「あー、ここが今回の宿舎…二人部屋なんだ…。ボロいけど、まあ悪いところじゃないかな…」 「ベッドは、まあ2つあるよね…。ん、1つのが良かった?ふふ、冗談」 「お、枕の上のここ開くんだ。護身用に1丁入れとこ。キミも危なくなった時使っていいからねー。使った弾分は実費でもらうけど」 「んー、なんかあと確認しときたいことあった気すんだよね、なんか、なんか…ああ。」 「そうだ、そうそう。食料だ。このへんにはお店も無いし、なんか配られるって言ってた気がする」 「あれ、キミがまとめて受け取ってくれてたんだ。中身は…と…」 「ん…?この茶色いパッケージは…。ああ、MREかぁ。なるほどね。」 「あれ、見たことない?米軍で配給されるレーション。この袋にパンやらクラッカーやらいろいろ入ってるんだよ」 「メニューは…両方とも1かぁ。チリビーンズは好きだけど…コーンブレッドが甘すぎてそこまで好きじゃないんだよね…そだ」 「ねぇ、せっかくだしこれの中身賭けてポーカーでもやらない?今日は宿舎待機でやることないしさ。どう?」 「よし、決まり。テーブルと机は…あった。じゃあ、座って。」 「んじゃあ、何賭ける?あたしはこのコーンブレッドを。キミは…おっ。チーズスナックかぁ。なかなか攻めるねぇ」 「さて…ルールはテキサスでいいかな?前の部署でやってた変則的なやつだけどね。ルール説明しようか」 「使うのはこのトランプ52枚。5枚ずつプレーヤーにカードを配り、コミュニティカードを3枚中央に置く」 「コミュニティカードはあたしたち2人共通の持ち札みたいなもんかな。手札の5枚と好きに組み合わせて役を作れるというわけだね」 「手札のチェンジは1回まで、役は普通のポーカーと同じ、5枚で。あとは…おっとそうだ。」 「あんまり長々やるのもあれだし、3回勝負にしよう。降りるのは1回まで、どちらか降りたら賭けの移動はナシ。あと、レイズもナシ。オーケー?」 「よしよし、オーケーだね。んじゃ、始めようか」 「1,2,3,4,5…。これでお互い手札は5枚。コミュニティカードは、ハートの5,スペードの7,ダイヤの7」 「あたしの手札は…と。お、ふふ。幸先良いな。あたしは2枚チェンジ。キミは?」 「え?チェンジなし?ずいぶん強気だねぇ。ま、いいか」 「あっ、えっ、いや、よしよしよし…。こりゃ決まったね。コールだ。どうする、勝負する?それとも、降りる?」 「えっ?コール?やめといたほうがいい…んじゃないかなぁ。…降りない?」 「…分かった。勝負だね。オープン」 「そっちは…7(セブン)のスリーカードかぁ…。幸先良いねぇ…。あ、あたし?コミュニティからセブンのワンペア…。手札はカラ…。」 「うう…1負けかぁ…。まあいいや、次は勝たせてもらうからさ…!そだ、次は何賭ける?あたしはこのベジタブルクラッカーを。キミは…引き続きチーズスナックだね」 「じゃあ、次だね。もっかい配るから…。1,2,3,4,5,と…。コミュニティカードは…クラブのエース、クラブの3、クラブの4」 「おっ!…いやいや、うーん…。これは、辛いなぁ…。あたしは1枚チェンジで。」 「キミは…3枚チェンジか…手が入ってそうで怖いなぁ…ふふ」 「さて、どうするかな…。すこし怖いけど、あたしはコールしようかな…。キミは…」 「えっ?ドロップ?降りるの…?うう、分かったよ…。」 「せっかくクラブのストレートフラッシュだったのに…。ま、いいかぁ…。」 「それじゃ、3回勝負だしラストだね。…そうだ。ラストらしく大一番の賭けにするのはどう?」 「私はこの好物のチリビーンズを賭ける。キミもチリビーンズを賭ける。どうだい?」 「…ノリがいいねえ。じゃあ、やろっか。」 「1,2,3,4,5…と。2人とも手札はこれで。コミュニティカードは…ハートの2,ダイヤの6,スペードのジャック。あちゃあ、こりゃ手札勝負だね…。」 「あたしは…。んー、2枚チェンジしようかな。ん…キミも2枚チェンジかあ」 「さて、コールだ。キミもさっき一度降りたから強制コールだね。よっし、オープン…!」 「あたしの手はフルハウス。よほどの手が出ない限りこちらの勝ち…。どう?」 「…うぇ!?6のフォーカード…?うわ…あたしの負けかぁ…。自信あったのに…」 「はい…。あたしのチリビーンズ…。キミの勝ちだ…」 「ん…?賭けはナシ…でいいのかい?そりゃ、あたしは嬉しいけど…なんか悪いね。」 「…そうだ!じゃあ今回の分は貸しにしておくよ。ただチャラにしてもらうだけっていうのも悪いし。」 「おっ。今から会議室でブリーフィングだってさ。行こ行こ。」