;//////// ;Track1 プロローグ。かかあの自己紹介 ;//////// ;タイトルコール ;1/前 【かかあ】「蓄音レヱル 〜常州電鉄デハ100形デハ101専用レイルロオド かかあ〜」 ;環境音 常州電鉄事務室 室内 ;SE ノック ;9/前遠 【かかあ】「はい? どうぞ?」 ;SE ドア開、ドア閉→足音 ;3/右 へ ;3/右 (マイク向き) 【かかあ】「ん? 旦那、なにか用? ってか、ちょっとだけ待っててもらえる? 今年のあたしの法定検査、あとレイルロオド人工知能度試験――タブレットチューリングだけで終わるから」 ;3/右 (マイクと同じ視線) 【かかあ】「すいません、先生。おまたせしました。 試験の続きを――(呼吸音)(呼吸音)――ああ、はい、自己紹介。 わかりました。やります――んんっ」 【かかあ】「『あたしは、常州電鉄デハ100形(ひゃくけい)電車トップナンバー機、デハ101(いちまるいち)の専用レイルロオド・かかあです。 常州電鉄創設時からの稼働車輌では、唯一の現存機になってしまった……まぁいってしまえば老朽機です。それでもいまも旅客車輌としてだけでなく、イベント車輌、ときには保線用の特殊車両の牽引などもつとめる、バリバリの現役機でもあります』……こんな感じでいいですか? ――(呼吸音)――はい、ありがとうございます」 【かかあ】「あとは……はい。“自分の長所と短所”ですか。あんまり考えたことないなぁ……(少し考えこむ呼吸)」 【かかあ】「ま、いいや、やってみます。(息を吸う) 『あたし、レイルロオド・かかあの長所は、面倒見がいいところ、それから、家計のやりくりが上手なところです。人間をふくめて、常電の一番の古株になっちゃったら――カイシャの経営会議とかでも、普通にバンバン意見をいってます。レイルロオドでは結構珍しいかなって思うけど……へへっ、“常電が大廃線を乗り越えられたのはかかあのおかげだ”なぁんて、うちの旦那――あ、あたしのマスターのことなんですけど。旦那にも、今の社長にも前の社長にも言われちゃって……あたし、ノセられやすいから、そんなもんかなぁって思っちゃってます。だから、長所はその辺かなって』」 【かかあ】「『短所は……長所の裏返しで、おせっかいなとこ。よくね、アドバイスしてるつもりで‘いまやろうと思ってたのに”って言われて、あちゃ、って反省して。あたしはレイルロオドなんで親とか子供とか本当にはわからないんだけど――‘かあちゃんかよ”とかもよく言われちゃうから……まぁおせっかいなのよねって。自覚はあるのになおらないから、やっぱりこれは短所よねぇ……って思ってます』」 【かかあ】「次の質問は? ……(呼吸音)――あ、もういい。オーケー。合格? よしっ! あははっ、簡単な試験でよかったぁ。これでまた2年、現役で稼働できる! せんせ、本当にありがとうございます」 【かかあ】「あ、もうお帰りで――(呼吸音)(呼吸音)――はい――(呼吸音)――はい――(呼吸音)――もちろん。 これからもよろしくお願いします。それじゃあ」 ;SE ハイヒール足音遠ざかってく→ドア開・ドア閉→屋外足音遠ざかって F.O. ;1/前 【かかあ】「ふう、旦那、おまたせ! で? なに? 何の用……って、その新聞? ちょっと見せて」 ;SE ペラ音 ;1/前 【かかあ】「あら、りいこちゃんじゃない。あの子とぶてつ三勢崎(みせざき)線。ご近所さんっちゃご近所さんだから、新聞で顔見るの嬉しい……(呼吸音)……って――(呼吸音)(呼吸音)。 …………ふーん。これ、面白いわね、『蓄音レヱル』って記事」 【かかあ】「三勢崎線沿線、ポンポコ寺の名前くらいは聞いたことあるけど、そんなにいろんな音聞こえるなんてしらなかった。 それに、蒸気機関車のボイラ使ってる砂風呂なんて! めっちゃあったまりそうよね、イメージ的にも物理的にも。いいなぁ、いってみたい――ってか、今度つれってよ。いいでしょ、旦那!」 【かかあ】「(呼吸音)――えへへっ、決まりねー。そしたらスケジュール……(呼吸音)――ん? その前に、何? (呼吸音)(呼吸音)――依頼って――え!? この蓄音レヱルの? やだなにそれ面白そう! あたしやりたい!!」 ;$=SE 新聞ばさばさ 【かかあ】「具体的にはなにをどうすれば――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――なるほどね、あたしと旦那で常電(じょうでん)沿線のいい音がする場所を探して。それを新聞記者さんに報告すれば、あとは――えへへっ $ こういうふうないい感じの記事にしてもらえちゃうんだ。いいねぇ、すごくいい!」 【かかあ】「カイシャの宣伝にもなるわけだし……定期外収入少しでも増やすためには、お客さんの乗車を誘えるような場所の方がいいわよね。いい音がする場所で……ん……どこがいいかなぁ――(しばらく悩む呼吸)――あ!!!」 【かかあ】「うちってさ、電車乗ってくれたお客さんには無料でレンタサイクル貸してあげてるでしょ。 アレのアピールになるようにするのってどう? スタートはこの駅、車庫のある大五(おおご)にして。 大五からサイクリングだと赤木山方面で鉄板よね、うん」 【かかあ】「お不動大滝とかもあるし、サイクリングの汗を流せる温泉もあるし。ど? よくない? (呼吸音)(呼吸音)――うん! じゃ、それで決まり!!」 【かかあ】「次のおやすみか非番が旦那と重なるのって――(呼吸音)――じゃ、そこに決めちゃおう! えへへ、よかった、すぐで」 【かかあ】「他の注意事項とかって――(呼吸音)(呼吸音)――ああそか。音を探しにいくんだもんね。普段よりもっと聞こえるように、ヘッドホンかイヤホン、つけなきゃ」 ;$=SE ヘッドホンorイヤホン 両耳同時装着 【かかあ】「旦那愛用の――ああ、これこれ、それじゃあたしがつけたげる。 動かないでね〜――ん……$ (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――っと、これでよし」 【かかあ】「じゃ、テストね。いくよ」 ;3/右 【かかあ】「右耳。右耳。ん、よさそうね」 ;7/左→;7/左(接近囁き) 【かかあ】「そしたら今度は左耳―― ちいさな音も、ちゃんと聞こえる? うふふっ」 ;7/左→;1/前→;3/右 【かかあ】「そしたら最後は、 『ぐるーーーーーーーーーーーーーーーーーん』ってまわって〜〜 からの〜 (ふーーーーーーーーーーーっ)! あはは! 感度良好みたいですな! よしよし!!」 ;1/前 【かかあ】「それじゃ、乗務に戻りましょう! ぴしっと無事故で終わらせて――ふふっ!」 ;3/右 (接近囁き) 【かかあ】「取材、おもいっきり楽しんじゃおーね〜!」 ;環境音 F.O. ;//////// Track2 サイクリングとインカムと ;//////// ;SE シャーっと前輪だけ回す音→ブレーキレバーぎゅっ→ブレーキ ;7/左 【かかあ】「ブレーキレバー、よし! あとはチェーンに油だけさしとこうか」 ;環境音 5月末屋外(F.I) ;$=SE 缶をかしゃかしゃやってからスプレー 【かかあ】「ん、っと――まずはチェーンクリーナー吹いて〜 $ (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――少し待ってから汚れ拭き取って!」 ;SE ペダルまわしてチェーンに布で汚れ拭き取る 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――うわあ、結構よごれてるなぁ。 ちょうど整備の谷間のタイミングだったのかしら――(呼吸音)――っと」 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ん。こんなもんかなー。 そしたらいよいよチェーンオイルを――」 ;SE 缶振り→ペダル回してチェーン動かす→スプレーシュー ;$=SE ブレーキレバー握ってブレーキ 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ん、よし。いきわたったねー。 ブレーキも――$ ばっちり!!」 ;1/前 【かかあ】「旦那、おまたせ! いつでもいけるよ!! ――ん? なぁにこれ」 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――インカム。ああ、小型の無線機か! そか、これがあればサイクリングしながらでもおしゃべりできて、もっとサイクリング楽しくなるのね。 ふふっ、さすが旦那。準備がいいなぁ」 ;$=SE 右耳にインカムイヤホン 挿入 【かかあ】「じゃ、旦那につけたげるね――ん…… $ (呼吸音)(呼吸音)」 ;3/右 (インカム越し=接近。ささやかない) 【かかあ】「これであたしのマイクにしゃべると――あはは! 耳元で聞こえてる感じ? じゃ、あんまり大声出せないね〜」 【かかあ】「これで準備は全部オッケー? なら、移行! 赤城山へ向けて、しゅっぱーつ! しんこー!!!」 ;環境音 F.O. ;環境音 サイクリング中  F.I. ;*以降、シーン終わりまでのセリフサイクリング中っぽいニュアンスふくめてでお願いします。 ;3/右 (インカム越し=接近・ささやかない) 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――あははっ! 自転車楽し! ね、旦那? あたし、もう少しならペース早くても大丈夫かも」 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――え? 逆にペース落ちるって、なんで―― って、あれ?! 急にペダルが重く……って――これ、勾配! 上り坂に……っ」 ;環境音 勾配ペダル 【かかあ】「んっ! (上り坂で頑張ってペダル踏む呼吸音)*8 ぐぎぎ〜〜っ――――――ぶはあっ!!!」 【かかあ】「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ――うあー! 車……エアクラカーでくるときと全然違うね! こんな麓……千本桜より手前なのにもう傾斜きついとか――んっ」 【かかあ】「あー……あたしおばあちゃんだからしんどいかも――(呼吸音)――ん、くっ―― くあっ! ――(荒い呼吸)*3 ――あっ」 【かかあ】「ギア――ギア――あ、手元のこれか。んっ――」 ;SE ギアチェンジ 【かかあ】「あ……ペダル軽くなった。これならあたしでもなんとか―― んっ、くっ――(荒い呼吸)*4――――くはっ!!――(呼吸音)) っ!? 