;//////// ;Track1 プロローグ。しろがねの自己紹介 ;//////// ;プロローグタイトルコール ;1/前 【しろがね】「蓄音(ちくおん)レヱル。關門鉄道(かんもんてつどう) EF10 23(いいえふとお、にじゅうさんごうき)専用レイルロオド しろがね。 しろがねの自己紹介」 /// ;環境音 松山-小倉フェリー1〜3のどれか ;二段ベッドの上段にしろがねが寝転がり、下段にリスナーが寝転がっています。 ;9/前遠 (マイクに背中向き) ;出港をまって、わくわくベッドの上で待機してる 【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【しろがね】「あれ? ……離岸、もうしちゃった?」 【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――窓の外の景色、うごいてる。離岸したんですね。 揺れも音も全然なかった……気が付かなかった」 【しろがね】「しろがね……こんなに大きなフェリーが出港するときって―― ぼーーーーっ、って。汽笛、鳴らすものかと思ってました」 【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)……ああ、そうですね。 夜行フェリー……夜中の、それも待山観光港(まつやまかんこうこう)からの出港」 【しろがね】「汽笛を鳴らしたら、港近くで眠ってるひとたちを起こしてしまうかもしれない…… しろがね、少しも気がつきませんでした。 ……こういうところで気が利かないの、なおしたいです」 【しろがね】「静かな出港……(少し考え込む呼吸)。 理由は納得しましたけれど――しろがねがレイルロオドだからでしょうか、 汽笛がないと、出発したって実感が湧いてこないです」 【しろがね】「(一分ほど、フェリーの走行音を聞く)」 ;EF10 23の"ごうき"はタイトルでだけ呼んで、以降特記ない時は"にじゅうさん"のみでお願いします 【しろがね】「静かな分、ディーゼルエンジンの音はとても良く聞こえますね。 ……昔はまわりにたくさんあった―― でも、しろがねの電気機関車――EF10 23(いいえふとお にじゅうさん)が關門海峡トンネル専用機になってからは、ほとんど聞くこともなくなった音」 【しろがね】「(うっとりとした吐息)――どこかなつかしくて安心します。こんなにうるさい音なのに。 少し不思議で――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――あ」 【しろがね】「マスターも同じなら嬉しいです。 ……ね、マスター。まだ寝ないなら、しろがね、お話したいです」 【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)――はい。それじゃあ、おりていきます。 ん――。ぅ……はしご、少し怖い……」 ;SE しろがねが二段ベッドのはしごをおりていく音 ;9/前遠→;2/右前→;3/右 【しろがね】「(呼吸音)――(呼吸音)――(呼吸音)」 ;SE しろがね、ベッドに座る ;3/右 【しろがね】「(安堵の吐息)――マスター、あの。寝る時やっぱり寝台の上と下、変わってもらっていいですか? しろがね、はじめてで物珍しくて。マスターに聞かれたときによく考えないで、『上の段』ってこたえちゃいましたけど―― はしご、上り下りしてみたら予想してたより怖くって」 【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ああ、よかった。ありがとうございます。 (呼吸音)(呼吸音)――あ、ううん。話したかったのはそのことじゃないんです」 【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)――はい。そうです。『蓄音レヱル』のこと。 いよかん鉄道のいよさん、待山(まつやま)観光に誘ってくれただけじゃなく、 こんな素敵な話も紹介してくれて――優しいですよね。本当に」 【しろがね】「けど、いい話だからこそ、しろがね、不安で…… 『音で沿線の魅力を紹介してもらう企画ぞなもし』って―― いよさん、新聞記者さんにしろがねたちのこと推薦してくれたけど」 【しろがね】「新聞記者さんもノリノリで、すぐに『ぜひ』っていってくれたけど―― でも……しろがねとマスターが走ってるのは、關門鉄道關門海峡線(かんもんてつどうかんもんかいきょうせん)……」 【しろがね】「門次港(もじこう)から下關(しものせき)までをつなぐトンネル―― その中をひたすら、關門海峡をわたる客車や貨車を牽引して、くぐらせてあげるだけの専用線だから」 【しろがね】「本当にトンネルしかない路線なのに沿線の音風景だとか―― (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)……あ……そうか。うん」 【しろがね】「門次港の町も下關の町も、沿線であるには違いないから―― そのふたつの町の音風景と……あとは――(呼吸音)(呼吸音)――なるほどです。 それなら確かに、音で関門海峡線の沿線を紹介できますね」 【しろがね】「全国紙で紹介してもらえれば、關門鉄道の存在意義を世の中に広くアピールすることに繋がりますし…… それはきっと、ほんの少しは将来的な鉄道復権のお役にも――(呼吸音)――うん」 【しろがね】「……よかったです。眠かったら悪いなって心配でしたけど、思い切ってマスターに相談して。 しろがねおかげで、『何をしたらいいのかな』って、もやもやぼんやりしてたのが、少し晴れてきたみたいな気がします」 【しろがね】「これなら明日の音探しも――って、思い出しました。 記者さんに言われてた確認、今やっちゃってもいいですか? ヘッドホンかイヤホンをつけて……っていうヤツ」 【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――うん。 それじゃあしろがねがマスターにつけさせてもらいますね。 少しだけ、動かないでいてください」 ;SE 両耳に同時に、装着のガサゴソ音 【しろがね】「ん……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――うん」 【しろがね】「ちゃんとつけられたと思います。 それじゃあテストを――まずは、正面からの聞こえ方から」 ;1/前 【しろがね】「なにを話せばいいのかな……。ええと―― 『しろがねはレイルロオドです。EF10という形式の電気機関車の23号機が、しろがねの車両です。 EF10 23は、他の姉妹から引き離されて、關門海峡トンネル――本洲と九洲とを結ぶ鉄道トンネルの中を渡ろうとする客車・貨車を牽引するための専用機として、転用・改造されました』 ……どうです? ちゃんと聞こえてますか?」 ;1/前 “まずは”から→;3/右 【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)――うふふ、それならよかったです。 そうしたら次は、片耳ずつのチェックをしますね。まずは、右耳――」 ;3/右 【しろがね】「聞こえてますか、どうですか」 ;7/左(耳打ち→囁き) 【しろがね】「じゃあ今度は左耳。 ……囁き声でも、聞き取れますか」 ;7/左 “ぐるーん”で→;1/前→;3/右 【しろがね】「最後の確認事項は、まわりこみですね。 『ぐるーーーーーーーーーーーーーーん』」 ;3/右 【しろがね】「(安堵の息)――ばっちり聞こえているならよかったです。 それなら早速港についたら――明日の朝から、“蓄音レヱル”の音探し―― (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――はい、はじめちゃいましょう」 【しろがね】「うふふ、マスターとふたりでのんびり街歩きって、ちょっとひさしぶりですよね。 楽しみです」 【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――はい。