◆ご挨拶◆ 癒し庵もち猫のクアトロです。 この度は「10 Days of Memories.」をご購入下さり誠にありがとうございます。 お陰様でサークル発足から3周年、作品数としては19作品目のリリースとなりました。 このあとがきは、がっつりネタバレも含むので、まだ聴き終わってない方は閉じた方がいいかもしれません。 ◆この企画について◆ 本企画は当初、単に人間の事務的なメイドキャラ設定でお話を作り始めました。 しかし台本を書いていく内に、事務的な(感情の起伏が少ない)キャラが延々と会話するのって面白いのか? という疑問にぶち当たりました。 成人向けの作品で事務的なキャラものはいくつもあり、好評を得ていますね。 しかし全年齢で、一定の感情で、耳かきしたり、ほかASMR要素をしたりって全然面白くないな、となりまして。 少なくとも私の技量では面白く出来る自信がなかったので、大幅に設定から見直す事にしました。 ◆キャラ設定について◆ 本作品のヒロイン名「ララ」はトルコ語でチューリップを意味するLale(ララ、ラーレ)が由来です。 どうしても事務的、感情表現の薄いヒロインで作品を作りたかった私は、じゃあ人間じゃなくてもいいやん? と開き直りまして。 で、そう思った瞬間に凝り固まっていたアイディアがブワっと広がりまして、 キャラはアンドロイドのメイド(通称メイドロイド)としました。 ここで何故メイドに拘ったかと思われる方も居るかもしれないので付言しておきますと、 この作品の1つ前にボツになった企画がメイドものだったからであり、 どうしてもメイドものが頭から離れなかったという経緯があります。 そもそもメイドにした理由は、メイドさんが好きだからです。 皆さんも好きですよね?ね? はい、素直でよろしい。 そんな訳でヒロイン設定が少しずつ固まっていきました。 ◆今作のテーマ◆ 「10 Days of Memories.」のテーマは、「死と再生」です。 何故こんな暗いテーマにしたかと言いますと、 ワンコイン企画の「オタクな彼女の玲子さん」が私の想定以上に好評だった事があります。 てっきり皆さん癒しやASMRによる刺激を求めているとばかり思っていたので、これは気付きでした。 そこで、長編でも暗めのお話を作ってみたいという意欲が起きまして、今回のテーマに至りました。 ◆ストーリーについて◆ 暗めの物語りにするため、心を鬼にしてヒロインを余命僅かとしました。 機械、アンドロイドとて命。そう思っているので、最期まで使命を果たし、そして気付きを与えてあげたい。 そう思いながら台本を書き進めました。 死とは何か。愛とは何か。 設定上、そういった感情や思考を持ち合わせていないとしましたが、実際こういったテクノロジーが将来実装された時、 果たして本当にそうなんだろうか?とか色々と考えましたね。 言い換えれば可能性があるんです。 今作では最初期のメイドロイドなのでバッテリーが交換できない(技術的な問題で不可能)としました。 技術が進んだ将来なので、こんな致命的な問題は回避できると思いますが、私の考えた世界はそういう事なんです💦 終わりがあるからこそ儚く美しいと思えるものもある、そう思っています。 テーマにあります、「死と再生」。 死とはララの最期と聴き手が奥さんを失った事を指しています。 聴き手は奥さんを失ってから、ララと巡り会いました。 これは死=終わりではないという事を表現したく、そうしました。 再生は文字通り、ララが聴き手に拾われ再起動された事です。 が、物語りでも少し触れていますが、また巡り会えたら...。 そう思える、思う人がいたら素敵だと思うんです。 置き換えると輪廻転生ですね。 ララがまた使命を得たという事。 ララ自身がまた巡り会いたいという想い。 聴き手が奥さんとまた巡り会いたかったという想い。 3つの想い(再生)を描いています。 「10 Days of Memories.」という事で、10日間を綴った物語りとなっています。 11トラック目はララが機能停止する前に録音しておいた音声データを再生しているシーンです。 10日間の聴き手の問い、好意、愛、想い...。 それらに対する「答え」が11トラック目にあたります。 台本を書き終えた当初、11トラック目はありませんでした。 ですが、再起動されたララの僅かな期間の記憶、記録、変化、成長を表したくて追加しました。 ◆本作の聴き所◆ はやり初めての試みとなったトラック8の海中ASMRです。 これはいくつかの効果音に手を加え、合成したものであり、実際に水中で録った音ではありません。 が、結構上手く表現できているんじゃないかと、自画自賛しております。 また当サークルでは心音を使った作品は確かなかったはずなので、本作での心音はかなりレアだと思います。 ◆クレジット◆ ララ役:御子柴泉 様 イラスト:NR 様 制作:癒し庵もち猫