急に足元スカスカに、って、そか、ギア戻さないと――」 ;SE ギアチェンジ ;環境音 平地ペダル 【かかあ】「ん……平地ならこのくらい、かな―― (8呼吸でだんだん息を落ち着けていく)――ふぁ――あー、鉄道車両もレイルロオドも、勾配、ニガテに決まってるけど――ふぁ」 【かかあ】「それにしたって、いまのは結構キツかった―― ね、旦那。威勢のいいこといっちゃったばっかりでアレだけど――どっかよさそうなところがあったら、そこで少し休憩してこ」 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――えへへ。ありがと。そーいってもらえるともーちょっとなら頑張れそーって感じしてく――――あ! やったぁ! 下り坂!!」 ;環境音 ペダル踏まずしゃーーーー 【かかあ】「(うれしく快適な呼吸)*4 勝手に進む! 楽勝! しかも並木道! 気持ちいい! 天国!!」 【かかあ】「あ……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――うん。 下り坂では足を休める。確かに大事。この先、まだまだ結構あるんだもんね――っと」 ;環境音 平地ペダル 【かかあ】「平坦な道に戻っちゃった――けど――んっ――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)―― 上りとくらべたら全然ラク。っていうかむしろペダル踏み込むの気持ちいい!!」 【かかあ】「(心地よい運動時の弾む呼吸音)*16」 【かかあ】「こっちの方、地元すぎて逆にめったにこないけど――来るときも車でばっかりだったけど――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【かかあ】「あははっ! サイクリングでだと、こんなに気持ちいー道だったんだね〜! 知らなかった! 紹介記事のお話もってきてもらったの、ほんとよかった。大感謝だなぁ」 【かかあ】「とはいえ、ね。旦那は大丈夫? レイルロオドの――人工筋肉のあたしでキツさ感じるんだから…… (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――あー、そか。人間は自転車結構乗るんだもんね。その分慣れてるし、鍛えられてるんだ――あははっ、なんかいいね、そういうの。健康的ね、すごく!」 ;環境音 ペダル踏まずしゃー 【かかあ】「もっとも、肝心な音は――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――(苦笑) ペダル踏んでなくっても、風がごうごうする感じにしか聞こえないし――んっ!」 ;環境音 ペダル踏んで走行 【かかあ】「ペダル踏んだらペダル踏んだで、ペダルの音とチェーンの音がそこに混じってくるだけだよね。 音の方は、走りながらじゃなくて、どこかで止まって休憩しつつで探す感じにするしかないか。 ね、旦那は――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――あは! だよね、やっぱり。あたしもおんなじこと思ってた」 【かかあ】「千本桜、もう葉桜の季節だからこそ狙い目だよね! あと――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ん。15分くらいだったらがんばれそう、多分」 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ああ、だね。もしキツかったら、そこまでだって休み休みでいけばいいんだ。旦那とあたし、遠慮をするよな間柄じゃなし、先を急いでるわけでもないし」 【かかあ】「あはは! そう考えたらますます楽しくなってきた。 んっ!!! っと、よいしょっ!!!」 ;SE 自転車のベル、インカムごしではない右側でチリンチリン ;SE かかあの自転車走行音加速→前方に遠ざかっていく 【かかあ】「旦那ー! あたし、先にいくよーーーーっっ!!!」 ;//////// Track3 赤木南面千本桜 ;//////// ;3/右 (インカム越し) 【かかあ】「ついたっ! 赤木南面千本桜、駐輪場!!」 ;環境音 自転車走行音 stop ;$=SE = 右耳からインカムイヤホン外す ;$のあとから →;1/前 【かかあ】「って、今はインカム外していいのか―― $ えへへっ! なんだかちょっとスッキリするね」 ;環境音 赤城南面千本桜 F.I. ;1/前 【かかあ】「(大きく息を吸って)――ふわー! 空気美味しい!!! 大五の駅より、ちょっと涼しい感じするかも。標高かなぁ? っていうほど登ってきてないか」 【かかあ】「それでもさ、ここまででも結構疲れるねー。 あたしが自転車乗りなれてないってのもあるかもだけど……(呼吸音)(呼吸音)―― ふふっ、旦那、お水おいしそうだねぇ。汗、結構かいてるもんね」 【かかあ】「っていうか――(呼吸音)(呼吸音)――(ごくり)。 あたし、電車レイルロオドだからお水別に飲まなくっても平気なんだけど、その…… (呼吸音)(呼吸音)――あはは、ありがと。だよね、冷却水冷却水。冷却は大事」 【かかあ】「それじゃ、ありがたくいただきまーす! (んくっ、んくっ、んくっ――ごくんっ!)」 【かかあ】「あー……オーバーホール受けたみたいな気持ちがする。 旦那がときどきいってる、『生き返る〜』って、たぶんこの気持ちとおなじでしょ? 違うかな。へへっ」 【かかあ】「って、ゆーかさー」 ;環境音 Vol ↑ 【かかあ】「(30秒ほど、ゆったりと森林浴な呼吸音)」 ;環境音 Vol戻す 【かかあ】「…………いいよね、赤木南面千本桜。名前が名前だから、桜の季節には人間ぎゅうぎゅうでお散歩どころじゃない感じだけど……」 【かかあ】「今の季節――葉桜の季節も、梅雨の季節も、夏の盛りも、落ち葉の秋も、寂しい冬も。 桜の季節以外はどの季節だって、さいっこーの散歩道だよね。 ね? せっかくだし歩かない? ちょっといったところに四阿(あずまや)あるし、そこで座って、少し足をやすめようよ」 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)――うん、じゃ! 決まり!! 自転車は……ころがしていってもころがして戻ってくるようだし、ここに駐めてっちゃおう。 鍵って――(呼吸音)――ああ、このちっちゃいポーチにはいってるのか」 ;SE ポーチのジッパー開け 【かかあ】「わ! 長くて細い鍵! これって――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ああ、ワイヤーで荷物の方にもいっぺんに鍵できるようになってるのか。それじゃ、かけとけば安心だね……ん――(呼吸音)(呼吸音)」 ;SE ロック、ガチリ ;SE ロック部をガチガチやってチェック 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――うん! ばっちりがっちりかかってる! おまたせ、旦那! それじゃ、四阿までのんびりいこー! よ、っと!」 ;SE 土の上に乗っかる足音 【かかあ】「ふふっ、舗装路より土の道の方が足に負担こない気がしない? それに森に近くなるから、空気もちょこっとよくなりそうな感じだし」 ;SE 土の道をのんびり歩く(サイクリングシューズ/継続) ;7/左 (並んで歩いてるので、マイクと同じ視線だったり、マイクの方みたり適宜でお願いします) 【かかあ】「(森林浴を楽しみながら散歩する呼吸、60秒ほど)」 【かかあ】「……ふかふかしてる。すごくやわらかい。こんなクッションみたいな土って、なんか新鮮」 【かかあ】「だってさ、旦那とあたしが普段踏むような土って、バラスト敷いてあるか、しいて無くても搗(つ)き固めてあるとこばっかりじゃない。こんなにふかふかの土なんて……(呼吸音)――うん、あんまりふんだ記憶ってないような気がする」 【かかあ】「これって、なんでこんなにふかふか――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)―― あー、そっか! 森からの落ち葉とかかー」 【かかあ】「それが長年積み重なって、分解されて泥になってってくりかえしてるから、こんなクッションみたいな歩きごこちなんだ。 おもしろい。線路とまるで反対だねー」 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)――ふふっ、だって線路はさ、レールへの負担を少しでも減らすために、バラストを積み重ねて搗き固めてクッションにして。だけど列車が長年かけてそのバラストを分解しちゃって……。 砕かれちゃうから、またバラスト積んで搗き固めての繰り返しでしょ?」 【かかあ】「森の地面は、上に乗る木とかがきっと、もっと居心地よくなるためのクッションになってて。 レールの路盤は、上に乗る列車が――その中のお客さんや貨物を、もっと安定させて安全でいてもらえるように、はしっかり固めてるわけじゃない。 だから――ね? これってまるっきり反対だなぁって!」 ;$=SE=わざと森に踏み入って、落ち葉のとことか踏む ;;3/右 →‘$”以降 →;11/右遠 【かかあ】「そりぁあレイルロオドのあたしがふかふかの地面歩いた記憶なんてないの、当然だよね〜 $ ふふっ! 森の中はいっちゃうと、落ち葉とかも全然形のこってるんだね、もうゴールデンウィークもすぎちゃってるのに! あははっ! さくふか、おもしろい!!」 【かかあ】「(30秒ほど、落ちふみに軽くはしゃぎながら歩く呼吸音)」 ;11/右遠→;3/右 ;SE stop 【かかあ】「えへへ、ただいまー! あー楽しかった! ただの地面と、森の中の地面と、アスファルトと、ぜぇんぶふんでる感触が違って――あ」 ;SE しゃがみこむ ;3/右(しゃがみこみ) 【かかあ】「旦那。なんかこれ、赤いのある。木の実――草の実? いちごみたいな、でももっとちっちゃい……」 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――へびいちご! へびいちごっていう名前なんだ! あはは、おもしろい名前だねぇ。本当に蛇が食べるの? これ――ちょっとスマホで調べてみるね」 ;うつむいてスマホ操作 【かかあ】「んっ――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――へ、び、い、ち……ありゃ、とになっちゃった、失敗失敗。フリック入力っていうんだっけ? これ。いつまでたっても時々失敗しちゃう」 【かかあ】「一文字もどして――ち――こ、てんてん――へびいちご! で、検索!!」 