そうですね。 明日に備えて、早く寝たほうが――あ」 ;SE マスターが上段ベッドにあがっていくはしご音 ;5/後 【しろがね】「ありがとう、マスター。寝台を変わってほしいっていったの、ちゃんと覚えていてくれて」 ;SE しろがね、ベッドに横たわりふとんをかぶる 【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)――ん、しょ――(呼吸音)」 ;5/後(ベッドの下段で独り言ささやくイメージ) 【しろがね】「あ……こっちのベッド。少しマスターの匂いする……安心」 ;5/後(マスターにはっきり呼びかける) 【しろがね】「それじゃあマスター、おやすみなさい」 【しろがね】「(静かな呼吸 x4)」 【しろがね】「(穏やかな寝息 x4)」 ;環境音 F.O. ;//////// ;Track2 音集めの始まり / 關門海峡人道 ;//////// ;しろがねの足元はブーツ、マスターの足音いれるならスニーカー ;1/前 (マイクに背中向き。天井見ながら) 【しろがね】「關門海峡トンネル……しろがねとマスターの仕事場所」 ;環境音 F.I. 関門海峡人道 ;1/前 (マイクに背中、きょろきょろ) 【しろがね】「だけど、ここは初めてですね。 いつもと同じ海を渡る、けれどもいつもと全然違う、小さなトンネル―― 『關門海峡人道(-じんどう)』」 ;1/前 (振り返ってマイク向き) 【しろがね】「門次港から下關まで。全長わずかに780メートル。 マスターとしろがねがいつも走る、片道約3600メートルの、ほんの7.5分の1の距離」 【しろがね】「だけど多分、渡りきるまでに今までで一番長い時間がかかるトンネル―― 海峡を歩いてわたるのなんてはじめて。ワクワクしますし、とってもうれしい」 【しろがね】「ありがとうございます、マスター。しろがねの希望を聞いてくれて―― 關門海峡線沿線の音探しの一番最初に、どんな音がするのかさっぱり見当もつかないここに―― 關門海峡人道に、しろがねと一緒に訪れてくれて」 【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)……あー、ここを候補にあげたのは、ほんの思いつきなんです。 思いつき……っていうか……『チャンス』って思ったのかもしれません」 【しろがね】「音探しだなんて言われても――どこへいけばいいのか正直、検討もつかないから―― えへへ。せっかくなんだしって、すずしろが前からずーっと来てみたかった場所の名前をあげてみたいんです」 【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――そうなんですね。 日ノ本(ひのもと)に、徒歩で歩ける海底トンネルは五ヶ所ある。けど……(呼吸音)(呼吸音)」 【しろがね】「……本州と九洲、ふたつの島をつないでいる、ふたつの県にまたがるトンネルで、人が歩いてわたれるものは日ノ本でもここにしかない。 ……だから、ここの音が少しでも耳にここちよければ、『沿線ならではの音』として、自信をもって推薦できる」 【しろがね】「(嬉しい&感心の吐息) そこまで考えて、音探しする最初の場所を、ここに決めてくださったんですね。 さすがはマスターです。 しろがね、うれしくてほっとします」 【しろがね】「マスターのおかげで、単なるわがままじゃなしに。關門海峡人道を歩けることになりました。 うふふっ――きっと紹介につなげられるよう、しろがねも、聴覚センサの感度を澄ませて、一生懸命注意しながら歩きますね」 【しろがね】「それじゃあ……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ええと、マスター。 しろがね、最初の一歩は、いっせーので、マスターと一緒に踏み出したいです」 ;SE しろがね足音→ターン ;3/右 【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)――じゃ、いきましょう。 いっせーの!」 $ SE トンネル内の靴音一歩 【しろがね】「……えへへ。ただ足を踏み出しただけなのに嬉しいです。 關門海峡人道の中――ってことは、ここはもうきっと、海底なんですよね。 そうして、ここから――いきましょう、マスター」 ;SE 海底トンネル歩く足音(継続) 【しろがね】「……トンネルの中間点までは、一歩進んでいくごとに、どんどん陸地が遠くなる……。 すごく、不思議な気持ちです――(呼吸音)(呼吸音)―― いっつもマスターとEF10(うちのこ)を走らせてるときは、全然思ったことがないのに……」 【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)――自分の足で歩いていると、ちょっとおっかないみたいな気がします。 おっかなくって……だけどおっかないだけじゃなくって、わくわくもして」 【しろがね】「(吐息)……海底50メートルなんですよね、このトンネル。なのに、不思議です。自動車――エアクラ自動車の走行音が聞こえるような気がして……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――え!? ああ、そうなんですか」 【しろがね】「トンネルの中が上下に分割されてて、上側が自動車道になっていて、下側が人道…… いまマスターとしろがねが歩いてるとことして使われている」 【しろがね】「あー……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――じゃあ、この天井の真上は、海で魚がおよいでるとかじゃなくって、自動車が走ってるだけなんですね」 【しろがね】「それは……ちょっとだけ残念です。トンネルのまわり全部をぐーっって、お魚さんたちが泳いでるのかと、しろがねなんとなく思ってました」 【しろがね】「けど……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ふふっ、これはこれで面白いです。 しろがね、頭のすぐ上を自動車に走られるのもはじめてです。 あ! 自動車に乗ってる人たちの方が、うふふふっ! もっとおもしろいかもですね」 【しろがね】「だって、海底50メートルの海の中を走ってるのに、アクセルを踏み込む足のすぐ下には、生身の人間が――おまけに今日はレイルロオドまで、歩いてるんですよ?」 【しろがね】「それですぐ上と横にはきっと、たくさんの魚たち。 それってすごく――(呼吸音)(呼吸音)――ですよね、よく考えたらすごく現実ばなれしてる―― ファンタジーですよね」 【しろがね】「通勤とかで毎日このトンネルを走ってる人たちは、その不思議さとか凄さにきっと慣れちゃって――(呼吸音)――って、あ、そうですね。しろがねたちもだ」 【しろがね】「關門海峡線で客車や貨車を牽引してるときは――うん。しろがね、トンネルの外のことなんて、っていうか――線路の上以外のことだなんて、まったく想像も考えもしてませんでした」 【しろがね】「でも、しろがねたちのEF10(いーえふとお)は……本当は毎日毎日、たくさんのお魚さんたちに囲まれたトンネルの中を走ってる―― もうそんなの、ファンタジーっていうよりメルヒェン。絵本の中の景色ですよね」 【しろがね】「絵本になってる機関車とレイルロオドって、そこそこいるじゃないですか。 しろがね、本読むの好きだから、そういうこたちのことうらやましいなって、ほんのちょっとだけ思ってたんですけど」 【しろがね】「うふふっ、全然気がついていませんでした。マスターとしろがねの毎日の方が、絵本よりももっと絵本っぽい世界の中にあるだなんてこと」 【しろがね】「……毎日のこと。日常って、もしかしたら全部そんな感じなのかもしれないですね。 こう……ふだんの生活っていうトンネルの中にしか、注意も意識もいかなくって。 