「…ああ、つながった。もしもし、まだ生きてます?」 「それはなにより。ああ、私?どうもはじめまして、イアです。そうそう、今日から同じ部署に配属する。連絡、行ってますよね」 「なんかそっち大変そうっすね。今接敵中ですよね?合流して手伝うんで集合地点決めますか」 「んー、なんかいい感じに目立つとこ…。あー、あのフルーツの店なんかいいかも。ま、煙出てますけど。座標、送っときますね」 「うーわ、やばそう。んじゃ、合流するまで生きといてくださいね。合流したら死体になってて運ぶ羽目になった~、とか最悪っすからね。ほいじゃ」 「おーい、おーい。生きてますー?その辺に転がってるオレンジみたいにつぶれて中身出てたりしないですー?」 「ああ、いたいた。お疲れ様っす。イア・ファーガソンです。今日から同じ部署所属になるんで、おねしゃす」 「ん、というかおにーさん若いね。あたしと同い年くらいじゃない?知らないけど」 「ありゃ、のんびり世間話してる場合じゃなさそう。そろそろ行きますか。ちょっと走るよ」 「ふーん、やるじゃん。このまま大使館まで突っ切るからね。そこで本隊と合流してB地点まで。OK?」 「んじゃあ行くよ。遅れたら置いてくからそんつもりでね。骨も拾ってあげられないから、五体満足で付いてきて」 「ふー、着いた着いた。あいつらしつっこいんだからまったく…。あ、大丈夫?怪我とかしてない?」 「…キミは大丈夫そうだね。そりゃなにより。とりあえずこのへんまで来たら安心だからさ。本隊のワゴン来るの待ちましょ」 「いっつ…。あ、ごめんごめん。肘のとこ一発もらっちゃって。タマがはすっただけだし、動脈も外れたみたいだから、へーきへーき。」 「よっ…と。はー疲れた。あ、キミも座って座って。立たれてちゃこっちも落ち着かないからさ」 「よしよし。それじゃあ、改めて。私はイア。イア・ファーガソン。こっちでキャスパー装甲車1台分ほどごっそり欠員が出たってことで、アフリカ支社から回されてきたよ。」 「…んまぁ、偽名だけどね。イアは作戦中に死んだことになってるからK・I・Aでイア。前の部署のおっさんに付けられたあだ名で、気に入ったからそのまま使ってる。」 「キミは…いや、いいや。あんまり話したくないって顔してるし。悪いけどこっち来る途中で資料は読ませてもらったから、だいたい知ってるよー」 「んじゃー、とりあえずどっちか死ぬか配置換えになるまで仲良くやりましょ。ほら、握手」 「いてっ!あっ、ごめん…。手じゃなくて、肘がね。ツバつけときゃ治るーって、こんなん。」 「…ん?手当てしてくれんの?たしかに自分でやるの微妙にめんどいとこだけどさ…悪いね。」 「お、うまいじゃん。ふふ、ありがと。ひとつ借り、てことでよろしく」 「お、ちょうど本隊来たみたいだね。んじゃま、行こうか」 ---------------------------------------------------------------------------------------------