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――へぇ――(呼吸音)――ふうん――」 ;SE 立ち上がる ;1/前 【かかあ】「『蛇は肉食だからヘビイチゴを食べません』って書いてある。いわれてみたらそりゃそうだよね―― あれ? けど、そしたらなんでヘビイチゴっていう名前なんだろ」 【かかあ】「ん〜(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――あ、あった――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)―― へぇええ! ね、旦那。これ、へびいちごって、蛇みたいに地面を張って増えていくからへびいちごって名前なんだって……他にもいろいろ説あるみたいだけど」 【かかあ】「でね? へびいちごは繁殖力がすごくて、グラウンドカバー、地面に他の雑草が増えないようにする効果も高いんだって! ね? これ、どうかな、うちのカイシャの路線の路盤のノリ面とかにさ、ばーって植えるの」 【かかあ】「うまく定着して他の雑草抑えてくれたら、保線部の除草費用抑えられるでしょ? それに、見た目もすごくかわいくなるし……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――あ、だね」 【かかあ】「公園に生えてるの勝手にもっていくわけにもいかないから――どっかから移植する許可なり、それがむりなら購入なりしなきゃになるか。ん――じゃあまずは試験的に少面積からだわね。次の月曜会議で提案してみるから、旦那も味方してね」 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)――うん、ありがと! そうこなくっちゃ!!! ってか、ごめん、足止めちゃって、立ちっぱなしにさせちゃって。四阿(あずまや)でしっかり足休めようね」 ;SE 草地をのんびり歩く ;3/右 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)……ふふっ、さっき落ち葉踏んで歩いたからかな。 草を踏んで歩くのも、全然別の感触で、音で――って、あ」 【かかあ】「ね? ここって紹介できるんじゃない? 新聞記事のさ‘蓄音レヱル”に」 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――うん、だよね! わざわざ落ち葉を踏みにいかなくっても、足音を気にしなくったって――」 ;足音stop ;環境音 Vol↑ 【かかあ】「(一分ほど、息をひそめて自分たちを包む音に耳を澄ませる)」 【かかあ】「…………5月の森の、赤木南面千本桜の音だけだって、しずかで綺麗。 聞こえてくるのはただ風と、森と、鳥と――(呼吸音)(呼吸音)――(身を寄せる短いニュアンス)」 ;3/右 (接近囁き) "あはは"→で;3/右 【かかあ】「あとね、旦那の息の音――あははっ!」 ;SE ゆっくり歩く足音再開 【かかあ】「あたし的には、旦那の音が一番いいね。安心する。すごく。 乗務中でのどんなときでも、ちょっと不安を感じたときにはいっつも、耳が勝手に探してる」 【かかあ】「でもまぁ、それは――ふふっ、新聞じゃ紹介できないね。 あたしが独占できなくなったら、困っちゃうもの。 っと――見えた、四阿」 【かかあ】「ふふっ! ――!!」 ;SE かかあ駆け出す ;3/右→;9/前遠 ;9/前遠 【かかあ】「旦那! ここここ!! 座ろう座ろう。座ったほうが足やすまるし!」 ;旦那が近づいて来て隣に座るのまってる ;9/前遠→;1/前→;7/左 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――うん! もちろん! どうぞどうぞ、座って座って?」 ;7/左 _(接近囁き) 【かかあ】「(嬉しい呼吸音)―あたしの隣はいつだって、旦那の指定席だから」 ;環境音 F.O. ;//////// Track4 延命御猿水 ;//////// ;環境音 サイクリング ;SE ゆっくりゆっくりペダル踏む音 ;3/右 (接近、インカムなので囁かない) 【かかあ】「(ぶはっ!)(ぐっ)――(めちゃくちゃしんどい呼吸)*8」 【かかあ】「んぐぐ〜――、ギ、ア――もっと、軽くっ――」 ;SE ギアがちっ 【かかあ】「んっ!!! (歯を食いしばってペダル踏み込む呼吸音)*6――かっ! くは〜〜〜っ!!!」 ;SE stop ;SE くだり坂しゃーっ 【かかあ】「はぁ、はぁ、はぁ――いまの登りはキツかった〜! ね、旦那。ちょっとそこで止めてもいいかな。 あたし、またお水飲みたくなっちゃって」 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――っ!? うわ、あたしがガブガブ飲む過ぎちゃったからかー。 あっちゃ、ごめんね。旦那の方が絶対にお水必要なのに」 【かかあ】「……っていうか、千本桜のとこでお水買えばよかったね。自販機あった気がするし。 この辺、コンビニもお店も見当たらないし、自販機もいざ探すとなると」 ;SE ペダル踏む(平地) 【かかあ】「(自販機探しながら自転車走らせる呼吸音。一分ほど)…… ない、よね。もうあたり完全に山で森だもんね……駅の近くとかなら流石にもっとあるんだけど――(呼吸音)(呼吸音)――あ!」 【かかあ】「ね、旦那、いま看板――(呼吸音)(呼吸音)――だよね、もう近くまで来てたんだ、『延命御猿水(えんめいおさるみず)』」 【かかあ】「観光客さんが時々話してるやつだよね、すごく美味しいって評判の湧き水。なら、飲めるし、ボトルにだって詰められるし――(呼吸音)(呼吸音)――あ、そうだね、湧き水なんて結構いい音もしそうだし、一石二鳥にも三鳥にもなりそうかも!」 【かかあ】「じゃ、決まりだね。さっきの看板の感じだと……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――だね、この道そのままいけば、また案内看板とかありそう」 【かかあ】「うふふっ! また元気でてきた。あたし、湧き水も飲むのはじめてだから、すっごく楽しみ! ――っ!!」 ;SE ペダルぐんぐん踏んで加速、走行音遠ざかってく 【かかあ】「旦那! あたし先行って様子みてるね!!!」 ;環境音&走行音 F.O. ;1/前 (インカムではなく、生声) 【かかあ】「っと」 ;SE 自転車ロック→ガチャガチャ ;環境音 延命猿水付近 F.I, 【かかあ】「鍵をしっかり――(呼吸音)――うん、よし! あとはこの先に歩いてけばいいんだよね、延命御猿水。結構山道になってるっぽいけど――(呼吸音)――あ! いいものみーっけ!」 ;SE 足音数歩 ;1/前→‘この地図”から;3/右(マイクと同じ視線方向) 【かかあ】「ね、旦那、これこれ。この看板に地図描いてある。『滝巡りマップ』だって。ええと……(呼吸音)(呼吸音)――あ、延命御猿水はわりとここから近くっぽいね。よかったー」 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)――他にも観光地まとまってるんだね、この辺。滝澤不動尊、お不動大滝――滝澤温泉に赤木温泉……地元過ぎて逆にいったことないけど、どこも観光客さんからの評判はいいとこだよね」 【かかあ】「……不動尊までは二十分。その道中に御猿水がある。で、不動尊からさらに二十分でお不動大滝って書いてある。単純計算で片道四十分。三箇所それぞれ観光してって考えると〜〜……(呼吸音)往復で二〜三時間はみとく感じになりそうかなぁ」 【かかあ】「そうなっちゃうと……そこからあんま遠出はできなくなるけど……どうしようね」 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――だよね。せっかくここまで来たんだし、お不動大滝は凄いって評判だから前からいってみたかったし! うん、全部ぐるっとめぐってみよー!」 【かかあ】「じゃ、まずは延命御猿水だね。地図で見る感じだと十分もかからなそうだし、いってみよー!  えへへっ! 湧き水、楽しみだなぁ!!」 ;SE 足音(山道・継続) ;5/後 【かかあ】「(山道で少しつらい呼吸音)*3――って――歩いて登る山道は――ん――自転車で登るのと、また別のとこ――別の人工筋肉に負荷かかってきて――んぁ! お尻、これ、なんか凝ってきてる感じする――(呼吸音)(呼吸音)――ああ」 ;SE=腰を叩く感じで自分のお尻をとんとん叩く(歩いたまま) 【かかあ】「……(呼吸音)(呼吸音)――あー、ほんとだ。軽く叩くとほぐれるみたいな感じする。ちょっと――結構ラクになるかも……ありがと、旦那。あ、そだ! ね? あたし旦那のお尻叩いてあげるね――ふふっ」 ;SE 歩くリズムにあわせ、両手でとんとんお尻叩いてあげる音 【かかあ】「いちにいとんとん、さんしいとんとん、ごおろくとんとん、しちはちとんとん」 ;SE stop 【かかあ】「うふふっ、どう、旦那、ほぐれてる? (呼吸音)――あはっ! ほぐれてるなら、もーちょっと続いて叩いてあげるね!」 ;SE リズム尻叩き(継続) 【かかあ】「いちにいとんとん、さんしいとんとん、ごおろくとんとん、しちはちとんとん。 おやまのおさるの、おみずをさがして、やまみちとことこ、おしりをとんとん――あはははっ」 【かかあ】「ってか、あたしの方も、なんだかほぐれてきたみたい。 動作がが最適化されはじめてきたのかな――(呼吸音)(呼吸音)――ああ、馴染む……。 体が馴染む。慣れ始める。ふふっ、そっちのいい方の方がずうっといいね。おんなじことを言うんでも」 ;SE stop 【かかあ】「人間のマネをしたいわけじゃ全然ないけど、もっと自然に人間と――旦那と寄り添えるようになるなら、そっちの方がずうっといい。あたしてきにはレイルロオドって……レイルロオドの理想形って、そういうとこだと思うから」 【かかあ】「鉄道車輌の運転制御をサポートする人形・人形形モジュール。それが作られた当初の目的だとしたってさ。レイルロオドも人間とともに、列車を走らせ、鉄道網を広げていって――それがもう、2世紀近くになるわけじゃない」 【かかあ】「大廃線で鉄道網がズタボロになって、鉄道が無用の長物とみなされかけて。それでも鉄道は、レイルロオドは、生き延びたんだし……山あり谷ありいろいろあって、その間には、人間とレイルロオドの関係だって、かわって当然だって、あたしは思うの」 【かかあ】「実際こうして――レイルロオドたちにだよ? 『沿線の、素敵な音を聞くことができる場所を紹介してほしい』なぁんて新聞記者さんからの依頼が来たりするくらいなんだから……『運転制御を補助するだけの人工知能』には、そんな依頼をしない……あ!? するかも!」 