そのトンネルの外側のこと、全然想像……しようとも思わなくって」 【しろがね】「けど、トンネルの――日常を一歩外れた世界にはきっと――(呼吸音)――あ」 ;SE stop 【しろがね】「うふふ。いつもとは違うこのトンネルの中でなら、 日常ではなかなか意識できない一歩、踏み出せちゃうんですね」 ;SE 足音、一歩 ;1/前 【しろがね】「えへへっ、今度はしろがね。マスターより先に一歩踏み出しちゃいました。 マスター、手、伸ばしてもらってもいいですか」 ;SE 伸ばしてもらった手を受け取って、つなぐ 【しろがね】「マスターが副丘県(ふくおかけん)。九洲。しろがねが邪馬口県(やまぐちけん)。本洲。 つないだ手と手がちょうど県境で、ふたつの島の、境目」 【しろがね】「しろがね、すごくわくわくしてます。面白い。 いっつもくぐってるトンネルのすぐちかくに、おとなりのトンネルの中に、こんなに不思議な体験をできる場所があるだなんて」 【しろがね】「マスター、来てください。境を超えて、またしろがねのおとなりに」 ;SE 一歩 ;3/右 【しろがね】「マスター! ようこそ本洲へ! なーんて、ふふっ」 【しろがね】「ここから先は、もう邪馬口県……下關市(しものせきし)なんですね。 下關にも『關門海峡線らしい』とこ、結構ありますよね。 音も――うん、多分、ならではじゃないかなぁって気がしますし」 【しろがね】「マスター、足がつかれたりしてないですか? (呼吸音)(呼吸音)――あ、全然平気ならよかったです」 【しろがね】「それじゃあ、人道の出口に向けて、下關の中にむかって。うふふっ!」 【しろがね】「出発! 進行!!!」 ;足音強く大きく一歩(リバーブたっぷり系?) ;環境音 F.O. ;//////// ;Track3 開店前の唐穫市場/開く前の市場の環境音+デッキブラシ掃除ASMR ;//////// ;1/前(マイクに背中向き 【しろがね】「あ」 ;環境音 唐戸市場 F.I. ;1/前 (ふりむいてマイク向き) 【しろがね】「時間、早すぎしましたね。 唐穫市場(からといちば)まだお店が全然開いてない…… 準備中ってヤツですね、これ」 【しろがね】「(困った息)――んん……しろがね、下關を代表する音っていったら、唐獲市場のにぎわいかなぁって思ったんですけど―― これだと全然、にぎわいって感じじゃないですね」 【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)――あ……ですね。 目覚める前の市場の音って、逆に聞いたことなかったです。 この時間だと他もまだ、どこも開いてないですし――(呼吸音)(呼吸音)」 ;SE しろがね足音一歩(床はリノリウム) ;3/右 【しろがね】「はい。えへへ。じゃあちょっと、オープン前の市場を探検しちゃいましょうか」 ;SE 足音のんびり(継続) 【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ふく、ふく、ふく、まぐろ、ふく、まぐろ…… やっぱり下關はふぐの一大名産地なんですね――『ふく』っていう看板のお店が、たくさんです」 【しろがね】「しろがねは、製造が名児耶(なごや)で一番最初に配備されたのが帝央(ていおう)だったから、ふぐは『ふぐ』って思っちゃうんですけど――下關とか門司だと『ふく』ですよね。濁らない」 【しろがね】「濁らないほうが――うふふっ、ふくふくしてて、幸せいっぱいよ呼んでくれそうでかわいいですよね。 しろがねはレイルロオドだからよくわからないですけど――ふぐ、ううん、ふく! 味もとっても美味しくってしあわせって聞きますし――」 【しろがね】「市場のお店のあちこちを見てるだけでも――お刺身、唐揚げ、ふくちり鍋用セット、一夜干し、皮、たたき、焼きヒレ……あ、みりん干しとか、ふくめしの素、ふくしゅうまいなんていうのもありますね。 バリエーション、すごい。やっぱりおいしいからですよね、きっと」 【しろがね】「ね、マスターはどんな食べ方がすきなんですか、ふく――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――あ、そうなんですね。ふーん」 【しろがね】「……しろがね、味があんまりわからないから、おともするだけになっちゃいますけど、それでも――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――あ、はい! うふふっ! うれしいなぁ。 じゃあ、そのときにはしろがねのこと、一緒につれていってくださいね、約束ですよ?」 ;SE 足音ストップ 【しろがね】「ね! マスター、ゆびきりしましょ、ゆびきり」 ;SE 台車通貨 ;13:20あたりからの台車通過音つかえればつかってください 【しろがね】「え? きゃっ!!? ――あっ!?」 ;SE 足元にあったバケツひっくりかえしちゃって、ざばー ;3/右 (台車通過時マスターにかばわれ抱き寄せてもらったので、ゼロ距離) 【しろがね】「あぅ……ごめんなさい。しろがね、バケツひっくりかえしちゃいました」 ;3/右 (通常・マイクと同じ視線) 【しろがね】「あ! お店の方! すみません、あの、床濡らしちゃったから、 モップかなにか貸していただけませんか」 【しろがね】「いえ、台車の通り道にいたの、しろがねですし―― お店が開く前の市場をふらふらしてたのも、お邪魔だっただろうなって思いますし。 開店準備してらっしゃるところにお手数増やすのも申し訳ないですから、もしご迷惑じゃなかったら」 【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――あ、はい。ありがとうございます。 じゃあ、デッキブラシ、お借りします」 ;SE デッキブラシ、ごしゅっ ;3/右(マイク向き) 【しろがね】「あ! (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――はい、ありがとうございます。マスター。 デッキブラシで水を排水溝まで押し出しちゃえばいいんですね。 それじゃ――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――うん、そうしましょう!」 ;SE デッキブラシでごしゅごしゅ(継続) 【しろがね】「よいしょっ――うんしょ――(呼吸音)(呼吸音)―― デッキブラシ――ふふっ――(呼吸音)(呼吸音)―― ふだんから、使い慣れてて――(呼吸音)(呼吸音)―― しろがね、よかった――(呼吸音)――です――(呼吸音)」 【しろがね】「だけど――(呼吸音)――ふだん、は――(呼吸音)―― ん、マスターと――(呼吸音)――並んでだとか――(呼吸音)―― あんまり、ない――(呼吸音)――から――(呼吸音)―― バケツ、ひっくりかえしたの――(呼吸音)(呼吸音)――」 【しろがね】「失敗だったし――(呼吸音)――お店に、も――(呼吸音)―― ちょっと間違っちゃってたら――(呼吸音)――ん――(呼吸音)―― もっと、迷惑――(呼吸音)――かけてた、かもだし――(呼吸音)―― そこはやっぱり――(呼吸音)――大反省、で――(呼吸音)――」 【しろがね】「それでも――(呼吸音)――一緒に――(呼吸音)―― こういうふうに――(呼吸音)――できるのは、えへへ――(呼吸音)―― ちょっと、楽しくて――(呼吸音)(呼吸音)―― うれしい、かも――(呼吸音)――です――(呼吸音)――んっ!」 ;SE stop 【しろがね】「あ……よかった。うん。 バケツの水こぼしちゃう前より、もっと綺麗にできたかも。 これでおかたづけ、完了ですね」 ;3/右(マイクと同じ視線) 【しろがね】「お店の方、あの、デッキブラシありがとうございました。 それと、お騒がせしちゃってお邪魔しちゃってごめんなさいでした――え?! (呼吸音)(呼吸音)――いえ、そんな、だってしろがねがバケツ蹴飛ばしちゃったのが原因―― (呼吸音)(呼吸音)――あう、でも――」 ;3/右(視線マイク向き) 「(呼吸音)(呼吸音)――あ、はい。 