どうしたの?最近疲れてるね。 今のキミの顔、元気じゃないなあ。 キミってよく、無理をするよね。 うん、やっぱりね。 いつもいろんなことを頑張ってるもんね。 キミを見てると、そんな気がするんだ。 すごいなー。お疲れ様。 それでね、私が何でキミのそばいるかわかる? 突然入ってきて、びっくりしたでしょ。 えっとね、キミのことが心配で来たんだ。 えっ、別にキミのことが好きだからって訳じゃないけど。 ただ、キミが無理をしすぎて体を壊さないか、心配してたんだよ。 親友として見過ごせないし。 それから、今、眠いかな? うーん、そうだね。 ベッドにいると、ツラいことや嫌なこと、考えちゃうもんね。 それじゃ、私がキミのこと、寝かしつけてあげる。 その前に、目は閉じたかな? 目を閉じないと、寝れないもんね。 目、閉じた? うん、いいね。 次、どうしようかな えーと、深呼吸。 深呼吸したら、気持ちも落ち着くんじゃない? 私が合図するから、ついてきて。 じゃあ、いくよ。 息を吸って、息を吐いて。 息を吸って、息を吐いて。 息を吸うときは、鼻からおおきく吸って。 息を吸って、息を吐いて。 息を吸って、息を吐いて。 息を吐くときは、口からゆっくり吐いて。 息を吸って、息を吐いて。 息を吸って、息を吐いて。 吐く息とともに、疲れとか緊張を抜くイメージをしてみて。 息を吸って、息を吐いて。 息を吸って、息を吐いて。 リラックス、リラックス。 息を吸って、息を吐いて。 息を吸って、息を吐いて。 どう?落ち着いてきた? こうやって深呼吸すると、リラックスしたり、興奮を抑えたりできるんだよ。 ねぇ、知ってる? 深呼吸の息を吐く動作って、血流の流れを良くして筋肉を弛緩(しかん)、 ダラーンとする効果があるの。 例えたら、お風呂に入って疲れが飛んで、「ふぅー」ってなるとき。 それと、キミがとても疲れてベッドに横たわって、だらーんとする気持ちよさ。 それらは言葉にならないくらい気持ちいい。 ただ気持ちいい。 幸せ。ただ幸せ。 リラックス、できた? 呼吸、いつものペースに戻していいよ。 今度はもっと眠くなるように、体の力を抜いてみよっ。 体の力が抜けるとね、頭もぼーっとするの。 それはまるで、体から意識が離れていく感覚。 意識から体が切り離される感覚。 そうしたら、もっと眠くなるんじゃない? 私が誘導するから、ついてきてね。 まず、右腕に意識を向けてみて。 ここから、5から0までカウントするから、力が抜けるのを感じてみて。 それじゃあ、行くよ。 5。右肩から指先まで、力が抜けていく。 4。肩の力がストン、と抜けてお布団に落ちていく。 3。今度は肘の力が抜けて、だらーんとなっていく。 2。手のひら、指先の力も抜けていく。 まるで、何かに力を吸われていくかのように。 1。右腕全体が重く感じる。 キミの右腕はまるでおもりのようにほとんど動かない。 0。もう右腕に力は入らない。 キミの頭から、右腕の意識は切り離されてるようなもの。 だからキミは、もっとぼーっとなる。 頭の方に意識を向けてごらん。 頭が軽くなっているね。 何も考えられないから、そうなってる。 だからぼーっとしているね。 気持ちいいね。 今度は左腕の力を抜いてみよう。 5。左肩から指先まで、力が抜けていく。 4。肩の力が抜けて、お布団に落ちていく。 3。今度は肘の力が抜けて、だらーんとなっていく 2。手のひら、指先の力が抜けていく。 どんどん力が吸われていくように。 1。左腕全体が重くなる。 まるで鉛のように重く、ほとんど動かない。 0。もう左腕に力は入らない。 力を失った左腕の意識はもうない。 切り離されてるから、とても気持ちいい。 どう? 右腕に力が入らない感覚って? 頭も軽くなって、ぼーっとしてるでしょ? 頭が軽いとね、何も考えたくなくなるの。 そうすると、もっとぼーっとしたくなる。 キミはまた、さらに眠くなる じゃあ、次は右足に意識を向けてごらん。 片足ずつ、力を抜いていこうね。 いくよ。 5。太ももからつま先にかけて、力が抜けていく。 4。太もも、膝の力が抜けていく。 3。今度はふくらはぎの力が抜けていく。 だらーんとするように。 2。右足と指先の力も抜けていく。 まるで、何かに吸われているようで、心地いい。 1。右足全体が重く感じる。 まるで鉛のように重く、キミの意識では動くことすらできない 0。もう右足に力が入らない。 すっと、右足の意識がどこかへ遠ざかっていく。 キミの意識が、頭からどんどん離れていく。 今度は左足に意識を向けてごらん。 5。太ももからつま先にかけて、力が抜けていく。 4。太もも、膝の力が抜けていく。 3。今後はふくらはぎの力が抜けていく。 だらーんとなるように。 2。左足と指先の力が抜けていく。 どんどん力が流れていくように。 1。左足全体が重く感じる。 鉛のように重く、キミの意識では動かせない。 0。もう左足に力は入らない。 右足のように、頭からの意識はどこか遠くにいっちゃったね。 どう?両腕と両足の力が抜けきった感覚って。 なんだか、力が抜けきると、ふわふわするね。 頭が軽くなったから、もっとフワフワして、気持ちいいね。 いいんだよ、力が抜けても。 何も考えなくていいんだよ。 ほら。足の指先から、なんだかあたたかい感覚がこみ上げてきたね。 それは脱力感をも混じった、ぽかぽかとした感覚。 すーっと、足の力が抜けていく。 今度は腰のあたりまでこみ上げてきたね。 だんだん力も抜けていく。抜けていく。 腰のまわりから、ポカポカとしたあたたかい感覚がやってくる。 あたたかくて、気持ちいいね。 ぽかぽかとした、あたたかい感覚がやってくる。 そのぽかぽかとした脱力感は、やがて背中にまでやってくる。 背筋の力が抜けるとね、ぽかぽか、ぽかぽかとしてくるの。 そしてキミのおなか。手、胸まであたたかさが包み込む。 キミが私に抱かれているみたいに。 なんだか、安心感も体を通じて駆け巡る。 まるで、昔お母さんと一緒に、見守られながら眠るかのように。 人に見守られるということは、なんだか安心できるね。 安心できるから、眠れるね。 大丈夫だよ。 私がキミのそばにいるから。 私が、見守ってるから。 (あくび) なんだか私も眠くなっちゃった。 頭もふわふわしてきちゃったな〜。 私、眠いからもう帰るね。 なんか、寂しくなっちゃうね。 だけど、また眠れなくなったら、また私を呼んで。 そしたら、私が寝かしつけてあげるから。 それじゃあね。 おやすみ。 文字数:2,583文字