【かかあ】「だって、地図検索アプリ……ゴーグルマップとかでそういうの調べたりするもんね。『この近くの美味しいレストラン』とか。そのノリで、『常州電鉄の沿線で、いい音を聞くことができる場所』って、検索かけられてるだけなのかもね、あたしと旦那」 【かかあ】「けど、うん。そうだとしても! あははっ! 人工知能と人間が、それだけ近く寄り添えるようになってきてるってことは変わらないよね。あたしがロールアウトした100年前とかに、紙の地図とかレイルロオドにそんなこと聞くひと、世界中探したってだぁれもいなかったもん――あ!」 ;SE かかあ小走り→stop ;9/前遠 【かかあ】「旦那ー! あったー!! あはは! お猿すっごくちっちゃい! 水も、めーっっちゃちょぼちょぼしか湧いてない!!! ね、来て来て早く!」 ;環境音 猿水をプラス ;3/右 【かかあ】「ね? ぽたぽたぽたって……名所っていうには……なんていうか、貧弱だよね? これって――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――あー、そっか、最近ずーっと晴れが続いたせいとかもあるのかもね」 【かかあ】「コップもあるし、飲んで平気なんだよね? けど……(呼吸音)――んー、コップすっごく古くて使うの怖いね。(呼吸音)(呼吸音)――あ、そか、なるほど」 ;$=ポタポタ音ボリューム↑ (呼吸音が終わったら戻す) 【かかあ】「両手をあわせてコップ代わりにして――ん…… $ (呼吸音)*8 ……あ、ゆっくりだけどちゃんと溜まるね。あとね、お水かなり冷たい。美味しそう」 【かかあ】「これ、もう飲めるよね……(呼吸音)(呼吸音)――えへへ、それじゃあいただきまーす! (こくっ、こくっ、こくっ)――あ、美味しい。なんか――透きとおったっていうか、なーんの飾り気も無いお水、って感じする」 【かかあ】「電車レイルロオドのあたしでもそう感じるんだから、お水が絶対必要な蒸気機関車レイルロオドのこたちとか、めっちゃ喜ぶんじゃないかなぁ。とぶてつのりいこちゃん――そ、そ、あの昆虫大好きなレイルロオド――あのことか、大喜びしそうだよね。わりと近所だし、ここ、虫もたくさんいそうだし、今度さそってみてもいいかも」 ;$=ポタポタ音ボリューム↑ (呼吸音が終わったら戻す) 【かかあ】「って、無駄話してる場合じゃなかった。旦那も喉かわいてるよね。あたし、お水ためてあげるから、のんでのんで……$――(呼吸音)*8――っと」 【かかあ】「はぁい。あーんして? 『あーん』 (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ねーっ、おいしいよね、このお水。旦那の顔みたらわかる。うふふふふっ!」 【かかあ】「先に進む前に、このお水ボトルいっぱいにためていった方がいいよね。 旦那のボトルを――(呼吸音)(呼吸音)――ん……こんな感じかな? ぽたぽたのお水を受けるように、っと――」 ;SE ポタポタ音を+ボトルに 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ん。これでよし、っと! たまるまでの間、ちょっと休憩ってことになるねー」 【かかあ】「旦那、足平気? 足でもお尻でも他のとこでも、痛いとか凝ってるとかあったら、あたし叩きでももみでもするけど」 ;3/右 ”んしょ”――で、 →;1/前 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――オケオケ。それなら念の為、かるーくふくらはぎだけマッサージしとこうか。――んしょっ。オッケー、まずはマスター、右足だして。靴、そのままで平気だから。(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 ;SE 右ふくらはぎマッサージ(継続) ;2/右前 【かかあ】「じゃ、軽く叩いてもんでくね。とんとん、もみもみ。とんとん、もみもみ―― (呼吸音)(呼吸音)……(呼吸音)(呼吸音)―― あー、すごい、結構負荷かかってるんだね――(呼吸音)(呼吸音)―― この短時間で、かなりカチカチな感じになっってる」 【かかあ】「これ、こうやって――(呼吸音)(呼吸音) 親指つかってぐいぐいやって――(呼吸音)(呼吸音) 少し強めに――(呼吸音)(呼吸音) もんで――(呼吸音)――ほぐし、てっ――(呼吸音)」 【かかあ】「あとは足首も曲げ伸ばししといたほうがよさそう。 ひっぱるよ〜――はい、のばーーす――(呼吸音)(呼吸音) ちぢめる〜(呼吸音)(呼吸音) のばーす(呼吸音)(呼吸音) ちぢめる〜(呼吸音)(呼吸音)」 【かかあ】「足首ぐるぐる〜(呼吸音)(呼吸音) ぐるぐる〜ぐるぐる〜(呼吸音)(呼吸音)―― もっかいのばーして(呼吸音)(呼吸音) ちぢめて〜〜(呼吸音)(呼吸音)――で、はい、右足おしまい!」 ;SE stop ;1/前 【かかあ】「ふうっ。それじゃ今度は左足だね〜。力ぬいて〜あたしに任せて〜」 ;SE 左ふくらはぎマッサージ(継続) ;8/左前 【かかあ】「こっちもとんとん、もみもみも。とんとん、もみもみ。とんとん、もみもみ―― (呼吸音)(呼吸音)……(呼吸音)(呼吸音)―― 右左とも――(呼吸音)――結構おんなじ感じかも――(呼吸音)―― 多分これ――(呼吸音)――バランスよく――(呼吸音)――足使えてる証拠だよね」 【かかあ】「だからこっちも――(呼吸音)(呼吸音) 親指ぐいぐい(呼吸音)――押し込んで――(呼吸音) ほぐして、ほぐして――(呼吸音)(呼吸音) 血液――(呼吸音)――流して〜〜――(呼吸音)」 【かかあ】「足首も――ん。曲げて伸ばして、はい、いくよ〜。 のばーーす――(呼吸音)(呼吸音) ちぢめる〜(呼吸音)(呼吸音) のばして〜(呼吸音)(呼吸音) ちぢめて〜(呼吸音)(呼吸音)」 【かかあ】「今度はぐるぐる〜(呼吸音)(呼吸音) まわして〜まわして〜(呼吸音)(呼吸音)―― 最後にのばーして(呼吸音)(呼吸音) ラスト、ちぢめて〜〜(呼吸音)(呼吸音)――うん。できた」 ;SE stop 【かかあ】「多分、足少しは軽くなってると思うよ? 旦那の体のことだもん、少しさわればわかるしさ。ふふっ――っと、そうだった、ボトルボトル」 ;SE 足音数歩 ;ボトルポタポタvol ↑ ;3/右 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ん、もーちょっとでいっぱいになるね…… (呼吸音)*4――もう少し……ん―― (呼吸音)*4……っと――ん……(呼吸音)(呼吸音)――うん! こんなもんだね!!!」 ;SE ポタポタ音ボトルout ;SE ボトル蓋閉め 【かかあ】「あ、結構水滴がついてる。それだけ冷たい水なんだね〜って、拭かなきゃねえ。 タオルタオル」 ;SE ボトル、スポーツタオルで拭く 【かかあ】「(呼吸音)*4。はい。どーぞ旦那」 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)――ふふっ。お水の補給もしっかりできたし、足もばっちり休めたし! それじゃあ次の観光ポイント、『滝澤不動尊』いってみよー!!!」 ;SE 足音 →遠ざかってF.O ;環境音 F.O. ;//////// Track5 滝澤不動尊 ;//////// ;1/前 【かかあ】「へええええええええええ!!!」 ;環境音 滝澤不動尊 F.I. 【かかあ】「(上下を含めてあたりをぐるりと見回す呼吸音とニュアンス)――ふあ。 この案内板に書いてあるとおりだ。ここのお不動様――神社全体がおっきなおっきな岩をくりぬいたみたいな形になってるんだ」 ;$=SE サイクリングシューズでとんとん ;1/前 ‘とるねー”で;1/前→;7/左→;5/後 【かかあ】「足元全部が一枚岩とか…… $ んー、サイクリングシューズだとよくわかんないかも。 ね、旦那。あたしの着替えからブーツだけ出してもいーい? (呼吸音)(呼吸音)――へへ、ありがと。 じゃ、取るねー」 ;$=SE ジッパー下ろす ;%=SE ザックから靴を取り出して→ジッパー戻す ;5/後 【かかあ】「ちょっとだけ動かないでてね。ん…… $ ――っと。 % ありがと、いま履き替えちゃう」 ;SE サイクリングシューズ脱いで、ブーツはく 【かかあ】「(上記動作の呼吸&ニュアンス。右・左の順で)――っと」 :SE 足踏み とんとん 【かかあ】「あー、やっぱ履き慣れてるブーツの方が足に馴染むし歩きやすい! それに――」 ;SE 岩の上のいろんなところを歩き回る ;うろうろマイク前を、わくわく楽しげにあるきまわってください ‘えへへ”で→;1/前 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――えへへっ。 ブーツの方が、足音もいい感じに響くね。あんま他の地面とかわんないよーな気がしないこともないけど…… それでもあたし的には『うんうん。一枚岩の音』って感じうけるね――こう、感覚的には」 【かかあ】「あ! ていうか、せっかくお不動さん来てるんだし――ん?? お不動さんって、不動明王だから、仏様? 仏教?? ってことは、ここ神社じゃなくてお寺か!」 【かかあ】「あらやだ。入り口が鳥居くぐるみたいな感じしたから、あたしったらすっかり勘違いしちゃった。 お詫びも兼ねて、しっかりお参りしないとね! うん!」 ;SE 足音数歩 ;3/右 【かかあ】「あら、手水もあるじゃない。これ、確か……(呼吸音)(呼吸音)――あー、うん。 柄杓をとって右手洗って、左手あらって、右手を器に水を注いて口をすすいで、最後に柄杓を立てて柄を洗う。 その順番が、正規のマナーなのね」 ;SE 動作にあわせて手水一連 【かかあ】「じゃ、早速。ん…… まずは右手……(呼吸音)――で、左手――(呼吸音)――口をすすいで――ん……(呼吸音)(呼吸音)――ん。で、柄杓を立てて――で、お清めおしまい」 【かかあ】「ね? 旦那。お参り、並んでしよ? 一緒に」 ;SE 足音数歩 【かかあ】「鐘がある。これならして、お賽銭いれて――ん? お寺でも神社と同じに、二礼二拍手一拝でいいのかな……(呼吸音)(呼吸音)―― あー、まぁ、こころをこめればオッケーか。きっとそうよね、うん。 仏様のこころは、仏のように広いんだろうし」 【かかあ】「じゃ、お参りしよ。よ、っと――」 ;SE 鐘鳴らす、お賽銭いれる。 【かかあ】「で――」 ;SE ニ礼、二拍手 ;環境音Vol↑ 【かかあ】「(真剣に参拝している呼吸音。