがとうございます」 【佐倉】「Q:『いま新しいすみちゃんを演じ終えて、 その役を十分演じきれたと満足していおらっしゃいますか? 精一杯楽しむことが出来たと感じられてますか?』」 【佐倉】「(自由に解答をお願いします)」 【佐倉】「――です! と、ここまででお時間になっちゃったみたいですね、残念。 あやかし郷愁譚 あかしゃぐま すみ・入園準備。 最後まで聞いてくださって、本当にありがとうございました」 【佐倉】「こうなるとえみの入園式の様子も演じたくなっちゃいますよね。 卒業式も──それからいつかは、結婚式とかも!」 【佐倉】「また次があるってわたしは信じてますから! 締めのご挨拶には、うん。この言葉を選びたいと思います!」 【佐倉】「『それでは、またの。次の夜にも、必ず会おうぞ』」 【佐倉】「お送りしたのは、すみちゃん役の声優・佐倉江美でした。 おやすみなさい──またあした!」