えへへ、マスターがそうおっしゃるなら」 ;3/右(マイクと同じ視線) 【しろがね】「それじゃあ、ありがとうございます。しろがね、お言葉にあまえます。 あ――わ! 揚げたて、あったかい――うふふっ、 この温度だけでも、“ふく”がしあわせのお魚だって、わかります」 ;3/右(視線マイク向き) 【しろがね】「あの、しろがねレイルロオドだから、味とかよくわからなくって。 だから、これ、マスターに食べてもらっても……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)―― あ、はい! ありがとうございます」 ;SE しろがね足音一歩 ;1/前 【しろがね】「マスター、唐揚げはたしか、あつあつが一番おいしいんですよね。 なら、すぐ――(呼吸音)――え? でも、しろがね レイルロオドだから、味ってよく――(呼吸音)(呼吸音)――」 【しろがね】「食感とかジューシーさとか熱さもおいしさ……しろがね、それならわかるかもしれません。 それじゃあいっこずつ食べましょう」 【しろがね】「ええと――はい。マスター、あーーーん……」 【しろがね】「それで、しろがねも――(呼吸音)(呼吸音)――ん〜〜〜〜(はむっ)」 【しろがね】「はふっ! あちゅっ! ん――ん……ん〜ん〜〜〜〜(こくんっ)」 【しろがね】「……(大満足の吐息)――あっつくって、おいしくって――うれしい。 マスター、これが――これが、ふくの味」 【しろがね】「ふくの、しあわせの味なんですね!!」 ;環境音 F.O. ;//////// ;Trac4 關門海峡の船たち/海峡の音+行き交う船達の音 ;//////// ;SE 足音、玉砂利を踏む ;1/前 【しろがね】「ここです。マスター」 ;環境音 関門海峡を船が行き来する ;SE コンクリの階段を一段おりてしゃがむ ;9/前遠 【しろがね】「この石段が、しろがねの秘密の特等席なんです。 んしょ――はい、マスターの分もハンカチ敷きましたから、 お隣、もしもマスターがイヤじゃなければ……(呼吸音)(呼吸音)――」 ;7/左 【しろがね】「よかった。ありがとうございます。 唐穫(からと)に行って、人道また歩いて戻ってきてで結構歩きましたもんね。 マスターの足も、きっとちょっと疲れちゃったんじゃないかな、って――ふふっ」 【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――あ、はい。神社です。布刈(めかり)神社。 ――しろがね、詳しくは知らないんですけど、なんと西暦200年。 大火の改新(たいかのかいしん)よりも400年以上前に創建された神社なんだそうです」 【しろがね】「多分、門次港で……っていうか、日ノ本全部をみまわしたって、一番古いくらいの神社なんじゃないんですかね。わかんないですけど。 で、しろがね的にここの一番のお気に入りのポイントは――」 ;7/左(マイクと同じ視線) 【しろがね】「(一分ほど、海を見つめ続ける呼吸)」 【しろがね】「……こんなにたくさんの船が、門次港と下關、歩いて渡れるほどにせまーい海峡を、ひっきりなしに行き来していく。 ……この光景は、この音は。きっと、門次港・下關――關門海峡ならではなんじゃないかなって、しろがね、思うんです」 【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――いろんな色の、いろんなかたちのお船たち。 おっきな文字で書いてあるのは、お船と会社の名前なのかな。 シン……トランス? アンド、シーエスシー。コスコ、かな? シッピング。チュン・ハン……んん? 表記は詠語(えいご)ですけど、仲国(ちゅうごく)とか藩国(はんこく)のお船ですかね――あ」 【しろがね】「……あのひらぺったいお船、おっきなクレーンがついてますね。 オオエフジェルタンカー……あのクレーンで、何を積み込むんですかね…… 積み込み風景、みてみたいなぁ」 【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)――あ、うん、そうですね。 言われてみたら、結構しろがね、お船、好きなのかもです。 なんでかな――理由とかはよくわかんないんですけど……」 【しろがね】 「ここは……うん。ときどきくるんです。お天気がよくて、することなくて、のんびりしたいときとかに ――あ……ぽんぽん船(せん)」 ; 09:50あたりからの、ぽんぽん船が通り過ぎていく音か再現かでいただけますと幸いです ;7/左 (マイクと同じ視線) 【しろがね】「(一分ほど、ぽんぽん船がゆったり通過していくのを見守る呼吸音)」 【しろがね】「……うふふ、のんびりしていてかわいいですよね、ぽんぽん船。 ……って、あのタイプのお船のことです。ぽんぽんぽんって音をたてながら走ってくお船。 正式名称じゃないと思いますけど、しろがねは、ぽんぽん船って呼んでます」 【しろがね】「ああいうの見てると、なんか、むつかしく考えちゃってたこととかが、ほぐれていく気がするんです。 こう……うーんと……(少し考え込む) ――『やる前に心配しすぎてもしょうがないか。やってみてからまた考えよう』みたいな感じで」 ;7/左 (マイク向き) 【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――です。しろがね、やっぱりちょっと心配性みたいで。 ついつい、どうしても考えすぎちゃうから、その度、ここに。 ……はじめて来たのは、あの……ええと、はずかしいから、内緒話で」 ;7/左 (耳打ち・ひそひそ) 【しろがね】「一番最初は、お守り買いにきたんです。しろがね。レイルロオドなのに――おかしいですよね」 ;7/左 (通常・マイク向き) 【しろがね】「……しろがね、だって。急につれてこられたから……。 それまでは本当に平凡に、東峡道(とうかいどう)線走ってたのに……關門海峡トンネルが開通したから、そこの牽引専用機に、とか突然命令されて」 【しろがね】「海の底のトンネルだなんて、水が入ってきて沈んだり、そこまでいかなくても錆びたりしたらどうしようって、心配で心配で怖くて怖くて。だから、新しい機関区に一番近くてできるだけ古い神社で、安全のお守り買いたいなぁって」 【しろがね】「それでここのこと調べて、来て。お守り買って帰ろうって思ったら、この石段から海が見えるの気がついて。お船がすごい数行き交うのについ……みとれちゃって」 【しろがね】「(微笑まじりの吐息)――みとれるうちに、気持ちが軽くなったんです。 お船、ものすごい、山みたいな荷物積んでるのとか、おんぼろでいまにも沈みそうにみえるのとか、 そういうのも全然平気で、すいすいすーいって海を渡っていって」 【しろがね】「……人間の技術ってすごいなって、それで思って。 しろがねも、しろがねのEF10も、關門海峡トンネルも、そういうふうに安全につくられてるんだって思って。 そうしたら、きっとだいじょうぶって――えへへ、しろがね、単純ではずかしいんですけど――ふんわり気持ちが軽くなって」 【しろがね】「実際は着任したら、やっぱり浸水はあるし、トンネル内で立ち往生しちゃうこも出るしで―― あはは、いろいろ大変でした、ほんとに。 だけど、だんだんよくなって、安定してって――」 【しろがね】「大廃線で帝鉄がなくなっちゃって、どうなるのかなって思ったときも、 第三セクターになって存続できたし……それに、えへへ」 【しろがね】「マスターともずっと一緒で――しろがね、それがなにより一番すごい安心だなって―― (呼吸音)(呼吸音)――あ! そう考えると、ここのお守りのご利益がものすごいのかもですね。気が付かなかった」 【しろがね】「こういうのって、えと――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――あー、そうなんですね。 お礼参りっていうのをするといい」 【しろがね】「それじゃあしろがね、お礼参りします。 