二分ほど)――(ほっ、と、気を抜いた一息)」 :SE 一礼 :環境音Vol戻す ;3/右 接近囁き → ”え”から →;3/右 【かかあ】「ね? 旦那はどんなことお参り――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――え? あたし?」 【かかあ】「あたしは別に、ふつーよふつー。あと何年でも元気で走れますようにと、そのためにもカイシャが存続してくれますようにと、運用停止のその日まで、旦那がずっと、あたしのマスターでいてくれるますように、と。運用停止になっちゃったとしても、そのあとも――っと」 ;3/右 接近囁き 【かかあ】「ごめん、旦那。ひとつだけは内緒にさせて? ちょっと、気恥ずかしい――図々しいようなお願いだから」 ;1/前 【かかあ】「ってかさ、ここ! そこらの神社より引き締まってるような気がするの。 だから、お願いしたことも叶いそうな気がして、ついつい真剣になっちゃった。 旦那は感じない? なんかさ、全体、空気がキリっとしてるっていうか……」 【かかあ】「(呼吸音)*4」 ;1/前 【かかあ】「ああ――もしかしたらお不動大滝の水しぶきみたいなのが、風にのってただよって、ここまで届いてるのかな。実際、音ははっきり聞こえてるんだし――」 ;環境音 Vol↑ 【かかあ】「(30秒ほど、耳をそばだてる呼吸音)」 【かかあ】「――そういうこともあるのかも。ってかさ、旦那。もしもだよ? 地図だとまだ20分もかかるのに、それでもここの空気をキリってさせちゃってるのがお不動大滝なんだとしたらさ」 【かかあ】「うふふっ、実物見るのが、もーっと楽しみになってくるよね! 評判も写真もすごくいいから、あんまハードルあげすぎちゃうと、逆にがっかりしそうで怖いけど――ふふふっ、さぁて、どうかしらね。期待以上でも期待以下でも、旦那と見るならどっちだって楽しそう!」 【かかあ】「っと、そろそろいこっか。(呼吸音)(呼吸音)――足元は、このままでいいかな。 また登ったり下ったりあるんでしょ? それなら、履き慣れたブーツの方があたし的には楽だしさ」 ;SE 足音 一歩 【かかあ】「また看板。『お不動大滝 20分』ね。(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)―― 行き先の方向くだけで、水の匂いも滝の音も、少し強く鳴った気がする。うふふっ、楽しみ」 【かかあ】「旦那はどう? 準備オッケー? (呼吸音)(呼吸音)――オッケ、なら行こ! 出発! 進行!!」 ;SE 足音遠ざかる→F.O ;SE 環境音→F.O ;//////// Track6 お不動大滝 ;//////// ;1/前(マイクに背中向き) 【かかあ】「ふわ……うわ――わああああああああああ!!!!!」 ;SE 環境音 不動大滝 ;1/前 【かかあ】「これ、滝!!! ね、絵に描いたみたいな滝!!! ってか滝壺のすぐ近くまでいけちゃうでしょ! この大岩さえ乗り越えちゃったら!」 【かかあ】「いや……けど……ふわ――(一分ほど、圧倒されて見惚れる呼吸)――ふああ〜〜〜」 【かかあ】「期待のハードル上げ過ぎたかって思ってたけど、余裕でその上飛び越えられちゃたわ、これ。 滝って――こんなに綺麗で、おっきくて……」 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――あたしが持ってるライブラリじゃ、言い表す言葉を生成できないわ。……来て、見て、それではじめて――きっと伝わるものよね、『コレ』」 【かかあ】「ああ、けど――ほんと、水しぶきだけでも想像以上ね。滝壺まで100メートル以上離れてるのにウエアがどんどんしっとりしてくの感じるんだもの。 これ、着替えたの足元だけでよかったわ。全部制服に着替えちゃってたら、完全にブラウス透けてるレベルよ」 【かかあ】「(呼吸音)*4――ああ、安らぐ。気持ちいい。落ち着く――(呼吸音)*8。ね、だんな。この岩ちょうどいい感じだし、座ろうよ、少しの間」 ;SE 岩に座る ;3/右 【かかあ】「ふうっ――(呼吸音)(呼吸音)――っていうか、座るとちょっと、疲れたなーって感じもしちゃう。 不動尊からここに来るまで、結構たいへんだったもんねー」 【かかあ】「普通に『川を渡れ』ってルート案内の目印出てるし、実際川を渡る他には道がなくなって行き止まりだし――あれ、普通の人間はみんな出来るの? あたしはもう、旦那に先に渡ってもらわなかったら……どの岩がグラグラしないか確かめてもらわなかったら、足滑らせて川に落ちちゃってた、確実に」 【かかあ】「この体――整備体のセンサ性能だと、流れる水の下の岩が、どんな状態になってるかまで確認するの無理だもん。(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――勘と経験。それがみんなに備わってるなら――やっぱり人間って優秀なのね。乗務以外のとこだとほんと、つくづく感じる」 【かかあ】「ああ! あと長いの! にょろにょろ! ヘではじまってビで終わる、二文字の名前の爬虫類! あれにニ回もでっくわしたし!! ワイドショーで遭難のニュースとかあると、『山の怖さ』とかいわれてるけど――あたし全然ピンと来てなかったんだけど、『ああこれかー!』って、はじめて実感しちゃったわよ」 【かかあ】「早いのね、あのにょろにょろ、足なんてないくせに、スルスルスルーって! 向こうから逃げてってくれたからよかったけどさ、向かってこられてたら、もうあたしブレーカー落としてやりすごすしかないなって、内心覚悟決めてたから」 【かかあ】「けど……えへへ〜。旦那落ち着いててかっこよかった。刺激しなければ平気って――旦那が教えてくれたから、あたし悲鳴あげて逃げ出さないですんだ」 【かかあ】「ああ、あと道間違えちゃったとき! あのときも凄く助かっちゃった! 矢印どおりにおっかけてたのに、『首定忠次の岩屋』に行き着いちゃったとき」 【かかあ】「まぁ首定忠次っていったら群真・赤木を語るには絶対外せない大立者だし。 その忠次が赤木を去る前に隠れていた洞窟がこんなところにあるんだ! っていうの実際見れたのは、超ラッキーで大興奮だったけど!」 【かかあ】「っていうかこないだ乗車してくださった観光客さん、逢阪から来て下さったって方。あたし、観光の見所のこと聞かれたから赤木南面千本桜の紹介したのよ。 『"赤木の山も今宵限りか”って首定忠次が見得を切ったことでも有名な赤木山の麓の〜みたいな感じに」 【かかあ】「そしたらね? 『首定忠次て誰?』って聞かれちゃって! 子供とかじゃないのよ? 旦那より年上の感じの人だったのに! あたしもうびっくりしちゃって、けど、その人全然非常識な感じとかじゃなかったのよ。 赤木観光のこともちゃんと下調べした上で、『地元ならではのおすすめは?』って感じだったし」 【かかあ】「だから一周まわって、自分の常識の方がおかしいの? みたいな感じになっちゃって。 そういえば、地元以外で首定忠次の名前聞くことほとんどないわよね、みたいに思っちゃって」 【かかあ】「でもさ、調べるのもそれはそれで怖いわけよ。赤木のスター、首定忠次が関東ローカル――どころか、最悪群真ローカルとかだったら……そんなの、あんまり寂しいじゃない」 【かかあ】「けどまぁ、一人で抱え込んでおくには大きすぎる問題だから。旦那にだけはどうしても話しておきたくて――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――あ、あ! そうよね! 『蓄音レヱル』、あれ、全国紙の新聞に掲載されるんだもんね」 【かかあ】「なら、逆転の発想よね。 『蓄音レヱル』で、“首定忠次の岩屋”を紹介してもらえたら、忠次を全国にあらためて紹介できちゃう。うん」 【かかあ】「そうなったら、常州電鉄の定期外客も増加して、一石二鳥すぎるわね。 いいね、旦那、その方向にもっていけるようがんばろう! 問題は、忠次の岩屋……あの石造りの洞窟の中でいい音が聞こえるかどうか――だけれど……」 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ああ、そうね。今日気にしてみてあたしはじめて知ったけど、どっちの方向を向いてるか、立っているか、しゃがんでいるのか――そんなことでも、音の聞こえ方ってものすごく大きくかわってくるものね」 【かかあ】「だからきっと頑張って音探ししたら、忠次の岩屋での素敵な音の楽しみ方、見つけられるし紹介できるわね。 うふふっ、楽しみ! もどり道で絶対、もう一回よっていきましょうね!」 【かかあ】「っと、その前に……」 ;SE 立ち上がり、岩の上の足音数歩 ;9/前遠(マイクに背中) 【かかあ】「あたしやっぱり、滝壺のすぐ近くまでいってみたい。 きっとものすごい大迫力で、絶対服とか、ビショビショに濡れちゃうと思うけど。 それでもやっぱり――ここまで来て、滝壺の音を確かめないで帰るんじゃ、ちゃんとした取材できてない、ってことになっちゃう気もするし――(呼吸音)(呼吸音)」 ;9/前遠 (マイクの方振り返り) 【かかあ】「あ! うふふっ! じゃ、旦那も一緒に行こう! もしもあんまりしぶきが酷いようだったら、あたしのこと、ね? 旦那の背中にかくれさせてね!」 【かかあ】「じゃ、行こ! 岩場、多分濡れててめちゃくちゃ滑りやすいだろうから、そこだけお互い、気をつけて!」 ;SE 岩場、足音一歩 ;環境音 Vol UP→環境音、滝壺直下にクロスフェード ;環境音のボリュームに負けて聞き取れない感じに編集いただけましたら ;3/右 ;(わぁすごい、あたしこんなのはじめて) 【かかあ】「――ぁ――ごいっ! れ――たし――なの――めて!!」 【かかあ】「(ずぶ濡れになるのも気にせず、滝からの飛沫を全身で浴び、楽しみつつも少し息しづらい呼吸音、一分ほど)――ぷあっ!」 【かかあ】「! んぁ! 〜〜〜〜って、けい――る? ――し――ぁ、――えてな――か」 ;3/右 (耳元接近、囁きではない) 【かかあ】「ここじゃ会話もできないから、少し、滝壺から離れましょ」 ;環境音 滝壺 Vol↓ →クロスフェード 不動大滝 ;足音 F.I 数歩でストップ ;1/前 【かかあ】「あはは! 冷たかったしうるさかったけど楽しかったー! 手を思い切り伸ばしたら触れそうくらい近くまで寄れたわね。 あたし、こんなの始めてすぎて感動しちゃった!!!」 【かかあ】「(うっとりしたため息)すごいのね、滝って。 水が落ちてくるんじゃなくってこれ、川がまるごと落ちてくるのね。 切り立った岩のてっぺんから、ドドドドド――って。 写真や動画でみるのと実際近くまでいくのだと大違いだわ。すごい、ここも絶体来てほしい!!!」 【かかあ】「けど、滝壺近くはほんと、音を紹介どころの話じゃなくなっちゃっうわね。 