ようこそ性転換の書へ 私の声が聞こえていますか? え?私ですか? 私はこの本の妖精みたいなものです 一言でお話するのは難しいのですが、簡単に言うとあなたの心の奥底にある願望を叶える妖精です あなたの心の声を私がしゃべっていると思って頂くと良いかもしれません 今はどういうことかわからないと思いますが、いずれわかりますよ それと、いきなり頭の中に声が響いたのでビックリされたと思います そうですね、無理もありません でも、この本は異世界への入り口みたいなものですから、こんな不思議なことも起こるんだと気軽に捉えておいて下さいね それでは、まずはこの本の使い方についてご紹介させて頂きます 簡単に言うと本を開いてから閉じると、開いていたページまでの体験を違う世界で体験出来るんです 今あなたは本を閉じていますよね? 試しに最初の3ページ目を開いてから閉じて頂けますか? 本を閉じると異世界へ転生されて、開いたページまでを経験しますからね さあ、開いてから閉じて下さい ふっと、目が覚める ここは何処だろう? いつも見ている2倍はあろうかという高い天井 部屋の広さは自分の寝室の10倍くらいはあるだろうか? 天井からは直径1メートルはある大きなシャンデリアが釣り下がっている 驚いたことにシャンデリアには本物のローソクが何本も使われていて、ユラユラと炎が揺れていた 天井には美術館で見たような絵が直接描かれていて、あなたはここが相当なお金持ちの家ではないかと推測する それとも、貴族の館を改装したホテルなのかな? あなたはゆっくりと起き上がり自分が被っていたブランケットを見て、やはり、かなりお金持ちの貴族の館であると想像を固くする 綺麗なレースの刺繍が施され、サラサラとした質感はシルクで織られたものに違いない パチパチと音がなる方に目をむけてみると、暖炉の中で綺麗に組上げられた薪が真っ赤に染め上がりユラユラと小さく炎を上げていた 心地良さそうな天気だけど、外は寒いのかな? あなたは自分の置かれている状況よりも季節の推理をしている自分に気付く 確かに目覚めてから自分でも驚くほど心が落ち着いている ベッドから立ち上がろうとブランケットから足をスーッと出した瞬間、あなたは目覚めてから初めて驚く え!何?この真っ白でツルツルの脚は! 透き通るように白くて、スラりとしたふくらはぎ これって女の子のふくらはぎだよね? 足そのものも小さくて、多分23cmもない そして、爪には薄いピンク色のマニキュアがキラキラと輝いていた この時代にもマニキュアってあるんだ ん?この時代? 更にブランケットから足を出すと、ワンピースの寝間着を着ている自分に気付く えぇ!もしかして、私、女になってる? そのままベッドから出て自分の体をまさぐろうとした時、ノックと共にドアが開きメイド服を着た女性が飛び込んできた 「お嬢様!お目覚めになりましたか?お呼び下さればいいのに!」 ん?お嬢様? 「今日はお忙しいですよ、さあ、お着換えしましょうね」 今、私のことお嬢様って呼んだよね? 「午前中は演奏会のレッスン、午後からは幼馴染のビーナス様とハイキング、夜はお楽しみの時間です♪」 ビーナス?幼馴染? 「さあ、お着換えを済ませて朝食にしましょう」 疑問の声を上げる間もなく、メイドと思われる女性が寝間着をたくし上げようとする 思わず『ちょっと待って!あなたは誰なの?』と聞いてしまいました え?私、女の子みたいな声になってる 「まだ寝ぼけておられるんですか?私はターシャ、お嬢様のメイドですよ、さあ脱ぎましょうね」 ターシャと名乗る女性は私より身長が10cmほど高く、歳は私より5歳くらい上でしょうか? 金髪をポニーテールにして、愛嬌のある感じが好印象なメイドです 「さあさあ脱いで下さい、あちらで本日の衣装を決めましょうね」 そのまま寝間着を後ろからたくし上げられ、つま先から太もも、ショーツ、まだくびれの少ない腰が見えます 寝間着が胸までたくし上げられると視界を塞がれ、確かめようとしていた胸が見えなくなりました そのまま、やや強引にターシャが寝間着を脱がそうとした瞬間、頭が後ろに引っ張られて、スロー再生のように倒れていくのがわかります え?転んじゃうよ? スーッと後ろに倒れ、後頭部に鈍い衝撃が伝わり頭が真っ白になる まだひょろっとして脂肪の付き方が浅いふともも、純白のショーツ ショーツ? ってことは、やっぱり私は女性なの? 遠ざかる意識の中で自分が女性になっていることを、むしろ当然のように受け止めていた