マスター、やりかた教えてもらっても……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――えへへ、ありがとうございます」 【しろがね】「それじゃあ――んしょ」 ;SE 立ち上がる→海を背中にして石段あがって、玉砂利の足音数歩 ;SE 神社の鐘がらがら ;3/右(マイクと同じ視線) 【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)、お賽銭をいれて、ニ回お辞儀して、ニ回拍手して、こころの中でお礼をいって、一回お辞儀しておしまい」 【しろがね】「しろがね、覚えました。そうしたら――」 ;SE 賽銭なげこみ 【しろがね】「(マイク前で2拍手お願いします)――ん……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――」 ;超小声でささやき 【しろがね】「本当にありがとうございます。これからもどうか安全に、マスターとずうっと――(呼吸音)――」 ;3/右(通常) 【しろがね】「ふうっ。お礼参りもできてよかったです。 それに、音も――(呼吸音)(呼吸音)――えへへ、ここならばっちり關門海峡線沿線の音ですよね。 マスターにもそう思ってもらえるなら嬉しいです」 【しろがね】「そうしたら、あと一箇所だけ――海周りの音が続いたから、ちょっと変化をつけた音。 しろがね、候補思いつきました」 【しろがね】「……結構道路が近いから、紹介にいいかどうかはわからないんですけど。 でも――単純にいいところだし、のんびりできるところだから、マスターといってみたいなぁって」 【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)――えへへ! いいですか。 そうしたら、バス停にいってエアクラバスにのっちゃいましょう!」 【しろがね】「歩くと結構遠いんですけど、バスでならすぐ着いちゃいますから!」 ;環境音 F.O. ;//////// ;Track5 植物園の休憩室でしろがねの右耳みみかき ;//////// ;SE 駆け足(足元は濡れた土) ;5/後 【しろがね】「(小走りの呼吸 x4)」 ;SE ガラリ戸ガラガラ→ぴしゃっ ;5/後 【しろがね】「はぁ、はぁ、はぁ――ふうっ。 あ、マスター、こっちむいてください」 ;SE 環境音 屋内+外の雨音 ;(【しろがね】「植物園」の録り音、そうした方がよい感じになるようなら薄く混ぜる等でつかってください) ;1/前 【しろがね】「……少し濡れちゃいましたね。 しろがね、手ぬぐいならもってますから、ちょっとだけかがんでください」 ;SE かばんから手ぬぐいだす ;SE 手ぬぐいで頭ふいたげる 【しろがね】「ん……(呼吸音)(呼吸音)―― もう少し、顎引いて――(呼吸音)(呼吸音)―― 右側……(呼吸音)(呼吸音)―― 左……(呼吸音)……耳の後ろも――(呼吸音)――――うん。マスターはこれでよし、です。」 ;SE stop 【しろがね】「しろがねも少し濡れちゃったから…… ん―― (呼吸音)(呼吸音)――」 ;SE しろがねが自分の髪と頭をてぬぐいでふく 【しろがね】「急な雨にはびっくりしちゃいましたけど――(呼吸音)―― 降り出したのが戻りの途中でラッキ−でしたね――(呼吸音)―― ここ、白野絵(しらのえ)植物公園……(呼吸音)―― 休憩室すごくいいし――(呼吸音)――っと、ふう」 ;SE stop 【しろがね】「あ、ほらマスター。ここ、掲示してあります。 『休憩棟・無料休憩室のご案内。 1階5部屋、2階2部屋(ふたへや)、休憩・飲食等に自由にご利用いただけます』って」 【しろがね】 「しかもお部屋全部個室で、照明もエアコンも好きにつかっていいんですよ。 これで無料って、本当に親切ですよね」 【しろがね】「一番狭い六畳間は一部屋だけ。八畳が3部屋で、十畳も3部屋。 部屋とは別にウッドデッキもありますけど、雨降りだから今日はそっちはいまいちかもって、しろがねは思います」 【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――マスターがもしいやじゃなかったら、しろがねは、おっきい十畳の部屋で雨宿りしたいです。 いまは……(呼吸音)(呼吸音)――休憩棟、他にだぁれもいないみたいですし」 ;$ = SE 靴を脱ぐ 【しろがね】「(呼吸音)――はい。それじゃあここで雨宿りしていきましょう。 お靴をぬいで…… $ んしょ。失礼しまーす」 ;SE 靴下の足音→ふすま空ける→ふすま閉める ;環境音 VolDwn 【しろがね】「ん、っしょ――」 ;SE しろがね座布団にすわる ;9/前遠 【しろがね】「あ、マスター! そこじゃなくって、こっち。 もっとしろがねの近くにきてください」 ;1/前 “ごろーん”で →;3/右 【しろがね】「もうすこし近く……(呼吸音)――そしたらしゃがんで、ねころんでください。 しろがねのお膝をまくらにして――ね? ごろーーーん」 【しろがね】「うふふっ、ありがとうございます。 あのね、しろがね気になってたんです。 さっき、マスターの頭をてぬぐいでごしごししたとき――(呼吸音)(呼吸音)――」 ;$=環境音 VolUp 【しろがね】「ですです。ここのところお耳掃除してなかったですし、それに――外―― $ (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 ;セリフにあわせて環境音のボリューム戻して 【しろがね】「……この雨ですから、すぐにはきっとやまないでしょうし……お耳掃除に、ちょうどいいタイミングかなって」 【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――えへへ、それじゃあ、お耳掃除をしましょうか。 しろがねポーチに……んしょ――耳かきも、ちりがみも、綿棒も、ベビーオイルもちゃあんと常備してますから」 【しろがね】「それじゃあ最初は……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 ;SE 耳元でゆるゆるベビーオイルの瓶をふる ;SE ベビーオイルの瓶の蓋あける ;$=SE 綿棒をオイルに浸す 【しろがね】「ベビーオイルをちょっとだけつけた綿棒で、お耳の中の小さなゴミをくっつけてとっちゃいますね。ん…… $ っと、それじゃあ、ゆっくりゆっくり行きますよ」 ;SE オイル綿棒で耳掃除(浅・継続) 【しろがね】 「よ……(呼吸音)(呼吸音)―― っ……(呼吸音)(呼吸音)―― トンネル、は……ん――(呼吸音)(呼吸音)―― お耳でも、鉄道トンネルでも――(呼吸音)――人道、でも――(呼吸音)――」 【しろがね】「清掃・点検……(呼吸音)(呼吸音)―― メンテナンスを――(呼吸音)(呼吸音)―― 定期的に、行う――(呼吸音)――こと、が――(呼吸音)―― すごく、大事――で――(呼吸音)(呼吸音)――」 【しろがね】「くらくて、ぱっとみ――(呼吸音)(呼吸音)―― 汚れてるのが、わからなくて、も――(呼吸音)(呼吸音)―― ん……(呼吸音)(呼吸音)―― こういう、感じ、に――(呼吸音)(呼吸音)――ふうっ」 ;SE stop 【しろがね】「壁面をひととおりこするだけで、汚れがこんなにくっついてきちゃいますから――。 綿棒、今度は反対側をつかって――」 ;SE 綿棒オイル浸し ;3/右 (耳打ち・囁き)→吹きかけ 【しろがね】「深いところを湿潤清掃していきます。リラックスしててくださいね。 (ふーーーーーーーーーーっ)……ん」 ;SE オイル綿棒掃除(深・継続) 【しろがね】「よ……(呼吸音)――っと――(呼吸音)―― ん……(呼吸音)(呼吸音)―― 深い、ところは――(呼吸音)(呼吸音)―― 視覚、センサで――(呼吸音)――観測、できませんから――(呼吸音)――」 【しろがね】「綿棒、むやみに――(呼吸音)――動かさないで――(呼吸音)―― ゆっくり――(呼吸音)――くるくる――(呼吸音)―― まわして――(呼吸音)――まわし、て――(呼吸音)――」 【しろがね】「細かいの、だけ――(呼吸音)(呼吸音)―― ローラーかける――(呼吸音)――みたくして――(呼吸音)―― おおざっぱに、でも――(呼吸音)(呼吸音)―― とれれば、よし、で――(呼吸音)(呼吸音)――うん」 ;SE stop →綿棒引き抜き ;耳の中の様子を色んな角度から見る 【しろがね】「ん〜↑ ん〜↓ ん〜〜……うん!」 