滝が降ってるのは正面だけの筈なのに、まわりの岩壁のせいかしら。 360度全部が轟音につつまれてるみたいな感じで。すぐとなりにいる旦那の声さえ聞こえなくって――て――ぁ――(くしゃみ!)」 【かかあ】「あらやだ、自覚よりも体ひえちゃってるのね。体温調整アラート……くしゃみでちゃった。 ってか――ウウッ――そう思ったら急に寒くなってきちゃった。濡れっちゃったのもあるけれど、気温もこれ、下がってきてるわよね」 【かかあ】「(考え込む呼吸音)*3――うん、あたしともかく、旦那が風邪ひいちゃったら困るし。赤木山、これ以上登ってくのは中止にしましょう。お不動大滝までの道中だけで、蓄音レヱルで紹介するには十分なだけ、いい音するとこ集められたかなーって思うし」 【かかあ】「それにあとニ箇所は、いい音するとこ、帰りの道中にも訪ねられるんだし。 (呼吸音)(呼吸音)――ふふっ、一箇所はもちろん、首定忠次の岩屋。で」 ;3/右→;3/右(接近囁き) 【かかあ】「もう一箇所はぁ――お、ん、せ、ん」 ;3/右 【かかあ】「滝澤温泉、赤木温泉。どっちにしても名所だし、帰り道にすぐよれるし、冷えた体もあっためられるし。 そりゃあもちろん、よっていくしかないわよね!」 ;環境音 F.O ;//////// Track7 滝澤温泉 ;//////// ;SE 湯おけカポン ;11/右遠 (壁越し) 【かかあ】「ふあーーーーーーー、いいお湯〜〜〜」 ;環境音 露天風呂 F.I. 【かかあ】「ねー、旦那ー、そっちもいいお湯? って、お湯はおんなじに決まってるか。 同じ源泉から引いて、男風呂女風呂にふりわけてるだけだもんね、きっと」 【かかあ】「露天でにごり湯、さいっこーねー。 川がすぐそば流れてて、目隠しの木々の緑も鮮やかで……(ほーっと伸びをしながらの息)―― あったまるだけじゃなく、くつろぐわー」 【かかあ】「こういうの、岩風呂っていうのでいいのかな? 天然石でごつごつごつって囲まれてるのも風情よね〜。 ……(ゆったりとした呼吸*8)。おひさまもまだ残ってるし、全身ほんとにぽかぽかする〜……これはやすらぐわね〜 しあわせだわね〜〜……(安堵の吐息)」 【かかあ】「それに……音も。 (一分ほど、リラックスして湯につかりながら周囲の音に耳を澄ませる)――綺麗で静かで、ほんっと、落ち着く。鉄道の歴史に感謝だわ。(呼吸音)(呼吸音)」 【かかあ】「ああ、だって。もしも一番最初から、鉄道が電車ではじまってたなら、乗務のとき、あたしたちレイルロオドって、ほとんど汚れないでしょう?」 【かかあ】「そしたら、車体とかと同じで。自動洗車機とかデッキブラシとかでお湯と洗剤ざぶざぶかけられて洗われてた――そんな可能性だってあったわけじゃない。多分、かなりの高確率で」 【かかあ】「だけど、鉄道――少なくとも近代産業としての鉄道の歴史は、蒸気機関、蒸気機関車とともにはじまったから。ごく初期のレイルロオドは防汚(ぼうお)――すす汚れを付着させない表面加工技術も未成熟で、乗務のたびに、真っ黒に汚れちゃってたって話だから」 【かかあ】「そのおかげで、詠国とかのレイルロオドは乗務の後のシャワーが。日ノ本のレイルロオドでは、乗務のあとの入浴がごくあたりまえのことになって、防水処理も完璧なレベルでほどこされるようになった」 ;SE 手で体に水をかける(ちゃぷ) 【かかあ】「(ほっとした吐息)――そんな歴史がなかったら、あたしみたいな電車レイルロオドがこうして温泉につかるだなんて……絶対にありえなかっただろうって思うのよ、あたしは。 『漏電の危険が〜』とかきっと言われてさ、湯船ののーんびりつかるだなんて、できなかっただろうなぁ、って」 【かかあ】「女湯いま貸切状態だから、ほーんとのびのび。 知らない誰かとお話するのも楽しいけどさ、貸し切りも貸し切りでいいものね。 ふふっ、こうして旦那と敷居越しにお話できるし……あ。」 【かかあ】「(少しはにかむような呼吸音*6)……ね、旦那。そっちって、男風呂って、誰かいる?」 ;やや声をひそめて 【かかあ】「もしも誰もいないならさ。あたし旦那の背中流しにいってあげてもいいかなぁ、とか…… (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――あはは、冗談冗談!」 【かかあ】「背中は流してあげられないけど、そのかわり。お風呂上がったら、休憩室で耳かきしてあげるから、期待しててね。あ、もちろん足が疲れてるなら、マッサージも……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――」 【かかあ】「マッサージ機。足の裏のマッサージ機? やだ、そんな面白そうなのが、休憩室に置いてあったの? あらまぁあたし、完全に見逃しちゃってたみたい」 【かかあ】「(マッサージ機なんておばさんくさいと思いうので平静を装う呼吸から、足が疲れてるし新しい機械に興味あるし、やっぱり試したくて仕方なくて我慢できなくなるまでを、16呼吸程度でお願いします)――っ!!!」 ;SE 女湯:湯からあがる ざばぁ 【かかあ】「旦那! えと、あたし――ちょっと湯あたりしちゃいそうな感じしてきたから、先にあがって休憩室で待ってるわね、うん。旦那はゆっくりあったまってからあがって? あたし、そしたら耳かきするから」 ;SE 女湯:濡れた足音遠ざかる→ガラリ戸開く、閉まる (衣擦れ?) ;SE 湯おけ、カポーン!!! ;F.O. 環境音 露天風呂 ;F.I. 環境音 足裏マッサージ機 ;9/前遠→;1/前→;7/左 【かかあ】「(マッサージ機に陶然としているうめき声。”あああああああ”とか。30秒ほど)――ふえっ!?」 ;7/左 【かかあ】「あ、ああ。旦那もあがったのね。いいお湯だった――んひっ――あっ――くううううううっ」 【かかあ】「あ、ごめん、へんな声でて――くっっ――こ、これ――ん〜〜っ――あ、足裏、マッサージ、機っ――」 【かかあ】「これ……あたしのツボに刺さりまくって――くふっ! なんだか、めちゃくちゃ――効いてる、のっ―― んっ――足の裏から――ネジ、を、ゆるゆる――一本、一本――ゆるめ、られてる、みたいな、感じで――はふっ!」 【かかあ】「ん……。だ、旦那も――ためし――ためし、て――みて――……(荒い呼吸音)――で……はうっ。 1セット――終わって――それ、から――耳、かきっ――〜〜〜〜っ!!」 【かかあ】「(足マッサージ機にもみほぐされまくるニュアンスと呼吸音。たっぷり2分ほど)」 ;環境音 足マッサージ機、F.O ;環境音 室内空調(休憩室)F.I 【かかあ】「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ――あうっ――お水、お水――お水っ」 ;SE ペットボトルあけ 【かかあ】「(んくっ! ごくっ! ごくっ! ぷあっ!!!)」 ;脱力モード 【かかあ】「あー、ヤバかった――(長い吐息)。 いや、足裏ってすごいのね。今度あたし覚えて旦那にもしてあげる。 めちゃくちゃ癒やされるしほぐされるもの」 【かかあ】「ま、まだやり方とかツボとか全然わかんないから? いまのあたしにできること」 ;7/左 (接近囁き) 【かかあ】「(ふーーーーーーーーーっ) んふふっ。 ゆっくりたっぷり丁寧に、お耳の掃除してあげるから――癒やされて、ほぐされてくれたらうれしいな」 ;環境音 F.O. ;//////// Track8 かかあの綿棒+オイル耳かき(右耳) ;//////// ;環境音 静かな空調 ;***このパート以降安眠導入意識で、笑い声とかも抑えめに。メリハリも声の強さ以外でつけるよういただけますと幸いです。 ;1/前 呼吸音で ;1/前→;3/右 【かかあ】「じゃ、旦那。ひざまくら。右のお耳が天井の方向くように、リラックスしてごろーんて横になって、ね? (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 ;3/右 【かかあ】「いらっしゃい。あ……(呼吸音)――ふふっ、旦那、いっつもよりもあったかい。 お風呂上がりの……ああ、それだけじゃなく、足裏マッサージ機にもかかったおかげかなぁ。 やばいもんね、あれ。オイルの循環り――人間だったら血行、ぜったいスムーズになってるし。 ちょっとほっぺ、指で撫でるね」 ;たっぷり十秒ほど肌を指で撫でまくる 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ん」 【かかあ】「なるほどね。だったら、お耳も――」 ;同じく耳を撫でまくる 【かかあ】「(楽しげな呼吸音*8)」 【かかあ】「あー、うん。いっつもよりもしっとりしてる。 だったら、じゃじゃん。これ、綿棒」 ;SE 綿棒で耳を軽くこしゅこしゅつんつん 【かかあ】「(ふざけてる呼吸音+ニュアンス)――ね? 柔らかでいい綿棒でしょ? 『ふわふわ度が30%もアップ』って書いてあるのにワゴンセールになってたから、こないだ買ったの。 これをつかって〜〜〜。んふふっ」 ;3/右 接近囁き 【かかあ】「いっつもよりも30%アップのとろとろに、旦那のお耳を溶かしてあげちゃうからね。期待してて。 (ふーーーーーーーーーーーーーーーっっっ)」 ;SE 綿棒耳かき(浅い・継続) 【かかあ】「じゃ、浅いところから行くわね。 ん、とっ……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【かかあ】「あー、結構……(呼吸音)(呼吸音)―― こまっかいのが……(呼吸音)(呼吸音)―― って、こないだ……(呼吸音)(呼吸音)―― 耳掃除(呼吸音)――したのって――(呼吸音)」 【かかあ】「いつ、だったっけ……(呼吸音)(呼吸音)―― んっと……(呼吸音)(呼吸音)―― ああ、そうか――(呼吸音)(呼吸音)―― そうだったわね――(呼吸音)(呼吸音)」 【かかあ】「あのトラブルの……(呼吸音)(呼吸音)―― ばたばた、で……(呼吸音)(呼吸音)―― あたしも――(呼吸音)――旦那も(呼吸音)―― 忙しくっ、て――(呼吸音)(呼吸音)」 :SE stop 【かかあ】「(ふーーーーーーーーーーーーっ)(ふっ)」 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――それにしたって、旦那のお耳ほっときすぎちゃったわね。 ごめんね? いまからその分も、大事に大事に綺麗にするから」 【かかあ】「浅いとこ掃除してた感じたんだけど……奥の方まではそんなにしっとりしてないみたいだから。 これ、使っちゃうね? 無添加の、ホホバオイルとココナツオイルミックスしてある、ベビーオイル」 ;SE 耳元でたっぷりと振って聞かせる 【かかあ】「(息を潜めた呼吸音。