…お、来ましたねー。 どうぞどうぞ、入ってください。 えっと…。 こんにちは、先輩。 はじめまして、ですよね? ごめんなさい、急に呼び出しちゃって。 とりあえず、そこのソファに座ってもらってー…。 …あれ。 先輩、なんだか緊張してます? …まぁ、それもそうか。 びっくりしちゃいますよねぇ。 転校初日に、知らない後輩から呼び出されてー…。 行ってみたら、こんな変わった所ですもんね。 …先輩。 ここ、なにをするために作られた部屋だと思います? 学校らしくはー…ないですよね。 ソファとかテーブルはともかく、ベッドまであるし。 ちなみに、奥にはシャワールームも付いてるんですよ? ふふふー。 なんででしょうねー、気になりますねー。 まぁ、安心してください。 そのあたりも含めて、ここに来てもらった理由を説明しますから。 …でも、その前に。 ちょっと確認させてもらいたいことがあるんですよ。 当然なんですけど、先輩? 先輩は私のこと、どう思いますか? …ああ、変に気を使わなくても大丈夫ですよ。 かわいいと思うのか、そうじゃないのか。 タイプなのか、タイプじゃないのか。 大切なことなので、正直に教えてください。 …「かわいい」? うーーーん…。 なんだか言わされた感がにじみ出てますねぇ…。 悪い気はしないです、けどー…。 …よし。 じゃあ、もうひとつ質問をしますね。 先輩は、そんな"かわいい"私に欲情できますか?(「かわいい」を少し強調して) …もっとわかりやすく言うなら、こうですね。 先輩は、「私とえっちなことしたいなー」って思いますか? …ふふ。 そんなにわかりやすくうろたえなくても。 からかってるわけじゃないですよ? さっきも言いましたけど、大切なことなんです。 先輩の返事次第では、別の子が担当になるかもしれないですし…。 …まぁ、いっか。 えーっと、ですね? まず、私は"委員会"の一員でして…。 …そうです、”委員会”。 正式名称は「射精管理委員会」って言うんですけど…。 …わかります、そのリアクション。 ちょっとあんまりな名前ですよねぇ…。 でも、決めたのは私じゃないですから。 もちろん私もどうかとは思ってるんですよ? もっと、こう、オブラートに包んだほうがいいんじゃないかなーって。 こうやって口に出さないといけない私の気持ちも考えてほし…。 …っと。 話が脱線しちゃいました。 説明、ですよね。 えっと、結論から言うとですね? 私は委員会のお仕事で、先輩の性欲を解消させてもらうことになってるんです。 つまりー…えっちなことをさせてもらうことに。 こんなかわいい女の子が担当なんて、先輩は運がいいですねー。 おめでとうございます、ぱちぱちー。 あーあーあー。 待って待って、逃げないでください。 もうちょっとだけ我慢して聞いてくださいってば。 …こほん。 ちゃんと1から説明しますね。 …先輩もご存知のとおり、この学校ってもともと女子校だったじゃないですか。 それが今年から共学になった…は、いいんですけど。 実は男子生徒がまったく入学してこなくて…ですね? 今この学校にいる男子は、転校してきた先輩ただ1人なんです。 いやー、びっくりですよねぇ。 私も話を聞いたときは、「そんなことあるの?」って思っちゃいました。 ハーレムもいいところだなーって。 それで、ですね。 なんだか学校の偉い人が、この事態を重く見たらしく。 その結果、めでたく委員会が誕生することになったわけです。 えー?話が飛びすぎですか? 間の経緯を説明してもいいですけど、聞いてもあんまり変わらないと思いますよ? えー…と。 この学校の男子は、先輩1人じゃないですか。 女の子たちに囲まれて、発情しちゃうかもしれないじゃないですか。 先輩がたくさんの女の子とトラブルを起こしたら、風紀が乱れるじゃないですか。 …だから、先輩の性欲を管理する女の子が必要じゃないですか。 …ほら、よくわからないでしょう? 大丈夫です。 私もよくわからないですから。 いやー、余計な心配しすぎですよねー。 なんなら、ちょっとくらい問題が起きたほうが楽しいと思うんですけどねぇ。 何人もの女の子が先輩を取り合っている様子とか、見ていて面白そうじゃないですか。 まぁ、とにかく…。 ここまでの話をまとめると、「私に先輩のお世話をさせてください」ってことです。 …もちろん強制はしませんよ? 先輩が嫌だって言うなら、断ってもらっても構いません。 学校側のお節介で作られた制度ですし、当然と言えば当然なんですけどね。 さっきちょっと話しましたけど、私以外の子に担当してほしい……っていうのもアリですよ。 他にもね、候補がいるんですよ。 だから私があんまりタイプじゃない場合はー…。 …まぁ、いいや。 しばらく考えてみて、どうするか決まったら教えてください。 急にこんな話をされて、先輩も戸惑っちゃってるでしょうしね。 とりあえず今日は、連絡先だけ交換させてもらってもいいですか? …うん、ありがとうございます。 …あ。 私はいつでも準備おーけーなので、急に我慢できなくなったら連絡してくださいね。 先輩が女の子に襲いかかるようなことがあったら、私も怒られちゃいますから。 …くすくす。 嘘です。 そんなはずないってちゃんとわかってますよ。 さて。 お話は一通り終わったので、今日はここまでってことで。 そろそろ休み時間も終わっちゃいますしね。 ばいばい先輩。 もしよかったら、これからも仲良くしてくださいねー。 …ちなみに。 「我慢できなくなったら連絡してほしい」っていうのは嘘じゃないですから。 ふふ、楽しみに待ってますねー。