【しろがね】「こまかなの、予想以上にとれたかなって思います。 そしたらあとは、張り付いてるのとかおっきいの、耳かきつかってとっちゃいましょう。 浅いところから、ゆるゆるいきます」 ;SE <耳かき音、浅・継続> 【しろがね】「……耳かき、は――(呼吸音)(呼吸音)―― 綿棒と、ちがって――(呼吸音)(呼吸音)―― うっかり、したら――(呼吸音)――お耳の外壁――(呼吸音)―― 傷つけかねない――(呼吸音)――もの、ですから――(呼吸音)――」 【しろがね】「ぜったい、ぜったい――(呼吸音)(呼吸音)―― 無理を、しない――(呼吸音)(呼吸音)―― それが、第一原則――(呼吸音)(呼吸音)―― です、けど――(呼吸音)――ん……(呼吸音)――」 【しろがね】「こう、いう、感じに――(呼吸音)(呼吸音)―― はがれ、かけてる――(呼吸音)(呼吸音)―― うすくて、広い――(呼吸音)――やつ、とかは――(呼吸音)―― 放置、しとくの――(呼吸音)――怖い、から――(呼吸音)――」 【しろがね】「ゆっくり――(呼吸音)――ゆっくり――(呼吸音)―― あせらず、いそがず――(呼吸音)――ていねいに、で――(呼吸音)―― ん……(呼吸音)――ふっ――(呼吸音)―― とっ――(呼吸音)(呼吸音)――ん!」 ;SE stop ;SE ティッシュひきぬいて→耳かき拭き 【しろがね】「ふう……(ふーーーーーっ)(ふっ!)」 【しろがね】「とれました。えへへ―― 無意識になのかな。マスターがいい感じにちょっとだけ頭の角度変えてくれるの、嬉しいです。それですごく、しろがね耳かきしやすくなって……」 【しろがね】「息が合う、っていうんですかね、こういうの。 しろがね、じわーって……しあわせかもです」 【しろがね】「えへへっ、それじゃあこのまま、深いところもいっちゃっていいですか。 (呼吸音)(呼吸音)――もちろんです。しろがねに任せてください」 【しろがね】「じゃ、いきますよー。ん、しょ――」 ;SE 耳かき(深・継続) 【しろがね】「…………(呼吸音)(呼吸音)―― ん……(呼吸音)(呼吸音)―― おっきめの……(呼吸音)(呼吸音)―― ちょこ、ちょこ――(呼吸音)(呼吸音)」 【しろがね】「けど、オイルで――(呼吸音)(呼吸音)―― さっき、やわらかに――(呼吸音)(呼吸音)―― した、から――(呼吸音)(呼吸音)―― ん……(呼吸音)(呼吸音)――うん」 ;SE stop ;SE 耳かき拭き 【しろがね】「けっこう簡単にとれますね。うふふっ。 つづき、いきます。…………」 ;SE 耳かき(深・継続) 【しろがね】「っていうか、しろがね――(呼吸音)(呼吸音)―― ほんと、いつのまにか――(呼吸音)――ですよね(呼吸音)―― いま、言ってて――(呼吸音)――ん――(呼吸音)―― びっくり、ちょっと――(呼吸音)――しちゃい、ました――(呼吸音)――」 【しろがね】「『結構簡単』なんて――(呼吸音)(呼吸音)―― 耳かき、に――(呼吸音)(呼吸音)―― 思えるように――(呼吸音)(呼吸音)―― なったんだなぁ、って――(呼吸音)(呼吸音)――あ」 【しろがね】「これ……(呼吸音)――ここ、なら――(呼吸音)―― 大丈夫――(呼吸音)(呼吸音)―― 無理を、しないで――(呼吸音)(呼吸音)―― とれる、とこ――(呼吸音)(呼吸音)――」 【しろがね】「ん……(集中した呼吸音x4) ふっ――ん――(呼吸音)(呼吸音)―― っと――(呼吸音)――うん!!」 ;SE stop 【しろがね】「(ふーーーーーーーーーーーーーっ!)(ふ!)(ふ!)」 【しろがね】「えへへっ! 綺麗にとれました」 ;SE 耳かき拭き 【しろがね】「このまま左の耳かきも……(呼吸音)(呼吸音)―― はぁい。うふふ、しろがねに任せてくださいね」 【しろがね】「それじゃあ、姿勢だけ入れ替えてもらっていいですか。 しろがね、『ごろーん』っていいますから、それにあわせて、左のお耳を上に向けるようにしてください」 ;;3/右 “ごろーん”で →;1/前 →;7/左 【しろがね】「いいですか、いきますよー。せーの、 『ごろーーーーーーーーーーーーーん』」 ;環境音 F.O. ;//////// ;Track6 しろがねの左耳みみかき ;//////// ;7/左 (耳打ち・ふきかけ) 【しろがね】「(ふーーーーーーーーーーーーーーーーーっ)」 ;環境音 同じ F.I. 【しろがね】「それじゃあこっちも、オイル綿棒から。 ん……と……」 ;SE 綿棒をオイルに浸す 【しろがね】「じゃ、左のお耳トンネルにも、慎重にもぐっていきますね。 失礼しまぁす」 ;SE オイル綿棒で耳掃除(浅・継続) 【しろがね】「ん……(呼吸音)(呼吸音)っと―― くる、くる――(呼吸音)(呼吸音)―― まわ、して……(呼吸音)(呼吸音)―― こしゅ、こしゅ……(呼吸音)……ん……(呼吸音)――」 【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)……あ、はい―― (呼吸音)(呼吸音)――です、ね。 ――ほんとに――(呼吸音)――しろがね――(呼吸音)―― いつのま、に――(呼吸音)(呼吸音)」 【しろがね】「マスターの――(呼吸音)(呼吸音)―― お耳トンネル――(呼吸音)(呼吸音)―― もぐるの、上手に――(呼吸音)(呼吸音)―― なりました、よ――(呼吸音)――ね――(呼吸音)――」 【しろがね】「お耳の、中に――(呼吸音)(呼吸音)―― 耳かき、どころか――(呼吸音)(呼吸音)―― 最初は――(呼吸音)――綿棒――(呼吸音)―― いれるの、だって――(呼吸音)(呼吸音)――」 【しろがね】「こわくて、仕方――(呼吸音)(呼吸音)―― なかった――です――(呼吸音)――け、ど――(呼吸音)――うん」 ;SE 綿棒抜き 【しろがね】「ん……ん〜〜 (ふっ)(ふーーーーーーっっ) ん……うん」 【しろがね】「じゃ、深いとこにもいっちゃいましょう。 最初は全然、こわくて、入り口にだっていれられなかったお耳の穴に――(呼吸音)……」 ;SE オイル綿棒で耳掃除(深・継続) 【しろがね】「今は……(呼吸音)――今でも……(呼吸音)―― ほんのちょっとは――(呼吸音)(呼吸音)―― 怖い、ですけど――(呼吸音)(呼吸音)―― それでも……ん――(呼吸音)――こう、して――(呼吸音)(呼吸音)――」 【しろがね】「深い、ところも――(呼吸音)(呼吸音)―― お掃除、ちゃんと――(呼吸音)(呼吸音)――ん…… たぶん、ちゃあんと……(呼吸音)(呼吸音)―― できて、ます、から――(呼吸音)(呼吸音)――」 【しろがね】「経験、つむの――(呼吸音)(呼吸音)―― とっても、大事で――(呼吸音)(呼吸音)―― すごい、ことって――(呼吸音)(呼吸音)―― しろがね、なんだか――(呼吸音)――思い、ます――(呼吸音)――っと」 ;SE stop ;SE 綿棒抜き ;7/左 (吹きかけ) 【しろがね】「(ふーーーーーーーーーーーっ)」 ;7/左 【しろがね】「ん……(呼吸音)(呼吸音)―― うん。こまかいのは大体くっつけてとれたみたいです。 