20秒ほど)」 【かかあ】「音でわかるでしょ? 粘土が高めで、ぬったりしっとりしているの。 これを綿棒に含ませて――」 ;SE 瓶の蓋開け→綿棒でオイルちゃぷちゃぷ 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ん。こんなもんかな」 【かかあ】「そしたらティッシュに余分なオイルを染み込ませて――」 ;SE ティッシュ引き抜く→ティッシュに綿棒あててオイル染み込ませる 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――っと」 ;3/右 接近囁き 【かかあ】「それじゃさっきの約束通り。旦那のお耳の一番深く、とろっとろにほぐしてあげるから」 ;SE 綿棒耳かき(深・継) 【かかあ】「もぐらせてくね……(呼吸音)(呼吸音)―― ん……(呼吸音)(呼吸音)―― そろそろ――ゆるゆる――(呼吸音)(呼吸音)―― 深く、深くに――(呼吸音)(呼吸音)――っと」 【かかあ】「そしたら――こうして――(呼吸音)(呼吸音) 一番、奥の――(呼吸音)(呼吸音) せまい、ところを――(呼吸音)(呼吸音) くるくる、まわし、て――(呼吸音)(呼吸音)」 【かかあ】「くるくる、とんとん――(呼吸音)(呼吸音) とんとん、こしゅこしゅ――(呼吸音)(呼吸音) オイルをたっぷり――(呼吸音)(呼吸音) お耳の肌に――(呼吸音)――なじませ、ながら――(呼吸音)」 【かかあ】「おっきい、ヤツは――(呼吸音)(呼吸音) あせらず、ゆっくり――(呼吸音)(呼吸音) ベタつき、つかって――(呼吸音)(呼吸音) からませ、て――(呼吸音)(呼吸音)」 【かかあ】「ん……(呼吸音)――っ――(呼吸音)―― と――(呼吸音)(呼吸音)―― うん、よし――(呼吸音)(呼吸音) このまま――(呼吸音)――このまま――(呼吸音) ………………っ!」 :SE stop 【かかあ】「よーし、とれたぁ。って……あ。 この綿棒、ふわふわでくしゅくしゅでオイルもたっぷり吸い込む分、 何回も使える感じじゃないんだけ。ふふっ、高級品って感じする。 有能で、だけど繊細で――」 ;3/右 (接近囁き) 【かかあ】「旦那のお耳をほぐすのにぴったりかも」 ;3/右 【かかあ】「じゃ、新しいのでもっかい深いところいこう。 ん、と――」 ;SE 綿棒抜く→オイル浸す→ティッシュ抜く→ティッシュにオイル染み込ます 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)……よし」 ;SE 綿棒耳かき(深) 継続 【かかあ】「さっき、ね。さっき――(呼吸音)(呼吸音) いっこだけ……(呼吸音)(呼吸音)―― おっきいの……(呼吸音)――あたし――(呼吸音)―― 拾いきれなく、て……(呼吸音)(呼吸音)」 【かかあ】「だから、これだけ……(呼吸音)(呼吸音) こいつ、とたら――(呼吸音)(呼吸音) 旦那の、右耳――(呼吸音)(呼吸音) ちりひとつ、なく――(呼吸音)(呼吸音)」 【かかあ】「ん……――(呼吸音)っと――(呼吸音) これが、なか、なか――(呼吸音)(呼吸音) 絡んで、くれない――(呼吸音)(呼吸音) んっ――くっ――(呼吸音)――ふっ――(呼吸音)」 【かかあ】「あ……これ――(呼吸音)(呼吸音) いけ……るっ――(呼吸音)(呼吸音) この、まま――(呼吸音)――あせ、らず――(呼吸音) ゆっくり、ゆっくり――(呼吸音)――丁寧、に(呼吸音)」 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)――ぁ―― (呼吸音)(呼吸音)――んん……―― (呼吸音)(呼吸音)――っ―― (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――!」 ;SE stop 【かかあ】「(安堵の長い息)……よかった、旦那。ね、これ、取れた。あははっ」 ;3/右(接近囁き) 【かかあ】「これで多分、ね」 【かかあ】「(ふーーーーーーーーーーーーっ)」 ;3/右 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)―― (呼吸音)(呼吸音)―― うん、よし! 旦那の右耳、ぴかぴかつるつる、生まれたての赤ちゃんのお耳みたいになった」 【かかあ】「そしたら今度は左耳も、いっつもよりも30%アップの、ふわっふわのとろっとろにほぐしてあげなきゃだ。 ふふっ。 そうするためにも、ね、旦那。 あたしがごろーんっていう声に合わせて、体の向き、左耳を上にするようにいれかえてね」 【かかあ】「オッケー? なら、いくね。せーので」 ;3/右→;1/前→;7/左 【かかあ】「ごろーーーーーーーーーーーーーーーーん」 ;環境音 F.O ;//////// ;Track9 かかあの綿棒+オイル耳かき(左耳) ;//////// ;環境音 静かな空調 ;ひざまくら継続 ;7/左 【かかあ】「はぁい、上手。 ってことで早速だけど、左の耳の中身も見せてね」 【かかあ】「(ふーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ)(ふっ!)(ふっ!)」 【かかあ】「(慎重に観察する呼吸*8)」 【かかあ】「あー……右耳やってる間に少し乾いちゃったかな。 じゃあ……うん。こっちは浅いとこから、オイル綿棒でいっちゃいますか」 ;SE 耳元でオイルびん振る 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ふふっ。 そうしたら、綿棒ひたしてティッシュに余分なオイル吸わせて……」 ;SE 瓶あける→綿棒ひたす→ティッシュ抜く→ティッシュに余分なオイル吸わせる 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――これ、香りもとってもいいでしょう? 無加工のホホバオイルとココナツオイルがまじりあった、ほんのり甘いナッツの香り」 【かかあ】「(すんすん)こんないい匂い漂わせてたら、旦那、モテモテになっちゃうかもね。 そうなっちゃったらあたしヤだから、今日は離れないようにしちゃおうっと」 【かかあ】「うふふっ、冗談はこのくらいにして、耳かき、いくね。 まずはゆったり、あさーーいところを」 ;SE オイル綿棒耳かき(浅・継続) 【かかあ】「ふちからじんわり……(呼吸音)(呼吸音)―― オイルを刷り込むイメージで――(呼吸音)(呼吸音)―― 下へ、内へと……(呼吸音)(呼吸音)―― ぬるぬる、てらてら――(呼吸音)(呼吸音)――」 【かかあ】「こするんじゃなく、すべらせて……(呼吸音)(呼吸音)―― オイルと綿棒、からませて(呼吸音)(呼吸音)―― 小さなカスを、くっつけながら――(呼吸音)(呼吸音)―― じわじわ……(呼吸音)――ゆるゆる――(呼吸音)――」 【かかあ】「綺麗、綺麗に――(呼吸音)(呼吸音) つやつや、に――(呼吸音)(呼吸音) 時間を、かけて――(呼吸音)(呼吸音) ゆっくり――(呼吸音)――ゆっくり――(呼吸音)」 【かかあ】「(丁寧に耳かきする呼吸音+ニュアンス。16呼吸)――っと」 ;SE stop 【かかあ】「(ふーーーーーーーーーーーーっ)」 【かかあ】「ん……っと、オイル少しテラテラしすぎて見づらいかも。 ティッシュでかるうく、浅いとこふくわね」 ;SE テッシュ抜き→指にからめる 【かかあ】「いくよ。旦那。動かないでね」 ;SE ティッシュで耳ふき(継続) 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ん…… っと――(呼吸音)(呼吸音)―― ああ、これ、逆の方がいいわね―― 穴の近くから――(呼吸音)――外側に――(呼吸音)」 【かかあ】「うん、やっぱり――(呼吸音)――この方、が――(呼吸音)―― 奥に、オイル――(呼吸音)――垂らさ、ないで――(呼吸音)―― (集中して耳をふく呼吸音)*8――よし、っと。 こーれーでー」 【かかあ】「(ふーーーーーーーーっ)(ふっ!)(ふうっ!)」 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――うん、綺麗。 浅いところ、こっちのお耳も、赤ちゃんのお耳みたいに、つやつやぴかぴか」 【かかあ】「そしたら綿棒新しいのにして――」 ;SE 綿棒抜く→オイル浸す→ティッシュ抜く→ティッシュにオイル染み込ます 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)……っと、今度は――うん。つけすぎてない。いい感じ。 そしたら旦那、深いとこいくね。よいしょ――」 ;SE 綿棒耳かき(深) 継続 【かかあ】「(集中して耳掃除する呼吸とニュアンス)*16呼吸」 【かかあ】「あー……ん……(呼吸音)(呼吸音) だんな、ふふっ――(呼吸音)(呼吸音) ねむたく、なって――(呼吸音)(呼吸音)―― きちゃってる――(呼吸音)――でしょ――(呼吸音)」 【かかあ】「わかるわかる――(呼吸音)――だって、旦那――(呼吸音) ねむたい、ときには――(呼吸音)(呼吸音) 手の先っぽとか――(呼吸音)――つまさきだとか――(呼吸音) 体の、はしっこの――(呼吸音)――ところ、から――(呼吸音)」 【かかあ】「ぽかぽか――(呼吸音)――あったかに――(呼吸音) なってく――(呼吸音)――から、さ――(呼吸音) いまも、お耳、が――(呼吸音)(呼吸音)」 ;SE stop ;SE 指先で耳のふちゆーーーーっくり撫ぜる 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)―― ね? こんなにぽかぽかになってるんだもの。 っと。綿棒も換えたほうがよさそうか」 ;SE 綿棒抜く→オイル浸す→ティッシュ抜く→ティッシュにオイル染み込ます 【かかあ】「だから、さ。旦那……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 ;SE 綿棒耳かき(深) 継続 【かかあ】「眠たいようなら――(呼吸音)(呼吸音) このまま、気にせず……(呼吸音)(呼吸音) 眠っちゃっても……(呼吸音)(呼吸音) かまわない、から……(呼吸音)(呼吸音)」 【かかあ】「そしたら、あたしも……(呼吸音)(呼吸音) 耳かき、おえて――(呼吸音)(呼吸音) お風呂の、人に――(呼吸音)(呼吸音) 起こされる、まで――(呼吸音)(呼吸音)」 【かかあ】「旦那の――(呼吸音)となりで――(呼吸音) ねむって、やすんで――(呼吸音)(呼吸音) それから、一緒に――(呼吸音)(呼吸音) 帰れば、いいかって――(呼吸音)――思うから――(呼吸音)」 ;SE stop ;静かに優しく 【かかあ】「(ふーーーーーーーーーーーーっ)」 【かかあ】「ん……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)―― ああ、ごめんね。