(言葉を選びながら、沈黙に耐え切れず喋り始める) …な、なんかさ… ちょっと、やっぱり… 気まずいよね あ、いや、違うの… 一緒に作業するの、嫌ってことじゃないの… ごめんなさい… 同じ係だもんね… 先生に頼まれて、プリント仕分けるのなんて… 一緒にやるの、当然だよね… ごめん… 本当に、その、この前はごめんね… あのね… やっぱり黙ってるのはアレかな、って思って… りーくんにだけは、言っちゃったの… その…  告白… してくれたこと… ぁ、違うの…っ! ごめん、なんか勝手に… 他の人には誰も… 誰にも言ってないから… でも、りーくんには、隠し事とか… したくなくて… 変に… その… か… 勘違い? とか、されたりとかして… 心配… かけたくないし…… えっと… (思い出して嬉しそうに) …りーくんね、正直に言ってくれて、ありがとう、って… 私の手を… ぎゅって握りながら、目を見て、言ってくれて… (我に返ったように) あ、ごめん… こんなこと言わない方がいいよね… ごめんなさい… 私なんか、テンパっちゃってるかな… ははっ…… …ん? あ、そのプリント、こっち余ってるよ はい、これ… (しばし、無言の作業が続く) …んっ? 放課後? 私? えっと… 週に3回ね、ピアノを習いに行ってて… うん… 2ヶ月くらい前から… それで、りーくんとも時間が合わないことが多いんだけど… ぁ… 私ね、歳の離れた弟がいて… 放課後とかに、勉強を見てあげてたんだけど… ピアノ始めてからは、なんだか… 忙しくなっちゃって… 最近は特に… 結構遅くまで…かかることがあって… まあ、大変だけど、でも…  やりがいはある、かな… (お腹を押さえるような声を漏らす) んっ… あ、いや、ごめん… ちょっとね… 昨日から少し、お腹が痛くて… なんか変なものでも飲んじゃったかな… なんて… (赤面するように) 恥ずかしいな… (無理に話題を変えようと) …ほら、もう少しで終わるから、急ごっか… 先生も、待ってるかも… ん? うん、そう… 今日もこのあと、ピアノだから… 頑張って、くるね…