あとは、耳かきで大物を、ですね――」 【しろがね】「(呼吸音)……リラックスして、ちから、ぬいててくださいね―― ん……(呼吸音)」 ;SE <耳かき音、浅・継続> 【しろがね】「最初は、ほんと――(呼吸音)(呼吸音)―― 關門海峡、専用機に――(呼吸音)(呼吸音)―― 転用・改造されるって、聞いて――(呼吸音)(呼吸音)―― つれて、こられて――(呼吸音)(呼吸音)――」 【しろがね】「はじめて、關門海峡トンネルに――(呼吸音)(呼吸音)―― もぐった、ときより――(呼吸音)(呼吸音)―― マスターの、耳かき――(呼吸音)(呼吸音)―― 緊張したし――(呼吸音)――怖かったんです――(呼吸音)――本当は」 【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)――え、だって、ええっと―― (呼吸音)――關門海峡、トンネルの――(呼吸音)―― なかに、潜るのは――(呼吸音)―― お仕事、だから――(呼吸音)(呼吸音)――」 【しろがね】「運転指令の――(呼吸音)(呼吸音)―― 指令どおりに――(呼吸音)(呼吸音)―― 列車を牽引――(呼吸音)――すれば、いい――(呼吸音)―― それだけ――(呼吸音)――だけ、ど――(呼吸音)――ん……」 ;SE stop ;SE 耳かきふき 【しろがね】「(ふーーーーーーーーーっ)(ふっ)」 【しろがね】「けど、耳かきは―― マスターは、マスターご自身の耳の中は目視もなにもできっこないから。 指示、誰にも出してもらえませんから……」 ;SE <耳かき音、深・継続> 【しろがね】「ん……(呼吸音)(呼吸音)―― こういうふうな、深いとこでも――(呼吸音)(呼吸音)―― さっきみたいな、浅いとこ、でも――(呼吸音)(呼吸音)―― しろがね――(呼吸音)――全部――(呼吸音)――」 【しろがね】「しろがね、ひとりで――(呼吸音)(呼吸音)―― 全部を、判断――(呼吸音)――しなくちゃ、ダメで――(呼吸音)―― そんなの、はじめての――(呼吸音)――経験、だから――(呼吸音)―― 怖くて、怖、くて――(呼吸音)(呼吸音)――」 【しろがね】「だけ、ど――(呼吸音)(呼吸音)―― ん……(呼吸音)(呼吸音)―― これ、多分――(呼吸音)(呼吸音)―― 下から、すくう――(呼吸音)――感じ、より――(呼吸音)――」 【しろがね】「いったん、横から――(呼吸音)――ぺり、ぺり――(呼吸音)―― うん……よし……(呼吸音)(呼吸音)―― ここまで、きたら――(呼吸音)(呼吸音)―― あとは――(呼吸音)――すく、って――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――うんっ!」 ;SE stop ;SE 耳かき拭き 【しろがね】「あ、だから――ええと、いまのみたいに……」 ;SE <耳かき音、深・継続> 【しろがね】「耳かき、するのは――(呼吸音)(呼吸音)―― しろがね、ひとりで――(呼吸音)(呼吸音)―― 判断して、決定して――(呼吸音)(呼吸音)―― しなくちゃ、ダメで――(呼吸音)――おっかなくって――(呼吸音)――」 【しろがね】「だけど……それでも――(呼吸音)(呼吸音)―― マスター、が――(呼吸音)(呼吸音)―― “できると、思うから”――(呼吸音)――“任せてる”って――(呼吸音)―― しろがねのこと――(呼吸音)――信じて、くれて――(呼吸音)――」 【しろがね】「だから、しろがね――(呼吸音)(呼吸音)―― ゆっくり、ゆっくり――(呼吸音)(呼吸音)―― ちょっとずつ、でも――(呼吸音)(呼吸音)―― 勇気を、出して――(呼吸音)――経験、重ねて――(呼吸音)――」 【しろがね】「その、おかげで――(呼吸音)(呼吸音)―― いつの間にか――(呼吸音)――いま、では――(呼吸音)―― んっ――(集中した呼吸音x4)――っと…… (呼吸音)(呼吸音)――もちょっと――(呼吸音)――ぁ――――っ」 ;SE stop 【しろがね】「(安堵と達成感の吐息)」 【しろがね】「うふーっ。こんなにおっきいのまで取れるようになって」 ;7/左 (耳打ち・吹きかけ→囁き) 【しろがね】「(ふーーーーーーーーーーっ) ん……(呼吸音)――ふふっ。マスターのお耳も、ピカピカにできるようになって」 ;7/左 【しろがね】「マスターがしろがねががんばれるようになるの、じっくりじっくり待ってくれたから。 そのおかげでしろがね――ぇ――あっ――(驚き・あきれ・けれど嬉しく、マスターのあくびを見守る呼吸)」 【しろがね】「もう、しろがねがまじめなお話をしてるのにおおあくびなんて―― (呼吸音)(呼吸音)――ううん、全然、おこってません。むしろ、えへへ、うれしいかなって」 【しろがね】「だって、耳かきされてるとき、怖くなくって安心できなきゃ―― しろがねのこと、すっかり信じてくれてなかったら、ねむたくなんてなれないですよね」 【しろがね】「だから……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 ;7/左 視線、マイクから外して 【しろがね】「……雨、少しも弱まりませんし――」 ;7/左 (マイク向き) 【しろがね】「……閉園まで、まだ何時間かありますし…… たくさんたくさん今日は歩いてつかれましたし……」 ;7/左 (耳打ち) 【しろがね】「このままも少し――雨が止むまで。 お昼寝だとか、しちゃいましょうか」 ;環境音 F.O. ;//////// ;Track7 しろがねとうたたね(安眠導入・ウィスパーパート) ;//////// ;このパート完全に安眠導入なので、メリハリは声の大小以外でつける方向で、静かに静かにでいただけますと幸いです。 ;7/左 【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【しろがね】「雨……このまま閉園まで降り続くなら、エアクラタクシー、呼んでもらしうかないかもですね……」 【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)――もったいなくなんてないですよ。 もしも傘を借りられても、バス停で待ってるあいだに濡れちゃって、 マスターが風邪でもひいたら、それこそ一大事ですし……」 【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)――風邪って、すごく怖いって。 この間のレイルロオドサミットで、しろがね、ランさんに聞かせてもらって…… だから、マスターにひいてほしくないなぁって――ぁ」 【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――はい、とっても優しいレイルロオドでした、ランさん。 ランさんだけじゃなくて、他のみんなも。 すごく優しくて、親切で、前向きで。 しろがね、見習いたいなぁって思いました」 【しろがね】「もちろん、少し変わったこたちもいましたけど――あ。 変わったっていえばですね、マスター、 しろがねにはあたりまえのこと、すごく珍しがってもらえたりもして、 ちょっと、それにもうれしくなっちゃいました」 【しろがね】「かかあさんって――常州電鉄(じょうしゅうでんてつ)の電車のレイルロオド。 いままで他の路線を一度も走ったことがなくって、 その上常州電鉄の線路には、トンネルが一個もないって話で。 (呼吸音)(呼吸音)――そうなんです。すごくしろがねのトンネルの話に興味もってくれて……」 【しろがね】「鉄道トンネルって、普通はV字形にほられるでしょう? 入り口と出口が高くて、真ん中が一番深くなるように。 かかあさん、そのことも知らなくて、けど、お話したらすぐ、 『発車時には加速して、停車前には減速できる勾配になってる』ってわかってくれて。 やっぱり、お仕事できるって評判のレイルロオドは、理解力が高いんだなぁって、しろがね思いました」 【しろがね】「あと、西瓜さんって、仲国からきたレイルロオドには、西瓜さんの東富W(とうふうよん)――電気式ディーゼル機関車のことおしえてもらって……ディーゼルエンジンで発電機回して、その電力でモーターまわして、っていう仕組み」 【しろがね】「かかあさんは、そのお話にもすぐに『ディーゼルよりモーターの方が制御しやすい動力源』って、その仕組みのメリットに気がついて、しろがねはいわれるまで気がつけなくって……。 