だんな。あとひとつだけ、取らせてね」 ;SE 綿棒抜く→綿棒の先を爪先で毛羽立てる 【かかあ】「ん、と――」 ;SE 綿棒耳かき(深) 継続 【かかあ】「これ、少し、だけ――(呼吸音)(呼吸音) 綿棒の先――(呼吸音)――毛羽立てて――(呼吸音) 多分、この方が――(呼吸音)――うまく、絡ん、で――(呼吸音) あ、そう――(呼吸音)――いい感じ――(呼吸音)」 【かかあ】「くっつい、て――(呼吸音)(呼吸音) あう……くっ――(呼吸音)(呼吸音) 角度、もちょっと(呼吸音)(呼吸音) あ――(呼吸音)――今度、こそ(呼吸音)」 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)――そう、うん―― (呼吸音)(呼吸音)――この、まま……―― (呼吸音)(呼吸音)――静かに、静かに――(呼吸音) 引き上げ、て――(呼吸音)(呼吸音)」 【かかあ】「(集中して抑えた呼吸音*8)――うん」 ;SE stop 【かかあ】「(安堵の長い、長い息)……」 ;3/右(接近囁き) 【かかあ】「旦那、おつかれさま。これでぜぇんぶ」 【かかあ】「(ふーーーーーーーーーーーーっ)」 ;3/右 【かかあ】「ん……(呼吸音)(呼吸音) っと――(呼吸音)(呼吸音) めくった――(呼吸音)――とこも――(呼吸音) ――――(呼吸音)(呼吸音)――オッケー、綺麗」 【かかあ】「これで耳かきぜぇんぶおしま――ぁ――ふぁ――あ――(大あくび)」 【かかあ】「ああ……ははっ。あたしもやっぱりねむたいや。 体、ふだんは使わないつかいかたしちゃったもんね……ん――(呼吸音)(呼吸音)」 【かかあ】「ごめんね、旦那。腕かりちゃうね――(呼吸音)(呼吸音)―― んしょ……ん――」 ;;3/右(密着) 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ああ、これ。 これがやっぱり、一番おちつく……安心できる」 【かかあ】「それじゃあ、旦那。このまますこぉし――寝ちゃおうね」 ;環境音 F.O. ;//////// ;Track10 かかあとうたた寝 ;//////// ;環境音 室内空調+遠くに少し、露天風呂の音 ;以降完全ウィスパー(安眠導入) ;3/右(密着) 【かかあ】「(寝ようとしている&旦那を邪魔しないようにする静かな呼吸音 *16)」 【かかあ】「……旦那、もう寝ちゃった? (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ふふっ。 寝付きがいいのは、むかしっからずうっとかわらないねぇ」 【かかあ】「一番最初、旦那がカイシャに見習いではいってきたころはさ。 ほーんと、坊やって感じで、たよりなくって……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――かわいくて」 【かかあ】「かわいい分、未熟だったけど。 見習いのころは――ほんとにねぇ、今振り返れば信じられないくらいに、失敗もミスも多くて、さ」 【かかあ】「注意されて、叱られて、凹んで。……このこ、カイシャやめちゃうんじゃないの? って、あたしどうしても心配で――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【かかあ】「社長とかにはさ、『甘やかしすぎ』なぁんて言われたんだよ? あのころ。 だけどあたし、ほっといたら旦那が――ううん、坊やがいなくなっちゃいそうで、怖くて……さ」 【かかあ】「なにからなにまで面倒みたよね。応援をして、励まして。サポートをして、手を引いて―― あたしさ、『かああ』って名前、本当はあんまり好きじゃなかったの。坊やと出会うそれまでは」 【かかあ】「だけど――うん。だけど、なんかね。坊やの面倒みているうちに、坊やのことを支えられる、面倒を見られるだけの経験が、あたしの中にあるってことが嬉しくて…………」 【かかあ】「そうしたら、ね。思い出したの、忘れてたこと。 大旦那――常州電鉄の創業社長が、ロールアウトしたばっかりのあたしに、創業メンバーの列にくわわって、いっぱいいっぱいだったあたしに、静かに聞かせてくれたこと」 【かかあ】「『デハ101専用レイルロオド。君は今日、ここの集った創業メンバーの中では、一番年下の、生まれたてのレイルロオドだ』」 【かかあ】「『けれど、わたしを含めた人間たちは、いずれ必ずこのレールの上から退場していく。 そうしていつか、君が、常州電鉄の最年長になる』」 【かかあ】「『そのときには後進たちを。レールを引き継ぐ者たちを、君が導け。 かくあれかしと願いをこめて、わたしは君に命名しよう』――(静かに大きく息を吸う)」 【かかあ】「『‘かかあ”それが君の名だ。君は、この常州電鉄の母たるレイルロオドになるんだ』――って」 【かかあ】「(静かな呼吸音*12)」 【かかあ】「忘れてたけど、覚えてたのね。回路の一番奥底で。 プレッシャー過ぎて表層に浮かべないようにして、だけれど一番、根本部分で。 だからあたしはあたしになって……坊やのことも、ちゃあんと導いてあげられて―― 『あたしはかかあになったんだなぁ』って、すっごくね? 誇らしくって、うれしくて」 【かかあ】「だけれど……だけど――(静かにはにかむ呼吸)*8」 【かかあ】「いつの間にか、ね? 一緒に歩けるようになったね。坊やが旦那に育ってくれて。 どっちが導く、導かれるとか、そういうのじゃなく。 あたしと旦那。同じ視線で、同じ歩幅で――一緒に歩いて……走れてる」 【かかあ】「あたしね? それが、すごくうれしくて、楽しくて。ほんのちょこっと悔しいと気恥ずかしいがまじったみたいな気持ちもあって。トータル、ものすごーーーーーーくしあわせで……(小あくび)」 ;どんどん眠くなる 【かかあ】「だからね、ずっと――こんな日が…… ずっと、ずーーっと、続いてほしいと……毎日、毎晩……ん……願っちゃうんだ……」 【かかあ】「時間の流れは……とめられないって……あたし、知っちゃってるけどさ…… だから、こそ……(小あくび)――ふぁ――願わ……ない、では――ん……いられ、なくって――」 【かかあ】「(眠気にそのまま飲まれたい、けどもうちょっと起きてたい呼吸とニュアンス)*16」 【かかあ】「……おやすみ、旦那。ありがとね。 今日一日を、あたしと一緒に過ごしてくれて―― 旦那の時間とあたしの時間を、こんなに素敵に、こんなにたのしく――重ねあわせて……くれて――さぁ――」 【かかあ】「ん……ぁ――ふ、あ――(おおあくび)―― ありがと……だんな……ほんとに……だい……すき……ん……(静かな呼吸)*8」 【かかあ】「おやすみ、なさい…… そうして……あし……たも…………(もう寝落ちそうな呼吸 *8)」 【かかあ】「(寝入りばなの浅い呼吸 *8)」 【かかあ】「ん……(ニュアンス多めの入眠呼吸 *8)」 【かかあ】「(普通の寝息*4) 明日も……一緒、に――(普通の寝息 *4)」 【かかあ】「(長くゆっくりした安眠の寝息)*8」 【かかあ】「(安眠寝息)*8」 【かかあ】「(安眠寝息)*8」 【かかあ】「(熟睡寝息)*8」 【かかあ】「(熟睡寝息)*8」 ;//////// ;Track11 おまけコーナー かかあ役永井真衣さんのQ&A+フリートーク ;//////// ;■以下のセリフは”演者様のもの”でお願いいたします。 アドリブ大歓迎――というか、質問と回答いただけたら、どう構成していただくのも大歓迎です! 【永井】「蓄音レヱル 常州電鉄デハ101専用レイルロオド かかあ〜 Q&Aコーナー」 【永井】「こんばんわ――こんにちわかな? おはよう? ですかね。 常州電鉄デハ101専用レイルロオド かかあ役の声優、永井真衣です! はじめましての方も、いつもお世話になっておりますの方も、どうぞよろしくお願いいたします!」 【永井】「かかあちゃんとの群真の音探しの旅、いかがでしたか? ちょっとでもいいな、って思ってくれたなら、ぜひぜひ落ち着いたタイミングで、旅してみてもらえたらうれしいです」 【永井】「で、ですね。このQ&Aコーナーは、わたし、永井真衣が、みなさんからいただいたご質問にお答えさせていただくことになってます。 回答できるご質問は全部で三問。どんなご質問なのか、わたしもすっごく楽しみです。じゃ読みますね〜」 【永井】「最初のご質問は〜――これ!」 【永井】「Q:永井さん、こんにちわ。 永井さんのレイルロオドデビュー、とっても楽しみにしてました! レイルロオドを演じるときと、人間のヒロインを演じるとき。 永井さんの中で意識がかわってくる、みたいなところってありますか? もしもあったら教えてください!」 【永井】「(自由に回答をお願いします)」 【永井】「っていう感じです! ご質問ありがとうございました! 次のご質問は〜 ――こちらです!!」 【永井】「Q:永井さんとかかあちゃん。共通してるところと、違うなぁってとこ。それぞれあったら教えてください!」 【永井】「(自由に回答をお願いします)」 【永井】「――です! ご質問ありがとうございます! そらじゃあ最後のご質問は〜――っと」 【永井】「こちらにします。おたよりをくださったのは、『てすく』さん。 てすくさん、ありがとうございます」 【永井】「Q:『とっても母性を感じるレイルロオドなかかあちゃん。もし、かかあちゃんが永井さんのお母さんだったら、一緒の時間をどんなふうに過ごしそうですか?? また、その時にかかあちゃんが、愛娘である永井さんになんて声をかけてくれると思いますか? できれば演じて見て欲しいです!よろしくお願いします!』」 【永井】「(ご自由にご回答ください)」 【永井】「です。ご質問、本当にありがとうございました! というところで、Q&Aコーナーもおしまいです」 【永井】「わたし永井真衣がかかあちゃんとして、旦那なあなたと一緒にたくさんの素敵な音を探した、 『蓄音レヱル 〜常州電鉄デハ101専用レイルロオド かかあ〜』。 どうかこれからも、貴方の癒やしの、眠りのお供にしてもらえたらうれしいです」 【永井】「それじゃあ、また―― 次の駅でも、次の夜にも。そうしていつかは、きっと群真で、大五の駅でお会いしましょう」 【永井】「レイルロオド・かああ役、永井真衣でした! 明日の朝へ――『出発! 進行!!』」 ;おしまい