そこからみんな、さらに盛り上がっていったんですけど―― しろがねは……その先は、ちょっと疲れて離れちゃってて聞いてないんです」 【しろがね】「だってしろがね、マスターとなら……マスターとだけは、こういうふうに―― 思ってること、考えてること、普通にことばにできるけど、でも……」 【しろがね】「他の……レイルロオドでも、人間でも誰でも……マスターじゃないひととだと―― あんまり上手におしゃべりできなくて――言葉がなかなかでてこなくなって…… 共感も、お仕事でつかう部分のほかは――開放したいっておもわなくって……」 【しろがね】「(考え事をしている呼吸x4)」 【しろがね】「だから、とっても楽しくて――とっても勉強になったんですけど―― しろがねももっとがんばりたいなってもおもったのも本当だけど……(呼吸音)(呼吸音)――あ」 【しろがね】「うん。そうなんです。 ……『みんなでわいわいお話するの、苦手だなぁ』って―― 思っちゃったのも……やっぱり、三分の一とかそのくらいは、あって」 【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ああ……うん。 そっか――これも――耳かきとおんなじなんですね」 【しろがね】「レイルロオド同士のコミュニケーションって、しろがねが判断して決めなくっちゃいけないから。 マスターに決めてもらうんじゃなくって、しろがねが全部しなくちゃいけないから……」 【しろがね】 「一対一でのお話だったら、まだなんとか処理できるけど、 Aさんと話してるときにBさんから話かけられたりすると……ちょっと、こころがオーバーフローしちゃう感じなのかもです」 【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)……しろがね……うーん……(呼吸音)(呼吸音)―― しろがねは――マスターが望むしろがねになりたいです」 【しろがね】「他のレイルロオドたちと上手におはなしできるようになりたいか、なりたくないかって…… 正直、どっちでもかまわなくって、今のままでも全然平気で――」 【しろがね】「でも、しろがねが他のレイルロオドとお話上手にできるようになって―― 大勢の中でもうまく立ち回れるようになって―― それでいろんなお話きけるようになるのが、もしもマスターの役にたつなら、マスターがよろこんでくれるなら……(呼吸音)―― ちょっとずつでも、しろがね、がんばってそうできるようになります」 【しろがね】「逆に、マスターもその辺べつにどうでもいいなら…… もっと他でマスターが喜んでくれることとかに、しろがね、時間をつかいたいなぁって、思います」 【しろがね】「だから、しろがね――マスターが――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――あ……うふふっ、はい。わかりました」 【しろがね】「マスターがそう思ってくれるんなら、しろがね、うれしくて安心しま――ぁ――ふっ……ぁ……(大あくび)」 【しろがね】「やだ、はずかしい、ごめんなさい。 安心したら、しろがねも急にねむたく――――あ」 ;7/左(耳打ちの距離/以降ずーっっとウィスパー) 【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ですよね。昨夜はフェリーのなれないベッドで、フェリーそのものにも興奮しちゃって……だから、きっと、眠り、浅くて――」 ;だんだんねむくなっていく 【しろがね】「それに――今日も……ん……音探しとか……なれないことで―― あたま、つかって――たくさん、うごいて――マスターと、いっしょで―― 回路も、ずっと――わくわく、して、て――ふ、ぁ――」 【しろがね】「だから……しろがね――しろがね、も……ん……(ほとんど寝息x2) あ――はい、そうします――このまま――ちょっと――雨あがり、まで――」 【しろがね】「マスターと……いっしょに……うたたね…… ゆっくり……やすんで…………(呼吸音)(呼吸音)」 【しろがね】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――雨音、やさしい……こもりうた、みたい……」 【しろがね】「おやすみなさい、マスター……。しろがね、えへへ――昨日も、今日も、マスターの、そばで…… (眠い息)――マスターと――ふ、ぁ――いっしょに、ねれる、の――」 【しろがね】「うれし……ん――ぁ――ん……(眠い息)――すごく……うれ……し…………ん…………」 【しろがね】「(浅い寝息x4)」 【しろがね】「(浅い寝息x4)」 【しろがね】「(寝入りつつある寝息x4)」 【しろがね】「(寝入りつつある寝息x4)」 【しろがね】「(穏やかな寝息x4)」 【しろがね】「(穏やかな寝息x4)」 【しろがね】「(熟睡寝息x4)」 【しろがね】「(熟睡寝息x4)」 ;//////// ;Track8 Q&Aコーナー ;//////// ;■以下のセリフは”演者様のもの”でお願いいたします。 アドリブ大歓迎――というか、質問と回答いただけたら、どう構成していただくのも大歓迎です! 【演者】「蓄音レヱル  〜關門鉄道EF10 23専用レイルロオド しろがね〜 Q&Aコーナー」 【演者】「おはようございますこんにちわこんばんわ。關門鉄道EF10 23の専用レイルロオド、しろがねを演じさせていただきました、声優のXXです。 これを聞いてもらえるのは、コンテンツをお楽しみいただけたあとなんですかね? ――あ、基本あとですか。それじゃあ、こほん。 しろがねちゃんとの時間を楽しんでくださって、ありがとうございました!」 【演者】「で、ですね。このおまけコーナー、Q&Aコーナーは、わたしXXが、みなさんからいただいたご質問にお答えさせていただくっていうコーナーなんだそうです。 それじゃあさっそく、お答えしていきますね」 【演者】「最初のご質問は――これ! ええと〜?」 【演者】「Q:XXさん、こんにちわ。 XXさんのバイノーラルボイスドラマ、ものすごく楽しみにしています――のですが、バイノーラルってどういうものか、いまいちよくわかってないです。ごめんなさい。 ので、XXさん的に、バイノーラルボイスドラマってどんな感じのものなのかを教えてもらえたらうれしいです!」 【演者】「(自由に回答をお願いします)」 【演者】「こんな感じで伝わりましたか? 上手に説明できてたらいいんですけど。 ということで、次のご質問にいきますね。ええと――こちらで!」 【演者】「Q:しろがねちゃんはキャラデザラフが公開されたときから1推しのレイルロオドだったので、XXさんがCVって聞いたとき、思わず小躍りしちゃいました! XXさんからみたしろがねちゃんってどうですか? イチオシポイントはどこですか!?」 【演者】「(自由に回答をお願いします)」 【演者】「――ですね。そうしたら……って、あ。 ……あー、もうお時間なんだそうです。 ということで、ラスト一問お応えさせていただきます。ん、と……」 【演者】「こちらのおたよりは『諸星』(もろほし)さんからいただきました。 諸星さん、おたよりありがとうございます」 【演者】「Q:『もししろがねちゃんがレイルロオドじゃなく、普通の人間の女の子だったら、どんな仕事についてどんなくらしをしてると思いますか? 聞いてみたいです』」 【演者】「(ご自由にご回答ください)」 【演者】「です。ご質問、本当にありがとうございました! Q&Aコーナーはここでおしまい、で、トラック的にもこれが、ラストトラックになるんだそうです。 だから、いまはここでさよならになりますね」 【演者】「わたしXXが、しろがねちゃんになって、あなたと一緒にのんびり音探しを楽しんだ、 『蓄音レヱル 〜關門鉄道EF10 23専用レイルロオド しろがね〜』。 疲れたときとか眠れない夜とかには、よかったらこれからも、あなたの癒やしの、眠りのお供にしてくださいね」 【演者】 「それじゃあ、また―― 次の駅でも、次の夜にもお会いしましょう」 【演者】「レイルロオド・しろがね役、XXでした! 明日の朝へ――『出発! 進行!!』」 ;おしまい